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知事記者会見 令和7年9月8日(月曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年9月12日更新

【質問事項】

1 石破総理辞任表明について

【記者】
 石破首相の退陣表明について、お伺いします。
 首相が昨日、退陣を表明されました。知事の率直な受け止めをお伺いします。

【知事】
 昨日、石破総理が辞意を表明されました。
 石破総理におかれては、令和6年10月の就任以来、これまで、本県に寄り添った復興施策の推進に御尽力を頂いてきました。
 今年6月に閣議決定された「新たな復興の基本方針」においては、第3期復興・創生期間の5年間について「今の5年間以上に力強く復興施策を推進する」とされました。
 特に、福島県については、「県や市町村が進めている事業を十分に確保した上で、次の5年間の全体の事業規模が今の5年間を十分に超えるものと見込まれる」と明記していただきました。
 県や市町村等の意見を丁寧に聞き取り、対応していただいたことに対し、心から敬意と感謝の意を表します。
 一方、震災と原発事故からの復興は、いまだ途上であります。
 廃炉と汚染水・処理水対策、風評と風化の問題など、本県は依然として多くの困難な課題を抱えています。
 また、石破総理は就任以来、若者や女性の目線を大切にする「進化した地方創生」の実現に強い意欲を示され、交付金の倍増など、地方創生に向けた取組を積極的に進めてこられました。
 しかし、人口減少や東京一極集中の流れを変えるには至っておりません。人口減少問題は依然として厳しい状況にあります。
 石破総理においては、こうした諸課題への対応を継続していただき、新たな内閣が発足するまで、引き続き、職務に力を尽くしていただきたいと考えております。
 また、私自身、石破総理について、印象に残っていることを3点お話ししたいと思います。
 まず1点目は、地方創生についてです。石破さんの初代地方創生担当大臣就任から10年余りが経過しますが、この間、総理大臣となった後も含めて、本気で人口減少対策、地方創生に取り組んでいただきました。
 この地方創生に対する並々ならぬ思いは、今日の、昼の意見交換会でも、直接感じたところであります。
 また、2点目ですが、総理大臣就任後、お忙しい中、幾度も福島県を訪問されました。
 私自身も、そのたびに総理にお会いして、今、福島県がどういう現状にあるか。特に、被災地の視察が多いので、この被災地の復興についての在り方、特に第3期復興・創生期間の復興を支える制度と財源の在り方、また、中間貯蔵施設に保管されている除去土壌等の2045年県外最終処分の重要性等を直接総理に訴えてきたところであります。
 石破総理御自身もよく御存知でありますので、その思いを踏まえた意見交換を行い、非常に真摯に耳を傾けていただいたなということが印象に残っております。
 また、3点目ですが、総理は、福島にとって大切なキーワードを、幾度も、私自身が調べたところでは、18回お話をされています。そのキーワードというのは、「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」。恐らく18回以上は言われていると思いますが、例えば、国会、衆議院・参議院の本会議、予算委員会を始め、そういった場において幾度も繰り返され、国の復興推進会議や福島県に来られた時のぶら下がりでも、必ずお話をされます。
 総理自身が、心の真ん中にこの大切なキーフレーズを入れておられること、1年ほどの間にこれだけ繰り返しておられたことを、実際に調べてみて実感したところであります。こういった思いを持った石破総理ですので、是非、総理大臣として最後までしっかり職務を頑張っていただきたいと考えております。

2 地方創生に関する総理との意見交換について

【記者】
 関連ですが、知事からもお話ありました、この会見の前に東京で実際に首相とお会いされたかと思いますが、その際の首相の様子でしたり、交わされたお言葉を差し支えない範囲で教えていただければと思います。

【知事】
 本日、首相官邸において、「地方創生に関する内閣総理大臣と知事の意見交換会」が開催されました。
 各県知事と共に、石破総理、林内閣官房長官、伊東地方創生担当大臣、村上総務大臣等と意見交換を行いました。
 非常に和やかな雰囲気で活発な意見交換だったと受け止めております。
 私からは、本県の人口減少対策に関する取組として、若い世代の方々に福島で働く魅力、楽しさなどを伝える「『感働!ふくしま』プロジェクト」や、官民連携の基盤となる「ふくしま共創チーム」の設立と、大学生が企業・団体、市町村等と共に活動するワーキングチームについて説明を行い、「オール福島」で、この厳しい人口減少の荒波に取り組んでいることをお伝えしたところであります。
 クローズの意見交換ですので、あまり個別のお話はしづらいのですが、大きなテーマとしてあった点を3点お話しします。
 まず1点目は、急激な人口減少に対する強い危機感を、政府と今回、知事会から出席した8名の知事全員で共有しております。
 2点目は、過度な東京一極集中の問題についてです。
 3点目は、税財源の偏在是正について。
 こういった大きなテーマについて、お互いの思いを語り合いながら、今後どうあるべきかという意見交換を(行いました。)これまでこういった形のやりとりはありませんでしたので、非常に有意義な意見交換がなされたと受け止めております。

