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知事記者会見 令和7年7月22日(火曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年7月28日更新

【質問事項】

1 参議院議員選挙について

【記者】
 参院選の結果について、知事としての受け止めを伺います。

【知事】
 まず、この参議院選挙の結果について総論からお話をいたします。
 当選された皆さんに、心からお祝いを申し上げます。
 今回の選挙は、物価高への対応や、年金と医療、介護保険を始めとする社会保障政策などが注目を集める中で行われた、今後の日本の方向性を決める重要な選挙でありました。
 今回の選挙結果は、長引く物価高騰など、様々な課題に対する有権者の皆さんの思いが表れたものと受け止めております。
 当選された方々には、今回の選挙戦を通じて届けられた国民・県民の皆さんの切実な思いをしっかりと受け止め、本県の最重要課題である東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故からの復興、さらに、長引く物価高騰や深刻化する人口減少問題、頻発化・激甚化する自然災害への対応など、我が国、そして地方が抱える様々な課題の克服に向け、全力で取り組んでいただくとともに、我が国の更なる発展のため、国政の場で大いに活躍されることを期待しております。
 今回の参議院議員選挙を通して、私自身が感じている三つのキーワードについてお話をします。
 一つ目は「多様」、二つ目は「混迷」、三つ目は「風化」であります。
 まず、「多様」についてであります。各政党、それぞれの立場で異なる主張が繰り広げられ、活発な論戦が行われました。有権者の皆さんお一人お一人が、それぞれ共感する主張にしっかりと耳を傾けながら、選択をされたものと受け止めております。
 二つ目は、「混迷」であります。衆議院、参議院共に少数与党となりました。今後の政権運営は、予断を許さない状況にあります。今後の情勢変化を注視しながら、臨機応変に対応していかなければならないと考えております。
 三つ目は、「風化」であります。福島県内においては、各候補者、あるいは政党の幹部の皆さんが応援演説等に来られた際、当然ながら、震災・原発事故からの福島の復興の問題について、活発に思いを述べられました。しかし、全国に目を転じますと、そのような状況ではありません。風化が間違いなく進んでいます。
 東日本大震災と原発事故からの復興については、現在、第2期復興・創生期間の最終年度であります。来年度から第3期復興・創生期間の5年間がスタートしますが、第3期復興・創生期間については、大きな財源フレーム等が固まっているだけの状況であり、令和8年度予算に向け、関係省庁と活発な協議を繰り広げているところであります。
 このように、震災と原発事故からの復興はいまだ完了形ではなく、正に現在進行形であり、長い戦いとなります。2030年度に第3期復興・創生期間が終了しても、その後も、10年、20年と長い戦いが続きます。
 このような状況の中で、国会、あるいは霞ヶ関において風化があってはなりません。
 今後とも、この思いを持って、国に対し、福島県の復興は長い戦いであり、風化させることなく、最後の最後まで責任をしっかりと果たすよう訴えてまいります。
 今申し上げました「多様」、「混迷」、「風化」、これが今回の参議院選挙を通じて、私自身が感じた三つのキーワードであります。

2 関西電力美浜原発の新増設報道について

【記者】
 関西電力が美浜原発の敷地内で、原発の新増設を検討しているという報道がありました。原発事故被災県の知事として受け止めを伺います。

【知事】
 関西電力の美浜原子力発電所の新増設に関する動きについて、報道等で拝見しております。
 原子力政策は、国の責任において検討されるべきものであり、福島県としては、「二度とあのような過酷な原発事故を起こしてはならない」という強い決意の下、原子力政策の検討に際しては、原発事故の現状と教訓を踏まえること、住民の安全・安心の確保を最優先にすべきことを、国に対し、繰り返し申し上げてまいります。

