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知事記者会見 令和7年9月2日(火曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年9月5日更新

【発表事項】

1 令和7年度9月補正予算の概要について

 令和7年度9月補正予算の概要を発表いたします。
 今回の補正予算は、県内事業者への支援強化を始めとする地域経済の活性化に向けた県独自の取組や、自然災害への対応など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
 その主な内容といたしましては、地域経済の活性化として、米国関税措置や物価高騰の影響を受ける中小企業等の経営力強化への支援、原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への支援、デスティネーションキャンペーンに向けた観光誘客の更なる推進、自然災害への対応として、大雪で被災した地域における営農継続と産地維持に取り組む農業者団体への支援、吾妻山の火山シェルター設置に向けた取組などであり、これらに要する経費を計上いたしました。
 以上により、一般会計における補正予算の総額は、42億8千4百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,931億3千4百万円となります。

【質問事項】

1 補正予算の事業のそれぞれの狙いについて

【記者】
 今回の補正予算案のそれぞれの事業の狙いについて、知事の考えを教えてください。

【知事】
 今回の補正予算の骨格は、二つあります。
 一つは、地域経済の活性化、もう一つは自然災害への対応です。
 まず、地域経済の活性化については、米国の関税措置や物価高騰の影響を受ける中小企業等に専門家を派遣し、経営課題の解決に向けた助言を行うとともに、その助言を踏まえて、商品開発を行うといった、経営力の強化につながる取組を支援するための経費を計上しました。
 また、全国新酒鑑評会で3年振りの金賞受賞数日本一を達成した「ふくしまの酒」の品質や、ブランド力の維持を図るため、清酒製造事業者に対し、本年産の原料米購入時における価格上昇分の一部を支援するための経費を計上しました。
 さらに、来年春の「ふくしまDC」本番を見据え、より多くの方々に本県を訪れていただけるよう、JRグループの取組強化と連動して、本県の観光コンテンツの効果的な情報発信を行うとともに、ポケモンの企画展開催に向けた準備経費等を計上しました。
 次は、自然災害への対応です。
 2月の大雪で被災された地域における営農継続と産地の維持を図るため、農業者団体が行う新たな取組に対し、県としても支援するための経費を計上しました。
 また、活火山である吾妻山の火山災害に備え、火山シェルターを設置するための設計等に要する経費を計上しました。
 今回の補正予算により、事業者の皆さんへの支援や、観光誘客等を通じた地域経済の活性化を図るとともに、自然災害への対応を進め、県民の皆さんが安心して生活することができるよう、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

2 台湾における日本産食品輸入規制の見直しについて

【記者】
 台湾が輸入規制を全面解除する形となりました。
 福島空港から台湾便も出ている中で、こういった解除ということで、福島県にとっても大きな影響があるかと思いますが、知事の受け止めを教えてください。

【知事】
 台湾において、本県を含む日本産食品の輸入規制に関する見直しが検討されていることを報道等で拝見しております。
 台湾における輸入規制の撤廃が実現されれば、東日本大震災と原発事故後、55の国・地域で行われていた輸入規制は5つの国・地域にまで減少することとなります。
 本県の復興にとっても大きな後押しとなるため、撤廃が実現されることを期待しております。
 県としては、引き続き、県産農林水産物の安全性を確保する取組を進めてまいります。
 併せて、国と連携しながら、科学的根拠に基づいた正確な情報や、県産農林水産物の魅力の発信を強化するなど、更なる輸入規制の撤廃に向け、取り組んでまいります。

3 原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への支援について

【記者】
 予算の話で、二つ目の原料米高騰への支援に関してですが、もう少し具体的に言うと、県内の事業者からどういった声や背景があって、支援を決定されたのか教えてください。

