知事定例記者会見
■日時 令和6年7月29日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 パリオリンピック・パラリンピックでの本県関係選手の活躍・期待について
2 「佐渡島の金山」世界文化遺産登録について
3 宿泊税の導入について
4 全国知事会議について
5 台湾における輸入規制緩和案について
6 応急仮設住宅の供与終了について
7 山形県・秋田県の大雨災害について
8 大相撲七月場所における本県関係力士の活躍について
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【質問事項】
【記者】
パリオリンピックが始まりまして、県内出身・県のゆかりの選手の活躍も聞こえてきております。それに対して改めて、パラリンピックも含めて出場選手へ一言お願いいたします。
【知事】
先週、パリ2024オリンピックが開幕しました。また、パラリンピックは、日本時間の8月29日から始まります。
既にサッカーやバドミントン、水泳等の競技において、福島県関係選手の皆さんが登場し、熱い戦いを見せてくれています。
男子サッカーの初戦となったパラグアイ戦では、JFAアカデミー福島、ふたば未来学園高校出身の三戸舜介選手が2得点を挙げる大活躍を見せ、勝利に大きく貢献してくれました。
バドミントン競技の予選ラウンドでは、女子シングルスの大堀選手と混合ダブルスの渡辺選手・東野選手のペアが実力を存分に発揮し、それぞれ勝利を収めました。
男子ダブルスの保木選手と小林選手については、初戦で悔しい結果となりましたが、今後の巻き返しを期待しています。
水泳競技については、松元克央選手が準決勝を突破し、明日の決勝へと駒を進めました。持てる力を存分に発揮し、悔いのない泳ぎを期待しています。
また、本日の未明には女子サッカーのブラジル戦が行われました。
(初戦の)スペイン戦では残念ながら敗れたわけでありますが、このブラジル戦においては、JFAアカデミー福島、ふたば未来学園高校出身の谷川萌々子選手が(試合後半)ブラジルのPKを誘発する鋭い動きを見せ、同点となるPKを獲得しました。その後、アディショナルタイムには、豪快な、劇的な決勝ゴールを見せてくれました。また、古賀塔子選手もディフェンス面で第1戦、2戦ともに、躍動しています。
このように活躍をしている本県関係選手の更なる活躍を後押しできるように、県民の皆さんと一緒に福島の地から、熱い応援をしていきたいと考えています。
選手の皆さんがこのパリオリンピックの中で、自分自身の持てる力、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、私自身も応援していきたいと考えております。
【記者】
新潟県の佐渡島金山が世界文化遺産に登録されることになりました。
経済波及効果は佐渡市だけで520億円と試算されているようですが、新潟県と隣接する福島県として、周遊促進などの取組を強化するお考えがあるかどうかお伺いします。
【知事】
まず、新潟県の佐渡島金山がこれまで長い努力を続ける中で、世界遺産に認定されたことを心からお祝いを申し上げます。
福島県は、新潟県、山形県と一緒に三県知事会議というものを継続しております。
昨年、この三県知事会議が、正に佐渡島でありまして、私自身、山形県の吉村知事とともに、新潟県の花角知事に御案内をしていただいて、佐渡島金山の歴史や、「世界遺産まであと一歩というところまで行っているが、まだもう一息頑張らなければいけない」というお話を伺ったところであります。
今回、世界遺産にめでたく認定されたことにより、今後、佐渡島金山、新潟への観光客の入り込みは増えてくるかと思います。
今年は、三県知事会議を福島県で開催する予定でありますので、今後その組立てを考えていく中で、今お話がありましたこの三県の周遊、あるいは新潟と福島との連携を観光面で行っていくことは意義があることだと考えています。
新潟県と福島県は、歴史的、文化的、経済的にも非常に関わりが深い地域でありますので、観光面での連携を行うことは非常に可能性があると考えています。
特に、国内のお客様に加え、インバウンドのお客様も、この世界遺産を一つの大事なデスティネーション、目的地として、選択される傾向があるかと思います。そういう意味で、隣接している福島県においても、この佐渡島金山に来られたインバウンドのお客様方に、さらに周遊の輪を広げていただくということも重要だと考えておりますので、今後の三県知事会議に向けて、この観光面での連携を、大事なテーマとして考えていきたいと思います。
【記者】
宿泊税について伺います。
今のところ都道府県単位では、東京・大阪・福岡の3都府県で導入されて、千葉県なども具体的な検討に入りましたが、福島県では導入についてどのようなお考えかお伺いします。
【知事】
宿泊税については、47都道府県の中でいくつかの都道府県等において、議論がなされ、あるいは既に導入されているところがあるかと思います。