3 最低賃金の改定について

【記者】
 最低賃金についてです。
 福島地方最低賃金審議会が本県の最低賃金を現行の時給955円から78円引き上げるという答申をしました。
 最大の引上げ幅だということで、労働者の処遇向上にはつながりますが、経営側からは人件費が膨らんで大変だという話も出ています。
 この件については知事としてどのように受け止め、また県としてどのように対応されていくのか、お考えをお聞かせください。

【知事】
 先週、福島地方最低賃金審議会は、本県の最低賃金について、国の審議会が示した目安を15円上回る、78円の引き上げを答申されました。
 これにより、本県の最低賃金は、来年1月から時給1,033円となります。
 これは、物価の高騰など様々な要因を踏まえながら、労働者、使用者、公益の各委員による慎重な議論を経て決定されたものと受け止めております。
 県としては、引き続き、関係機関と連携しながら、中小企業等の生産性向上を支援するとともに、人件費を含む生産コストの上昇分について、適切な価格転嫁を推進し、賃上げにつながる環境づくりに努めてまいります。
 あわせて、今後の国の支援策に関する動向を注視しながら、中小企業等の皆さんの御意見を丁寧に伺い、必要な対応について、しっかり検討してまいります。

4 石破総理辞任表明及び今後の予算確保について

【記者】
 石破首相退陣について、関連してお伺いします。先週、復興再生協議会や予算の概算要求を終えたばかりですが、今後の予算確保など影響を懸念されていることがあれば教えてください。

【知事】
 まず、今お話があったとおり、福島復興再生協議会や、その直後に政府の概算要求の方向性が示される、本当に目まぐるしく重要な事項が決まった直後における辞意表明となりました。
 現在、石破政権においては、地方創生と、福島の復興・再生に向けて、真摯に取り組んでいただいております。
 したがいまして、福島復興再生協議会においても、全体的に我々の思いを非常に真剣に受け止め、また、政府予算の概算要求においても、私どもの思い、要望が概ね反映されたと受け止めております。
 これも、石破総理や伊藤復興大臣を始め、政府の皆さんのこれまでの取組の成果だと受け止めておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、今回、辞意を表明され、今後、自民党の新しい総裁が誕生し、その後、内閣がどのような形になっていくかは、現時点において見通せない状況にあります。
 政府においては、まず大切なことは、外交、安全保障、あるいは社会保障の問題や物価高騰。さらに、福島県としては、複合災害からの復興の問題。また、日本全体の人口減少に対する対応など、内閣として、国としてなすべきことは、政権が変わっても変わらないと考えておりますので、是非、新しい政権においても、そういったことに真正面から取り組んでいただくことを期待しております。

5 地方創生に関する総理との意見交換について

【記者】
 石破首相の退陣について。先ほどありました意見交換会でのお話の内容について、お伺いしたいのですが、もしおっしゃっていただけることがあればお願いします。
 お伺いしたいことは、その意見交換会の中で、石破首相が御自身の辞意について触れる発言があったのかということ、更にその辞任後に政党内で、例えば、復興や地方創生についての取組を引き継ぐとか、辞任後に向けた発言があったのかということについてお伺いできれば、よろしくお願いいたします。

【知事】
 今回の意見交換会は、これまでになかった初めての取組であります。
 47都道府県の知事全てにお声を掛けられて、今日、そして今後あと2日間、トータル3日間で、結果30名以上の知事が出席される、という形式であります。
 こうした意見交換会は、良い意味でフリーですので、率直な意見交換ができる機会は、今後も是非、継続していただければありがたいというのが、私自身の思いであります。
 ただポイントは、通常、毎年11月ぐらいに、総理に呼んでいただいて、全国知事会議を官邸で定期的に行っておりますが、それとは異なり、フリーのディスカッション、意見交換をすることが主眼になりますので、今日のお昼の場で、誰がどのような発言をされたかを申し上げるのは、適切ではないため、先ほど大きなテーマ三つに絞らせていただいたという点で御理解を頂ければと思います。
 また、今後の国の在り方、まず自民党の総裁選があり、その次の組閣については、福島県にとって極めて重要な先行きだと考えておりますので、今後の国における事態を注視し、また、県として、柔軟に対応していくことを考えております。

