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エントリーNo.10 天栄村立湯本中学校

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印刷用ページを表示する 掲載日:2023年2月1日更新

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取組名:天栄村湯本の資源を活かしたアントレプレナーシップ教育で地域に遺す

令和4年度で閉校となる本校では、令和3年度より総合的な学習の時間を中心にアントレプレナーシップ(起業家精神)教育を取り入れ、湯本地域における新しい価値を創造する模擬起業体験を行っています。
全校生徒2名が地域や関係者と密接につながっており、この強みを生かして地域の魅力発掘や課題解決のための探究学習を推進してきました。
昨年度はクッキーや和菓子といった商品の企画・開発・販売に取り組み、今年度はさらにSDGsや地域との連携強化の視点を取り入れた活動を展開しています。
活動の趣旨に賛同した地元生産者及び製造・販売業者の協力の下、地産地消を意識し地元産野菜の消費にこだわるとともに、規格外野菜の利活用や環境に配慮したパッケージを採用する等、新たにクッキーとパンを開発しました。
また、今年度末で閉校となる本校としては、最後の卒業生が考案した当商品が各製造・販売事業者で今後も継続して商品化され、湯本地域の魅力の発信源となり、高齢化や人口減少の顕著な当地域の活性化のための呼び水となるよう、普及及び販売戦略も工夫しています。

取組のアピールポイント

令和3・4年度の2年間にわたり、総合的な学習の時間を中心に起業家精神(アントレプレナーシップ)教育として地域との密着した学習の過程を通し、その地域の持つ魅力を(再)発見し、過疎地域の創生に寄与しています。
また、全校生徒2名で地域や関係者とのつながりが非常に密接な極小規模校である強みを生かし、生徒の活動を中心に地域のヒト・モノ・コトを最大限活用するとともに、新たな気付きや役割を与えています。
あわせて、地域の魅力発掘や課題解決を生徒自らが探究することで地域全体と学校が一体となって学びを推進し、その上で協働する関係者の枠を徐々に広げました。
そのため、学校、行政、事業者、住民、関係人口を巻き込んだ、地域の可能性を高めるネットワーク形成への高い波及効果もねらっています。

取組を始めたきっかけ

令和3年度からのアントレ教育からの実践を生かし、令和4年度は、「SDGsをさらに明確に意識」、「地元の方々とのつながりを意識」、「地元の特産品などを有効活用」という3つの観点を取り入れ、地元農家や製造事業者、販売事業者との連携をさらに推進させ、地元野菜をふんだんに採用するとともに、規格外野菜の活用さらにはプラスチックごみを減らすためリユース可能なパッケージへの挑戦等、新しい商品(クッキーやパン)を企画開発しました。

取組を進める上での課題

湯本地域の特色を生かした商品開発であることはもちろん、アントレ教育として証券業者、栄養士、製造業者、広告代理店、小売店の協力や参画により常に経営者の視点で商品の設計は行われています。
今後、本校から手を離れても自立しうる商品であるとともに、当学習の成果自体が、当湯本地域の少子高齢化という課題解決の糸口や自然環境保全への気運を高めるなど、その影響力も大きく貢献しています。
今後の意思継承のため、地域でのキーパーソンや連携をどのように見出していくかが現在の課題であり、年度内に可能性を探っていきます。

今後の展望

今年度当校は、地域の中学校として惜しまれつつも閉校となります。
当事業で繋いだ「地域の人々のネットワーク」や「地域の新しい六次化商品」は、今後地域に引き継がれ、各事業者や地域住民の手によりさらにイノベーションされ新たな価値として創造されていきます。
湯本中学校は、教育機関としての歴史は途絶えてしまいますが、今後も地域の方々の中において単に歴史の1ページや過去のものとしてではなく、湯本地域の未来に貢献する湯本中スピリットとしてその歴史を途絶えさせることなく継承されていきます。
その有効的な手段の一つに、当アントレ教育が位置しています。

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