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知事記者会見 令和7年5月29日(木曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年6月6日更新

【発表事項】

1 今回の豪州訪問について

 今回の豪州訪問について、報告いたします。
 まず、ふくしまレセプションでは、豪州の連邦総督を始め、政府関係者や在豪州各国大使館、在豪州日本人関係団体など、たくさんの方々に参加を頂きました。
 講演会や日本酒などの県産品を提供する交流会を通じて、これまでの御支援に対する感謝の思いと、本県の復興状況や食・観光の魅力など「福島の今」を直接お伝えし、本県への理解醸成を図るとともに、豪州からの観光誘客を促進してまいりました。
 次に、「ふくしまの酒」の試飲商談会では、県産日本酒の更なる販路拡大に向け、県内蔵元の皆さんと共に、現地の輸入事業者や流通事業者の方々に対し、直接プロモーションを実施しました。
 また、県産酒とペアリングした郷土料理の提供を通じて、県産品の品質の高さや魅力を発信しました。
 商談会に参加された方々からは、「飲みやすく大変おいしい」「是非、取扱を検討したい」といったうれしい声を頂くとともに、蔵元の皆さんと熱心に商談される姿も数多く見られるなど、現地の方々の反応を直接感じることができました。
 次に、『「ふくしまの酒」と豊かな食文化プロモーション』では、本県ゆかりの現地飲食店において、本県の郷土料理等のアレンジメニューや県産酒を4週間程度、お店で提供いただけることとなりました。
 また、現地で有名な飲食店のオーナーと会談をし、JAグループ福島等と連携しながら、豪州への本格輸出となる、福島牛のフェアを初めて開催していただけることとなりました。
 次に、観光誘客につきましては、豪州最大のスノー旅行博である「スノートラベルエキスポ」において、本県におけるスノーリゾートの魅力をお伝えし、福島の知名度向上とインバウンドの更なる誘客促進を図りました。
 来場された方々からは、「雪質が良く、ゆったり楽しめるスノーリゾートを探していた」といった声が聞かれ、その場で旅行商品を仮予約される方が過去最高の約4,800人泊となるなど、本県に対する関心の高まりを実感しました。
 また、福島と豪州との交流関係を更に発展させるべく、オーストラリア旅行業協会(ATIA)とMOUを締結し、相互の誘客・送客を促進するためのプロモーションの実施や、更なるインバウンド誘客の拡大に向けた意見交換などを行っていくことといたしました。
 今後、ATIAの関係者をファムトリップ(視察旅行)としてお招きし、豪州から更に多くの方々に福島を訪れていただくことができるよう、連携してプロモーションを行ってまいります。
 次に、シドニーで実施した観光誘客トッププロモーションでは、豪州の旅行会社やメディアの方々など、75名に参加いただきました。
 セミナーでは、私から豪州の皆さんに、本県でのスノーアクティビティや、奥深い歴史と食文化、福島ならではのホープツーリズムなど、本県観光の魅力を直接発信してまいりました。
 次に、関係先等への訪問では、日本国大使や総領事、政府機関等を訪問し、これまでの御支援に対する感謝の思いを直接お伝えするとともに、本県の復興状況や食の安全性等についても御説明し、更なる理解を深めていただきました。
 特に、サム・モスティン豪州連邦総督におかれては、本県の復興の歩みや観光の魅力に大変関心を持たれ、急遽、連邦総督邸にお招きを頂き、再び懇談する機会を頂きました。
 また、パース県人会やシドニーの県人会の皆さんを始め、本県に思いを寄せてくださる方々ともお会いし、ふるさと福島への思いなどについて、意見交換を行いました。
 今回の豪州訪問で築いた絆をいかしながら、今後も経済、観光等における交流を更に促進させていくとともに、復興へ向けて挑戦を続ける福島の姿を積極的に発信してまいります。

