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知事記者会見 令和6年11月11日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年11月14日更新

【質問事項】

1 知事就任10年について

【記者】
 内堀知事就任から10年についてお伺いしたいと思います。
 内堀知事は12日で3期目の折り返し、就任から10年を迎えます。就任から「継往開来」「現場主義」「進取果敢」を掲げ、福島の復興・創生に取り組んでこられました。
 避難指示区域の解除やイノベ構想の推進などが進む一方、住民帰還や人口減少問題など、まだ課題は残る部分もあります。
 改めて10年を振り返っての受け止めとともに、残る2年の課題解決に向けたお考えを伺います。

【知事】
 明日で知事就任から10年となります。知事に就任して以来、「何としても復興を成し遂げる」という強い決意の下、福島県の復興と地方創生に向けて挑戦、チャレンジを続けてきました。
 そうした中で、震災後、55の国・地域で行われていた県産農林水産物の輸入規制は、6つの国・地域にまで減少するとともに、昨年度は県産農産物の輸出量が過去最高を記録したほか、県内への移住者数も過去最多を更新するなど、これまでの挑戦の成果が目に見える形となって現れてきています。
 また、避難地域においては、県内六つの町村に設定されていた全ての特定復興再生拠点区域で避難指示が解除され、新たに創設された特定帰還居住区域についても、これまでに認定を受けた四つの町全てにおいて除染・解体作業が進められているなど、本県の復興は着実に前進しています。
 一方で、本県は、原子力災害に伴う困難な課題や急激な人口減少等の問題が山積しているなど、これからも長く厳しい戦いが続きます。このため、県民の皆さんや福島県に思いを寄せてくださる多くの方々と手を携えながら、全力で挑戦を続けてまいります。
 私が特に大切にしておりますのは「福島県総合計画」であります。
 2022年度にスタートした福島県総合計画は、正に現在進行形の、福島の復興と地方創生に向けた県政の羅針盤であります。
 中身としては、基本理念、将来の姿、主要施策と成果目標、いわゆる数値目標を掲げております。最終年次における数値目標のみならず、各年度における数値目標を掲げており、276の指標を一年ごとに確認することによって、それぞれの施策が現時点においてどれだけ進んでいるのかを確認することができます。
 その施策の中には大きく前に進んでいるものもありますし、一方で、まだまだこれからというものもございます。
 福島県民の皆さんが、福島の復興を「前に進んでいるな」「地方創生、踏ん張っているな」ということを実感していただくために、大切にしなければいけないことは、「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」という福島県のスローガンだと思います。様々な課題解決のために、各年度において、しっかり力を尽くして課題を解決し、県民の皆さんが復興と地方創生をより実感することができるよう、県政に力を尽くしてまいります。

【記者】
 今後に関して伺います。
 今、内堀知事がおっしゃったように長く厳しい戦いが続くということで本県の復興・創生について、今の10年、国とのつながりや調整を果たしてこられた知事の手腕を評価する声もあります。
 一方で、佐藤雄平前知事は「権不十年」という言葉を使って、2期で退任された経緯もあります。仮に4期目を望む声があった場合、今時点でどうされるお考えなのかお聞かせ願います。

【知事】
 ただいまの御質問の趣旨を踏まえた上でお答えいたします。
 今、私の中にあることは、福島県の復興と地方創生、これを前に進めるために、一日一日を大切に、自分の力を最大限に尽くしていくこと。このことであります。

【記者】
 在任10年を迎えて3期目についても残り2年という形になりました。長く厳しい戦いが続くということで、今後、福島県にとって最も重要になることは何であるか知事のお考えを伺います。 また知事として、今まで以上に取り組んでいきたい点があれば教えてください。

【知事】
 まず、重要な課題として、復興と地方創生というお話を先ほどいたしましたが、復興の中でも、帰還困難区域、いまだ避難指示が解除されていない地域、これを今後どうしていくかということが一つ目の重要な課題であります。
 そして二つ目は、急激な人口減少。まだ歯止めがかかっていません。これをできる限り踏ん張って抑えていくことが何よりも重要だと考えておりますので、この点に向けて力を入れたいと考えています。
 具体的な進め方でありますが、福島の復興は、先ほどお話ししたとおり着実に進んでいます。一方で、避難地域においては、復興のステージが進むにつれ、それまで顕在化していなかった新たな課題やニーズも生じています。
 そのため、復興の進捗状況に応じた被災者の生活再建や、事業・生業の再生に向けた支援、医療・介護・教育等の生活環境の整備といった「きめ細かな施策」に取り組むとともに、福島イノベーション・コースト構想による新たな産業の創出・集積など、「大胆な施策」を展開し、避難地域の復興・再生と浜通り地域の活性化を進め、その効果を全県に波及させてまいります。
 さらに、将来にわたって活力のある、魅力のある福島を築いていくため、移住・定住の促進や交流・関係人口の拡大、営農再開の加速化、風評・風化対策の強化にも取り組んでまいります。
 福島の復興に向けた課題は、今、目の前にある課題だけでなく、対処すべき課題が現在進行形で生じております。
 このため、こうした課題を一つ一つ着実に解決していくことで、必ず復興を成し遂げることができると確信しております。
 また、地方創生、急激な人口減少への対応でありますが、結婚・出産・子育ての切れ目のない支援を行うほか、若者・女性にとっての魅力を高め、県外流出を抑制するとともに、雇用の創出や移住・定住を促進するなど、自然減対策と社会減対策の両面から、官民一体となって取り組んでまいります。
 これらの課題解決に向け、県の総力を挙げて挑戦を続けてまいります。

