知事定例記者会見
■日時 令和6年10月21日(月)10時00分~10時13分
■会場 応接室
【質問事項】
1 西田敏行氏御逝去について
2 衆議院総選挙の投票率について
3 除去土壌等の県外最終処分に係る環境省の取組について
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【質問事項】
【記者】
西田敏行さんがお亡くなりになられました。思い出など改めて伺います。
【知事】
第一報を伺ったとき、本当にショックでした。信じられない。信じたくない。それが率直な思いでありました。西田敏行さんの御逝去に対し、心から哀悼の意を表します。
西田さんにおかれては、長年にわたり、国民的俳優として、数多くの作品に出演されるとともに、歌手や司会、ナレーションなど幅広く活躍され、県民を始め、多くの人々を笑顔にし、感動を届けてくれました。
福島県の関連では、平成4年から「しゃくなげ大使」を務めていただき、イベントへの参加など、本県のPR等に多大なる御協力を頂くとともに、東日本大震災と原発事故以降は、福島県産の農林水産物の安全性PRにも御尽力を頂きました。その後も福島の応援団として、様々な形で本県の復興を支援し続けていただきました。
そうした西田さんの熱い思いと、これまでの御功績に対し、平成30年には県民栄誉賞をお贈りしました。西田さんが心から愛された福島県が復興していく姿を、これからも見守り続けていただきたかっただけに、本当に残念でなりません。人間味にあふれた懐の深い演技で多くの人々を魅了した西田さんは、正に県民の誇りであります。あの優しい笑顔とともに、私たちの心の中で永久に生き続けていかれると思います。
西田さんのこれまでの御厚情に対し、福島県民を代表し、深く感謝を申し上げます。
また、私自身、印象に残っていることであります。震災直後、西田さんが福島県内のスーパーにボランティアで駆けつけられた時のことであります。西田さんは涙ながらに、「福島は何があっても負けねえぞ!うつくしま福島を取り戻すべな!」と呼び掛けられ、その場におられた多くの県民の方々も「がんばっぺ!福島!」と呼応されていました。そうした西田さんの姿に、多くの県民が本当に厳しい状況の中でありましたが、勇気づけられました。
震災の年、2011年9月に開催された「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」では、「もしもピアノが弾けたなら」、ふるさとへの思いが込められた「あの街に生まれて」の2曲を熱唱され、私もその歌声と歌詞に心を打たれました。
最近の思い出でありますが、昨年度、県が制作した動画に出演していただきました。その際、ふるさと福島を「本当に愛おしい」と、しみじみと語っておられた西田さんの姿が今も忘れることはできません。
【記者】
投票率について伺います。
前回3年前の衆院選小選挙区の投票率は58.01%で、前々回を僅かに上回った一方で、双葉郡8町村の平均はこれを10ポイントほど下回り、震災・原発事故後は投票率が低い状況が続いています。
なかなか難しい側面があることは承知していますが、復興が正念場を迎えるとされる中で、このことに対する現状認識と、今回の衆院選でこれまでと違う県の取組などありましたらお願いいたします。
【知事】
まず、双葉郡における投票率についてであります。
双葉郡あるいは避難地域12市町村においては、これまで日本の歴史の中で経験したことがない、国の法律に基づく避難指示によって、古里で暮らすことができないという極めて特別な状況を余儀なくさせられました。
特に、全町・全村避難を経験された自治体においては、13年半かけて間違いなく復興の歩みを進めておりますが、震災と原発事故前の状況には程遠いというのが現状であります。
そうした中で、特に双葉郡でありますが、全町・全村避難の自治体が多いという影響もあり、また、今なお、県内外で避難生活を続けておられる住民の方が住民票をそのまま双葉郡に持っておられるという特別な事情もあり、結果として、投票率が低いという現状があります。
現在、各自治体あるいは県の選挙管理委員会等が連携し、特に県外や県内の他の自治体に居住されている皆さんに対して、特別な選挙制度等も活用しながら、できる限り投票していただくよう呼び掛けを行っているところであります。
また、古里に戻られた住民の皆さんは、間違いなく復興の今後の行く末を真剣に考えていただいていると思いますので、是非、期日前投票等も活用しながら、投票所に足を運んでいただいて、復興に対する自分の思いをしっかりと届けていただきたいと考えております。
また、県全体の対応でありますが、県の選挙管理委員会においては、特に低迷が続いている若い世代の投票率の改善に向け、高校における出前講座などの普及啓発活動に取り組んできました。
あわせて、選挙期間中には、テレビ、ラジオ、SNS等を活用した周知や、県下一斉の街頭啓発など、県民の皆さんに投票への参加を呼び掛けているところであります。
さらに、選挙啓発サポーターに登録していただいた若い世代や企業団体等の皆さんに、街頭や事業所での選挙啓発に御協力を頂くなど、こういった投票参加の輪を広げる取組を進めているところであります。
選挙は、民主主義の基盤となる大切な権利であります。複雑な社会情勢等において、有権者の皆さんの声を政治に反映することができる貴重な機会でもあります。県の将来を担う若い世代を始め、県民の皆さんには是非、投票所に足を運んでいただきたいと考えております。
【記者】
除染で出た土壌について伺います。
環境省の有識者会議が先日、最終処分と再生利用の基準案を取りまとめ、技術的な枠組みは着実に進んでいる一方で、特に県外ですが、反対する方々や一部メディアからは、除染土や除去土壌ではなくて、汚染土という呼称を使われる場面が少なからずあります。
処理水・汚染水のときも同様の状況がありましたが、この汚染土という呼称について知事はどのように受け止めますか。
【知事】
まず、今月3日でありますが、環境省において除去土壌等の県外最終処分に関する有識者検討会が開催されました。検討会では、今年度内に除去土壌の埋立て処分や再生利用の基準等を策定し、最終処分場の構造や必要面積等に関する複数の選択肢を提示すること、さらには、来年度以降の取組の方向性を検討していくこと等について議論がなされたと聞いております。
国においては、県外最終処分の確実な実施に向け、県民や国民の目に見える形で、具体的な取組を着実に進めていただきたいと考えております。
また、今御指摘がありました県外における様々な状況についてであります。
私は先日、中間貯蔵施設の立地の当事者である双葉町長、大熊町長と意見交換を行いました。東京や埼玉等における状況、あるいはALPS処理水の処分の問題も含め、国内外における様々な状況について、2人の町長さんも非常に憂慮しておられました。
やはり大切なことは、科学的な知見に基づいた正確な情報を政府、東京電力がしっかりと国内外に分かりやすく伝えていくこと、理解の輪を広げていくこと、これに尽きるかと思います。
当事者である大熊、双葉両町の思いも込めて、今後とも政府あるいは東京電力の廃炉の取組を含めてでありますが、県としてしっかりと訴えてまいります。また、理解の輪を広げていくということについて、福島県もこれまで風評払拭の取組を行っておりますので、我々自身も共に取り組んでいきたいと考えております。
【記者】
除去土壌の呼称・適切な呼び方についてはいかがでしょうか。
【知事】
除去土壌については、処理水も含めてでありますが、当然科学的な知見というものがありますので、こういったことを理解していただくことが重要であります。今回の中間貯蔵施設の除去土壌の取組については、政府が一体となって行うという方向性が示されておりますので、国が責任を持ってしっかり対応すべきであると考えております。
(終了)
1 西田敏行氏御逝去について
→総務部県民広聴室 電話024-521-7016
2 衆議院総選挙の投票率について
→総務部市町村行政課 電話024-521-7304
3 除去土壌等の県外最終処分に係る環境省の取組について
→生活環境部中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638