知事定例記者会見
■日時 令和6年8月5日(月)10時00分~10時17分
■会場 応接室
【発表事項】
1 東南アジアトップセールスについて
【質問事項】
1 東南アジアトップセールスについて
2 ALPS処理水の海洋放出について
3 パリオリンピックでの本県関係選手の活躍・期待について
4 全国知事会議について
5 令和5年度ふるさと納税受入額について
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【発表事項】
9月10日から14日にかけて、東南アジアのタイ、ベトナムの二か国を訪問しますので発表いたします。
今回の訪問においては、県産品輸入の取引拡大やチャーター便の運航による来訪促進など、震災と原発事故後の御支援に対して関係の皆さんに感謝の思いを直接お伝えするほか、大きく分けて次の三つの目的があります。
一つ目は、福島県内で桃と梨の生産に携わる方々と共に、現地の輸入・流通事業者を訪問し、トップセールス等を行うことで、生産・流通体制の連携強化を図り、県産品の更なる販売促進につなげていくことであります。
二つ目は、観光誘客トッププロモーションの実施を通じて、本県の観光と食の魅力などを発信し、インバウンドの更なる誘客を図ることです。
三つ目は、東南アジアの航空旅客数が回復する中、現地関係者を訪問し、交流拡大に向けた意見交換を通して、新たなチャーター便の運航実現を目指すものであります。
今回のトップセールスを通じて、復興が進む本県の姿や魅力を多くの方々に発信し、東南アジアにおける県産品の販路拡大のほか、インバウンドの誘客、国際チャーター便の誘致につなげてまいります。
【質問事項】
【記者】
トップセールスの関連で一つ質問があります。ベトナムからのチャーター便の運航について、実現の見通しを伺います。
【知事】
ベトナムとの直行便については、コロナ禍以降、初の国際チャーター便の再開となりました。その後も連続チャーター便が運航されるなど、これまで多くのベトナムの皆さんに福島県を訪問していただき、本県の魅力を楽しんでいただいております。
今回、現地の航空会社や旅行会社を訪問し、ベトナムと本県との更なる交流拡大に向けた意見交換を行うことで、新たなチャーター便の運航と、将来的な定期路線の誘致につなげていきたいと考えています。
また、本県の観光や食など様々な魅力をお伝えするために、現地航空会社や旅行会社、流通関係者等の方々を御招待し、交流会を開催いたします。この交流会では、日本酒を始めとする県産品を提供するほか、県が主催したFAMツアーに参加されたインフルエンサーから福島の観光や食などの魅力を紹介していただくこととしております。
【記者】
処理水の放出から間もなく1年を迎えますが、改めて知事の見解と県としての立場を伺います。
【知事】
昨年8月24日にALPS処理水の海洋放出が開始されてから、間もなく1年となります。
この間、7回の海洋放出が実施されましたが、これまでのところ、放出作業は計画どおり実施されており、海域モニタリングにおいても、トリチウム濃度が検出下限値未満か、十分に低い値であることを確認しています。
こうした「異常がない」というデータを一日一日積み重ねていくとともに、これらのデータも含め、科学的な事実に基づく情報を、国内外に分かりやすく発信していくことが重要であります。
ALPS処理水の問題は、これからも長い戦いが続きます。国及び東京電力においては、引き続き、想定外の事態が生じることのないよう、万全の安全対策を講じていただきたいと思います。
あわせて、国内外の理解醸成に向け、IAEA等の国際機関と連携し、第三者による監視と透明性の確保に努め、正確で分かりやすい情報を継続的に発信していただきたいと思います。
【記者】
パリオリンピックで県勢が活躍していますが、受け止めを伺います。
【知事】
パリオリンピックにおいて、本県関係選手を始めとする日本人選手の活躍を拝見し、胸が熱くなるとともに、目を離すことができない日々が続いています。
バドミントン競技混合ダブルスの渡辺勇大選手、東野有紗選手、銅メダルの獲得、誠におめでとうございます。
富岡第一中学校時代に東日本大震災を経験された渡辺選手、東野選手は、お互いに支え合いながら、幾多の困難を乗り越え、富岡高校を卒業後も厚い信頼関係の下、努力を重ねてこられました。
そうした努力が実を結び、オリンピックという世界最高の舞台で、東京大会に続いて2大会連続でメダルを獲得するという快挙を達成されたことは、正に本県の誇りであり、復興に向けて挑戦、チャレンジを続けている私たち福島県民に大きな勇気と希望を与えてくれました。
大会も、後半戦に入りました。
これまで、その他の本県関係選手も、世界の強豪を相手に堂々としたすばらしい戦いを見せてくれています。
同じバドミントン競技においては、男子ダブルスの保木卓朗選手、小林優吾選手のペアが奮闘され、惜しくも予選突破は叶わなかったものの、最後まで勝利を諦めることなく、全力で戦い抜く姿を見せてくれました。
女子シングルスでは、大堀彩選手が「支えてくれた福島の皆さんを思いながら戦いたい」との思いを持って大会に臨まれ、苦しい戦いを制しながら、準々決勝進出を果たされました。惜しくも破れはしたものの、これまで様々な挫折、御苦労を経験しながらも、それらを不屈の精神で乗り越え、ついにたどり着いた夢の舞台で躍動される姿に心から感動いたしました。
水泳競技では、松元克央選手が持てる力を発揮され、前回大会では成しえなかった2種目で入賞を果たされました。
JFAアカデミー福島出身の三戸舜介選手と、植中朝日選手が出場された男子サッカー競技では、見事、予選を3戦全勝の一位で突破しました。
準々決勝では、優勝候補のスペインに惜しくも敗れはしましたが、三戸選手が積極的にシュートを放つなど、世界の強豪を相手に堂々とした戦いぶりを見せてくれました。
8名の本県関係選手がメンバー入りした女子サッカー競技では、石川県出身で、東日本大震災と能登半島地震を経験されている北川ひかる選手が、「被災地に勇気を届けたい」との思いを持って大会に臨まれ、予選第3戦では、芸術的とも言える見事なフリーキックでゴールを決めてくれました。
