2016年6月定例会 一般質問 長尾トモ子議員
議員 | 長尾トモ子議員 |
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所属会派 (質問日現在) | 自由民主党 |
定例会 | 平成28年6月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 6月29日(水曜日) |
31番(長尾トモ子君)自由民主党、長尾トモ子です。
1986年4月26日、今から30年前、チェルノブイリ原発事故が発生いたしました。私たちは、遠い国の出来事と思い、忘れかけていた五年前、突然襲った東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所事故が起きました。福島県には10基、全国で55基の原子力発電所があっても、安全神話を信じ切って生活していただけに何をどうしたらいいかわからず、戸惑い、夢中で対策をしていたあのときのことが今でもありありと目に浮かびます。
この5年間、福島県はあらゆる面で世界の英知をもとに少しずつ着実に復興の歩みを進めてまいりました。特に放射線対策において、環境放射線測定、食品放射線測定、子供たちの体を放射線から守るなど、いろいろな面でチェルノブイリ事故を通して学ばせていただいたことも多くあります。
そこで、県は過去の原子力災害から何を学び、福島の復興に取り組んできたのかお尋ねします。
また、福島原発事故により、未来を担う子供たちの健康面、特に運動の機会や学びなどについて、私たちや福島県が真剣に取り組んできた事故の翌年、私は科学者でもあるベラルーシ国の在日セルゲイ大使と出会いました。
25年前にチェルノブイリ事故が起きたとき、世界中でベラルーシ国の子供たちを保養させてくれたり、日本も医療面で支援してくれたお礼として、福島の子供たちを招待したいという話をいただき、毎年30人分を国家予算で、昨年からはベラルーシ国のゲームソフト会社の協力で90人の子供たちを招待していただき、ことしで5年目となります。
ベラルーシ国は9百万人の人口で決して豊かな国ではありませんが、子供たちのために千人規模の子供教育保養施設ズブリョウノックで、教育省のプログラムに従って、多くの子供たちとの交流、スポーツや工芸活動、世界遺産の観光、そしてホールボディー、甲状腺検査設備があり、子供たちのため心身の健康づくりをしております。
福島県にも、例えば自然の美しい猪苗代湖の周りに、長期にわたり子供たちの健康を守り、他県や外国の子供たちと交流を深めることができる子供教育保養施設といったものがあれば、原発事故に苦しんできた福島だけに、子供の健康や教育に非常に有益であると思います。
しかし、今すぐ実現できないのであれば、県は原発事故の経験を踏まえ、子供の健康を守り、他県や外国の子供たちと交流を深めることができる施策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
未曽有の災害を受けた福島県ではありますが、県民一人一人の努力により、県民生活、商工業、農業、観光など、それぞれの分野で少しずつ元気を取り戻していると感じております。
こうした福島の現状や復興に向かって歩んでいる県民の姿を広く伝えることにより福島県に対する正しい理解を深めることにつながることから、積極的に情報発信することが必要であると思います。
そこで、県は福島の現状と魅力を広く伝えるため、情報発信にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
また、ことし4月14日に起きた震度七の熊本地震ですが、5年前のビッグパレットでの避難の様子が目に浮かび、被害に遭われた方々を思うときに心が痛みました。いろんな面で手探りの状態で試行錯誤しながらマニュアルをつくってきた福島県ですが、熊本地震に東日本大震災で経験した福島のノウハウをどのように伝えたのかお尋ねいたします。
次に、原発事故避難者支援についてお尋ねします。
復興公営住宅では、75歳以上の高齢者や障がいのある方が優先的に入居できるようになっているようですが、入居された方々を見ると、高齢者世代が多いところもあります。自治会で活動できる人が少なくなってしまうので、配慮してほしいなどの声が聞かれております。復興公営住宅においては、コミュニティー形成の上からも世代の異なる人々が入居することが望ましいと思います。
そこで、県は復興公営住宅の入居者募集に当たりどのような点に配慮しているのかお尋ねいたします。
また、仮設住宅や復興公営住宅入居者でどうしても部屋にこもりやすく、生活不活発病や孤独死が起こりやすいとも聞いております。県は生活支援相談員とコミュニティ交流員で役割分担をして対応しているとお聞きしておりますが、支援者との信頼関係や相談を受ける人のスキルアップも必要です。
