2016年6月定例会 代表質問 渡辺義信議員
議員 | 渡辺義信議員 |
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所属会派(質問日現在) | 自由民主党 |
定例会 | 平成28年6月 |
質問等 | 代表質問 |
質問日 | 6月24日(金曜日) |
40番(渡辺義信君)自由民主党、渡辺義信です。6月県議会定例会に当たり、自由民主党を代表して質問をいたします。
これまでの集中復興期間から、新たなステージとして復興・創生期間がスタートいたしました。平成28年度以降5年間の復興・創生期間における復興財源については、被災地全体で6.5兆円程度が確保されておりますが、原子力災害に直面する本県の復興はいまだ途上にあり、時間の経過とともに加速する風化など課題が山積する一方で、震災から6年目、7年目となれば、各年度の財源確保はより厳しく精査されることが予想されるところであります。
そこで、復興財源の確保に向けた取り組みをさらに強化すべきと思いますが、知事の考えを伺います。
次に、風評・風化対策についてであります。
本県ではいまだに風評が残り、同時に風化が進んでいる状況にあり、農産物の価格や観光客は震災前の水準まで戻っておらず、農業、商工業、観光業など県民の生活に大きく影を落としています。特に、海外においては多くの国々で輸入規制が続くといった厳しい状況があります。
こうした中、知事は国内のみならず、海外においても風評の払拭、風化の防止に向けトップセールスに取り組んでおり、今月にはタイ、マレーシアを訪問し、福島の魅力や現状を広く伝えたところです。
そこで、風評払拭及び風化防止に向けた海外におけるトップセールスの効果について、県の考えを伺います。
次に、福島第一原発の廃炉に向けた取り組みについてであります。
福島第一原発の事故から5年3カ月が過ぎておりますが、その間、汚染水対策を初めとするさまざまな廃炉に向けた取り組みが進められております。
先日、福島第一原発を訪れ、構内の状況を視察しました。事故当初は線量が高く、作業員は皆全面マスクを着用して作業をしておりましたが、今では放射線量が低減し、原子炉建屋の周辺以外は簡易マスクで作業できるようになっており、廃炉の取り組みが進んでいると実感したところであります。
そこで、県は廃炉・汚染水対策の進捗状況をどのように捉え、どのように対応していくのか伺います。
また、今月16日、原発事故当時の炉心溶融をめぐる東京電力の第三者検証委員会の報告書が公表されました。当時の社長が「溶融」を使うなと指示し、その指示の背景には首相官邸の関与が推認されるという許しがたいものであります。公表の翌日、我が自民党福島県連は東京電力本社を訪問し、菅元総理とは直接面会し、また、自民党本部を訪問し、真相究明と福島県民への情報公開を訴えてまいりました。国及び東京電力は、徹底した原因究明と対策を実施すべきです。
当時の首相官邸からの指示があったのか否かを明らかにし、東京電力の隠蔽体質が改善されなければ、長くストレスに耐えている福島県民は納得するはずもなく、今後の廃炉作業にも不安を抱かずにいられません。
そこで、県は東京電力の炉心溶融の公表問題について今後どのように対応するのか伺います。
次に、中間貯蔵施設についてであります。
本年3月にパイロット輸送が終了し、今年度は約3倍の15万立米程度を輸送する計画となっておりますが、なお県内各地に除去土壌等が残る現状が憂慮されます。
このため、我が党では5月23日に大熊・双葉両町に学校など子供の身近な場所で保管されている除去土壌等を最優先として、中間貯蔵施設への搬入を進めるため、施設予定地内の町有地の提供について要請し、大熊町に容認いただくとともに、双葉町においては住民の皆さんの意見を伺う場を設けるなど検討がなされております。
そこで、県は中間貯蔵施設予定地内の町有地を活用した学校等からの除去土壌等の早期の搬出に向けどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、森林における放射性物質対策についてであります。
本年年明けに我が自民党県連が行った森林全体の除染や本県森林・林業の再生などを求める緊急要望などを受け、国は関係省庁によるプロジェクトチームを立ち上げ、「福島の森林・林業の再生に向けた総合的な取組」を取りまとめたところであり、この取り組みの着実な実行が求められます。
総合的な取り組みにおいては、避難指示区域やその周辺の地域において、里山再生モデル事業に取り組むとされており、住民不安の解消のためにも、関係市町村と連携した事業の推進が何より重要と考えるところであります。
そこで、里山再生モデル事業の推進に向け、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、避難地域の復興再生についてであります。
避難指示の解除は今月の葛尾村、川内村に続き、来月にも南相馬市が決定されているほか、飯舘村においても平成29年3月31日に解除することが決定されたところであり、帰還先の医療体制を初めとした生活環境整備など、避難地域の復興をさらに加速していく必要があります。
避難地域においては各市町村の置かれている状況もさまざまであり、単独の市町村では解決が困難な課題が山積しております。
そうした中、昨年7月に取りまとめられた福島12市町村の将来像に関する有識者検討会提言には、医療や地域公共交通など広域的な連携の必要性について盛り込まれているところであり、将来像実現のためのフォローアップ体制も構築されたところです。
私は、復興を加速するためには県が広域自治体としての役割をしっかりと発揮し、広域的な連携によって課題を解決していくことが極めて重要であると考えます。