【記者】
 在任10年という節目になりますが、就任時から福島の復興という大きな課題に向き合ってこられたかと思いますが、現時点で、実際に福島の復興はどういった状況にあるのか、これまでの10年間も含めて受け止めを伺います。

【知事】
 まず、この10年を振り返りますと、「あっという間だった」という思いと、「中身が本当にぎゅっと濃縮した、充実した内容の濃い10年間だった」、その両面が心の中にあります。
 福島の復興は、東日本大震災と原子力災害、さらに令和元年東日本台風、令和3年、令和4年の福島県沖地震、その後の大雨災害や昨年の線状降水帯からの復旧・復興など、本当にこの13年半、県民の皆さんが御苦労を重ねながらも、着実に前に進めてこられたと思います。
 一方で、原子力災害は、燃料デブリの問題一つとっても、ようやく数グラム取り出して、これから具体的にどうやって880トンの燃料デブリを安全に確実に取り出していくかというスタートラインに立ったというところであります。
 あるいはALPS処理水の問題も現時点の放出計画でいうと、2051年で終了ということでシミュレーションされており、除去土壌等の県外最終処分の問題も2045年と法定されていますが、まだ具体的な道筋が見えていません。
 したがって、この13年を振り返って後ろを見ますと「ここまで上ってきた」という充実感については県民の皆さんとともに、しっかり確認をして喜び合いたいと思いますし、一方でこの先の道のりを考えると、まだまだ長い。また、急激な人口減少の問題も反転攻勢させるということは容易ではありません。
 減少の幅をどれだけ踏ん張って押しとどめていくかというところがまず、目の前の喫緊の対応ということになりますので、なすべきことも多い。
 したがってこれからも長く厳しい戦いが続くという覚悟を持って県政に臨んでおります。

2 アメリカ合衆国大統領選の結果について

【記者】
 トランプ前大統領が先週火曜日再選されました。
 昨年10月には、福島について「3,000 年は入れない」という発言があったとされていますが、それを踏まえて、今回アメリカ大統領に再選された受け止めを伺います。

【知事】
 まず、アメリカの大統領選について総論からお話をさせてください。
 アメリカ合衆国で実施された大統領選において、トランプ前大統領が選出されました。
 新しい政権の誕生によって、アメリカのみならず、世界や日本にも、安全保障政策や通商政策、気候変動対策など、様々な影響が及ぶことが予想されることから、今後の動向を注視してまいります。
 福島県は、震災と原発事故以降、アメリカから多大な御支援を頂いてきました。
 アメリカには今後とも、福島を応援していただくことを期待するとともに、福島県としては、引き続き、復興の現状や魅力など「福島の今」を積極的に発信してまいります。
 また、今お尋ねのあった件についてであります。
 あの報道が出た際、私自身、英語の原文を確認しておりますが、どのような真意で発言をされたのか、十分に理解することができませんでした。
 いずれにしても、まず政府と東京電力においては、国内外に対する正確な情報発信にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
 また、県としても、引き続き、福島の現状について正しい情報の発信に努めてまいります。
 さらにインバウンドの受け入れ等を促進し、本県に対する理解が一層広がるよう取り組んでまいります。

3 「年収103 万円の壁」の見直しについて

【記者】
 いわゆる「年収の壁」についての御意見を伺います。
 今、与野党間で特に、所得の税控除の額引上げについての協議が進んでいます。
 地方税の減収やそもそもの財源をどうするのかという指摘が各所から上がっていますが、その点に関する受け止めや何か試算を出していましたらお伺いします。

【知事】
 2025年度税制改正の焦点となっている、いわゆる「年収103万円の壁」の見直しについては、地方財政にも影響が生じる可能性があります。
 このため、全国知事会として、政府や与党に対して、地方税財源への影響に強い懸念を伝えたところであります。福島県としても、引き続き、国の動向を注視してまいります。

4  西郷村の民家裏の盛土「刑事告発」について

【記者】
 一部報道で、本日11日にも西郷村の盛土の造成問題で、県が規制法違反容疑で告発するという報道が出ております。
 この点の事実関係と、知事としての告発まで至った受け止めについて伺います。

【知事】
 西郷村の民家裏に盛土が行われた事案につきましては、改善命令が履行されなかったことから、本日午前中に刑事告発を行う予定であります。
 報道機関の皆さんには、刑事告発後に担当部局の方から速やかに情報提供をさせていただきます。
 8月28日に盛土規制法に基づく行政代執行に着手したところでありますが、現在撤去予定の約1.5万立方メートルのうち、約1.1万立方メートルを撤去済みであり、進捗率は約73%であります。
 地域の皆さんの安全を一日も早く確保できるよう取り組んでまいります。

5  玄葉氏の衆院副議長就任の見通しについて

【記者】
 本日、第2次石破内閣が発足する予定になっております。
 内閣とはまた別ですが、本県選出の玄葉光一郎議員が副議長に就任されるということになっております。
 それに対する期待の部分が何かありましたら伺います。

【知事】
 まだ現時点で確定しておりませんので、その時点で何らかのコメントを出させていただきたいと思います。

(終了)

2 アメリカ合衆国大統領選の結果について
 →企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128

3 「年収103 万円の壁」の見直しについて
 →総務部税務課 電話024-521-7067

4 西郷村の民家裏の盛土「刑事告発」について
 →土木部都市計画課 電話024-521-7866