【知事】
 まず、県産日本酒は、福島県復興のトップランナーであります。5月の全国新酒鑑評会において、3年振りに金賞受賞数日本一を奪還されました。
 このような中、現在、令和7年産酒米の価格高騰が懸念されています。
 こうしたことから、県産日本酒の生産量及び品質を維持するため、酒蔵に対して原料米購入を支援し、安定した酒づくりを支援する必要があると考えております。
 酒造組合等から、正にこういった要望を重ねて頂いているところであります。
 このため、清酒製造事業者、(いわゆる)酒蔵さんに対して、清酒生産に係る原料米購入費用の一部を支援することで、「ふくしまの酒」の生産量や品質、ブランド力の維持を図ろうとするものであります。
 酒米の価格が決定するのは例年9月頃であり、酒蔵において原料米の仕入れや酒の仕込みを開始する前に、県が支援策を示すことで、酒蔵の皆さんの経営意欲を高め、県産日本酒の生産量と品質の維持につなげたいと考えております。

4 除去土壌の県外最終処分について

【記者】
 先日の福島復興再生協議会で、伊藤復興大臣から、「歴代の環境省政務三役が応援団をつくる」という御発言がありましたが、応援団という言葉だけだと国が前面に立つという当初のことから外れるのではないかという受け止めもあります。知事のお考えをお聞かせください。

【知事】
 先週、福島復興再生協議会において、大熊町の吉田町長から、「現職の環境大臣、副大臣、政務官だけでなく、歴代の政務三役の皆様に特段の協力を頂き、出身地、選挙区において、中間貯蔵施設についての理解を促進していただきたい」という発言がありました。
 中間貯蔵施設の受入れは、「苦渋」という言葉を更に越える思いで、熟慮に熟慮を重ねて決断に至ったものであり、その上で、国が県外最終処分を法制化し、約束したものであります。
 国においては、吉田町長の思いをしっかり受け止め、県外最終処分の確実な実施に向け、最後まで責任を持って対応していただきたいと考えております。
 この吉田町長の御発言の中には、「応援団」という言葉はございません。
 協議会の中で、環境大臣がそのような表現をされ、そして結果として、復興大臣のぶら下がりの中で、「応援団」という表現が使われたという流れを(私自身も)見ております。
 今、御指摘があったとおり、中間貯蔵施設の設置者、特に、2045年に向けての県外最終処分の実施者であり当事者は、正に国、政府でありますので、「応援」という言葉は、違和感があるというのが率直なところであります。
 (福島復興再生協議会が)終わった後、大熊町の吉田町長に、「(復興大臣ぶら下がりにおいて、)応援団という表現でした」とお伝えしたところ、「自分の思いが伝わりきっていないのかな」と首をかしげておられる様子が印象的でありました。

5 ワールド福島県人会について

【記者】
 ワールド県人会の関係ですが、先日、新しい会長に満山さんの後を引き継いで、荻生さんが就かれましたが、今後、情報発信などワールド県人会に期待すること、また、県としてどのように関わり、支援していくかお考えをお知らせください。

【知事】
 これまでワールド福島県人会会長として、満山会長がふるさとのために、本当に心を込めて熱心に活動してこられました。
 満山会長のこれまでのすばらしい取組に心から敬意と感謝の意を表します。
 このワールド県人会の新しい会長として、香港の荻生さんが就任されると伺っております。
 福島県の県人会は、各国や地域において、それぞれふるさと福島のことを思いながら、懸命に活動を続けておられます。
 特に、2011年3月の東日本大震災と原発事故以降、福島が復興に向け、本当に苦労する中、原発事故に基づく風評被害で苦しんでいることを、我が事として、心にかけて県人会の皆さんが取り組んでこられ、そして、ワールド県人会という組織の中で、一緒に頑張ろうという思いを高めながら、活躍していただいていることを誇りに思います。
 荻生会長においては、是非、各国・地域の県人会の皆さんと交流を深め、ふるさと福島のために尽力していただくことを期待しております。
 また、当然ながら、福島県も彼らと一緒に取り組むという思いでありますので、今後とも、様々な場面で、それぞれの地域で、一緒に活動できることを楽しみにしております。

6 全国産業教育フェア福島について

【記者】
 10月に開催される、全国産業教育フェア福島大会ですが、この大会を通して県は何を発信していくお考えでしょうか。高校生の皆さんに期待することなどがあればお願いします。