そこで、県は避難地域の復興再生に向け広域自治体としての役割をどのように果たしていくのか伺います。
また、県ではアーカイブ拠点施設設置を主体的に進めることとし、今年度基本構想の策定に着手したところであります。
本県は東日本大震災と原子力災害により、福島全域にわたって、健康、仕事、暮らしなどあらゆる面で困難な状況に直面しながらも、粘り強く復興再生に向けて県民一丸となって取り組んでおります。
私は、この甚大な災害の経験、復興への歩みを正確に伝えていくことがアーカイブ拠点施設の使命であると思いますが、そのために市町村を初め多くの関係機関としっかりと連携し、後世に伝えていく必要があると考えます。
そこで、アーカイブ拠点施設の整備について市町村や関係機関との連携が必要と思いますが、県の考えを伺います。
また、復興祈念公園については、昨年4月に候補地が双葉・浪江両町に跨がるエリアに決定されたところであります。
また、県は昨年10月には有識者会議を立ち上げ、公園のあり方についての検討を進め、パブリックコメントなどにより広く県民の意見を聞き、「福島県における復興祈念公園のあり方」を取りまとめ、先般知事から復興大臣に対し、直接提言書が手渡されました。
復興祈念公園は県の復興計画においても重点プロジェクトの取り組みとして位置づけられており、本公園が整備される双葉・浪江両町だけでなく、本県における復興のシンボルとして重要な役割を果たしていくものと考えております。
そこで、県は復興祈念公園の整備に向けどのように取り組んでいくのか伺います。
また、2月に楢葉町にふたば復興診療所が開設されましたが、検査や手術が必要な重症者には対応しておらず、各地の避難指示解除が進む中、住民帰還を見据えた医療提供体制の整備は急務であります。
特に、先月4日に発生した常磐自動車道の重大事故では、双葉郡内に二次救急医療機関がないこともあって受け入れ先の確保に時間を要し、全員の搬送が完了したのは事故発生から四時間後となるなど、双葉郡の二次救急医療の整備は喫緊の課題となっていると考えます。
そこで、県は避難地域の医療提供体制の整備にどのように取り組んでいくのか伺います。
また、今後避難者の帰還を加速するためには、ふるさとに帰還する条件としてさまざまな生活インフラの整備が必要であり、とりわけふくしま復興再生道路等の道路整備が不可欠であります。
さらに、今年度から始まる復興・創生期間においても、これら道路整備を着実に進めるためには必要な財源を確保するとともに、道路整備の進捗状況を避難者にわかりやすく発信していくことが重要であります。
そこで、県は避難者の早期帰還に向け、道路整備をどのように進めていくのか伺います。
次に、避難指示解除等に伴う小中学校の再開についてであります。
東日本大震災の発生以来、避難指示等があった市町村の多くは、避難先において小中学校の運営を余儀なくされているところであります。
児童生徒数は震災前と比べて大きく減少しており、子供たちが安心と喜びを持って学ぶことができる魅力ある教育を行っていくことが大変重要であります。
そこで、市町村が地元に戻って小中学校を再開しようとする動きが相次ぐ中で、県教育委員会は避難指示解除等に伴う小中学校の再開に当たりどのようにして支援していくのか伺います。
次に、避難指示区域の解除を踏まえた治安対策についてであります。
今後順次避難指示が解除されることに伴い、避難者の帰還、災害復興公営住宅への転居等が進むものと思いますが、一方で、復興関連事業や除染により生じた除去土壌輸送が本格化するなど、避難地域では人口流動の動きが活発化しております。
復興が進展することは喜ばしいことでありますが、帰還を希望する避難者からすれば、震災前とは違う地域社会情勢に不安感を募らせている部分もあります。避難者が安心して帰還するためには、被災地の治安の安定、とりわけ住民に安心感を与えるような警察活動の展開が重要だと思われます。
そこで、避難指示区域の解除を踏まえた治安対策について県警察の考えを伺います。
次に、イノベーション・コースト構想についてであります。
イノベーション・コースト構想は、壊滅的被害を受けた浜通りの復興の起爆剤であり、地元からの期待も高いと考えております。さまざまな拠点の整備が予定されておりますが、単に拠点をつくるだけでは不十分です。関連産業の集積、新たな産業の創出、さらには質の高度化を伴いながら、産業復興に結びつけることが極めて重要であります。
そこで、県はイノベーション・コースト構想のさらなる推進のためどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
東京オリンピックの追加種目として、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの五競技が、8月に開催されるIOC総会において一括採択される可能性が出てまいりました。
県内では福島市、郡山市、いわき市が野球・ソフトボールの予選の誘致に名乗りを上げております。また、県内で4つの市と町がホストタウンに登録され、ほかにも検討している市町村があると聞いております。
いよいよ夏にはリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが開催されますし、県内においても東京大会への機運が高まっていくことと思われ、県として2020年に向けしっかりとさまざまな取り組みを進めていくべきと考えます。
そこで、県は東京オリンピック・パラリンピックに向け競技誘致や関連事業にどのように取り組んでいくのか伺います。
また、東京オリンピック・パラリンピックは、大震災と原発事故からの復興はもとより、県産農産物の魅力を全世界にアピールする絶好の機会だと考えております。
