知事定例記者会見
■日時 令和7年4月21日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 小名浜道路の開通日について
【質問事項】
1 小名浜道路の開通日について
2 令和8年度予算折衝、国との連携について
3 ゼロ予算事業について
4 小名浜道路を含む復興道路全般について
5 F-REIについて
6 郡山市との今後の連携について
7 公共交通の維持について
8 只見線再開に向けての取り組みについて
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【発表事項】
ふくしま復興再生道路として整備を進めてきた「小名浜道路」の開通日について発表いたします。
小名浜道路の開通日は、今年の8月7日となります。
小名浜道路は、小名浜港を中心とする小名浜地区と常磐自動車道を結ぶ、無料の自動車専用道路であります。
この道路が開通することにより、常磐自動車道から小名浜港への所要時間が、これまでの約30分から13分へと大幅に短縮され、小名浜地区へのアクセスが向上いたします。
また、物流の円滑化や新たな企業の進出、観光ルートの多様化による広域的な観光振興が図られるほか、大規模災害時における円滑な緊急輸送を確保できるなど、様々な波及効果が生まれることを期待しております。
県としては、引き続き、県土全体の将来像を見据えた社会資本の整備を着実に進め、安全・安心で活力に満ちた県土づくりに取り組んでまいります。
【質問事項】
【記者】
小名浜道路の開通日が8月7日に設定されていますが、この日を選んだ特段の理由があれば伺います。
【知事】
工事の進捗状況を勘案し、この日程を設定しているところです。
【記者】
来年度の予算について、現状、財務省との折衝も中々厳しいという話を聞いています。
予算の確保を国に求めることは必要である反面、原因官庁である経産省や復興庁、霞ヶ関と一緒に、その事業の効果について職員としてもうたっていくという考え方も、この14年という意味では必要かと思いますが、予算を求めるに当たって、国との連携についての知事のお考えを伺います。
【知事】
今の御質問は、令和8年度予算や、(第2期)復興・創生期間の次の5年間における予算確保に、県としてどういう姿勢で取り組むかということかと思います。
まず、大切なことは、福島県は今、二つの重い課題に直面しています。
一つ目が複合災害からの復興、そして、二つ目が急激な人口減少への対応、地方創生であります。
この重要課題を克服していくためには、財源の確保や制度の構築が極めて重要であります。
その際、一つポイントとなるのは、政府や、霞ヶ関の関係省庁との交渉、折衝であります。
これまでも毎年、予算編成に当たっては、関係の省庁、例えば、復興庁や経済産業省、環境省、総務省、財務省、国土交通省等に対し、福島の復興と地方創生にどういった財政需要があるのか、そして、それを前に進めていくことでどういう効果があるのかについて(説明した上で)、関係省庁や政府幹部の皆さんと丁寧に協議を重ねてきたところであります。
令和7年度は第2期復興・創生期間の5年間の最終年度ですので、正に令和8年度以降の在り方について協議を続けている最中であります。
大事なことは、こういったことが必要だと定性的に言うだけではなくて、定量的なデータやエビデンス、それによってどういう効果が期待できるのかを具体的に省庁に対して示していくことも重要かと思います。
また、これまで14年積み重ねてきたものを変えていくためには、新しい取組、挑戦も重要ですが、それをどういった方面で行っていくことがより効果的、効率的なのか議論を行うことも大切だと思います。
昨年の後半には、総理から第2期復興・創生期間後の財源確保について、マクロ(総額)での方向性はお示しいただきましたが、ミクロの事業については、関係省庁とお互いに理解を深め、納得を頂きながら、しっかりと構築していくことが重要です。
夏の政府予算の概算要求に向けて、一日一日を大切にしながら、関係部局がしっかりと取り組み、そして、私自身が、関係省庁に説明する際にも、福島の復興と地方創生、未来にとって何をすべきなのか、どういう施策が重要なのかを丁寧に訴えて、理解を深めていくことが大切です。
ポイントは福島県が一方的に説明するだけではなく、政府自身と同じ思いで取り組んでいくことです。これが間違いなく重要で、そういった連携・共創という感覚を持って、政府との折衝に臨んでいきたいと思います。
【記者】
ゼロ予算事業について。復興予算はいつまでも続くものではないと思いますが、一方で、これまでのノウハウや、包括連携協定によるいろいろなネットワークもあるので、こういった発想に近い形で良い事業を作っていくということもできるかと思います。
