知事定例記者会見
■日時 令和7年11月4日(火曜日)10時00分~10時10分
■会場 応接室
【質問事項】
1 いわき信用組合の不祥事について
2 不登校といじめ問題について
3 クマ対策について
4 北海道東北地方知事会議について
【質問事項】
【記者】
まず始めに、いわき信用組合の不祥事の件でお尋ねします。
いわき信用組合で、今度は約10億円もの大金が反社会的勢力に流れていたことが明らかになりました。率直に知事のこの件に関する受け止めをお聞かせください。
また、今後の信用組合の在り方を見てみると、地域経済への影響なども懸念されるところですが、県としての対応があれば、それもあわせてお聞かせください
【知事】
先週、金融庁が、いわき信用組合に対して業務の一部停止命令及び業務改善命令を行いました。
長期間にわたり反社会的勢力への資金提供という不正行為が行われてきたことは、極めて遺憾であります。
いわき信用組合におかれては、今回の行政処分を重く受け止め、法令遵守体制の確立や、再発防止を徹底し、信頼回復を図ることが何よりも重要であります。
地域を支える金融機関としての役割を改めて強く認識し、預金者や事業者の皆さんの資金繰りなど、地域経済に影響を及ぼすことがないよう努めていただきたいと考えております。
【記者】
関連ですが、今のところ、地域経済への影響などで、特に問題が起きているところは確認されてはいないでしょうか。
【知事】
県としては、関係機関と連携を密にしながら、地域経済への影響を注視してまいります。そして、重要なことは、当事者であり、地域を支える金融機関として、いわき信用組合自身が、地域経済に影響を及ぼすことがないよう、しっかりと対応していくことだと考えております。
【記者】
不登校といじめ問題についてお尋ねします。
2024年度の県内(小中学校)の不登校の児童生徒が4,365人で過去最多を更新しました。いじめの認知件数も7,543件あったということで、子どもたちが安心して生き生きと学べる学習環境の整備について、県の考えを改めてお尋ねしたいと思います。
【知事】
先般、文部科学省が実施した令和6年度における「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が公表されました。
特に、県内小・中学校における不登校の児童生徒数が4,365人と過去最多であったことが判明し、深刻な課題であると受け止めております。
不登校の児童生徒に対しては、各学校において、お一人お一人の児童生徒に向き合い、関係機関と連携しながら、大切な時期の学びを止めないよう支援していくことが必要であります。
また、いじめについては、その兆候も含め、見逃すことのないよう、今後も積極的な認知に努めていくことが重要であります。
教育委員会においては、今回の調査結果について詳細な分析を行い、適切に対応していただきたいと考えております。
【記者】
クマ対策についてお伺いします。
先週から県の専門家の派遣など、市町村への支援が始まったかと思いますが、支援の申込状況や現状について教えてください。
【知事】
県内では、依然としてクマの出没が相次いでおり、先月29日から今月2日にかけて、会津及び県北地方において5件の人身被害が発生しました。
これにより、今年度被害に遭われた方は22名となりました。ケガをされた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
県では、先月、専決処分した補正予算により、市町村に対する専門家派遣やパトロールの強化など、緊急対策事業に着手しました。
具体的には、ツキノワグマ被害防止緊急対策事業について、各市町村の要望を踏まえながら、専門家の派遣や緊急パトロール等の取組を進めています。
先週には、福島市に専門家を派遣して環境診断を行い、危険箇所の点検や果樹の伐採等の具体的なアドバイスを行いました。
現在、自治体から様々な要望も頂いておりますので、引き続き、市町村の要望を丁寧に伺いながら、速やかに対応していきたいと考えております。
また、県民の皆さんへの更なる注意喚起を図るため、今週8日に、いわき市で開催される「そなえる・ふくしま2025」に、ブースを出展し、クマに襲われた場合の対処方法を学ぶワークショップなどを実施することとしました。
この「そなえる・ふくしま2025」は、本来、自然災害に対する防災対策のイベントでありますが、今般のクマの出没状況が、正に災害級の非常事態であること、また、会場には、非常に多くの方が、災害対応に関心を持って来ていただけることから、あえてこの場に、クマ対策のブースを出すことにしたところであります。
マスコミのお力も借りながら、県民の皆さんへの注意喚起をしっかり行って、できる限り多くの方が安心して暮らすことができるよう、県としても広報に努めていきたいと考えております。
【記者】
関連して、先週、山形県知事が、クマ対策の自衛隊派遣について、北海道東北を含めた広域的な連携が必要だとおっしゃっていて、明後日、青森県で開かれる北海道東北地方知事会議でも議論されるという報道がありました。どのようにお考えかお聞かせください。
【知事】
福島県を始め、北海道東北地方において、クマの目撃や人身被害が相次いで発生しており、全国の中でも、この地域において特に大きな問題となっています。
特に、秋田県においては、死亡事故が相次ぐ中で、鈴木知事が自衛隊の派遣を要請されるなど、極めて深刻な状況にあると認識しております。
このため、今回の北海道東北地方知事会議の場において、各道県の知事の皆さんと現状や課題等を共有しながら、この「非常事態」への対応について、意見交換を行いたいと考えております。
また、恐らく、こうした状況は、単年度限りで必ずしも終わるものではないと考えております。
政府においても、先週、関係閣僚会議を開いて、様々な対策パッケージの策定等について議論していただいているところでありますが、まず、広域自治体である県、そして自治体もクマ対策について積極的に取り組む。また、政府においても、この非常事態を一過性のものと捉えることなく、今後も継続した対応をしていくことが重要であると考えておりますので、そういった観点から、政府に対する要望について、どういったことを行っていくべきか、北海道東北地方知事会議において積極的に議論し、対応していきたいと考えております。
(終了)
【質問事項】
1 いわき信用組合の不祥事について
→商工労働部経営金融課 電話024-521-7274
2 不登校といじめ問題について
→教育庁高校教育課 電話024-521-7769
→教育庁義務教育課 電話024-521-7732
3 クマ対策について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740
→危機管理部危機管理課 電話024-521-7619
4 北海道東北地方知事会議について
→総務部政策調査課 電話024-521-7018
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740