選手村など関連施設へ供給される食材について、農業生産工程管理、いわゆるGAPによる農産物が有力な調達対象との情報があり、また、県産農産物に対する消費者の信頼向上を図る上からも、安全性を客観的に評価できるGAPの取り組みを進めることが必要と考えます。
そこで、県は東京オリンピック・パラリンピックでの農産物の供給に向け、GAPにどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、県税の納付、申告等についてであります。
復興を加速化させるための各種施策を着実に進めていくためには、その財源の確保が必要不可欠であり、県の自主財源として根幹をなす県税収入の役割は一層重要なものとなっております。
県税収入を確保するためには、適正な課税と徴収に努めるとともに、納税者の利便性の向上も欠かせません。国税においては、口座振替やインターネットバンキングなどを利用した電子納税、コンビニでの納付が可能でありますが、県税においても納税方法の拡大が必要であると考えます。
そこで、納税方法の拡大について県の考えを伺います。
また、県内の市町村においては、法人市町村民税を中心とした税の申告、申請、届け出についてインターネットを介した電子手続が利用可能であり、全国の都道府県においても法人県民税及び法人事業税について電子手続の導入が進んでいる状況にある中、本県においては申告のみに電子手続が限定されております。
そこで、法人県民税及び法人事業税の申請、届け出の電子手続を早期に導入すべきと思いますが、県の考えを伺います。
次に、只見線についてであります。
平成23年7月の新潟・福島豪雨災害から間もなく五年が経過しようとしています。
只見線は地域住民の生活を支える基盤であるとともに、地域創生に取り組む奥会津地域にとって不可欠な路線であり、鉄道復旧が強く望まれます。復旧に当たっては多額の財源確保が課題となっておりますが、国会においては我が党が中心になり、只見線を災害復旧事業の補助対象とする鉄道軌道整備法の改正に向けて取り組んでおります。
こうした中で、先日JRを交え、県と沿線市町村による検討会が開催されました。さらなる負担を覚悟してでも鉄道復旧を望むとの地元の総意に対し、JRから初めて運行を継続するための案についても提示がありました。
JRの提案は、鉄道の運行を継続するためには運営費の地元負担が必要であるとの厳しい内容でありますが、私は一日も早い鉄道復旧を待ち望む沿線住民の期待に応えるためにも、県が沿線市町村の先頭に立って鉄道復旧を目指して、JRとの折衝に当たるべきと考えております。
そこで、知事はJR只見線の早期全線復旧に向けどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、野生鳥獣の被害対策についてであります。
本県ではイノシシを初めとして、ニホンジカ等の野生鳥獣の生息域が拡大してきており、農産物等への被害拡大のみならず、本県の宝である貴重な尾瀬の湿原を荒らすなど生態系に与える影響も問題となっております。
また、本来山野に生息し、警戒心が強いことから、夜間に活動するはずのイノシシが住宅地周辺を縄張りとして日中活発に活動するなどといった行動をとる事例が報告されております。ツキノワグマも同様に、本来の生息地から遠く離れた都市中心部での目撃情報も相次いでおります。
これらの鳥獣が人里へ出没するのを防止するとともに、農作物被害を防止するため、野生鳥獣の被害対策にどのような方針で取り組むのか、県の考えを伺います。
また、イノシシについては県民の関心も高く、昨年度より県も直接捕獲を開始したところですが、さらなる効果的対策を講ずる必要があると考えております。
そこで、県はイノシシの被害防止対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、少子化対策についてであります。
福島の復興を支えるのはこれからの若い世代であります。知事は福島県は震災後人口が約10万人減り、人口減少が全国で最も厳しい状況になったとの認識を示しました。我が県の少子化の問題については、この状況を踏まえ、数10年先を見据えてより大胆な取り組みを力強く行っていく必要があると考えます。
そこで、少子化対策にどのように取り組むのか、知事の考えを伺います。
次に、外国人観光客の誘客促進についてであります。
平成27年の訪日外国人旅行者が過去最高の1,974万人に達する中で、東北地方の外国人宿泊者数は50万人泊と、ようやく震災前の水準に戻ったものの、福島県においては風評被害などにより震災前の半分という厳しい状況であります。
そのような中、ことし3月に政府が東北の外国人宿泊者数を2020年には現在の3倍の150万人泊にするという目標を打ち出しました。その目標の実現に向け、国では観光復興関連予算を大幅に増額し、官民が連携して取り組みを進めることとしています。
外国人観光客を呼び込むことは、消費購買や本県観光地を訪れることで本県の姿を広く理解してもらうことが期待できるなど、本県の地域活性化と風評の払拭につながるものと考えております。今後外国人観光客のさらなる増加が見込まれることから、本県もインバウンド対策の充実が求められます。
また、福島空港の国際線が運休している一方で、成田空港や羽田空港からは多くの外国人観光客が入国しており、その方々にどうやって本県の観光と食の魅力を伝え、本県に呼び込んでいくのか、その取り組みが重要であると考えております。
そこで、知事は観光による地域活性化を図るため、外国人観光客の誘客促進にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、県内企業の取引支援についてであります。