全体の傾向としては、いわゆるオーバーツーリズムの問題、こういったものの抑制という観点や観光振興、観光活性化のための財源確保ということで取り組んでおられるかと思います。
全国における導入状況を注視してまいりますが、本県においては、東日本大震災と原発事故以降、この観光の面で、非常に厳しい状況に置かれていました。その後、観光の活性化が進みましたが、新型感染症でまた大きく落ち込み、そして今、そこからもう一度回復している途上という状況にありますので、この宿泊税について具体的な検討というものは考えておりません。
むしろ本県においては、より多くの国内のお客さんやインバウンドの皆さんに浜通り・中通り・会津地方の美しい自然環境、歴史・文化、あるいはおいしい食、そして何よりも、福島県民の温かいおもてなしを是非、楽しんでいただいて、「福島の今、こうなっているんだな」「復興が進んでいるね」という部分と「課題があるんだな」という両面を感じていただくことが何よりも重要だと思います。来年からスタートするプレDC(デスティネーションキャンペーン)、本番DC、アフターDC、この3か年を一つの軸にしながら、観光客の皆さんがより一層福島県に来ていただけるように、力を尽くしていきたいと考えています。
【記者】
今週、福井で開催されます全国知事会議の関係です。
地方創生から10年ということで、地方の人口減、東京一極集中対策がやはり大きなテーマの一つとなると思います。
5月の宮崎での知事の皆さんのサミットでも、宮城県の村井知事が「戦略的にやっていかなくてはいけない」「そういった専門の部会や組織を設けるべきだ」ということを表明された事実も報道されています。今週の知事会議で、知事として改めてどういったことを訴え、議論していきたいか、お考えを伺います。
【知事】
今週、福井県で開催される全国知事会議は、各都道府県知事と直接お会いし、意見交換を率直にできる貴重な機会であります。
この会議では、震災以降、各都道府県から頂いている様々な御支援、特に、昨年のALPS処理水の海洋放出後、各都道府県が、本県の常磐もの、水産業に対して非常に温かい支援をしていただいておりますので、こういったことについて御礼を申し上げますとともに、福島県の現状、復興の状況というものをよりリアルにお伝えしていきたいと考えております。
また、有識者を交えて実施されるセッションとして、今御質問いただきました、「人口減少社会への戦略」をテーマとしたセッションに参加する予定であります。参加される知事の皆さんと、それぞれが行っている取組や課題等を共有しながら議論を深めていきたいと考えています。
特に人口減少の問題についてでありますが、地方から若者、若い世代が流入している東京圏では、他の地域と比べて合計特殊出生率が低く、東京一極集中が日本全体の人口減少に拍車をかける要因となっており、多くの知事が東京一極集中を是正していく必要があると考えております。
また、少子化に歯止めをかけるための自然減対策や、持続可能な地域づくりなど、人口減少対策は正に総合政策であり、産学官を始めとした、あらゆる主体が連携し、持てる力を総動員して取り組んでいかなければなりません。
こうした取組を強力に推進していくためにも、国、政府において、人口減少対策を統括する司令塔組織を設置するなど、様々な対策が必要であると考えており、全国知事会議の場において、議論を深めていきたいと考えております。
また、全国知事会自身の人口減少問題の在り方についてであります。
今年5月に宮崎で開催された「日本創生のための将来世代応援知事同盟」においては、国に人口減少対策の司令塔の設置などを求める「人口戦略緊急アピール」が採択されたところであります。
人口減少は一部の自治体だけの問題ではなく、日本全体の問題であることから、今回の全国知事会議においても、そうした議論も含め、活発な論議が交わされるものと期待しているところであります。
【記者】
台湾の輸入規制緩和についてお伺いします。
先週台湾から県産のキノコ類を含む一部品目について、追加緩和の方針が発表されました。
これを受けての県産品の輸出への期待や今後の方針を改めてお伺いします。
【知事】
台湾において、福島県を含む日本産食品の輸入規制の緩和について検討がなされているところであります。
今般公表された規制の緩和案は、科学的な根拠を踏まえて作成されたものであり、これが実現すれば、輸入規制の撤廃に向けた大きなステップになるものと受け止めております。
ただ今後パブリックコメント結果が明らかになりますので、まずは、今後の動向を注視してまいります。
その上で、福島県としては、引き続き、県産農林水産物の安全性を確保する取組を進めるとともに、政府と連携しながら、科学的根拠に基づいた正確な情報や県産農林水産物の魅力の発信を強化するなど、輸入規制の撤廃に向けて取り組んでまいります。
【記者】
福島県で仮設住宅の提供を終了することが決まったと思います。震災後、福島県で提供されてきた仮設住宅の提供が全て終わることについて、引き続き必要な避難者への支援もあるかと思いますが、今後の支援などについてのお考えを伺います。
【知事】