そこで、県は見守り活動の充実にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。
次に、子供を取り巻く環境についてお尋ねします。
新体操競技は体を使っての芸術です。先日ベラルーシ国から新体操でロンドンオリンピック銀メダリストだったコーチとヨーロッパジュニア新体操1位の選手2名が来県し、郡山において福島県の新体操女子100人以上が指導を受けたそのときの子供たちの目の輝きは驚くほどでした。
本県は、スポーツ振興と地域活性化のため、ふくしまスポーツアンバサダー制度を創設したところでございますが、子供たちがすばらしい競技を見たり指導を受けることは競技力向上にもつながります。そのためにも運動ができる施設や設備とあわせ、専門競技の体育の先生の採用にも配慮が必要だと思います。県教育委員会は体育教員の採用についてどのように取り組んでいるのかお尋ねします。
また、保健の授業では、体の仕組みや健康で生活するための大切な内容が多くあり、最近東京都の中学校でここ何年間か保健の座学がなかったことが発覚いたしました。
本県の子供たちにとっては放射線の影響による体力の低下や肥満の増加など健康課題がある中、本県が独自に放射線教育や体育担当者研修会などを実施していることは子供たちが生涯を通じて健康な生活を送る上で大事なことです。
また、保健の分野には妊娠、出産などの生命にかかわわる大切な内容も含まれていることから、本県の公立小中学校における保健の授業について、現状と県教育委員会の今後の取り組みについてお尋ねいたします。
来月21日からの夏休みにあわせ、福島県環境創造センター交流棟がオープンすることになりました。5年前の原発事故による放射性物質拡散で屋外活動が制限されたり苦しい思いをした福島の子供たちが放射線について正しい知識を得、今後の福島を支える力となることに大きな期待が寄せられています。
同時に、郡山にあった環境センターや大熊町にあった原子力センターの機能を合わせた施設だけに、今後の環境学習や研究成果に大きな注目を浴びていくことと思います。
そこで、環境創造センターを本県の環境回復・創造にどのように役立てていくのかお尋ねします。
また、福島県はこれまで県内の教育文化施設や歴史、自然などを活用した体験学習を中心に教育旅行の誘致を全国に呼びかけてまいりました。今回できた環境創造センターを初め県内の教育学習施設等を連携させて、教育旅行として県外の教育関係者等にアピールすることも大切だと思います。
そこで、県は環境創造センター交流棟などの教育学習施設をどのように教育旅行の回復に生かしていくのかお尋ねいたします。
福島県は、原発事故により今なお9万人以上が県内外への避難を余儀なくされており、その一方で、少子高齢化の波は過疎・中山間地域を中心として大きく進むことが予想されます。そうした中、福島の現状を考えると、今までのような教育のあり方を見直す時期に来ていると私は考えます。
そこで、次の2点について県教育委員会にお尋ねいたします。
まず、過疎・中山間地域における今後の公立小中学校のあり方についてどのように考えているのか。
また、過疎・中山間地域における今後の県立高等学校のあり方についてどのように検討していくのかお尋ねいたします。
次に、女性が輝き活躍できる社会づくりについてお尋ねいたします。
先月30日、女性が輝く社会づくりシンポジウムが開催され、元厚労省事務次官の村木厚子氏の基調講演や知事を交えてのパネルディスカッションがあり、これからの人口減少社会における女性力などについてさまざまな意見交換がなされ、すばらしいシンポジウムだったと聞いております。
昨年8月31日には、働きやすい環境づくりのためにイクボス宣言をした内堀知事ですが、県のトップとして、知事は女性が輝き活躍できる社会づくりにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
平成に入り、社会全体が女性の雇用について考え始めた25年前、郡山食品工業団地が企業内保育園をつくり、全国から注目を浴びたことがあります。その後は、病院以外は取り組みが少なくなってきておりましたが、最近、働く女性応援のため東邦銀行やホテル華の湯に企業内保育園ができ、新聞等で話題となっております。女性が働きながら子供を生み育てていくためには、職場の人が理解、協力し、働きやすい環境づくりをしていくことが必要です。
そこで、県は女性が働きやすい職場づくりのためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
子育てや介護をしながら女性が働き続けるためには、それを支える保育士や介護士が必要です。せっかく県内の大学や専門学校で資格を取っても、卒業すると給料が高く条件のよい首都圏に勤めてしまいます。このような人材を県内に定着させるためにも、3年間の家賃補助を行うなど県独自の制度をつくり、人材確保をしていくことも必要と思います。