県は再生可能エネルギー、医療、ロボット、航空宇宙関連の各産業を重点産業に位置づけ、手厚い補助制度などを活用し、新たな産業の育成・集積に取り組んでおります。
医療産業のように順調に成長している産業がある一方で、ことしに入ってから地元雇用者の割合も高く、長年地元で頑張ってきた会津や県南の工場で再編計画が発表されるなど、地元経済や雇用に大きな影響を与える動きが出てきております。
これからの成長が期待される産業を育成していくことは大事でありますが、自動車関連や電子機器などのものづくり企業が景気情勢に左右されることなく企業活動を続けられるよう、取引拡大等を支援していくことも大切であると考えます。
そこで、県は県内企業の取引支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、中小企業・小規模事業者の振興についてであります。
県内事業者のほとんどは従業員数五名以下、業種によっては20名以下のいわゆる小規模事業者であります。地域経済を支えるこの小規模事業者の重要性に鑑み、平成26年には国において小規模企業振興基本法が制定、施行されており、我が会派におきましては現在、小規模企業振興基本法の理念を具現化するため本県の中小企業振興基本条例の見直しも研究しているところであります。
この小規模事業者を取り巻く状況は、依然として根強い風評の影響など厳しい状態が続いており、中小企業・小規模事業者の持続的発展はもとより、今後廃業を余儀なくされる事業者も少なくないのではないかと懸念しているところであります。
そこで、県は中小企業・小規模事業者の振興にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、再生可能エネルギーについてであります。
県は県内エネルギー需要量の100%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出すといった目標を掲げておりますが、送電網の不足など、導入拡大を進めていく上でさまざまな問題を抱えている現状にあります。
このような中、国は福島新エネ社会構想実現会議を設置し、本県の再生可能エネルギーの最大限導入のため、国、県、電力事業者などが一丸となって取り組みについて検討を進めているところであります。6月16日には第2回会議が開催され、福島全県を未来の新エネ社会のモデル拠点とすべく、具体策について協議が進められております。
そこで、県はこの福島新エネ社会構想の実現にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、新たな木材需要の創出についてであります。
政府は我が国の再興戦略において林業の成長産業化を位置づけ、充実した森林資源の循環利用を強化し、国産材の供給を倍増することとしております。
木材の利用を拡大することは、本県の森林・林業・木材産業の復興・創生に向けた重要な取り組みであり、地域の雇用の創出や産業の活性化につながる、まさに林業による地方創生の取り組みであります。この取り組みを確実なものとするためには、県産材の新たな用途を開拓し、需要に結びつけていく必要があると考えます。
そこで、県は林業の成長産業化に向け新たな木材需要の創出にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、全国高等学校総合体育大会についてであります。
平成29年度全国高等学校総合体育大会は、昭和53年以来39年ぶりの本県開催となる国内高校生最高峰のスポーツ大会であり、多くの来県者が見込まれる大会であります。
依然として風評被害に苦しむ本県としましては、本大会を絶好の機会と捉え、本県の高校生の活力ある姿と本県の豊かな自然や伝統・文化等の魅力を広く全国に発信しなければならないと考えております。
そこで、県教育委員会は本大会に向け本県選手の育成強化と復興状況の発信にどのように取り組んでいくのか伺います。
県教育委員会は、3月に宇宙航空研究開発機構宇宙教育センターと連携協定を結び、県内の児童生徒の宇宙教育に重点的に取り組むと発表しました。
航空宇宙関連産業は本県復興の柱となるものであり、県内には航空部品製造の中核となる企業も立地しております。今後さらに企業の誘致を進め、航空宇宙関連産業の振興を図るためには、子供たちの宇宙への夢を育むとともに、理数系の学力やものづくりの力を備えた人材を県内において育成することが重要であります。
そこで、県教育委員会は航空宇宙関連産業などの先端技術の分野で活躍できる人材の育成にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、主権者教育の充実についてであります。
6月22日に公示されました参議院議員通常選挙が7月10日投開票の運びとなり、いよいよ満18歳以上の若者が選挙に参加し、投票できることとなりました。
本県の未来を担う若い方々がしっかりと投票し、その声を政治に反映させることは、少子高齢化が進む日本の明るい未来を築いていく上で大切なことであると考えております。
また、高校生の中にも有権者が在籍することとなったことから、学校における主権者教育がますます注目されております。主権者教育の充実を図ることは、長期的に見れば多くの世代が政治への関心を高めることにつながり、ひいては国民全体の投票率の向上も期待されるところであります。
そこで、県教育委員会は公立小中高等学校における主権者教育の充実にどのように取り組んでいくのか伺います。
以上をもちまして、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)渡辺議員の御質問にお答えいたします。
