知事定例記者会見
■日時 令和6年9月2日(月)10時00分~10時12分
■会場 応接室
【発表事項】
1 令和6年度9月補正予算の概要について
【質問事項】
1 令和6年度9月補正予算の概要について
2 自民党総裁選について
3 燃料デブリの試験的取り出し作業について
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【発表事項】
令和6年度9月補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、復興・創生に要する経費のほか、国の電気・ガス料金負担軽減策を踏まえた原油価格・物価高騰等に対応する県独自の取組など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
その主な内容といたしましては、復興・創生に要する経費として、沿岸漁業の本格操業再開に向けた課題解決のための取組による本県水産業の復興支援、デスティネーションキャンペーンに向けた観光プロモーションやインバウンド受入体制の強化、原油価格・物価高騰等への対応として、LPガスを使用する一般家庭等への支援、特別高圧電力を使用する中小企業等への支援であり、これらに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、26億5千5百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,421億6千7百万円となります。
【質問事項】
【記者】
水産業の復興加速化に向けた事業について伺います。
2月に相馬市の造船所で火災が起きて、それが発端になっているかと思いますが、支援に至った経緯や地元漁業者からどんな声が県に寄せられているか伺います。
【知事】
今年の2月に県内の造船施設が火災で焼失し、本県沿岸漁業の本格操業再開に向けた漁船の造船・修繕体制に影響が生じています。
このため、漁業者の皆さんの思い、また、関係機関と連携した当該造船施設の復旧への取組を通して、本県水産業の復興を支援するものであります。
火災で焼失した造船施設は、沖合底びき網漁船の建造実績が県内随一であります。
今後、本格操業再開に向けて水揚げを拡大していく上で、当該施設が担っていた機能の復旧が不可欠と判断したため、今回の補正予算における計上としているところであります。
本県の水産業は御承知のとおり、地震・津波のみならず、原発事故、あるいは風評被害、昨年からスタートしているALPS処理水の問題など、山積する課題に直面しながらも、懸命に日々取組を続けておられます。こうした漁業者の皆さんの思い、また関係団体の思いに対して、今回の9月補正予算案を県議会に上程し、御理解を得ていきたいと考えております。
【記者】
関連で伺います。
(火災)発生直後の情報では、再建まで1年ぐらいかかるという情報がありました。この支援によって、再建は早まるのか伺います。
【知事】
今回のこうした支援は、福島県としても県議会の御理解を得ながら頑張りたいと思っております。また、国や関係自治体あるいは関係団体と皆さんの思いが一体となって、支援の全体像ができあがってくると思います。
そういったスキームを丁寧に調整しながら、できるだけ早い再生につながるよう、県としても力を尽くしていきたいと考えております。
【記者】
観光関連団体連携推進事業のところで、これは先日のヨーロッパへの出張を踏まえたものなのか伺います。また、外国人観光客向けのコミュニケーションツールがどういったものなのかというところを含めて、狙いと具体的な内容を伺います。
【知事】
先般、ヨーロッパに私自身が伺い、英国、ベルギー、オランダと、各国で様々な交流をしてまいりましたが、その中でインバウンド、ヨーロッパからお客様を福島に送っていただくことが非常に重要であり、また、相手側もそういったことを期待しているという側面がございました。
一方で、福島県がインバウンドへの対応が現時点で十分になされているかといえば、まだまだ足らざるところがある。そのため、当初予算に加え、今回の9月補正予算案をセットにする形で、来年からスタートするデスティネーションキャンペーン、プレ・本番・アフターと3年間続くわけですが、より良い形で海外から来られる観光客の皆さんを受入れたいという思いで、今回の予算案を計上しているところであります。
まずは令和7年4月から6月に開催されるプレDCに向け、官民一体となった更なる機運醸成や誘客の促進、そして観光プロモーション等を行ってまいります。
また、本県における令和5年の外国人宿泊者数が過去最高を更新しております。
そのような中で、更なる誘客を促進し、地域における消費効果を高めていくため、多言語化やキャッシュレス利用環境の普及を進めるなど、プレDCに向けインバウンドの受入環境を整備してまいります。
キャンペーンの詳細でありますが、今後、関係機関や団体と調整しながら検討を進めてまいります。
また、具体的な手法について、この後ブリーフィングがございますので、そこで追加説明をさせていただければと思います。
【記者】
自民党総裁選で、防災省の創設が論点の一つになってきそうですが、知事としては防災省の必要性を含め、防災の司令塔機能の在り方について、どのようにお考えか伺います。また、任期となる今後3年間で、震災・原発事故関連で特に政権の役割が重要になる課題をどのようにお考えか伺います。
【知事】
まず、防災省の関係であります。かねてから国における新たな危機管理組織の一案として、防災省といった組織を設置すべきではないかという議論があります。そのような中、先般6月21日でありますが、岸田総理大臣が記者会見において、次の大規模災害に備え、法改正も視野に、政府の災害対応体制の強化に向けた方針を取りまとめると発言されました。
国においては、これまで大規模災害等が発生した際に、関係省庁が連携し、対応に当たっています。一方、今後の全国レベルでの有事における体制がどうあるべきかなどについて、議論を深めていくことは重要だと考えております。
また、復興庁は、東日本大震災からの復興に向けた司令塔組織であると認識しており、被災地における様々な課題や相談等について一元的に対応していただいております。今なお、原子力災害に伴う困難な課題が山積しており、復興の進捗に伴って生じる新たな課題やニーズにも的確に対応していく必要があるなど、福島県の復興はこれからも長く厳しい戦いが続きます。
したがって、こういった復興庁の在り方について、私どもとしては、政府の機能としては重要だと考えておりますし、一方で、防災省については、今ほど申し上げたとおり、国家的な政策、課題として、総裁選も含め、しっかり議論していただくことが重要だと考えております。
また、自民党の次期総裁に求めることについてであります。今月12日に告示、27日に投開票が行われます。東日本大震災と原発事故から間もなく13年半が経過をする中、福島県では、復興の歩みが着実に進む一方で、被災地においては、新たな課題も顕在化するなど、福島の復興を成し遂げるためには、これからも長く厳しい戦いが続きます。
次の総裁には、これまでの総裁が引き継いでこられた「福島の復興なくして日本の再生なし」、この思いを改めて強く胸に刻み、福島の復興に真正面から取り組んでいただきたいと考えております。
また、日本全体が抱えている様々な課題解決に向け、強い決意を持って取り組んでいただくことを期待しております。
【記者】
デブリ取り出しの中断の関連で、今日にも東電が齋藤経産大臣に、原因究明と再発防止策を出しますが、出た場合の県としての対応を改めて伺います。
【知事】
現在、一時中断されている東京電力福島第一原発2号機における燃料デブリの試験的取り出し作業について、東京電力において原因や再発防止策を取りまとめ、経済産業大臣や県、関係市町村などに説明した上で、作業を再開する予定と聞いております。
まだ今後の具体的なスケジュールは聞いておりませんが、燃料デブリの取り出しは非常にリスクの高い作業であります。
このため、万全の安全対策を講じた上で作業を進めることが何よりも重要であります。
県としては、引き続き、安全を最優先に、確実に作業が前に進められるよう、東京電力が今後示す再発防止策等をしっかり確認してまいります。
(終了)
1 令和6年度9月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
(本県水産業の復興支援)
→農林水産部水産課 電話024-521-7375
(観光関連団体連携推進事業)
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
3 燃料デブリの試験的取り出し作業について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252