そこで、県は保育士の確保にどのように取り組んでいるのか、また、介護人材の育成にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
次に、産業振興及び観光についてお尋ねいたします。
福島県は平成14年ごろから医工連携に力を入れており、今や医療機器の部品生産額が全国1位となりました。私の地元である郡山市富田町には、この秋、医療機器開発支援センターが開所予定であり、これからの福島を支える主力産業となることを期待しております。
そこで、ふくしま医療機器開発支援センターの開所時期と今後どのように事業を推進していくのかお尋ねいたします。
また、この施設は国家戦略においても重点施策と位置づけられている研究開発拠点であり、今後いろいろな医療産業分野の関連企業の進出が見込まれます。そのためには、周辺地域の土地開発を進めるとともに、将来に向けて同敷地内にある仮設住宅についても考えていく時期であると私は思います。
そこで、県は旧農業試験場本場跡地及び隣接県有地の土地利用についてどのように考えているのかお尋ねいたします。
また、震災及び原発事故後、原子力に依存しない再生可能エネルギー先駆けの地として、産業技術総合研究所、イノベーション・コースト構想、ロボットテストフィールドなど新たな産業創出に力を入れております。
先日の郡山北工業高等学校のコンピュータ部の5年連続世界大会出場や、テクノアカデミーや専修学校などの産業技術教育の向上により、若者の福島復興に対する意識が高まっていることについて心強く感じております。
また、来春南相馬市小高区に小高商業高校と小高工業高校を統合して開校する(仮称)小高産業技術高等学校には今から大きな期待が寄せられております。
そこで、県教育委員会は本県の未来を担う産業人材を育成するため、(仮称)小高産業技術高等学校においてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
文化庁は、東京オリンピック開催までに100件の日本遺産を認定することとなり、今回本県から猪苗代湖と安積疎水、会津の仏教文化33観音めぐりが選定されました。政府は、日本遺産をアピールし、地方に観光客を呼び込む構想であるようですが、県は日本遺産を生かし、どのように観光誘客に取り組むのかお尋ねします。
また、東京オリンピックまでインバウンドで4千万人の訪日外国人旅行者の受け入れを目標にしておりますが、福島県は首都圏にも近いため、福島空港を利用し、来日する人も多くおります。このところ、ベトナム、台湾などからのチャーター便が福島空港を利用し、福島から首都圏、東北と訪日外国人旅行者が多くなっております。
そこで、県は外国人観光客の受け入れ態勢の整備にどのように取り組んでいくのか。また、そのためにも2020年までには福島空港の滑走路を3千メートル級に延長することが必要だと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
最後に、土木行政についてお尋ねします。
平成2年からたった一人で逢瀬川のごみ拾いをしていた撞井恒夫さんの後を引き継ぎ、私は平成14年から逢瀬川ふれあい通り実行委員として河川活動に取り組んでまいりました。この15年間、多くの愛護団体が河川の環境整備を行っており、活動してくださっている方々に心より敬意を表します。今後とも良好な河川環境を保つためますます地域の方々の協力を得る必要があると思います。
そこで、河川の環境整備を行う団体の活動への支援が必要であると思いますが、県の考えをお尋ねします。
また、逢瀬川の大窪橋かけかえ工事計画から10年以上目に見えた改修が進んでおりません。
そこで、県道荒井郡山線大窪橋工区について整備状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
また、郡山市富久山町交差点とうねめ通りを結ぶ東部幹線の工事ですが、この道路は県道荒井郡山線との交差点から北側が県、南側が郡山市で整備をしていると聞いております。市施工については磐越西線や逢瀬川をまたぐ橋など工事量も多く、しばらく時間がかかることと思います。せめて県施工分だけでも完成すれば周辺の交通混雑がかなり解消され、住民生活の安全・安心が確保されるものと思います。
そこで、県が実施している都市計画道路東部幹線について、整備状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
復興に向けての事業も大切です。しかし、通常の事業にもしっかり目を向け予算化していただくことをお願いし、質問を終わります。