今は予算があるので、いろいろできると思いますが、一方で、お金がないところでどうしていくかという知恵の絞り方は大切なことではないかと思います。この点に関して御認識を伺います。
【知事】
福島県の現在の予算は1兆2,000億円余りで、同じ人口規模の自治体よりも非常に多くの予算を頂いており、多くの予算を執行しています。これは複合災害からの復興という、他県にはない特殊事情が勘案されて、財源が確保できているものと考えております。
こういった復興財源の確保や復興事業の執行に向けては、これからも長い戦いとして継続して獲得していかなければなりません。また、政府自身がこれまで原子力政策を続けてきた当事者として最後の最後まで責任を果たすべきである。これがまず私の基本認識であります。
一方で、こういった予算執行とは別に、大切なキーワードは知恵と工夫だと思います。
「ゼロ予算事業」、私自身も非常に好きな言葉で、部長時代、副知事時代もどうすれば大きな予算とは別に、きめ細かく知恵と工夫で県の施策を前に進めていくことができるかということに意を配ってまいりました。
現在も各部局において、その取組を進めていますが、例えば、農林水産部では、職員が動画を作成し、YouTubeに投稿しています。巨額のお金を使って様々な形で大規模な広報を行うことも効果がありますが、職員が情報発信とは何か、農林水産部では何を発信したいのか(を考え)、自分でシナリオをつくって、撮影、編集して、投稿する。その後もどうやったら再生回数が増えるのかを真剣に考えながら取り組むことも非常に重要であります。
それをプロの方に一定の予算をかけて依頼することも一つの仕事の在り方かと思いますが、県職員自身が知恵と工夫を出して、こういった施策一つ一つに取り組むことが、大きな事業を実施するときにも非常に役立つ部分があると思います。
また、もう一つ大事なことは、包括連携協定の締結企業だけでなく、福島県を応援するためにいろいろと協力したいという多くの方々がおられます。
特に、震災から14年が経過し風化が進んでいますので、そういった方々との連携をこれから一年一年強めていくときに、お金だけではなく、お互いに知恵と工夫を出し合ってWin-Winで続けていくことができる、そういう関係をつないでいくこと、更に広げていくことも重要だと思います。ゼロ予算事業と県の1兆2,000億円の事業、きめ細かな部分と大胆な部分を大事にしていく、その思いで県職員一丸となって取り組んでいきたいと思います。
【記者】
小名浜道路の開通見通しを発表いただきましたが、ほかの工区路線もあわせまして、福島復興・再生道路全体の観光に向けて、お考えを改めてお聞かせください。
【知事】
福島県では、2011年3月の未曽有の大災害以降、国の御協力を頂きながら、基幹的な道路として東西南北それぞれに集中的な投資を行って開通してきたところであります。
例えば、相馬-福島道路は極めて短期間で開通いたしました。また、常磐自動車道についても、2車線で途切れていたものがしっかりと全線開通し、更に4車線化に向けて順次工程が進んでおります。
こういった基幹道路が出来上がることによって、人や物の流れが変わっていきます。これが福島県全体の復興と地方創生にも、大きく役立つことをこれまでも実感してまいりました。
今回の小名浜道路も五つの大きな効果があると考えております。
一つ目は所要時間の大幅な短縮、二つ目は物流の円滑化、三つ目は新たな企業の進出、四つ目は観光交流の活性化、そして五つ目が災害時の緊急輸送の確保です。福島県は広い県土を有していますので、こういった効果を小名浜道路、そして、次の基幹道路の整備も含めて、きめ細かく道路ネットワークを構築していきたいと考えています。
【記者】
週末にF-REIの起工式が行われる予定です。
F-REIへの期待、県としての期待を改めてお伺いします。
【知事】
F-REIにおいては、令和5年4月の設立以降、委託研究の実施や直営の研究ユニットの立ち上げに加え、県内各地において、F-REI市町村座談会や大学等でのトップセミナー、高等学校での出前授業を開催されるなど、様々な取組を精力的に進めていただいております。
今週26日にはF-REIの敷地造成工事の起工式が執り行われます。いよいよF-REIの施設整備が本格的に始動することとなります。
最新の研究環境の下で、トップクラスの研究者の皆さんが集まり、世界最先端の研究を進め、世界にその存在を示していただくとともに、県民の皆さんがF-REIに関わる様々な人々と交流することができるような、地域に根差し、地域に開かれた存在となることを期待しています。