復興財源につきましては昨年6月に復興・創生期間の枠組みが決定をされ、その枠組みを前提に、毎年度の財源確保をより確実に進めていくことが重要であります。
複合災害に見舞われた福島の復興再生は、これからの5年間が正念場であります。
今後、避難指示解除の進展や帰還困難区域の見直しの動きを踏まえて、避難地域の復興に向けた取り組みを加速するとともに、イノベーション・コースト構想の実現に向け、ロボット関連産業等の新産業の創出や集積を着実に進めるほか、国内外への正確な情報発信に継続的に取り組むなど、第三次復興計画に掲げる取り組みを確実に実行に移していく必要があり、そのためには中長期的視点に立った財源確保が不可欠であります。
このため、国に対し、大震災から五年を経過した今もなお福島県全域で原子力災害が継続中であり、長期にわたり復興に取り組まなければならない本県の特殊性をしっかりと訴え、福島の復興再生に最後まで責任を持って対応するよう求めるとともに、福島復興再生特別措置法を初めとした制度の充実強化を含め、これまで以上に具体的な提案・要望を行い、毎年度の財源確保はもとより、復興に不可欠な財源が将来にわたり確実に措置されるよう全力で取り組んでまいります。
次に、JR只見線の早期全線復旧についてであります。
只見線が走る奧会津地域は、日本の原風景が残る歳時記の郷と呼ばれ、季節ごとに彩りを変える只見川と鉄道が織りなす景観は全国有数の美しさを誇っております。この3月には、東日本地区を対象に行われたJRローカル線の人気投票で、只見線の四季折々の絶景が評価され、第1位にランキングされるなど、高い注目を集めております。
只見線は経済効率だけでは決して語ることのできない、まさに地方創生のシンボルであり、宝であります。
災害から間もなく五年が経過をいたします。この間、県と沿線市町村はもとより、全会津の市町村が一体となって全線復旧に向けて経費を積み立て、さまざまな利活用策を展開する中で、JR東日本に対し、さらなる経費の負担を確保してでも鉄道復旧をなし遂げたいという地元の決意を示してまいりました。
その結果、先週末開催された協議の場において、こうした地元の思いを受けて、JR東日本からバス転換による復旧案に加え、地元が鉄道施設を所有し、JR東日本が運行を継続するいわゆる上下分離方式による鉄道復旧案が初めて示されたところであります。
県といたしましては、住民の皆さんの意見も伺いながら、この両案について早急に議論を深め、鉄道復旧にかける地元市町村の思いにしっかりと応えられるよう検討を進めてまいります。
次に、少子化対策についてであります。
人口減少は本県の大きな課題の一つであり、しごとをつくり、ひとの好循環を生み出し、人口減少や少子化に歯どめをかけるため、ふくしま創生総合戦略を昨年12月に策定したところであります。総合戦略の中に目標として盛り込んだ合計特殊出生率については、昨年は1.60と3年連続で上昇しており、この流れをさらに確かなものとしていくことが重要であります。
先日参加した女性が輝く社会づくりに関するシンポジウムの中で、パネリストから、「子育てでも仕事でも本当にやりたいことを諦めずに済む環境をつくることが大切である。」との発言がありました。私も同じ思いであります。私自身、イクボス宣言の具体的取り組みとして、育児休業の対象となる男性職員及びその上司と面談を行うなど、男女がともに子育てにかかわることができる環境づくりをまず県庁から始め、企業や団体等にも働きかけてまいります。
また、結婚を希望する男女の出会いの場づくりや子供を望む夫婦への支援、地域の実情に応じた保育所等の整備など結婚から子育てまでを支える環境の充実強化に引き続き努めてまいります。
大震災と原子力災害の影響を受け、人口減少が加速的に進んだ福島県だからこそ、少子化対策に真剣に向き合い、若い世代が安心して子供を生み育てることができる社会環境を実現するためしっかりと取り組んでまいります。
次に、外国人観光客の誘客についてであります。
我が国の外国人観光客数が大幅に増加する一方、本県においては風評等の影響により伸び悩んでおり、外国人観光客の誘客促進が地域活性化の大きな課題であります。
私はこの春、花見山を視察した際、偶然、タイ人の観光客が美しく咲き誇る花々に感動する姿に触れました。本県観光の魅力が着実に伝わっていることを実感するとともに、この芽を大きく育てていくことが福島の風評払拭と観光振興につながることを確信いたしました。
外国人観光客の誘客には外国人自身の目線が何よりも大切であります。今後は、新たにさまざまな国のアドバイザーの協力を得て、外国人が心から見たい、触れたいと思う観光資源を地域の方々とともに磨き上げてまいります。
さらに、訪日外国人旅行者の中で多数を占める個人旅行者への対応として、県が重点的に取り組む国・地域の特性に即した国ごとのホームページやSNSを制作し、旅行者の質問に個別に答えるなど、きめ細かな情報発信を進めてまいります。
また、東北6県による連携に加え、首都圏から近いという本県の強みを生かした東京都や北関東との広域周遊ルートの確立、4年連続金賞受賞数日本一になった日本酒を活用した本県の魅力発信や、ことしの8月を目途とした日本橋ふくしま館ミデッテの免税店化などを通して、外国人観光客のさらなる誘客を図ってまいる考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。
総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。