【知事】
 さんフェア福島の開催がいよいよ近づいてまいりました。
 先日開かれました総合教育会議の場で、私自身、教育委員の皆さんと共に、さんフェア福島の実行委員である学生の皆さんの思い、かける情熱や熱意というものを直に感じ、非常に心強く感じたところであります。 
 産業技術に関わる学びを、日々頑張ってくれている学生の皆さんが、全国から集い、それぞれの専門分野で「このような学びをしているんだ」「今後、社会において、是非、貢献したい」、そういう思いを、ここ福島の地から全国に発信していただくことを期待しています。
 私自身も是非、さんフェア福島に駆けつけて「頑張ってるね」「いいね」「これからも一生懸命頑張って」というエールを送りたいと考えております。

7 原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への支援について

【記者】
 酒米のことでお聞きしたいのですが、補助金となるとやはり、その後、どう自走するのかが非常に重要な視点になってくると思います。
 例えば、中小企業の方であれば、専門家を紹介することで、何かしら自走するという発想だと思いますが、一方で、この酒米の方は、どちらかというと助成金に近いというか、この後どうするのかが非常に重要だと思います。
 食用米に転用する農家もいるそうですので、その点は国策、農政にもよることですが、県としてできることで、特に、福島は日本酒を売り出してている中で、長期的な目線で見たときに、この酒米の確保について知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 重要な御指摘だと思います。
 今般の急激な酒米の価格高騰は、商品価格への転嫁が困難であることから、緊急措置として令和7年度に限り支援する考えであります。
 一方、支援対象となる酒蔵の皆さんには、農家の皆さんが安心して酒米の生産を継続することができるよう、適切な価格で酒米を購入していただくこととなります。
 特に今、御指摘ありました令和8年度以降についてでありますが、酒米が高騰した場合に備え、商品価格への転嫁等を計画的に行うなど、経営の安定化に向けた取組を求めていきたいと思います。
 また、これは福島県だけの問題ではなく、全国各地でも同様の状況が生じております。農林水産省を始め、政府にも、こういった問題の所在をしっかり伝え、全国知事会としても、酒米の安定化、そして、酒蔵の皆さんが、正に日本の誇る日本酒を安定的に生産することができるよう、他県とも連携しながら、訴えていきたいと考えています。

8 復興局の新拠点について

【記者】
 午前中、復興庁の方で、福島復興局の新拠点について発表があったとのことです。
 設置場所は富岡支所・浪江支所を統合して、双葉町に設置する予定でいらっしゃるとのことですが、そういった新拠点への期待をお願いいたします。

【知事】
 今回、福島県において新しい拠点が双葉郡に設置されること、非常に重要な取組だと考えております。
 これまで福島復興局は、福島市に所在し、活動していただきました。
 一方で、現場においては、富岡(支所)などである程度、浜通りの状況を把握しているわけですが、今後それらを集約する形で新たに設置されるということは、正に現場主義を体現する取組であると考えております。
 第3期復興・創生期間が来年からスタートするわけでありますが、是非、この新しい組織体制が、地域におけるそれぞれの現状や課題をより緻密にきめ細かく捉え、復興庁や政府の政策にしっかり反映されることを期待しております。 
 また、県自身も、私も含め、現場主義を徹底して、こういった国の出先機関とも連携しながら、避難地域の復興・再生のために、一緒に力を尽くしていきたいと考えております。

(終了)

【質問事項】
1 補正予算の事業のそれぞれの狙いについて
 →総務部財政課 電話024-521-7027
 →商工労働部商工総務課 電話024-521-7667
 →商工労働部経営金融課 電話024-521-7274
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-1167
 →商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7298
 →農林水産部農業振興課 電話024-521-7337
 →危機管理部災害対策課 電話024-521-7820 

2 台湾における日本産食品輸入規制の見直しについて
 →農林水産部農林企画課 電話024-521- 8183

3 原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への支援について
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-1167

4 除去土壌等の県外最終処分について
 →生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638 

5 ワールド福島県人会について
 →生活環境部国際課 電話024-521-7182

6 全国産業教育フェア福島について
 →教育庁高校教育課 電話024-521-7769 

7 原料米高騰の影響を受ける清酒製造事業者への支援について
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-1167

8 復興局の新拠点について
 →企画調整部避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8434