県としても、F-REIの活動が円滑に進むよう、地域の多様な主体との連携を支援するとともに、F-REIの皆さんと力を合わせて、福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、世界に誇れる福島の復興・創生を実現することができるようチャレンジを続けてまいります。
【記者】
昨日郡山市長選の投開票が行われて、新しい市長が決まりました。
経済の中心都市である郡山市と今後どのように連携を図っていくかお願いします。
【知事】
当選された椎根氏に心からお祝いを申し上げます。
今回の選挙戦では、郡山市の将来を展望した様々な論戦が交わされました。そうした論戦の内容や政策の方向性等を踏まえ、有権者の皆さんが判断された結果であると受け止めております。
当選された椎根氏には市民の皆さんの思いをしっかりと受け止めていただき、市勢の発展にその手腕を存分に振るわれることを期待しています。
県としては、今後とも郡山市を始め、県内各市町村との連携を密にしながら、復興や地方創生など、福島県が抱える課題の解決に全力で取り組んでまいります。
【記者】
先日県内のタクシーの初乗り料金が引上げになりました。
公共交通の維持についてどのようにお考えか教えてください。
【知事】
先般、そうした報道を拝見しているところであります。
福島県は広い県土であり、公共交通の確保が極めて重要です。
一方で、御承知のとおり、鉄道やバス、今回のタクシーも含めてですが、それぞれに容易ではない状況にあります。
まず、公共交通機関である鉄道やバスがしっかりと市民の皆さん、県民の皆さんの足として確保することができるよう、市町村や関係機関と連携して取り組んでいきたいと考えております。
現在、プレDCの最中ですが、鉄道の駅やバス停から先の二次交通の問題が重要であります。市町村が工夫をしながら、観光関係やデマンドタクシー、ライドシェア、こういったものに取り組み始めているところであります。
また、タクシーが、それぞれの地域において必要な形でしっかりと存続していくことができるよう、関係の皆さんと力を合わせ、しっかり取り組んでいきたいと思います。
【記者】
只見線の会津川口駅~只見駅間、再開通が5月中旬以降になるという見通しが示されました。
2月の大雪で3か月以上にわたって、不通が続くということになると思います。
生活路線であることに加え、観光にも重要だということで、プレDCも始まっていますが、早期の再開に向けての県の取り組み、それから改めて只見線が過酷な環境を走っているんだなと実感するところですけれども、只見線の安定的な運行というか管理も含めて、それに対する県の考え、今後の展望も含めてお伺いできればと思います。
【知事】
JR只見線の会津塩沢駅~会津蒲生駅間に設置されている寄岩スノーシェッド付近において、雪崩による積雪に加え、倒木の散乱も確認されており、運転再開に向けては、重機を使用した作業が必要です。
ただ、その上部にある雪崩発生源の残雪が多く、雪崩の発生リスクがあるため、現場までの重機搬入路の確保や現地作業が困難な状況になっています。
このため、現地調査や鉄道の第三者専門機関の助言等を踏まえ、県管理区間の運転再開については、5月中旬以降を見込んでいます。
これに伴い、JR東日本においては、今月26日から定時列車及び臨時列車に係る代行バスを運行することとなりました。
今後も現地調査やヘリコプターによる空撮を行うなど、安全確認を徹底しながら、慎重に除雪作業を進め、運転再開に向け、JR東日本等と調整をしてまいります。
また、多くの方々が只見線の乗車を観光の面で楽しみにしておられます。
まずは、代行バスの運行によって観光への影響を最小限にとどめながら、引き続き、運転再開に向け、JR東日本等と調整を進めてまいります。
(終了)
【発表項目】
1 小名浜道路の開通日について
→土木部道路整備課 電話 024-521-7502
【質問項目】
1 小名浜道路の開通日について
→土木部道路整備課 電話 024-521-7502
2 令和8年度予算折衝、国との連携について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-8624
3 ゼロ予算事業について
→農林水産部農林企画課 電話024-521-8183
→企画調整部企画調整課 電話024-521-7110
4 小名浜道路を含む復興道路全般について
→土木部道路整備課 電話 024-521-7502
5 F-REIについて
→企画調整部福島イノベーション・コースト構想推進課 電話024-521-7112
7 公共交通の維持について
→生活環境部生活交通課 電話024-521-8709
8 只見線再開に向けての取り組みについて
→生活環境部生活交通課 電話024-521-7157