トップセールスの効果につきましては、知事みずからが海外を訪問し、各国の要人を初め流通事業者や学生等に対して、これまでの支援への感謝の思いと復興の状況などを直接伝えることにより、本県への理解が深まるとともに、海外の多くの方々とのきずなが培われ、英国学生の招聘による交流促進や農産物を初めとした県産品の販路拡大などにつながっているものと考えております。
今後も知事を先頭にさまざまな機会を捉え、本県の復興への取り組み等の正確な情報を初め食や観光の魅力を継続して発信し、本県に対する共感の輪を拡大しながら、風評払拭と風化防止を図ってまいる考えであります。
次に、納税方法の拡大につきましては、納税者の利便性や納期内納付率の向上を図るために重要であることから、これまで個人事業税の口座振替のほか、自動車税において平成20年度からコンビニエンスストアでの納付を開始し、今年度新たにクレジットカードによる納付を導入したところであり、引き続き納税方法の拡大に努めてまいる考えであります。
次に、法人県民税及び法人事業税の電子手続につきましては、納税者が毎年行うこととされている申告手続において導入してまいりましたが、電子手続の利用件数が年々増加していることから、県民のさらなる利便性の向上等を図るため、申請や届け出について年内にも電子手続を導入したいと考えております。
危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。
廃炉の取り組みにつきましては、海側遮水壁の閉合や構内排水路のつけかえ、凍土遮水壁の凍結開始などの汚染水対策を初め、瓦れきの撤去や敷地内の舗装化による線量の低減、食堂やコンビニの運用開始などの労働環境の改善が図られるなど、さまざまな面で取り組みが進んでおります。
今後は燃料取り出しに向けた困難な作業が続くことから、引き続き現地駐在職員による現場確認や廃炉安全監視協議会等により廃炉の取り組みを継続的に監視するとともに、廃炉安全確保県民会議などを通して、これらの取り組みを広く県民にお知らせしてまいります。
次に、炉心溶融の公表につきましては、社長の指示により重大な情報を隠蔽していたことは、当時の不安に満ちた県民の気持ちを無視し、裏切る行為であり、極めて遺憾であります。
県といたしましては、東京電力を呼び、隠蔽体質から脱却し、事故の責任を全うするよう求めたところであり、今後さらに廃炉安全監視協議会において、東京電力が二度と隠蔽を起こさないという決意のもと、過去と決別し、地元最優先の姿勢で取り組めるかなど、地元市町村とともにしっかりと確認してまいります。
企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。
イノベーション・コースト構想の推進につきましては、構想に位置づけられた各拠点の整備を着実に進めるとともに、ロボット認証制度の構築や技術者研修拠点など、未着手の部分の具体化等について引き続き国に求めてまいります。
また、県内企業の技術力向上や人材育成、県外企業の立地を促進するとともに、ロボットテストフィールドを初め楢葉遠隔技術開発センターや今後整備が予定される国際産学連携拠点など、各拠点を有機的に連携させることにより、新産業の創出にしっかりと結びつけ、世界のモデルとなるような浜通りの再生に取り組んでまいる考えであります。
次に、福島新エネ社会構想につきましては、再生可能エネルギーの導入を図るともに、水素や燃料電池、発電に伴う熱利用など、エネルギーの利用方法も含めた先進的な取り組みを本県において推進するものであります。
今月開催された第2回構想実現会議では、阿武隈山地等における送電網の強化や再生可能エネルギーによる水素の製造から貯蔵、運搬、利用までの実用化に向けた実証、スマートコミュニティーの構築等が構想の骨子として示されたところであります。
今後はより詳細な構想の策定とその実現に向けて、来年度予算の概算要求も見据えながら、引き続き関係省庁や産業総合技術研究所、市町村、民間事業者等と連携し、具体的な検討を進めてまいる考えであります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
中間貯蔵施設予定地内の町有地を活用した除去土壌等の搬出につきましては、学校等の速やかな環境回復に資する取り組みであることから、搬出作業が一日も早く開始されるよう、県が主体となって方部別に協議の場を設け、搬出元市町村の意向を確認したところであります。
今月27日に国、県、市町村等関係機関による輸送連絡調整会議を開催し、輸送量や搬出開始時期等の輸送に関する当面の取り組みについて協議、調整を進めるなど、学校等の除去土壌等が早期かつ安全、確実に搬出できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
次に、野生鳥獣の被害対策につきましては、本来の生息域を越えた市街地での熊の目撃例の増加や、人への警戒心の薄れたイノシシの存在など、野生鳥獣の生態に大きな変化が見られることから、今年度予定している野生鳥獣全般の保護・管理に関する計画の改定に当たっては、他県での実施事例はもとより、専門家の助言を積極的に取り入れ、生息数の減少や生息域の限定を図るための対策とあわせて、効果的な農業被害対策に力点を置いた見直しを行い、関係部局と連携して全力で取り組んでまいります。
次に、イノシシの被害防止対策につきましては、捕獲対策の強化と合わせて、人里へ近づかせないための被害防除対策を総合的に実施することが重要であると認識しております。
