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知事記者会見 令和6年11月5日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年11月7日更新

【質問事項】

1 アメリカ合衆国の大統領選挙について

【記者】
 今夜からアメリカ大統領選の投票が始まりますが、福島県知事として、両候補にどのようなことを期待されるか伺います。

【知事】
 アメリカ大統領選がいよいよ始まります。
 この間、バイデン氏からハリス氏に候補が変わったことも含め、選挙情勢を注視してまいりました。
 アメリカ合衆国は、日本にとって、また世界にとって非常に大きな影響力を持つ大国であり、同盟国であります。
 今後どちらが大統領に選ばれるにせよ、日本との関係をしっかり構築しながら、外交、安全保障、経済、社会、エネルギー問題、環境問題等に共に取り組んでいくことが重要だと考えております。
 また、福島県としては、特に2011年3月の東日本大震災と原発事故以降、アメリカ合衆国から多大な御支援を頂いております。「トモダチ作戦」も含め、福島県の震災からの復興に様々な形で御支援を頂いており、私自身、米国に伺う際には、そのことについての感謝の思いを直接、関係の皆さんにお伝えしているところであります。
 福島の復興、特に原発事故に伴うデブリの取り出し等も含め、困難な課題が続いております。
 今後とも、米国との関係をしっかりとつくり上げながら、日本国政府が外交面、あるいは安全保障面等において連携していただき、今、福島の農産物、特にお米や日本酒等を米国において非常に活発に輸入していただいておりますが、新しい大統領の下で、こういった福島との関係も含め、より発展的な形に構築されることを期待しております。

【記者】
 アメリカ大統領選についてです。
 日本酒や米の輸出が大きくなっているというところで、候補者の1人のトランプ候補は、公約で一律の関税の引上げを掲げています。
 こういったことに対して県産品の輸出に与える影響について、県としてどのように考えているのか、見解を伺います。

【知事】
 現在、大統領選の真っ最中であります。
 今後どういった形になるかは、動向を注視してまいります。
 関税の引上げについてでありますが、これは本県の問題だけではなく、正にオールジャパンの問題であり、また世界各国・地域においても様々な影響が生じる問題かと思います。
 今後の状況を県としては注視していくとともに、政府として対応を検討されると考えています。

2 准看護師養成の状況について

【記者】
 来年の春に白河市の准看護師を養成する、白河准看護学院が募集停止をするということで、県内の准看護師の人材不足などが懸念されています。資格を発行する県知事として受け止めを伺います。

【知事】
 県内におきます准看護師数については、令和4年度末には5,679人と、平成22年度末の8,494人から2,815人減少、33%の減となっているところであります。
 一方で、県内の看護師と准看護師を合わせた看護職員数は、令和4年度末現在で23,915人と、平成22年度末の22,800人よりも1,115人増加、4.9%の増となっております。
 少子化や医療の高度化に伴い、看護職を志望される方の多くが、看護師を志望する傾向が高まっていることが背景にあるものと受け止めております。
 県においては、これまで准看護師養成所を含む看護師等養成施設への運営費の補助を始め、指導者の養成、ICTを活用した授業実施への支援、福島県医師会が設立した「准看護師養成所の今後に関する検討会」への参画を通じた助言など、必要な支援に取り組んできました。
 引き続き、医師会と緊密に連携しながら支援を継続していくとともに、将来、看護の道を希望される若い世代の確保に向け、各年代に応じたイベントの開催を強化するなど、地域医療の重要な担い手である看護師の養成に努めてまいります。

3 東北電力女川原発2号機再稼働について

【記者】
 先週の知事会見の中でも質問がありましたが、女川原発の再稼働についてです。
 機器のトラブルで発電再開を前に原子炉を停止したということになっておりますが、こちらについての受け止めを伺います。

【知事】
 昨日、東北電力において、再稼働した女川原発2号機の原子炉を停止しました。
 現時点で原因は不明であり、東北電力では、あらゆる点検を行うため原子炉を停止したとの報道を拝見しています。
 福島県民の皆さんは、13年前のあの過酷な事故、そして現在も続く困難を経験しています。
 「二度と原発事故を繰り返してはならない」という強い思いを持っています。
 電力事業者、また政府においては、こうした安全と安心を願う福島県民の強い思いをしっかり受け止め、対応していただきたいと考えております。

4 職員の不祥事について

【記者】
 先週金曜日に県土木部の主査の起訴という案件がありました。
 県職員の起訴は、この一連で3人目と発表いただいております。
 知事としての受け止めを伺います。

【知事】
 今月1日に職員が公契約関係競売入札妨害罪で起訴されたことについては、心からお詫び申し上げます。
 今回、不祥事が発生した事務所においては、令和3年度当時、コロナ禍での業務体制の変更や、事業者の執務室内への立ち入りがあり、機密情報の管理が不十分な状況にあったとの報告を受けています。
 現在は、コロナ禍以前の体制に戻すとともに、入札関係書類がある執務室への事業者の入室を禁止しております。今回の事案の原因を踏まえ、引き続き、入札業務における機密情報管理を徹底してまいります。