準々決勝のアメリカ戦では、延長戦までもつれ込む死闘の末、惜しくも敗れはしましたが、北川選手、守屋選手の両サイドからの果敢な攻撃や古賀選手の体を張ったディフェンスなど、本県関係選手は、攻守ともに奮闘し、県民の皆さんにたくさんの勇気と元気を届けてくれました。
今週は、自転車競技で古殿町出身の窪木一茂選手が登場されます。
事前の国際大会でも、好成績を収めており、メダルの獲得が期待されています。
大会も残すところ1週間となりました。本県関係選手を含めた日本代表選手を県民の皆さんと共に精一杯応援したいと考えております。
連日、少し寝不足気味でありますが、猛暑を吹き飛ばす熱さで、県民の皆さんと共に、日本代表選手を心から応援していきたいと考えています。
【記者】
先日、全国知事会議に出席されて、東京一極集中の是正も含めて人口減少対策について議論されてきたかと思います。
一極集中については、東京都の小池知事の反発もあり、(宣言案の)文言修正があったように聞いておりますが、そのことも含めて知事の受け止めを伺います。
【知事】
人口減少問題は非常に大きな問題であり、今回の全国知事会議の中心的なテーマであったと言っても過言ではないと思います。
採択された緊急宣言にもあったように、私たちは今、歴史的な岐路に立っています。
この危機を乗り越え、持続可能で希望に満ちた未来を将来世代に引き継ぐためには、国を挙げた取組が重要です。
本県においては、震災と原発事故以降、人口減少が急激に進んでおり、多くの若者が進学や就職を機に県外へ流出しています。
特に、若年女性の流出は、「婚姻件数の減少」や「出生数の減少」に影響するものであり、大きな問題であると考えています。
このため、若者・女性にとって魅力のある仕事づくりや情報発信、出会い・結婚・妊娠・出産・子育てまで切れ目のない支援等に、市町村や企業、関係団体と連携しながら取り組んでまいります。
こうした中、今回の全国知事会議において、「人口戦略対策本部」を立ち上げ、全国の知見を共有しながら、課題解決に取り組むことは、人口減少の流れを食い止めるための突破口になるものと期待しています。
人口減少を止めることは難しい部分がありますが、減少の度合いを緩めることは可能であると考えております。
47人の知事が一致団結し、正にオールジャパンで、国や市町村、企業を始め、あらゆる主体と連携しながら、様々な挑戦、取組を続けていきたいと考えています。
一方、この宣言案について、東京都の小池知事からは、都市における集積のメリットを否定すべきではないこと、特定地域への人口や産業の集中と、日本全体の人口減少を関連づける考え方は因果関係が不明確であることなどについて意見が出されました。
人口減少の問題は、「東京対地方」の問題ではなく、東京を含む全ての都道府県が共に取り組むべき「オールジャパンの問題」であります。
加えて、会議の場でも申し上げましたが、人口減少問題は「時間がない」「特効薬がない」という危機意識を日本全体で共有しながら、知事会の「人口戦略対策本部」を通じて、47の都道府県知事が一致団結し、国や日本の様々な団体等とも積極的に連携しながら、実効性のある施策の展開に取り組んでいく必要があると考えております。
【記者】
先日ふるさと納税の寄附額が正式に発表されまして、県内で88億円、4年連続増加となったかと思います。ふるさと納税を巡っては競争の激化なども指摘されていますが、その辺りも含めて知事の見解を伺います。
【知事】
令和5年度のふるさと納税については、県に対する寄附額は1億6,272万円となり、県内市町村に対する寄附額は過去最高の88億6,646万円となりました。
全国の多くの皆さんの「福島を応援したい」という気持ちが集まったものと受け止めており、大変ありがたく感じております。福島に心を寄せていただいた多くの方々に感謝を申し上げたいと思います。
一方で、こうした寄附の問題は、市町村間でも差異があり、一部の市町村においては、寄附受入額を上回って住民税が流出している市町村も県内にはあります。
市町村においては、地域にどんな宝があるのか、そしてその宝を全国にどのような形で知っていただくか、それぞれ知恵と工夫を凝らしながら発信を続けているところであります。各市町村においては、それぞれの行財政需要に対して応援してほしいというメッセージを全国にきめ細かく届けていくことが重要だと思います。
県としては、市町村が引き続き、ふるさと納税制度を適正に運用できるよう、支援や助言を行っていきたいと考えております。
(終了)
【発表事項】
1 東南アジアトップセールスについて
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7298
→商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-7211
→商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7212
【質問事項】
1 東南アジアトップセールスについて
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7298
→商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-7211
→商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7212
2 ALPS処理水の海洋放出について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
3 パリオリンピックでの本県関係選手の活躍・期待について
→企画調整部文化スポーツ局文化スポーツ課 電話024-521-7312
4 全国知事会議について
→企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7741
5 令和5年度ふるさと納税受入額について
→総務部税務課 電話024-521-7067
→総務部市町村財政課 電話024-521-7061