6 新総裁に期待することについて

【記者】
 これから新総裁になる、新首相が選ばれるとなって、福島にとって非常に重要な局面ですが、具体的にどういうことを、新総裁、並びに新首相に期待するかを教えてください。

【知事】
 次の自民党総裁においては、引き続き、福島県にとっての最重要課題である震災と原発事故からの復興・再生を始め、厳しい情勢にある物価高や、米国の関税措置への対応を含めた経済対策、深刻化する人口減少問題、外交・安全保障、頻発化・激甚化する自然災害への対応など、我が国、そして地方が抱える様々な課題に対し、取組を停滞させることなく、しっかり前に進めていただきたいと考えております。
 特に、福島県として、震災と原発事故からの復興・再生については、復興のステージが進むにつれて新たな課題やニーズも顕在化しているなど、これからも長く厳しい戦いが続きます。
 このため、第3期復興・創生期間の初年度となる令和8年度予算はもとより、その後も中長期にわたり必要となる財源と枠組み、復興を支える制度が確実に確保されるようお願いしていきたいと考えております。
 また、人口減少対策についても、引き続き、強い危機感を持って、全力で我々地方自治体と共に、取組を進めていただきたいと考えております。

7 ふくしま創生・人口戦略官民連携・共創チーム(ワーキングチーム)について

【記者】
 先ほど知事からもお話ありました、ふくしま共創チームのワーキング活動というのは、今回一回目が9月10日にあるということです。ちょうど今、新年度の事業や予算、皆さん職場では内々で検討される時期に入っているかと思います。こうして民間と交流をしていろんなことを考えるのは非常に重要だと思います。そのままただワーキングやって終わりました、ではあまり意味はないと思います。
 そう考えた時に、職員に対して民間の知恵を入れるとか、その知恵を入れる重要性とか、知事の所感というか、その辺はどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 福島県の人口減少の荒波というものは本当に大きく、また、これからも長く続くものだと思います。
 大切なことは、1998年をピークに、この人口減少は、既に四半世紀以上、福島県で続いているわけです。
 一方で、この先も残念ながら今の人口動態、ピラミッドを見ていただくと分かるとおり、どうしても自然減の方が大きくなりますので、そういう意味でも、この人口減少対策は、長い戦いを続けていかなければなりません。
 そのとき主役になるのは、まず現役世代の我々が必死に取り組むことも重要ですが、未来の主役となる若い世代に、当事者として関わっていただくことが重要だと考えております。
 今回、ふくしま共創チームのワーキングチームにおいて、学生の皆さんに入っていただいて、積極的に取り組んでいく。若者・女性、こういった方々の声を伺いつつ、一方で、民間企業や、大学など、福島県内の様々な主体に関わっていただいて、県庁の知恵、あるいは市町村の知恵だけではなく、産官学等一体となった取組をすることが必要だと思います。
 ただ、今、御指摘があったとおり、検討だけ熱心にして終わりでは、やはり何も変わりません。
 検討していただいて、具体的な施策が提案されてくると思います。そういったものを県庁において、しっかりと受け止めながら、令和8年度以降における福島県の施策に対して、しっかり反映していくことが重要だと考えておりますので、このふくしま共創チーム、あるいはワーキングチームの検討というものは、単に、文章を整理する場ではなく、今後の県政の施策そのものを形づくっていく大切な場になるということが、知事自身の思いであります。

(終了)

【質問事項】
1 石破総理辞任表明について
 →企画調整部企画調整課 電話024-521-8624
 →企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
 →企画調整部避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8434 
 →生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638 

2 地方創生に関する総理との意見交換について
 →総務部税務課 電話024-521-7067
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922

3 最低賃金の改定について
 →商工労働部雇用労政課 電話024-521-7294

4 石破総理辞任表明及び今後の予算確保について
 →企画調整部企画調整課 電話024-521-7110

5 地方創生に関する総理との意見交換について
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922

6 新総裁に期待することについて
 →企画調整部避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8434 
 →商工労働部商工総務課 電話024-521-7667
 →商工労働部経営金融課 電話024-521-7274
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
 →危機管理部災害対策課 電話024-521-7820 

7 ふくしま創生・人口戦略官民連携・共創チーム(ワーキングチーム)について
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922