【質問事項】

1 今回の豪州訪問について

【記者】
 まず豪州訪問の関係ですけれども、福島県では、今までオーストラリアに対し、そこまで強力なプロモーションというのはしてこなかったかと思っております。
 そういう意味では未開の地というような扱いかと思っていますけれども、実際に現地に行かれて関係者の方と、商談等をされた中で、オーストラリアからの観光誘客であったり、県産品の販路拡大というところで可能性をどのように感じてこられたか改めて教えていただきたい。

【知事】
 私自身、オーストラリアには知事として初訪問であります。
 今回、実際にキャンベラ、シドニーに伺い、様々な方にお会いして感じたことは、非常に親日的である。日本に対して強い好意を持っておられるということであります。
 その一つの成果として、今、オーストラリアから日本にこられる方が非常に大きく増えている現実があります。
 (今回の訪問を通じて)様々な方から、日本に対する好意的な御意見だけでなく、福島に対する強い関心や、「福島に行ってみたい」という声を幾度も伺うことができました。
 また、今回は、特に福島県の日本酒のPRをしてきましたが、福島県の日本酒を実際に飲んだ方々が口々に「おいしい」「飲みやすい」と言って何度もおかわりをされて、楽しんでおられる姿が印象的でありました。
 特に、福島には「スノーリゾートとして行ってみたい」という強い声を頂きました。御承知のとおり、今は北海道や長野県など、これまで人気のあった著名なエリアではオーバーツーリズム的なものが起きている現実があります。
 オーストラリアの皆さんが、あまり混み合っているところではなく、落ち着いて滞在できるところを探している中、福島のスノーリゾートとしての魅力をお伝えすることができたため、彼ら自身に、福島に対する非常に熱い思いを持っていただけたことを実感しております。
 また、県産品で言いますと、今回、日本酒や福島牛の販路拡大、開拓を行っておりますが、今、アメリカにおいて特別な関税措置が行われていて、これまでのようにアメリカに対して、福島の県産品を輸出し続けることができるかどうか、先行きが見えない状況があります。
 こういったものを考えたとき、オーストラリアはそういう点で、非常に親日的、好意的であり、福島県に対する理解、あるいは応援したいという思いを持っておられますので、そういったお力を頂きながら、例えば、県産の日本酒であったり、福島牛等をより積極的に輸出することは可能だと考えております。特に、福島県へのインバウンド、オーストラリアからの観光客を増やすことは必ずできると確信しております。
 今回は、オーストラリア旅行業協会(ATIA)の皆さんからも非常に熱い思いを頂いておりまして、今年度中にファムトリップ(視察旅行)を行って、具体的な商品造成をしたいという積極的なお話を頂いております。
 こういったものをいかしながら、是非、オーストラリアにおいて、今はまだ(本県の)知名度は低いというのが現実だと思いますが、福島県に対する理解をより深めて、(知名度を)高めていくことは必ずできますので、そうした中で、県産品の輸出促進やインバウンドの促進、さらにオーストラリアと日本との交流をより深めていくことに力を尽くしていきたいと考えています。

2 除去土壌等の県外最終処分に向けた国の取組について

【記者】
 除染土壌の県外最終処分に関して、先日、政府の方で基本方針を取りまとめました。
 官邸での利用や、全省庁横断的な理解醸成の取組といったものが盛り込まれました。
 知事として基本方針についてどのように受け止めているか教えてください。

【知事】
 一昨日、国の全閣僚による推進会議において、「福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等の推進に関する基本方針」が決定されました。
 除去土壌等の県外最終処分の実現に向け、政府が一丸となって取り組むための重要な方針が示されたものと受け止めています。
 一方で、約束の2045年3月までに残された期間は20年しかありません。国においては、県外最終処分の確実な実施に向け、今回示された基本方針を踏まえ、政府一丸となって取組を更に加速させるとともに、最後まで責任を持って対応していただきたいと考えております。