副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)長尾議員の御質問にお答えいたします。
女性が輝き活躍できる社会づくりについてであります。
先月、さまざまな分野の第一線で活躍をされている女性の皆さんとお話をする機会がありました。その中で、女性により力を発揮していただくためには、子育て支援に代表される制度面の充実はもとより、男性、女性双方の意識の改革、働き方の見直しや人材育成、そして何よりトップの姿勢が大切というお話をお聞きし、改めて、私みずからが行動を起こすことが重要であるとの思いを強くいたしました。
このため、昨年のイクボス宣言に続いて、先日、今まさに子育てに奮闘している男性職員とその上司と直接面談をし、育児休業を取得しやすい環境づくりをさらに進める取り組みをスタートいたしました。
また、本県を復興に導き、地方創生をなし遂げるためには女性の力がぜひとも必要なことから、来月には官民一体となって新たに(仮称)ふくしま女性活躍応援会議を立ち上げ、さらに取り組みを進めていくことを宣言したいと考えております。
女性が輝き活躍できる社会づくりは、まさに一歩を踏み出したところであり、その実現に向けて力を尽くしてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。
情報発信につきましては、さまざまな広報媒体やフェイスブック等の活用に加え、県民の思いを伝えるアニメーション動画や全国紙及び地元紙への全面広告等により、本県に関心を寄せ、理解を深めてもらう広報に努めてまいりました。
今後も復興に向けて挑戦する県民の姿を伝える広告を全国紙に掲載するほか、首都圏の学生を対象としたスタディーツアーや国内主要都市でのフォーラムを実施し、復興の状況、食や観光の魅力を直接伝えるなど、より伝わる、より共感が得られる情報発信に積極的に取り組んでまいります。
次に、旧農業試験場本場跡地等につきましては、農業総合センター畜産研究所養鶏分場及び県中家畜保健衛生所の移転や、ふくしま医療機器開発支援センターの整備、JR磐越西線の新駅着工など土地利用に変化が生じてきており、このような状況を踏まえ跡地の有効活用が図られるよう、地元郡山市の意向も伺いながら検討していく必要があると考えております。
危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。
熊本地震の被災地へのノウハウの提供につきましては、熊本県に対し、県と市町村との意思疎通のため、本県と同様、管理職を市町村に派遣するよう提案したほか、本県作成の避難所運営マニュアルの提供や避難所の環境の改善に向けたパーティションの導入などを実現してまいりました。
また、仮設住宅の用地選定や借り上げ住宅制度の構築などに経験者を派遣するなど、医療・福祉分野も含め、市町村や関係機関の協力も得ながら、261人の派遣により本県が積み重ねてきたノウハウをお伝えしてきたところであります。
企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。
原子力災害からの福島の復興につきましては、健康管理や風評対策など過去の原子力災害を通じてさまざまな分野で蓄積された世界の技術と知見を生かし、県民の安全・安心の確保を最優先に、子供の甲状腺検査の実施や空間線量率のきめ細かなモニタリング、農林水産物などの放射性物質検査の徹底と正確な情報発信に取り組んでまいりました。
引き続き復興の基本理念である原子力に依存しない安全・安心な社会づくりのもと、復興に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
環境創造センターにつきましては、原子力災害からの環境回復と県民が将来にわたり安心して暮らせる環境を創造するため、環境放射能等のモニタリングや調査研究、そして来月開所する交流棟における子供たちへの放射線等に関する学習支援や本県環境に関する情報発信などの機能を持つ施設として整備してまいりました。
今後は、センターに招致した日本原子力研究開発機構や国立環境研究所を初めとする関係機関との連携を密にし、本県の環境回復・創造を図る拠点として、その機能が十分発揮できるよう取り組んでまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
避難者の見守り活動の充実につきましては、避難者一人一人の悩みや課題に寄り添い、その支援ニーズを的確に把握し、関係機関の相互連携のもと、適切な支援を行うことが重要であります。
このため、被災者生活支援調整会議を昨年度設置し、県内八地区において関係団体や行政機関が連携し、情報を共有しながら支援におけるきめ細かな調整を図っております。
また、今年度は生活支援相談員に向けて避難者との信頼関係の育み方などの各種研修を行うこととしており、こうした取り組みを通して今後も避難者の見守り活動の充実に努めてまいります。