3 クマ出没への注意喚起について

【記者】
 クマの被害が県内で相次いでいますが、知事の受け止めや今後の対応を伺います。

【知事】
 県内では、連日、人里や市街地でのクマの目撃が続いており、全国的にもクマによる被害等が数多く報道されています。先週には、下郷町で今年度3件目の人身被害が発生したところであり、けがをされた方には心からお見舞いを申し上げます。
 夏場は山の食べ物が減り、クマがエサを求めて人里まで行動範囲を広げます。今年の秋も、クマのエサとなるブナの実の凶作が見込まれており、秋以降もエサを求めたクマが市街地等に出没することが懸念されます。
 このような状況を踏まえ、県では、現在、会津地域と中通り地域に「ツキノワグマ出没特別注意報」、いわき地域に「ツキノワグマ出没注意報」を発令し、注意喚起を行っています。
 特に、河川での出没が相次いでいることから、今後、県管理河川について、関係市町村等と実施場所を調整しながら、藪の刈り払いを行うなど、引き続き、事故防止に向けた取組を強化してまいります。
 また、先週には、クマによる被害の防止に向け、各部局の政策監等を構成員とする危機管理室員会議を開催し、各部局からそれぞれの関係機関等に対し、更なる注意喚起に取り組むこととしました。
 これから夏休みの時期に入り、自然と親しむ機会が増えますが、県民の皆さんにおかれましては、クマの目撃情報等がある場所では、クマ鈴を携帯し、朝・夕の行動を避ける、見通しの悪い場所には近づかないようにするなど、引き続き、クマに出会うことがないよう十分に注意をしていただきたいと考えております。

【記者】
 北海道や岩手でクマによる死亡事故が発生しており、下郷町でも人身事故が発生していますが、最近の専門家の話によると、人の味を覚えてしまったために、人を襲うようなところも出てきており、過去に起きた事故とは状況が違ってきているとこのことです。
 福島県内において、阿武隈川より東側はクマが発生していないという話が昔からありましたが、浜通りでは今年になってクマが出ています。
 これらに対して、県として、生ごみを放置しないなど、クマへの対策の情報発信をどのように考えているか伺います。
 また、夏休み入り、県外から観光に来られている方も多く、五色沼や猪苗代など、森に近いところに人が出入りするシーズンになってきていますが、そのあたりについて、どのように情報発信をされていくか伺います。
 
【知事】
 専門家の御意見にもありますように、昭和、平成、令和と移り変わってくる中で、クマ出没の状況が、明らかに変わってきていると受け止めております。我々に対して、よりリスクのある状況での出没になっているという強い危機意識を持っています。
 そのため、先ほど述べましたとおり、藪の刈り払いなどのインフラ関係の対応を行っていくとともに、大事なことは、県民の皆さん、県外、国外から来られる観光客の皆さんにも、より効果的な注意喚起を行い、自分自身で身を守っていただくような情報発信が重要だと考えております。
 県民の皆さんに対しては、是非、県政記者クラブを始め、(マスコミの)皆さんのお力をお借りしながら、情報発信を積極的に行い、県としてもホームページ、SNS等も活用しながら、積極的に情報をお届けしたいと思います。観光地においても、今後、多くの方々が来られますので、県外等から来られた方にも、より効率的に注意喚起が届くような工夫を、観光関係団体や市町村と連携しながら行っていきたいと考えております。
 また、もう一つ重要なのは、今年の9月から市町村長の判断により、市街地において緊急的に銃器を使用した捕獲等が実施可能となります。先般、国からガイドラインが示されたところであります。県としても、市町村等が適切に対応できるよう、緊急時における対応研修を開催するなど、支援を行ってまいります。

