知事定例記者会見
■日時 令和8年9月2日(水曜日)13時00分~13時22分
■会場 応接室
【発表事項】
1 令和8年度9月補正予算の概要について
【質問事項】
1 N-E.X.T.ハイスクール構想の県内産業への効果について
2 台湾へのモモ輸出について
3 クマ対策について
4 除去土壌等の再生利用について
5 地域産業成長プランについて
6 長期金利の上昇について
7 福島県知事選挙について
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【発表事項】
令和8年度9月補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、教育環境の充実や地域産業の戦略的発展に向けた取組、県民の安全・安心な暮らしを守る取組など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
その主な内容といたしましては、教育環境の充実に向けた取組として、国のN-E.X.T.ハイスクール構想に基づく県立高等学校等の教育改革に向けた拠点校の整備、地域産業の戦略的発展に向けた取組として、産業クラスターの形成や地場産業の付加価値向上・販路開拓等を戦略的に推進するための基金の積立、県民の安全・安心な暮らしを守る取組として、喜多方市の地すべり被災箇所における被害拡大防止のための緊急対策、クマの目撃件数が増加している浜通り地域等を中心とした被害防止対策の強化、地域における分娩取扱機能を維持するための医療機関への支援であり、これらに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、176億5千7百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,799億6千2百万円となります。
【質問事項】
【記者】
補正予算のN-E.X.T.ハイスクール構想についてお伺いします。
職員の皆さんも努力され、文科省に掛けあって、採択に至ったのだろうと思いますが、昨今、半導体やAIなどいろいろな産業が変わりつつあります。このN-E.X.T.ハイスクール事業の予算を通して、産業へどのような効果を期待されているのか、所感をお聞かせいただければと思います。
【知事】
国のN-E.X.T.ハイスクール構想に基づき、県立高等学校等の教育改革を進めるため、財源となる国の補助金を基金に積み立てるとともに、拠点校に必要となる施設の整備やシステム構築などを行うものであります。
拠点校での新たな教育モデルから得られた知見等を、協力校、さらには、県内高校へと段階的に広げていくとともに、企業や大学等と連携しながら、県内のどの地域に住んでいても、高度で多様な学びを受けることができる教育環境の構築につなげていきたいと考えております。
特に今、社会経済情勢等が劇的に変化し、DX、AIなど、子どもたちを取り巻く環境は我々の時代とは異なります。
そういう中で、重要な教育機関である県立高校の学びの在り方について改革を行い、拠点校、そして、協力校という広がりをつくる中で、子どもたちに今を生きる力をしっかりと与えることができる教育スキームをつくり上げていきたいと考えています。
【記者】
今週末、台湾へ観光交流局長がモモのトップセールスに行かれると思います。処理水等の問題がありましたが、フェーズが変わってきており、台湾から福島に来られ、実際にモモを食べて、台湾でも食べたいと思われている方がかなり多いと思います。このモモ輸出を通じて、モモの輸出のみならず、例えば、インバウンドという形で台湾から福島県に来られるなど、様々な効果が期待できるのではないかと思います。今回のモモの台湾への輸出を通じて、知事としてインバウンドを含め、どのような期待がございますか。
【知事】
台湾への県産モモの輸出については、先般、輸出事業者に対し、台湾植物検疫当局による査察が行われ、先月5日付けで新たに2つの選果こん包施設が登録されました。
先月、第1便が無事出荷されたことをうれしく思います。震災前、台湾は県産モモの最大の輸出先でありました。その台湾への本格的な輸出再開は、本県の農業復興の強力な後押しとなります。
県では、今週末、現地台湾の百貨店において、JA等と連携したプロモーションを実施する予定であります。
産地や関係事業者の皆さんと共に、県産モモの品質の高さやおいしさを発信していくとともに、産地における病害虫防除等の徹底を指導するなど、輸出に向けた取組を支援してまいります。
また、本県におけるインバウンドの中でも、台湾の方が非常に多いという状況がございます。
ただ、チャーター便等を活用して来ていただいている旅行者の方は、「福島の魅力」「食のおいしさ」を実感していただいていると思いますが、まだまだ、福島のことを十分に御存じではない方もおられるかと思います。今回、台湾に直接モモを輸出して、そのおいしいモモを、自分たちの住んでいる近くの百貨店等で目にする、そして実際に食べていただくことによって、「福島」という地名の理解であったり、福島に行ってみたいという思いを喚起することが必ずできると考えております。