そのため、今年度から専門家等の助言を得ながら、新たに開発したGIS、いわゆる地理情報システム等により行動圏を調査できる技術を活用して、イノシシの行動を科学的に分析し、集中的、効率的な捕獲を進めるためのモデル事業に取り組み、捕獲数のさらなる上積みを図るとともに、効果が確認されている緩衝帯の役割を果たす里山の整備や侵入防止柵の設置など地域ぐるみの取り組みを拡大し、被害防止対策を一層強化してまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
避難地域の医療提供体制につきましては、双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会において検討を進めており、その中で喫緊の課題とされた双葉郡の二次救急について、先行整備すべき二次救急医療機関の整備主体や医療機能等の具体的な案を速やかにお示しすることとしております。
また、採算見通しの不透明さや医療人材の不足により、避難地域での医療機関の再開には困難を伴うことから、施設整備や運営に対する支援を行うとともに、人材確保につきましても新たに公立双葉准看護学院の再開支援を行うなど、避難地域の医療提供体制の整備に向け全力で取り組んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
県内企業の取引支援につきましては、産業振興センターによる取引のあっせんや企業の実情に応じたきめ細かな経営相談等を行うとともに、地域の経済、雇用を支える輸送用機械や医療関連などのものづくり企業を対象とした商談会の開催や展示会への出展補助を行うなど、積極的に取引拡大に努めてまいりました。
さらには、ハイテクプラザによる巡回指導を通じ、技術の高度化や品質向上を支援するとともに、復興支援アドバイザーを活用して、被災企業の新製品開発や販路開拓にも取り組んできたところであり、今後ともものづくり企業を初めとする県内企業の取引拡大を一層支援してまいります。
次に、中小企業・小規模事業者の振興につきましては、これまで産業振興センターや商工会等を通じた経営支援やふくしま復興特別資金を初めとする県制度資金による金融支援に取り組むとともに、昨年立ち上げたオールふくしま経営支援連絡協議会の県内7方部のサポート委員会等において、売り上げ減少等に悩む事業者に具体的な経営改善方針を示し、個々の事業者に寄り添った支援を行っております。
今後は関係機関の広報誌を活用したPRや支援事例セミナーの開催などを通して、支援が必要な事業者を広く掘り起こしながら、オールふくしまによる経営改善を一層進めてまいります。
農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。
里山再生モデル事業につきましては、これまでの関係省庁との協議において、県から強く働きかけた結果、市町村の業務負担の軽減を図るため、事業計画の策定について国が主体的に行うこととなり、現在市町村との協議に入ったところであります。
今後は市町村ごとのモデル地区において、森林の除染や広葉樹林等の整備、木質バイオマスの活用などの具体的な対策がことしの夏ごろを目途に構築できるよう市町村へのきめ細かな助言を行うほか、関係省庁に対しては地域の要望を十分に踏まえ、住民の不安解消につながる実効性のある対策が着実に執行できるよう、速やかな予算措置を強く求めてまいる考えであります。
次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けたGAPの取り組みにつきましては、昨年度GAPを導入した産地数が167から208へと大幅に増加したことから、今年度も引き続き産地ごと、品目ごとのマニュアル作成や指導員育成について丁寧な指導助言に努め、取り組みの拡大を支援してまいります。
また、農産物供給体制緊急支援事業により、第三者による認証経費の助成についてこれまで5団体に対し決定したところであり、今後他の産地に対しても研修会開催や個別相談の場を活用して、第三者の認証によるGAPの優位性を説明し、年内にも示される調達基準に適合する産地をふやしてまいりたいと考えております。
次に、新たな木材需要の創出につきましては、木質バイオマスの発電への利用拡大や木材発酵によるメタンガスの製造技術の実証試験施設の整備に加え、CLTの活用の可能性について官民連携のもとに検討を行っているところであります。特に、CLTは軽量性、耐震性、耐火性、施工期間の短縮化などの特徴から、木造建築の適用範囲を拡大する技術として国が普及に向けたロードマップを策定し、今般新たな技術的基準を定めたところです。
一方で、競合する工法とのコスト差が課題であり、今後新たな需要の創出に向けた情報発信に加え、接合技術や建築デザインなどの研究開発のあり方などについて、さらなる調査分析に取り組んでまいる考えであります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
復興祈念公園につきましては、震災で犠牲となった全ての命へ思いを寄せ、多くの人が集い、未来への希望をもたらす空間となることが求められるなど、公園のあり方について取りまとめ、国へ提言したところであります。
今後は国が策定する基本構想へ提言内容が反映されるよう策定に積極的に参画するとともに、今年度から実施する公園予定地の測量や環境調査に合わせ都市計画決定の手続に着手するなど、復興祈念公園の整備に向け双葉・浪江両町と連携を密にしながら取り組んでまいる考えであります。
次に、避難者の早期帰還に向けた道路整備につきましては、県道小野富岡線など特に重要な八路線をふくしま復興再生道路に位置づけ、重点的に進めているところあります。
今後とも、避難者の帰還につながるよう事業計画内容に加え、完成時期等のより具体的な情報をホームページや小冊子などを活用し、きめ細かに、かつわかりやすく発信するとともに、関係市町村と連携を密にしながら整備に必要な財源の確保に努め、避難地域の復興再生に向け道路整備に全力で取り組んでまいります。
