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知事記者会見 令和7年3月24日(月曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年3月27日更新

【質問事項】

1 還暦を迎えたこの1年における知事の県政への思いについて

【記者】
 知事は、明後日、誕生日を迎えられますが、還暦の1年を振り返ってどのような年であったか伺います。

【知事】
 令和6年度、今年一年も様々な課題に、正に挑戦し続けた一年であったと思います。
 まず、複合災害からの復興ということで言いますと、第2期復興・創生期間の最終年度が近づくということで、昨年の行政事業レビューを始め、政府の方と様々なやりとりがありました。
 それをきっかけにして、風化を進ませてはならないという強い決意の下、政府に対し、第2期復興・創生期間後も、しっかりと財源・枠組み・制度を確保するよう強く訴えてきたところであります。
 結果として、政府において、次の5年間においては、今の5年間を十分上回る形で全体規模を確保するということが明言されました。
 ただ、新年度の令和7年度は、第2期復興・創生期間の最終年度になりますので、ここで、次の5年間の枠組みをより良い形にしていくため、政府と丁寧に折衝を続け、安心してこれからも復興に取り組むことができるよう、しっかり臨んでいきたいと考えています。
 次の観点は、地方創生です。
 昨年4月、人口戦略会議において消滅可能性自治体というものが定義づけられました。
 2050年までの30年間で、20代、30代の女性の人口の減少率が50%を上回る非常に厳しい状況に置かれる自治体が、消滅可能性自治体とされており、福島県内では59のうち33の自治体が該当することが指摘されています。
 また、残りの26の自治体においても、一番減少率が少ないところでマイナス30%でありますので、決して楽観できる状況ではありません。
 したがって、福島県全体の問題として、この人口減少の問題、どう対峙していくべきかということについて様々な議論を重ね、特に若者、女性に選ばれる県になるために何をすべきかということについて議論を重ねてきました。その結果、新しい地方創生の戦略をこれからつくり上げ、そしてそれを新年度、来月から直ちに実行に移すということになります。
 また、その考えに基づく新年度予算案を、先週県議会において議決を頂いたところであります。
 この一年間、復興、地方創生の歩みについて、しっかりと前に進めることができたと考えておりますが、一方で、その二つの重要課題においては、重い課題、まだこれからしっかりと解決していかなければいけない課題が、様々ありますので、これからも誠心誠意、県政に取り組んでいく、その思いでこの年度末を迎えております。

2 西郷村の民家裏に行われた盛土への対応について

【記者】
 本日、西郷村で県が進めてこられた盛土の代執行が完了するという見通しになっています。
 2億円を超える費用が投じられていると思いますが、これは県民の負担になってしまうのではないかというところが危惧されるところ、今後、業者から求償等どのような段取りで公金を取り返していくのかという算段と自信について伺います。
 それともう一点、この現場の近く、既に森林法違反に問われている方の盛土では先日、地裁で判決が出たところですが、公判の中で、福島県は盛土に対する規制が甘いので栃木県から北上してきたというような本人の言葉も経緯としても判明したところです。改めてこれについての受け止めを伺います。

【知事】
 西郷村の民家裏に盛土が行われた事案については、盛土規制法に基づき、昨年8月以降、「行政代執行」により、盛土の一部撤去や法面を保護するための工事を実施してきました。
 これにより、安全性が確保できたことから、本日午前11時、西郷村の現地において、「行政代執行の終了宣言」を行う予定であります。
 また、行政代執行の費用についてでありますが、法に基づき、行為者に対し行政代執行の費用を求償してまいります。
 先ほど裁判での発言というお話がありました。
 福島県においては、引き続き、危険な盛土等の抑止に向け、県警や市町村等と連携をしながら、新たな制度、あるいはこの盛土規制法、こういったものによって、全県的に今、網をかけているところでもあります。
 こういった制度をいかしながら、県民の安全・安心の確保が図られるよう取り組んでまいります。
 また、こういった広い県の状況をしっかりと監視していくための監視制度、そして人員の配置というものも今回新たに講じているところでありますので、こういったものを最大限にいかしてまいります。
 市町村等とも連携しまして、初期段階での対応が重要でありますので、こういった予兆等がある場合には是非速やかに教えていただいて、そこにまた県の監視体制というものをしっかりと派遣して、できるだけ早い段階で未然防止に努めていくということが今後重要だと考えております。

3 燃料デブリの試験的取り出し作業について

【記者】
 原発のデブリの試験的取り出し2回目が来月にも始まるということですが、1回目はトラブルや作業中断もあったかと思いますが、東電にどのようなことを求めるか、2回目の取り出しでどのようなことを期待するか伺います。

【知事】
 先週、東京電力から福島第一原発2号機における2回目の燃料デブリの試験的取り出し作業について、作業員の習熟訓練や、カメラ及び先端治具の取り換えなどを行った上で、4月中の着手を目指して準備を進めるという報告を受けております。
 燃料デブリの試験的採取は、将来の本格的な取り出し作業に向けた具体的な方策を検討する上で重要となります。
 このため、東京電力においては、安全を最優先に作業を進めるとともに、着実に成果を上げていただきたいと考えております。