今年はDC本番、来年はアフターDCということで、これから一層インバウンドへの働きかけを強化していきたいと思いますが、今回、台湾の現地で福島県産モモを笑顔で食べていただけることが、また次のインバウンドの活性化に必ずつながると確信をしています。
【記者】
補正予算に計上されたクマ被害防止対策の強化について、背景や意義を教えていただければと思います。
【知事】
本年度のクマの目撃件数は、7月末時点で723件、人身被害は7件10名となっており、過去最多を記録した昨年度を上回るペースで推移しています。
特に、浜通りでの目撃件数は昨年度88件に対し、今年度は7月末時点で既に69件となっています。
これまで、本県のクマは阿武隈川の西側に生息するとされ、阿武隈川から東の中通り地域や浜通りは、生息域とされていませんでした。
しかし、今年度に入り、これらの地域においてクマの目撃が急激に増加したことから、本格的な生息調査や監視体制の強化を行うこととしました。
また、これまでクマの生息域とされてこなかった地域では、クマの捕獲経験やノウハウが不足しています。
このため、市町村職員や捕獲従事者等を対象に、緊急銃猟の訓練や研修会を追加で実施し、クマ出没の際に適切な対応ができるよう、県として積極的に支援してまいります。
さらに、今後も市街地への出没や人身被害の発生が懸念される状況にあることから、県管理河川の刈り払いを追加で実施してまいります。
【記者】
先日、仙台市とさいたま市で始まった除去土壌の再生利用についてお伺いします。
当日、現地で反対する活動があったと聞いております。NHKで、それぞれの地域の街の人の声を聞いたところ、安全性を証明してほしいという声も聞かれました。
この動きについて、受け止めをお聞かせください。
また、改めて、理解醸成をどのようにしていく必要があるか、国に求めていくかをお聞かせください。
【知事】
先日、仙台市とさいたま市にある国の合同庁舎において、除去土壌の再生利用が行われました。
除去土壌の再生利用については、国が県外最終処分の実現に向けた取組を前進させるため、ロードマップに基づくプロセスを一つずつ進めているものと受け止めています。
国においては、県外最終処分の確実な実施に向け、具体的な工程を速やかに明示し、国民の皆さんの理解醸成を図りながら、政府一丸となって最後まで責任を持って対応していただきたいと考えております。
また、再生利用が行われる地域の方々の理解の問題でございますが、そのような報道を拝見しております。環境大臣の会見においても、この件について言及されておりますので、政府において、適切に対応されるものと考えております。
【記者】
知事は、国や政府に対し、国民の理解醸成に向けた取組をどのように求めていきたいか、何か具体的な考えはございますか。
【知事】
これまでも、中間貯蔵施設の除去土壌等の県外最終処分の問題、ALPS処理水の問題、原発事故に基づく風評等の問題について、国内外に正確な理解をしていただけるよう、分かりやすい情報発信をしていくことが大切だということを国及び東京電力に対して、求めてきたところであります。
原発事故の問題、放射線、放射能、あるいはベクレル、シーベルト、グレイなど、非常に専門的な部分が多く、なかなか一般の方にはすぐに理解することが難しい側面があろうかと思います。
福島県における過酷な原発事故からの復興を進めるに当たって、丁寧な分かりやすい情報発信をしていただくことが大切だと考えております。政府が一丸となって、その取組を継続していただきたいと考えております。
【記者】
地域産業成長プランについての質問です。今回の補正予算では、基金の積立を行うとのことですが、当プランに関しては、本部会議において、7月に策定・公表という予定もありました。
現状の進捗や今後の予定などを教えてください。
【知事】
現在、本県の強みをいかした、新たな産業クラスターの形成と、農林水産業や商工業、観光業など地場産業の振興を戦略的に推進するため、国の「地域未来戦略」を踏まえ、福島県版の「地域産業成長プラン」の策定を進めています。
プランの中で定める「地域産業クラスター計画」については、本県の強みである航空宇宙分野、医療機器分野、ロボット・ドローン分野、エネルギー・環境・リサイクル分野、輸送用機械分野の5分野での検討を進めています。
また、「地場産業成長プラン」については、本県が誇る地域資源として、農林水産分野では、コメ、野菜、果樹、花き、畜産の5分野、観光分野では、温泉、サイクルの2分野、県産品分野では、酒、味噌・醤油、伝統工芸品の3分野、計10分野での検討を進めています。
こうしたプランの内容を実現するためには、安定的な財源が必要不可欠であります。
このため、今回の補正予算により、新たに造成する基金を活用しながら、「福島ならでは」の魅力ある産業づくりや、産業基盤の強靱化に向けた取組を計画的かつ着実に実施してまいります。
また、プランの策定状況、スケジュールですが、当初、7月中を目標としていました。
その後、国において策定手続に関するスケジュールの変更があり、現在、国と本県版プランの内容を調整しているところであります。引き続き、国と緊密に連携しながら、プランの策定に取り組んでまいります。