次に、介護人材の確保につきましては、介護施設等の新規採用職員への家賃補助や就労支援金の助成を初めとして、学生向けに介護職員初任者研修の講座を開設するなど多岐にわたる取り組みを実施しております。
今年度からは新たに介護福祉士修学資金等の貸付対象に国家試験受験対策費用等を加えるとともに、介護職員初任者研修事業を実施する市町村に対して経費の補助を行うなど、資格取得に向けた支援を拡充したところであり、今後とも介護人材の確保に向け積極的に取り組んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
女性が働きやすい職場づくりにつきましては、これまで働く女性応援中小企業認証を推進し、職場環境づくりに取り組む企業に対する助成制度を設けるとともに、経営者や管理職等向けのセミナーを実施してまいりました。
今年度はキャラバンによる普及啓発活動を県内各地で行うほか、女性のリーダーを養成する実践的なセミナーやイクボスの普及拡大を図るため、経営者向けの講演会を開催するなど、女性が働きやすい職場づくりに向け、さらなる取り組みを進めてまいる考えであります。
次に、医療機器開発支援センターにつきましては、現在順調に工事が進んでおり、本年11月に開所する予定であります。
同センターでは、海外の規格にも対応した安全性評価や医療従事者向けの機器の操作研修、ビジネスマッチングなど、医療機器の開発から事業化まで一貫した事業を展開することとしており、今後は開所に向け8月に東京でプレイベントを開催するほか、関係学会や展示会への出展等、あらゆる機会を通してセンターの広報に努め、利用者の確保を図ってまいる考えであります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
復興公営住宅の入居者募集につきましては、集合住宅の一階の部分を高齢者や障がい者等のための優先住宅として、2階以上の部分は一般住宅として、さまざまな世代を対象に募集しております。
また、避難している市町村ごとや複数世帯によるグループでの申し込みを受け付けており、引き続き多様な世代の入居とコミュニティーの維持形成に配慮した募集に努めてまいります。
次に、福島空港の滑走路を3千メートル級に延長することにつきましては、これまでの国際チャーター便の利用実績の主流である東南アジアからは現在の2千5百メートル滑走路で十分に就航可能であり、また、事業の規模が大きく整備には長期間を要するため、現段階においては延長は困難であると考えております。
次に、河川の環境整備を行う団体に対する支援につきましては、これまでも活動時の事故に対応した保険への加入やうつくしまの川・サポート制度により活動に必要な用具の提供等を実施してきたところであります。
今後とも清掃・美化活動への参加を促進し、良好な河川環境を保つため、サポート制度の普及啓発を図るとともに、各団体が意欲を持って活動していただけるよう、団体ごとの活動内容に応じた資機材を柔軟に提供するなど支援の充実に取り組んでまいる考えであります。
次に、県道荒井郡山線大窪橋工区につきましては、これまで逢瀬川の河川改修にあわせ、延長266メートルの区間について、地域の合意形成を図りながら用地取得や工事を実施してまいりました。
今年度は残る用地の取得に努めるとともに、大窪橋の右岸側橋台等の工事に着手することとしており、引き続き道路利用者の安全を確保するため、早期完成に向け整備を進めてまいります。
次に、都市計画道路東部幹線の整備につきましては、全体計画820メートルについて平成16年度から事業に着手し、昨年度末の進捗率は約82%となっております。
引き続き市街地の渋滞緩和と地域住民の安全・安心が確保できるよう、残る用地の取得と工事の推進に努め、平成30年代前半の完成に向け重点的に整備を進めてまいります。
こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。
子供の健康、子供たちの交流に係る施策につきましては、これまでも屋内遊び場の整備や子供たちの豊かな人間性と生きる力を育むための多様な交流活動を支援してまいりました。
今年度からフォレストパークあだたらを活用し、子供たちの屋外活動の推進に取り組むとともに、県内における高校生と海外の若者との交流を支援してまいります。
今後もこれらの施策を通じて、本県の未来を担う子供たちが心豊かにたくましく育つよう積極的に取り組んでまいります。
次に、保育士の確保につきましては、保育士の県内定着と安定した確保のため、保育士養成施設に在籍している学生に修学資金の貸し付けを行っております。
また、保育の仕事により関心を高めてもらうため、福祉の職場合同就職説明会を活用した就職相談や情報提供、保育所職員による仕事のやりがいの紹介など、さまざまな取り組みを行っているところであります。