3 県のアンテナショップについて

【記者】
 県のアンテナショップ「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」が5月20日に来館者400万人を達成しましたが、その受け止めについて伺います。
 関連して、アンテナショップは開店当初、福島第一原発事故の風評払拭が狙いでしたが、そちらの手応えについても伺います。

【知事】
 日本橋の福島県アンテナショップ「MIDETTE」が本当に頑張ってくれています。
 今お話しいただいたとおり、開店当初は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故によって、福島県の県産品、食料品等に対して特に強い風評被害があった。それが厳しい現実でありました。ある意味、ゼロからではなくマイナスからのスタートだったと考えています。
 そういう中でも、農業者や生産者の方々は、「安全で品質が高く、おいしい農産品をつくりたい」。日本酒の蔵元の皆さんも、「おいしいお酒を造り続けることによって、風評被害を何としても吹き飛ばしていきたい」という思いで努力を重ねてこられました。
 (MIDETTEは)東京の日本橋という非常に良い場所に立地しており、福島県に対して思いを寄せてくださる方や、「福島の県産品おいしいね」と言っていただける方が徐々に増えてリピーターとなったり、新規のお客様が訪れるという連鎖反応の中で、MIDETTEの取扱高が非常に高くなった時期がありました。
 ただ、御承知のとおり、その後、新型コロナウイルス感染症の影響があり、(福島にいる)我々自身が県境を越える移動をして、PRすることが難しい時期もありました。そのときにも、MIDETTEは正に福島のPRの拠点として頑張り、取組を継続していく中で、今回400万人を達成することができたことを、本当にうれしく思います。
 また、これからどういった役割を求められるかでありますが、やはり風評・風化という二つの逆風に立ち向かうことが重要です。と言いますのも、風評は、震災から13年14年と経過する中で、ある程度下がり続けていましたが、最近それが戻る傾向があります。
 恐らく14年経って、福島の原発事故に対する関心が薄くなってきており、いろいろな要因もあろうかと思いますが、順調に風評が減り続けるという状況では必ずしもない現実があります。
 そういう意味でも、当初の風評被害の払拭とは局面が違いますが、一定数残っている根強い風評をなくすための役割を、MIDETTEには是非、先頭に立って頑張っていただきたいと考えています。
 また、もう一つ大事なことは風化の抑制です。
 (年月が経過することで)恐らく、東京におられる方で震災・原発事故のことを心の中に置いておられる方がどんどん減ってしまうという現実があるかと思いますが、我々はまだ長い戦いが続きますので、福島に対する関心を持ち続けていただかなければいけません。そのためにも、福島のファンを継続していただく、あるいは新しいファンを増やすためにも、このアンテナショップの役割は大きいと思います。
 また、インバウンドの外国人観光客が今、東京に集中しておられます。
 先ほどのオーストラリアの話のように、是非(福島に)呼び込みたいのですが、まずは東京に来られた方に、「福島のアンテナショップがあるよ」ということをいろいろな言語で知っていただいて、「ちょっと寄ってみようかな」と思っていただくことも福島を訪問していただく入口になると思いますので、こういった役割もMIDETTEの新たな役割になると思います。
 県としても、観光物産交流協会やMIDETTEなどと連携して、400万人を達成した来館者数を450万人、500万人と増やしていくことができるように、しっかり取り組んでまいります。

4 いわき信用組合について 

【記者】
 いわき信用組合について、本日、東北財務局が業務改善命令を出しました。震災後、公的資金が注入されている金融機関であり、詳細は明日発表となりますが、知事の受け止めを伺います。

【知事】
 一連の報道を拝見しております。
 いわき信用組合におかれては、今回の業務改善命令を重く受け止めていただきたいと考えております。
 また、昨年度から第三者委員会による事実関係の調査が行われており、明日、その結果が公表される予定と聞いております。
 この調査結果も踏まえ、預金者等に影響を及ぼすことのないよう、適切な業務運営に努めることが何よりも重要であると考えております。