【記者】
昨日、長期金利が3%台まで上昇しました。
県内経済への影響なども含めて、知事の受け止めをお聞かせください。
【知事】
長期金利の関係でありますが、まず、県、市町村、自治体への影響について、お話をします。
長期金利が約30年ぶりの高い水準になっています。
この影響を地方財政面から見ると、地方債金利の指標となる国債の利回りが上昇することで、金利上昇に伴う地方債の利払い費が増加し、公債費負担が高まり、将来的な財政の硬直化につながるおそれがあります。
一方で、税収や基金運用益など、収入の増加につながる側面もあることから、財政への影響を慎重に見極めていく必要があります。
県としては、引き続き、経済情勢や金利動向を注視するとともに、税収などの収入状況、公債費を含む将来負担の見通し、世代間の負担の公平性など、様々な観点を踏まえながら、起債額や地方債残高を適切に管理し、健全で持続可能な財政運営に取り組んでまいります。
次に、県民の皆さんを含めた地域経済への影響につきましては、金利の上昇により、住宅ローンや中小企業の資金繰りなど、県民の皆さんの暮らしや経済に様々な影響を及ぼすことが想定されます。
このため、金利の上昇が県民生活や地域経済へ及ぼす影響について注視していくとともに、引き続き、中東情勢や物価高の影響を受けている事業者の方々への支援に取り組んでまいります。
【記者】
福島県知事選挙が来月に迫っております。現職の知事として、どのような姿勢で臨まれるか、どのような政策を重視して発信されるか、お考えをお聞かせください。
【知事】
まず、重視したい政策ですが、2011年3月の東日本大震災・原発事故、そして、その後の自然災害等も含めた複合災害からの復興に力を入れることが重要です。
次に、急激な人口減少が進んでおり、福島県の人口は170万人を切ったという状態にあります。
少子高齢化が進み、特に若い世代の県外流出が続いておりますので、こういったものにどう対処していくかが問われると考えております。
また、最近は、かつてないほどの頻度で自然災害が発生しており、大きな災害に各地域が見舞われております。
こういった自然災害にできるだけ速やかに対応し、特に避難生活を送られる方々の負担が生じないよう自治体と連携すること。また、県民の皆さんに事前の備えを呼びかけ、いざというときの「マイ避難」をしっかりしていただくように伝えていくこと。こういったことも重要だと思います。
このほかにも、福島県は様々な課題を抱えていますが、こういった課題に対して「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」、これは福島県の総合計画にあるスローガンでありますが、課題解決をしっかり積み重ねて、県民の皆さんが、「復興と地方創生が一年一年、進んでいるな」「我々は前に進んでいる」と実感できるような福島県をつくること。これが極めて重要だと考えています。
また、県民の皆さんに加え、国内外の多くの方々に、ローマ字のFUKUSHIMAも含めて、福島の「今」を実際に知っていただくことが重要であります。
そのために、一番大切なのは、福島に「来て」いただくことです。
3年間のデスティネーションキャンペーンを含め、多くの方々に福島の地に足を運んでみよう、行ってみよう、食べてみよう、あるいはサイクリングを経験してみよう、こう思っていただくような取組も重点として力を入れたいと考えています。
さらに、知事として大切なことは、県民の皆さんの思いを丁寧に伺うことです。
59市町村の首長さんを毎年訪問させていただいておりますし、多くの県民の方とお話をさせていただいております。
こういったことを継続して、県民の思いが今どこにあるのか、どういった不安や心配、懸念があり、福島県として何ができるか、誰と連携すればより効果を増すことができるのか、こういったことに力を入れていきたいと考えています。
(終了)
【発表事項】
1 令和8年度9月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
【質問事項】
1 N-E.X.T.ハイスクール構想の県内産業への効果について
→教育庁県立高校改革室 電話024-521-8522
2 台湾へのモモ輸出について
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
→観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
3 クマ対策について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740
4 除去土壌等の再生利用について
→生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638
5 地域産業成長プランについて
→企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
6 長期金利の上昇について
→総務部財政課 電話024-521-7027
→総務部市町村財政課 電話024-521-7305