避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。
避難地域の復興再生につきましては、市町村の枠を越えた広域的な視点から、避難地域全体の発展に導くことも重要であり、この考えが将来像の提言に基本的方向として位置づけられたところであります。
このため県といたしましては、広域自治体として二次医療体制の確保や地域公共交通の構築に取り組むとともに、鳥獣被害対策、県外避難者支援などについても広域的な連携による課題の解決を目指し、先月避難12市町村で構成する広域連携検討会を立ち上げたところであり、県が主導的に各市町村の調整を行う役割をしっかりと果たし、避難地域の復興の加速化につなげてまいります。
文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。
アーカイブ拠点施設の整備につきましては、震災後の状況、初動対応や復興の歩みなどの記録と教訓を収集し、継承する上で、市町村や関係機関との緊密な連携が何よりも大切であると考えております。
そのため、これまでも市町村からの意見聴取や震災関連資料の収集に係る会議の開催などを行ってまいりました。
今後は複合災害の実態と教訓の継承・共有のための調査研究の検討など、大学、報道機関、民間団体等と幅広く連携しながら、施設の整備に取り組んでまいります。
次に、東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、本県へのこれまでの御支援に対する感謝を伝えるとともに、本県の復興の姿を世界へ発信する絶好の機会であります。
このため、本年2月に策定したアクションプランに基づき追加競技種目や事前キャンプの誘致、競技力の向上等に取り組むとともに、関連事業として機運醸成に向けたさまざまなイベントを東京都や日本オリンピック委員会、大会組織委員会等と連携し、実施することとしております。
今後とも2020年を見据え、市町村や関係団体等とオールふくしまで競技誘致や関連事業に積極的に取り組み、本県復興のさらなる加速化につなげてまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
避難指示解除等に伴う小中学校の再開につきましては、子供たちが安心して喜びを持って通える学校づくりが重要であると考えております。県教育委員会といたしましては、引き続き教職員の加配やスクールカウンセラーの配置を行うとともに、地域に根差した魅力ある教育活動が展開されるよう、7月上旬に設置する福島県学校再開支援チームにおいて、国とも十分に連携しながら、地域のニーズに応じたきめ細かな助言を行うなど、それぞれの市町村に寄り添って学校の再開を支援してまいります。
次に、平成29年度全国高等学校総合体育大会につきましては、本県選手の活躍が県民に勇気を与え、復興に向かう大きな活力となることから、強化選手を指定し、重点的な育成強化を行っております。
また、「ふくしまで一緒にやろう!」プロジェクトにおいて、県内の合宿等に招聘した県外強豪選手に本県の魅力や現状を直接見て、感じて、伝えてもらうことにより、福島の今の発信も図っているところであります。今後は県高等学校体育連盟や会場となる市、町の実行委員会と連携を密にし、これらの取り組みの一層の充実に努めてまいります。
次に、先端技術の分野で活躍できる人材の育成につきましては、科学への関心を高めるとともに、技術開発やものづくりの魅力を実感させることにより、理数科目に対する学習意欲を引き出すことが重要であると考えております。
このため、天体観測や親子星空観察、JAXA宇宙教育センターでの研修を通して宇宙への探求心を育むとともに、工業高校においては小惑星探査機はやぶさ2の着陸用パラシュートや通信機器の開発にかかわった県内の企業でのインターンシップの実施など、高度な技術に触れる機会を設けているところであります。
今後とも先端技術の分野で活躍できる人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
次に、主権者教育につきましては、復興の途上である本県においては、社会の形成に主体的に参画する意欲を高め、他者と協力し、粘り強く課題に取り組む力を育むことが大切であると考えております。
このため、公立小中学校の授業においては、まちづくりなどの身近な地域の課題に目を向け、調査や話し合いを通して考察を深める学習を行っているところであります。
また、県立高等学校においては、主権者教育の年間指導計画に基づき、討論や発表などを通して考えを深め合うことにより課題解決を図るアクティブ・ラーニングを進めております。
今後ともこうした取り組みを推進し、主権者教育の充実に努めてまいります。
警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。
避難指示区域の解除を踏まえた治安対策につきましては、住民の帰還、交通流の変化、復興事業の本格化による作業員の増加など情勢の変化を踏まえ、警察機能の再開や全国警察からの応援によるパトロールのほか、除去土壌輸送ルートの安全対策や帰還者宅への訪問活動を推進しております。地域防犯力が整わない中、地域の安全・安心を確保するには警察活動の継続が必要であり、全力を挙げ復興を治安面から支えることとしております。
県警察といたしましては、治安確保を求める地元自治体等の声に応えるためにも、必要な警察官増員等を国に要望するなど、避難指示区域の解除を踏まえた治安対策に万全を期してまいります。