4 オーストラリア日本大使館訪問について

【記者】
 知事は先週17日にオーストラリア大使館を訪問されましたが、総督の来県など、具体的なお話があれば伺います。

【知事】
 まず、先週行われました大阪・関西万博における県の単独出展については、たくさんの方々にお越しいただくことができました。
 私自身も会場に赴き、御来場を頂いた皆さんに、これまで頂いてきた多くの御支援に対する感謝の思いをお伝えしますとともに、エアレース・パイロットの室屋義秀さんとのトークセッション等を通じて、復興に向けて挑戦を続ける福島の姿を発信してまいりました。
 また、トークセッション終了後には、室屋さんと一緒に会場の皆さんへ旬を迎えた福島の桃を振る舞い、県産品のおいしさや魅力をPRすることができました。
 さらに、オーストラリアパビリオンのゴードン館長にも御視察いただき、本県の復興の歩み等を説明させていただいたところであります。
 これからも様々な機会を捉えながら、福島県の復興の現状と魅力を発信していくとともに、国内外から多くの方々に福島県を訪れていただき、復興が進む「福島の今」を直接「見て」「感じて」いただけるよう取り組んでまいります。
 この前々日でありますが、東京にあるオーストラリア大使館にお邪魔してまいりました。私からは、5月のオーストラリア訪問の成果等を御説明しました。また、今後、総督等が来日される機会がありましたら、福島にもお越しいただければ、という御依頼をしたところであります。先の話でありますので、スケジュール等は未定でございます。

5 本県選出の国会議員へ期待について

【記者】
 参院選について、福島選挙区では自民党現職の森まさこさんが4度目の当選を決めました。森さんに期待することなどをお聞かせください。

【知事】
 先ほども申し上げましたが、風化が極めて進行しています。
 本県選出の国会議員として、東日本大震災と原発事故からの復興について、国が最後まで責任を持って取り組むこと、これが極めて重要であります。是非、県民の思いをしっかり胸に置いて、今後、国会での活動に取り組んでいただくことを期待しております。
 また、併せて、福島県では、急激な人口減少が重要課題の一つであります。現在の政権においては、地方創生2.0に積極的に取り組んでいただいているところでありますが、東京一極集中が進む中で、各地方においては、厳しい状況が今後とも継続するものと考えております。こういった観点も国政において極めて重要な課題となりますので、この点についても、是非、国会で活動していただきたいと考えております。

6 参議院議員選挙の投票率について

【記者】
 福島選挙区の投票率は58.39%で、3年前の前回から4.99ポイント上昇しました。
 投票率向上に向けた様々な取組をされてきたかと思いますが、投票率についての受け止めを伺います。

【知事】
 今回の参議院福島県選出議員選挙の投票率は58.39%と、前回の53.40%に比べ4.99ポイント上昇しました。
 投票率の詳細な分析はこれからとなりますが、今回の選挙では、投票日が三連休の中日であり、夏休みとも重なったため、投票率の低下が懸念されました。
 このため、福島県選挙管理委員会においては、期日前投票の積極的な活用を含め、選挙期間中にテレビ、ラジオ、SNS等を活用した周知や、県下一斉の街頭啓発などを通じて、県民の皆さんに投票参加の呼び掛けを行ってきたところであります。
 こうした中で、有権者の皆さんが今回の選挙に関心を持ち、投票所に足を運ばれたことなどが前回の投票率を上回った重要な要因と受け止めております。

7 参議院議員選挙での復興の論戦について

【記者】
 参院選の受け止めの中で、復興に関する主張が県内で活発に行われたとおっしゃっていましたが、改めて、復興論戦は活発だったのか、低調だったのかをお伺いしたい。 
 選挙公報の中で、復興に関して触れている候補者も、触れていない候補者も見られたので、知事の御所感をお伺いしたい。

【知事】
 それぞれの候補者の皆さんには、自分自身の政見、公約等があって対応されているものと受け止めております。
 その上で、今回は、県内においては当然ながら、東日本大震災・原発事故、その後の自然災害からの復興が重要なテーマであったと受け止めております。また、物価高の問題や社会保障の問題、あるいは、国政の在り方等についても、活発な論戦が行われたと考えております。
 それぞれの地域における固有の重要課題について、候補者の皆さんが自分自身の思いをしっかりと述べ、論戦が行われることが、選挙においては重要だと受け止めております。

8 除去土壌等の県外最終処分について

【記者】
 土曜日に総理官邸へ除去土壌の運び込みが行われました。復興再生利用の初めての事例とされています。
 現時点でのスピード感や、改めて、国に求めることをお伺いします。