大熊町、双葉町においては、令和7年度までに、帰還の受け皿となる災害公営住宅などの住環境や商業施設等の生活環境が一定程度整う見通しとなったことから、国及び両町と協議し、応急仮設住宅の供与期間を、令和8年3月末まで1年間延長した上で、原則として供与を終了することを決定したところであります。
避難を継続されている方々の中には、避難生活の長期化によって、既に避難先で一定の生活基盤を構築されている方もおられるなど、それぞれ個別の御事情をお持ちであります。
このため、避難されている方々の意向を丁寧にお伺いした上で、避難元や避難先自治体、社会福祉協議会等の関係団体と協議をしながら、新たな住まいの確保を始め、生活再建に向けた支援等に取り組んでまいります。
【記者】
お隣の山形県、秋田県で大きな大雨被害が出ていると思います。これについて何か福島県としてのお考えと、県でも改めてこういう毎年頻発する大雨や豪雨災害対策についてお考えを伺います。
【知事】
先週、梅雨前線や低気圧の影響によって、山形県において線状降水帯が発生し、大雨特別警報が発表されるなど、山形県、秋田県を中心に記録的な大雨となりました。このたびの大雨で亡くなられた方に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
東北地方は、いまだ梅雨が明けておりません。今後、台風が最も発生する時期を迎えることから、県民の皆さんには、大雨災害が身近に起こりうることを認識し、日頃から備えていただくこと、準備していただくことが大切であります。
このため県では、自らの適切な避難行動について考えておく「マイ避難」の推進を図っています。また、3月から提供を開始した「防災アプリ」には、気象情報、避難情報等のプッシュ通知や、マイ避難シートの作成など、適切な避難行動につなげることができる様々な機能を搭載しており、県民の皆さんには是非、積極的に活用していただきたいと考えています。
県民の皆さんには、大雨による土砂災害、低い土地への浸水、河川の増水等に注意・警戒していただくとともに、御自身と大切な方の命を守るために「マイ避難」の取組を改めてお願いいたします。
【記者】
白熊が、昨日、七月場所で十両初優勝しました。若隆景に続いて二場所連続の県内力士の優勝ですが、それに対して内堀理事の御感想を伺います。
【知事】
今場所も本県出身力士の皆さんが気迫あふれる取組を見せ、私たち県民に大きな元気と勇気を届けてくれました。
特に、十両優勝を果たされた白熊関、本当におめでとうございます。
先場所の若隆景関に続き、二場所連続で本県出身力士が十両優勝を成し遂げられたことをとてもうれしく思います。更なる高みを目指し、今後も精進していかれることを期待しています。
また、大きなケガを乗り越えて、再入幕を果たされた若隆景関におかれても、11勝4敗という見事な成績を残され、改めてその実力を発揮されました。来場所も本県出身力士の皆さんの力強い取組を私たち県民に見せていただくことを期待しております。
また、白熊関は優勝後のインタビューにおいて、「名古屋場所、白熊関いつも良い成績を残されていて、夏は得意ですか」というインタビューアーの問いかけに対し、「良い成績を残してはいるんですが、白熊として暑さは苦手なので、また涼しくなることを楽しみにしている」という趣旨のお話をされており、白熊関のお人柄を感じることができました。
私自身東京場所に時々伺っておりますが、白熊関、若隆景関、そして若元春関と、本県出身の力士に対して、観客の皆さんが大きな歓声を挙げて応援していただいているところを幾度も見ているところでございます。
これからも県民の皆さんと一緒に、また、観客の皆さんは全国にも大勢おられると思いますので、みんなで一緒になって応援していきたいと考えています。
(終了)
1 パリオリンピック・パラリンピックでの本県関係選手の活躍・期待について
→企画調整部文化スポーツ局文化スポーツ課 電話024-521-7312
2 「佐渡島の金山」世界文化遺産登録について
(周遊促進の取組について)
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
3 宿泊税の導入について
→総務部税務課 電話024-521-7067
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-7316
4 全国知事会議について
→総務部政策調査課 電話024-521-7018
5 台湾における輸入規制緩和案について
→農林水産部農林企画課 電話024-521- 8183
6 応急仮設住宅の供与終了について
→企画調整部避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8629
7 山形県・秋田県の大雨災害について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7741
8 大相撲七月場所における本県関係力士の活躍について
→企画調整部文化スポーツ局文化スポーツ課 電話024-521-7742