知事定例記者会見
■日時 令和6年12月23日(月曜日)10時00分~10時12分
■会場 応接室
【質問事項】
1 除去土壌の処理に向けた全閣僚会議について
2 今年一年の振り返りについて
3 復興推進委員会について
【質問事項】
【記者】
先週20日(金)に、除去土壌の県外最終処分や再生利用に向けた閣僚会議が開かれて、春までに基本方針、夏までに2045年3月までのロードマップを策定するということが決まりました。知事の受け止めを伺います。
【知事】
先週、国において「福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等推進会議」が設置され、第1回の会議が開催されたところであります。
その会議では、議長である林官房長官から全閣僚に対し、再生利用等を推進するため、政府全体で必要な取組を進めるよう指示があったと聞いております。
除去土壌等の県外最終処分については、法律に定められた国の責務であり、必ず実現されなければなりません。
国においては、県外最終処分の確実な実施に向け、政府一丸となって着実に取組を進めていただきたいと考えております。
また、今後の進め方についてでありますが、国においては、今年度内に除去土壌の埋め立て処分や再生利用の基準等を策定するものと伺っております。
県外最終処分の実現のためには、相当の期間を要する一方で、約束の2045年3月までに残された期間は限られています。
除去土壌等の県外最終処分は、中間貯蔵施設の受入という苦渋の決断を行った際に、その前提として国が約束し、法律に定められた国の責務であります。
国においては、除去土壌等の県外最終処分に向け、具体的な方針や工程を速やかに明示し、県民や国民の目に見える形で進捗管理をしっかりと行いながら、取組を加速させていただきたいと考えております。
また、県外最終処分に関する認知度の向上に向けて、今後も様々な手法を検討し、工夫を重ねながら、国民の理解を深めるための取組を更に推進していただきたいと考えております。
【記者】
今日は年内最後の定例記者会見となりますが、今年一年の振り返りをお願いします。
【知事】
今年一年を振り返るに当たって、今年の漢字とセットでお話をさせていただければと考えております。
今年の漢字は「感」、感じるであります。
心が動かされる出来事が多く、様々なことを感じた一年でありました。
今年の漢字で、この「感」を選んだ理由について五つのキーワードを示しながらお話をしたいと思います。
一つ目のキーワードは「感動」です。
パリ2024オリンピック・パラリンピックという世界最高の舞台において、本県ゆかりの選手を始め、多くの日本人選手が自らの限界にチャレンジし、躍動される姿は、私たち県民に夢と希望をもたらし、大きな「感動」を届けていただきました。
二つ目のキーワードは「感性」です。
今年は、令和8年春のデスティネーションキャンペーンの開催が決定し、来年4月にはプレDCがスタートします。
県内には、美術品を始め、美しい自然環境、景観、歴史・伝統文化、おいしい食など、人々の「感性」を揺さぶる「ふくしまアート」があふれています。
このため、この魅力を県内外の多くの方々に「見て」「触れて」「感じて」いただく、絶好の機会としたいと考えております。
三つ目のキーワードは「実感」です。
東京電力福島第一原発の廃炉に向けては、その重要な一歩となる燃料デブリの試験的取り出し作業が完了しました。
私自身、10月29日に、現地に赴いて、作業状況等をこの目で確認し、改めて高線量下における廃炉作業の難しさを「実感」したところであります。
四つ目のキーワードは「痛感」、痛く感じるです。
4月に公表された、人口戦略会議の推計において、県内の7割の市町村が「消滅可能性自治体」に分類されました。このことに多くの皆さんが衝撃を受けるとともに、自然減対策と社会減対策の両面から、粘り強く取組を進めていく必要があることを改めて「痛感」しています。
このように、「感」、感じるにまつわる出来事があった中で、福島県内が深い悲しみに包まれる出来事がありました。
それは国民的俳優である西田敏行さんが御逝去されたことであります。
震災と原発事故以降、特に西田さんには、様々な形で本県の復興を支援していただいてきました。そんな西田さんに対する思い。それが五つ目のキーワード、「感謝」であります。
西田さんの福島に対する熱い思いと行動に、多くの県民が勇気を頂いてきました。
そうした数々の御厚情に心から「感謝」しております。
また、「福島県をふるさとに持って本当に良かった」と語っておられたように、西田さんが心から愛した、ふるさと福島の復興を実現するため、これからも、全力で挑戦を続けてまいります。
【記者】
今日23日、夕方近くに復興庁の復興推進委員会が開かれます。
知事もオンラインで御参加されますが、改めてどのような発言をされるのか伺います。
【知事】
本日、復興推進委員会が開催されるところでありますが、私からまず、改めて福島県の複合災害からの復興は長い戦いであるということを話したいと思います。
これまで福島県の複合災害として、「地震」「津波」「原発事故」「風評被害」の4点について、私自身説明してまいりました。率直に言いまして、そこに、今「風化」が加わって、五つの内容を含んだ複合災害だと考えております。
この複合災害との戦いは長い戦い、特に今、中長期ロードマップでも、東京電力福島第一原発の事故は2051年、あるいはALPS処理水の放出も、現時点のシミュレーションでは2051年までとされておりますが、今は、2024年。これから相当長い期間が我々にとっての復興の道のり、長い戦いとなるということをまずお伝えしたいと思います。
そして、今申し上げた「風化」との関連で言いますと、今回、第2期復興・創生期間後の財源確保の議論の中で、例えば行政事業レビューや、復興の施策に関する総括ワーキンググループ等において、有識者から様々な御意見が示されました。
有識者の皆さんがそれぞれの立場から御意見を言われること、これをまず、しっかりと受け止めていきたいと思います。
ただ前提として、この原子力災害を含む複合災害は長い戦いですので、例えば、現時点で法律で定められている復興庁の設置期限は、あと6年余りということでありますが、それで完了するということはあり得ないわけであります。
また、福島復興再生特別措置法において、国の社会的責任として、国の責務が明確に定められております。これに則って、国は最後の最後まで責任を持って、この複合災害からの復興というものにしっかり対応していかなければいけない、こういったことについてお話をさせていただきたいと考えております。
【知事挨拶】
県民の皆さんに対する年末のメッセージであります。
令和6年の年の瀬を迎えました。今年も、県民の皆さんの懸命な御努力と国内外からの温かい御支援を頂く中で、復興に向けた取組が着実に前進した一年となりました。
一方で、廃炉と汚染水・処理水対策を始めとした原子力災害を含む様々な課題に加え、急速に進む人口減少や、長引く原油価格・物価高騰への対応など、福島県は、いまだ多くの困難な課題を抱えており、今後も長く厳しい戦いが続きます。
こうした中、来年は、第2期復興・創生期間の最終年度を迎えます。また、現在、策定作業を進めている「次期ふくしま創生総合戦略」もスタートするなど、福島県にとって極めて重要な一年となります。
引き続き、県民の皆さんを始め、本県に心を寄せてくださる全ての方々と力を合わせながら、福島の復興と地方創生の推進に向け、全力で挑戦を続けてまいります。
日々、寒さが厳しくなってまいりました。
皆さんには、お体を大切にされ、健やかに新年を迎えられますことを心からお祈り申し上げ、年末の御挨拶といたします。
(終了)
【質問事項】
1 除去土壌の処理に向けた全閣僚会議について
→生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638
3 復興推進委員会について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-8624