5 福島第一原子力発電所の廃炉について 

【記者】
 福島第一原発の廃炉の問題ですけれども、先週NDFの更田先生が我々マスコミとの懇談会の場で、51年の廃炉、つまりロードマップについて、無理だと。見直しをするんだというお話をされたのですけれども、知事としてロードマップの見直し、また51年の廃炉についてどう考えてらっしゃるか教えてほしいです。

【知事】
 そうした報道を拝見しております。
 福島第一原発の廃炉に向けた取組は、国が策定した中長期ロードマップに基づき、「2051年までの廃止措置終了」を目標に作業が進められており、その進捗について石破首相は、今年3月に福島県を訪問された際、「現時点では一部に遅れはあるが、全体の工程に大きな支障は生じていない」と発言されました。
 福島第一原発の廃炉が、安全かつ着実に進められることが本県復興の大前提であります。
 このため、国及び東京電力においては中長期ロードマップに基づき、安全を最優先に、着実に廃炉を前に進めるとともに、廃炉の進捗や今後の取組等について、県民目線に立った分かりやすい情報発信に努めていただきたいと考えております。

6 備蓄米について

【記者】
 お米について二点お願いいたします。
 まず一点目ですけれども、備蓄米の随意契約になって、早いところでは今日から販売が始まっています。
 米どころでもあるこの福島県でも、そういった備蓄米、安い備蓄米が店頭に並ぶのも、そろそろというところになってくると思うのですが、まずその点についてどのように受け止めていらっしゃるのかお願いいたします。

【知事】
 今週、国は随意契約により備蓄米を小売業者に売り渡すことを発表されました。
 備蓄米の流通が円滑化し、速やかに消費者の皆さんの御手元に届くとともに、農業者の皆さんがこれからも安心して米づくりを続けることができるよう、価格が安定することを期待しております。
 引き続き、米の流通と価格動向を注視してまいります。

7 米の作付け意向について

【記者】
 もう一点、お米についてですけれども、先日農水省の発表でありましたが、今年の農家さんの作付の意向について、主食用米がほとんどの地域で増える意向になっている一方で、酒米については減る意向となっています。
 日本酒王国福島でもありますので、その点についてどのように受け止めているのかお願いいたします。

【知事】
 先週、国は令和7年4月末時点での令和7年産米の作付意向を公表しました。本県を含め、全国的に主食用米の面積が増加しています。
 これは、政府備蓄米の買入が当面中止されていることや、令和7年産米価格の高止まりを見込んで、備蓄米や飼料用米を作付していた生産者が、主食用米へ転換しているものと考えられます。
 県としては、米の需給に関する動向を注視してまいります。
 あわせて、主食用米が増える一方で、酒米の生産が減るという報道もございます。
 先週、全国新酒鑑評会において金賞受賞数日本一を奪還した福島県の組合の皆さん、酒蔵の皆さんからも、今後の酒米について、「安定的に、しっかり供給してもらえるのか心配だ」という不安の声を伺っております。
 県としても、昨年以降の酒米の値段が上がっている状況、さらに今後供給不足が懸念されるという状況を踏まえて、組合等と今、密接に意見交換を重ねております。
 酒どころ福島、日本のトップクラスのお酒をつくる福島として、酒米の供給が安定的に行われることは非常に重要だと考えておりますので、県としてどういった対応が可能か、皆さんからの御意見を伺いながら、しっかり検討していきたいと考えています。

(終了)

【質問事項】
1 今回の豪州訪問について
 →商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7298
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
 →総務部広報課 電話024-521-7124

2 除去土壌等の県外最終処分に向けた国の取組について
 →生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638

3 県のアンテナショップについて
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-1167

4 いわき信用組合について
 →商工労働部経営金融課 電話024-521-7274

5 福島第一原子力発電所の廃炉について
 →危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

6 備蓄米について
 →農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359

7 米の作付け意向について
 →農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-1167