【知事】
 首相官邸の前庭において、除去土壌が復興再生利用されました。これは、政府が一丸となって進める、除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた取組の一つであると受け止めております。
 国においては、国民の皆さんの理解醸成を図りながら、除去土壌等の県外最終処分を必ず実現していただきたいと考えています。
 県としては、県民の皆さんが、県外最終処分に向けた取組の進捗を実感することができるよう、引き続き、国に対し、具体的な方針や工程を速やかに明示し、進捗管理をしっかり行いながら、政府一丸となって取組をさらに加速させるよう強く求めてまいります。

9 除去土壌等の県外最終処分に向けた理解醸成について

【記者】
 除染土壌の関係ですが、先日、佐賀県知事の発言もありましたが、再生利用について議論の場を設を設けるということは大事かと思います。
 県として議論の場を全国に呼び掛けて設けることや、活用方法を全国で検討するような場を設けるなど、理解醸成に向けた取組を県として進めるお考えはありますでしょうか。

【知事】
 改めて、福島県としての基本的なスタンスをお話ししたいと思います。
 まず、除去土壌等の県外最終処分は、中間貯蔵施設の受入れという苦渋の決断を行った際に、その前提として、国が約束し、法律に定められた国の責務であり、必ず実現されなければなりません。一方、約束の2045年3月までに残された期間は20年を切っています。
 国においては、除去土壌等の県外最終処分の確実な実施に向け、具体的な方針や工程を速やかに明示し、進捗管理をしっかり行いながら、政府一丸となって取組を更に加速させるとともに、最後まで責任を持って対応していただきたいと考えております。
 特に、県外最終処分に向けた理解醸成については、今後も国において様々な手法を検討し、工夫を重ねながら、国民の皆さんの理解を深めるための取組を更に推進していただきたいと考えております。

10 知事の残りの任期について

【記者】
 参議院選の関連ですが、先ほど「多様」「混迷」「風化」というキーワードを出されながら、これからも長い戦いが続くとおっしゃいましたが、参院選が終わり、今年は市長選があり、来年には知事選もあるかと思います。
 来年は震災から15年、県の誕生から150年に当たる年になると思いますが、これから長く続く戦いの中で、残り1年ちょっとの任期にどう臨むかというところと、その先のかじ取りについてお考えがあれば教えてください。

【知事】
 まず、県政の運営についての、私自身の考え方でありますが、頂いた任期である4年間の中で、先ほどから述べております、複合災害からの復興、急激な人口減少への対応、自然災害への対応等も含めて、県政が抱える重要課題に真摯に向き合い、一つ一つ結果を出していくために努力を続ける、このことにまい進してまいります。

11 首相の続投について

【記者】
 参院選の件で、先ほど「混迷」とおっしゃいました。少数与党になって、予断を許さないということですが、昨日、石破首相が続投を表明されたことについて、知事としての受け止めを教えてください。

【知事】
 総理自身が、今回の選挙結果を受けて、真摯に検討した上でお話をされたものと受け止めております。一方で、様々な御意見が、与野党、国会の中から生じていると思いますので、今後、どういう状況になるかを、私自身、知事会の仲間と共に注視しているところであります。

 

(終了)

【質問事項】
1 参議院議員選挙について
 →総務部市町村行政課(選挙管理委員会事務局) 電話024-521-7304
 →企画調整部企画調整課 電話024-521-8624
 →企画調整課風評・風化戦略室 電話024-521-1128
 →避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8434

2 関西電力美浜原発の新増設報道について
 →企画調整部エネルギー課 電話024-521-7120 

3 クマ出没への注意喚起について
 →生活環境部自然保護課 電話024-521-7740

4 オーストラリア日本大使館訪問について
 →生活環境部国際課 電話024-521-7181
 →商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7316
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026

6 参議院議員選挙の投票率について
 →総務部市町村行政課(選挙管理委員会事務局) 電話024-521-7304

8 除去土壌等の県外最終処分について
 →生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638

9 除去土壌等の県外最終処分に向けた理解醸成について
 →生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638