さらに、勤務環境の改善に積極的に取り組み、保育士の負担を軽減する事業者を支援することとしており、こうした取り組みを通じて保育士の確保に努めてまいります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
環境創造センター交流棟などを活用した教育旅行の回復につきましては、本県ならではの環境教育が加わることにより、教育旅行先としての本県の魅力が一層高まるとともに、正確な情報が子供たちや教員などに伝わることによる風評払拭の効果も期待されます。
今後も、福島だからこそ可能なモデルコースを作成し、1千カ所を超すキャラバンや保護者等向けのモニターツアー、学校関係者の会議など、さまざまな機会に本県の教育的効果の高さを直接伝え、教育旅行の再生に粘り強く取り組んでまいります。
次に、日本遺産を活用した観光誘客につきましては、国において東京オリンピック・パラリンピックを見据え、訪日外国人旅行者の全国各地への誘客が図られるよう日本遺産の認定を進めており、本県の2件の認定は、歴史や文化を初めとしたさまざまな魅力を発信する上で大きな効果があるものと考えております。
このため、日本遺産の魅力を地域の皆さんとさらに磨き上げるとともに、観光情報誌やホームページ、旅行フェア等を通じ、仏教文化や産業遺産に関心の高い国内外の方々にお伝えし、観光誘客につなげてまいる考えであります。
次に、外国人観光客の受け入れ態勢の整備につきましては、現在延べ140名の方が登録しております福島特例通訳案内士の育成や観光施設等における外国語表記への支援に努めてきたところであります。
今後は、新たに翻訳アプリケーションを活用し、旅館等において接客業務等を行う国の実証事業に取り組むとともに、観光施設の詳細情報や二次交通の利用案内を動画共有サイトを活用して発信するなど、外国人の目線に立った受け入れ態勢の整備に努めてまいる考えであります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
体育教員の採用につきましては、教科の専門性や実技指導力を重視の上、選考しているところであり、県立高等学校における現在の主な専門競技別の人数は、陸上が52名、バスケットボールが43名、野球が39名などとなっております。
引き続き教員採用試験においては、筆記試験等に加え、サッカー、ダンス、水泳、柔道などの14種目から成る実技試験の中から3種目を選択させ、実技指導に必要な力量を評価することにより、専門性の高い体育教員の採用に努めてまいります。
次に、本県の公立小中学校における保健の授業につきましては、学習指導要領に沿って適正に実施されていることを確認しております。
今後とも医師、薬剤師等の専門家の派遣や本県が独自に作成した放射線等に関する指導資料の活用などを通して授業の充実を図り、生涯を通じてみずからの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力を育んでまいる考えであります。
次に、公立小中学校の今後のあり方につきましては、学校が子供たちの学びの場であるとともに、特に過疎・中山間地域においては地域コミュニティーの核としての役割も大きいことから、設置者である市町村が地域の実態を踏まえ、計画的に検討しているところであります。
県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会の意向を尊重しながら、小中一貫教育やICT教育の推進など教育内容の充実についての助言等を行い、地域とともにある学校づくりを積極的に支援してまいる考えであります。
次に、今後の県立高等学校のあり方につきましては、生徒が地域でボランティア活動を行ったり連携して伝統行事を支えるなど、学校が地域にとって大切な存在となっており、本県の面積の約8割、人口の約3割を占める過疎・中山間地域においては、その視点を踏まえた検討が必要であると考えております。
今後は地域の特殊性や生徒の志願動向等も考慮しながら、過疎・中山間地域の県立高等学校のあり方について検討してまいります。
次に、(仮称)小高産業技術高等学校につきましては、小高商業、小高工業の両校に設置している流通ビジネス科、機械科、電気科に加え、新たな産業への対応も見据えて、ICTや電子制御など4つのコースから成る産業革新科を設置することとしております。
また、カリキュラムにおいては、インターンシップなどの現場実習のほか、ロボット工学や再生可能エネルギー分野の学習にも力を入れるなど、特色ある教育を展開しながら専門的な知識と技術と身につけ、イノベーション・コースト構想にも寄与し、地域社会に貢献できる人間性豊かなスペシャリストを育成してまいります。