5 ユネスコの評価機関の「伝統的酒造り」無形文化遺産の登録勧告について

【記者】
 今朝、文化庁から、ユネスコの評価機関が「伝統的酒造り」について登録を勧告したという発表がありました。
 今後に期待されることを伺います。

【知事】
 福島県を始め、日本全国で非常に品質が高くおいしい日本酒造りについて、それぞれの酒蔵さんたちが、切磋琢磨しております。
 このユネスコに対する勧告というのは非常に大切な一歩になると受け止めております。
 今、福島県産の日本酒について、世界各国・地域に輸出を促進しております。
 特に福島県の場合は、東日本大震災と原発事故による風評によって、このお酒の業界が大打撃を受けました。しかし、それを乗り越えて、今、震災前以上に、福島県産の品質が高くおいしい日本酒の輸出が進んでいます。これは正に福島復興の一つのシンボル、トップランナーであると考えています。
 そこに今回のユネスコでの認定が、今後加わってくるとすると、更なる追い風になると考えておりますので、その状況を注視するとともに、我々としては、嗜好やデザイン等も含め、世界のそれぞれの国・地域に合った輸出の促進策というものに力を入れていきたいと考えております。

6 防災庁設置準備室の立ち上げについて

【記者】
 先日政府の方で防災庁の準備室が設置されました。
 防災庁については、他の省庁との役割分担なども課題になっていると思いますが、知事の考えを伺います。

【知事】
 防災庁についてでありますが、今月1日、国において、防災庁の創設に向けた「防災庁設置準備室」が立ち上げられました。
 近年、災害が頻発化・激甚化しており、基礎自治体だけでは対応が難しい場合も想定されます。
 こうした課題等を踏まえ、今後、具体的な検討を進めていただきたいと考えております。  
 県としては今後の動向をしっかりと注視してまいります。

7 燃料デブリの試験的取り出し作業について

【記者】
 先週の土曜日に原発事故以降、初めて燃料デブリが格納容器の外に出されましたが、このことについて知事としての受け止めを伺います。

【知事】
 東京電力福島第一原発2号機における燃料デブリの試験的取り出し作業については、少量のデブリをつかんだ取り出し装置を、原子炉格納容器の外側まで引き戻しました。
 このデブリの線量を測定した後、専用の回収ボックスに収納すると聞いております。
 福島第一原発の廃炉は、前例のない取組であります。
 先週、私自身、第一原発を視察してまいりましたが、燃料デブリの試験的取り出しに係る遠隔操作室や、2号機とほぼ同じ構造の5号機原子炉格納容器内に入り、高線量下における廃炉作業の状況等を直接確認してきました。
 福島第一原発の廃炉が安全かつ着実に進められることが、福島復興の大前提であります。
 小早川社長に対し、しっかりと着実に廃炉作業に取り組むよう強く求めたところであります。
 東京電力においては、引き続き、万全の安全対策を講じ、着実に廃炉作業を前に進めていただきたいと考えております。

【記者】
 燃料デブリの関係で、当初であれば8月22日、8月下旬に始まって2週間程度ということで、格納容器の外に取り出すまで、2か月ぐらい遅れました。そのことについての受け止めを伺います。
 また今回3グラム以下とされていますが、まだ880トンの燃料デブリがあります。
 その廃炉の難しさなど、改めて知事が今回原発に行って感じたことがあれば教えてください。

【知事】
 先週、東京電力福島第一原子力発電所において、この一年間の廃炉の進捗状況を視察し、廃炉作業が一つ一つ着実に前に進んでいることを確認しました。
 また、2号機の燃料デブリの試験的取り出し作業に係る遠隔操作室において、テレスコ式装置のカメラ映像に放射線の影響でノイズが頻繁に入る様子などを確認し、改めて、高線量下における廃炉作業の難しさを実感しました。
 さらに、東京電力の小早川社長との面談では、「廃炉の実施者は東京電力である」との責務、使命を常に心に置きながら、しっかりと着実に廃炉作業に取り組むよう強く求めたところであります。
 この燃料デブリの取り出しも含めた福島第一原発の廃炉は、過去に前例やマニュアルがあるわけではありません。こうした困難な作業であるからこそ、安全を最優先に確実に取り組むこと、これに尽きると思いますが、引き続き、政府と東京電力に対し、求めていきたいと考えています。

8 バドミントン桃田賢斗選手が第一線から退く意向について

【記者】
 バドミントンの桃田賢斗選手が、今期で引退を表明された件について、桃田選手がこれまで福島にどう貢献されてきたかという評価と、知事としての受け止めを伺います。

【知事】
 バドミントン男子シングルスの桃田選手が今季のS/Jリーグを最後に、第一線を退く意向を示されたこと、報道等で拝見しています。
 桃田選手は、バドミントン男子初の世界選手権優勝や世界ランキング1位を成し遂げるなど、日本バドミントン界の発展に大いに貢献されてきました。
 最近は、けがなどの影響もあって、思うようなプレーができず、多くの御苦労もあったことと思います。しかし、福島県で培った不屈の「富岡魂」を胸に、決して諦めることなくひたむきに努力を積み重ね、世界の強豪に堂々と立ち向かっていく姿に、私たち福島県民はたくさんの勇気と感動を頂きました。心から感謝申し上げます。
 最近では、県内外でバドミントン教室を開催されるなど、次世代を育成する取組を積極的に行っておられます。今後も世界の舞台で培われた経験をいかして、大いに活躍されることを心から願っております。

(終了)

2 準看護師養成の状況について
 →保健福祉部医療人材対策室 電話024-521-8513

3 東北電力女川原発2号機再稼働について
 →企画調整部エネルギー課 電話024-521-7120

4 職員の不祥事について
 →総務部人事課 電話024-521-7032
 →土木部土木総務課 電話024-521-7450

6 防災庁設置準備室の立ち上げについて
 →危機管理部災害対策課 電話024-521-8275

7 燃料デブリの試験的取り出し作業について
 →危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

8 バドミントン桃田賢斗選手が第一線から退く意向について
 →企画調整部文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7795