4 ベトナム便の就航について

【記者】
 ベトナム便の就航が今週、明後日始まると思いますが、どんなことを期待されるか伺います。

【知事】
 ベトナム便について、また新たにチャーター便が再開するということになります。
 私自身が昨年、ベトナムに渡航しまして、エアラインや旅行関係の方々と直接お話ししてきた中で、今回チャーター便がいよいよ本格的に福島に来られるということを本当にうれしく思いますし、来られるベトナムの方々を心から歓迎したいと考えております。
 ベトナムの方々には、非常に福島県に好感を持っていただいており、前回も、福島の観光、自然、景観の美しさ、歴史、伝統、文化、また、おいしい食や温かい福島のおもてなし、こういったものを楽しんでいただきました。
 今回のチャーター便は、今の予想ですとおそらく桜の開花と(重なり)非常にいいタイミングで、観光も良い形になってくるかと思います。
 雪が残る山、こういった冬の景色も残っておりますし、一方で桜が開花する、美しい福島、花の王国を楽しんでいただくこともできるかと思いますので、このチャーター便で来ていただいた方に、まずは思う存分「福島の春」を楽しんでいただく。そしてそのベースとして、「プレDC」の観光素材も多数用意しておりますので、こういったものも是非、魅力として、実感していただければと思います。
 また、こういったチャーター便の運航を継続していけるように、これからも関係の皆さんと丁寧に、協議を続けていきたいと考えております。

5 佐藤栄佐久・元福島県知事の御逝去について

【記者】
 先週、元知事の佐藤栄佐久様が亡くなられました。
 コメントも発出されておりますが、現在の福島県政の中で、レガシーのような形で残っていると感じられる点があれば伺います。

【知事】
 佐藤栄佐久・元知事の御逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
 佐藤・元知事におかれては、昭和58年以来、国会議員として大蔵政務次官等の要職を歴任され、国政の立場から本県の発展に御尽力を頂きました。
 そして、昭和63年から18年にわたり本県知事を務められ、その持ち前の行動力と強い信念を持って県政の運営に当たられました。
 特に福島空港の開港を始めとした交通インフラの充実、県立会津大学の開学を実現されるなど、現在に至る県土の骨格や人材育成の基盤を築かれました。
 また、ふくしま国体の開催やアクアマリンふくしまの開館、うつくしま未来博の開催等を通じて、教育・文化・スポーツ等の振興にも大きく貢献されました。農業や商工業の振興、福祉の推進にも力を注がれ、地域の活性化や県民生活の向上などに多大な功績を残されました。
 さらに、北海道東北地方知事会長を始め、全国知事会副会長、全国過疎地域自立促進連盟会長などを歴任され、地方分権の推進など、全国的な視点から地方の課題解決に取り組まれました。
 佐藤・元知事が知事在任中に掲げられた県民運動のスローガン『うつくしま、ふくしま。』は、策定から30年以上が経過した今もなお多くの県民の心に息づいています。
 例えば、県の事業でありますが、「うつくしま、ふくしま。環境顕彰」、「うつくしま、ふくしま。健康福祉祭」など、その名を冠した事業が継続されております。
 また、他の方々におかれても、例えば福島大学の「うつくしまふくしま未来支援センター」を始め、数多くのネーミングに、この「うつくしま、ふくしま。」が皆さんに愛されて使われている、それが令和の福島の状況であります。
 これからも福島県が復興していく姿を見守っていただきたかっただけに、このたびの突然の訃報は本当に残念でなりません。
 心から哀悼の意を表したいと思います。
 また、私自身の印象に残っていることについて、お話をしたいと思います。
 佐藤・元知事は強いリーダーシップを発揮されて、自分自身の思いをはっきりと言われる方でありました。例えば、国に対して、東京一極集中を批判し、地方分権の推進を強く訴えるなど、毅然とした姿勢を貫いておられました。
 佐藤栄佐久・元知事のこの一つの考え方の本質は「プルーラリズム」だと考えております。
プルーラリズムというのは、複数主義、多元主義のことであります。佐藤・元知事はプルーラリズムを政治信条の一つとして大切にしておられました。具体的には、障がい者や女性、高齢者などに関わりなく、一人一人の人間が持っているすばらしさ、あるいは一つ一つの地域が持つ個性を大切にしなければならない。これは共生の論理という形で、佐藤・元知事の政治信条に結び付いております。
 そしてこれがまちづくりの面については、福島県では人間サイズの都市づくり、分散型の都市づくりを進める、そのため、七つの生活圏構想を掲げ、ピラミッド型社会からネットワーク型社会へと転換していかなければいけないということを常々語っておられました。
 この七つの生活圏構想は今も、福島県の地方振興局等の形で継続されているところであります。
 当時部長として職務に当たっていた私は、こうした強い信念を持って県政を運営される姿を間近で拝見し、その姿勢に深い感銘を受けたところであります。

 

(終了)

【質問項目】

2 西郷村の民家裏に行われた盛土への対応について
 →土木部都市計画課 電話024-521-7866

3 燃料デブリの試験的取り出し作業について
 →危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

4 ベトナム便の就航について
 →商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-7211