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知事記者会見 令和6年7月16日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年7月19日更新

知事定例記者会見

■日時 令和6年7月16日(火)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【発表事項】
1 欧州訪問について

【質問事項】
1 欧州訪問について
2 国見町百条委員会報告について
3 燃料デブリ試験的取り出し作業について
 令和6年7月16日知事定例記者会見写真 動画を再生する

 

 

【発表事項】

1 欧州訪問について

  今回の欧州訪問について、報告いたします。
 ふくしまレセプションでは、英日議員連盟や英国省庁関係者、在英国各国大使館を始め、輸入・飲食事業者、在英福島県関係者など、大変多くの方々に参加いただきました。
 講演会や日本酒などの県産品を提供した交流会を通じて、輸入規制の撤廃を始めとした、これまでの御支援に対する感謝の思いと、本県の復興状況や食・観光の魅力など、「福島の今」を直接お伝えし、本県への理解醸成と、英国からの観光誘客、インバウンドを促進してまいりました。
 長年「ふくしまの酒」を応援いただいている、日本酒プロモーターの吉武理恵さんに、海外在住の方では初めてとなる、ふくしまの酒マイスターを快くお引き受けいただきました。
 吉武さんからは「引き続き、福島の魅力を広めていきたい」との力強い御言葉を頂き、大変心強く思っています。
 県産品の輸入事業者への訪問では、英国において、長年にわたり「天のつぶ」の輸入に御尽力を頂いているT.K.Tradingの河本社長とお会いしたほか、オランダでは、松川浦産のアオサノリや県産酒等の輸入を開始された北海水産のマリナスCEOにお会いしました。
 その際、T.K.Tradingの河本社長から、取扱目標を今後3年間で現在の2倍となる年間20トン以上に引き上げるとのお話を頂きました。
 また、北海水産においては、現地の飲食店事業者などをお招きし、会津漆器等で県産酒を楽しんでいただきながら、松川浦産のアオサノリなどを味わえる「福島ランチ」を提供していただくとともに、北海水産主催のファン感謝祭である「日本酒サマーフェスティバル」において、福島ブースを設置するなど、県産日本酒等の試飲販売を行っていただきました。
 要人への訪問では、現地、日本国大使館の各大使や、訪問国の政府機関等を訪問し、輸入規制の撤廃を始め、これまでの御支援に対する感謝の思いを直接お伝えするとともに、本県の復興状況や食の安全性等についても御説明し、福島に対する理解を深めていただきました。
 ロンドンとオランダでは、県人会との交流会を開催し、これまでの御支援に対する御礼と、本県に対する引き続きの御理解、御協力をお願いしました。
 ロンドンの交流会では、県内自治体と英国との交流にも尽力されている満山会長から「これからも福島の魅力を伝え続けたい」との御言葉を頂き、大変勇気づけられました。
 オランダの交流会では、「福島の今」を発信していただいている、蘭日協会のイングリッド・ハウトコーベル会長から、「今後も福島を応援していきたい」との御言葉を頂きました。
 クレラー・ミュラー美術館長への訪問では、ファン・ゴッホの展覧会を福島で開催できることへの御礼と、展覧会の成功に向けた御支援、御協力をお願いしました。
 ベンノ館長からは、「福島での展覧会の成功に向けて協力していきたい」という力強い御言葉を頂き、新たにルノワールなどの名画も提供していただけることとなりました。
 さらに、福島県立医科大学が取り組む、アートセラピーの研究にも協力していただけることとなりました。
 展覧会の名称について、今回のオランダ訪問と関係者との協議により、このたび、正式に「大ゴッホ展」に決定いたしました。
 今回の欧州訪問を契機として、県産品の安全性やおいしさの更なる発信や販路の拡大に努めるとともに、復興に向けて挑戦を続ける姿、福島ならではの魅力を多くの方々にお伝えすることで、本県のイメージアップとインバウンドの拡大につなげてまいります。
 また、令和8年、令和9年に開催を予定している大ゴッホ展の成功に向け、関係の皆さんと共にしっかりと準備を進めてまいります。

【質問事項】

1 欧州訪問について

【記者】
 御説明のありました海外出張に関係して、様々な成果があったかと思いますが、特に県産品の輸出、インバウンドの拡大に絡んで、帰国後にまず指示をされたこと、あるいは、これからすぐに指示することについて伺います。
 また、現在の円相場は、3年前と比べて40円から50円ほど、円安ドル高になっていますが、この円安の影響、本県にとってプラスに働く部分、マイナスに働く部分、それぞれ代表的なところについて知事の御認識を伺います。

【知事】
 今回の欧州訪問でありますが、大事なきっかけは、一昨年、昨年と続いた、英国、そしてEU、さらにはEFTAの輸入規制撤廃であります。これまで12年近く存在していた、福島県産品、特に農産物に対する輸入規制が完全に廃止された。これがまず重要なポイントであります。
 大事なことは、輸入規制の撤廃はゴールではなく、新たなスタートだということであります。
 何をスタートさせるかというと、三つキーワードがあると思います。
 一つ目が「チェンジ」、二つ目が「ふくしまプライド。」、三つ目が「インバウンド」です。
 まず、「チェンジ」でありますが、ローマ字の「FUKUSHIMA」という地名には、やはり2011年の東日本大震災と原発事故というネガティブなイメージがついてまいります。
 国内の皆さんには、福島の復興について一定程度御理解をしていただいていますので、極端にネガティブということはないかと思いますが、海外においては、福島の復興状況について触れる機会が少ないということもあって、どうしてもネガティブなまま凍結されているところがあります。
 したがって、このネガティブなイメージをポジティブに、「チェンジしていく」「変えていく」ということがこれからスタートしていくべき重要なキーワードだと思います。
 二つ目のキーワードは「ふくしまプライド。」です。
 特に福島の農林水産物でありますが、例えば昨年はALPS処理水の海洋放出の問題もありました。国内外でこの処理水の問題について、いろいろな御意見や受け止め方もあったかと思います。科学的なエビデンス、正確な知見を国内外に発信していくことで、こういった輸入規制撤廃も含めて、「ふくしまプライド。」を是非世界に広げていきたいと思っています。
 特に欧州であれば、例えばお米や水産物、日本酒、加工品といったものをしっかりとお届けして、品質の高さ・おいしさ、生産者の情熱、こういったものを「ふくしまプライド。」という言葉にぎゅっと込めて、その事実を伝えていきたい。というのが二つ目のスタートしたい案件であります。
 そして三つ目は、「インバウンド」であります。
 御承知のとおり、欧州から福島に来られている方は、まだまだ割合的に少ないという現実があります。したがって、これから伸び代をいかしていくために、実際に福島の地に「来て」「見て」「食べて」「感じて」いただくこと。これが輸入規制撤廃を機に本格的にスタートしていきたい案件であります。
 そこで具体的にどういった指示をしているかということでございます。
 まず、農産物についてでありますが、今後、欧州において様々な機会を捉えてメードイン福島の農産物の品質の高さ、おいしさといった魅力をいろいろな場面で具体的に伝えていきたいと考えています。
 また今回、英国であればT.K.Trading、オランダであれば北海水産、こういったキーパーソンが当地において極めて重要な役割を果たしておられますので、こういった方々に、今後、是非機会を捉えて、福島に来ていただいて、(両者とも福島について)ある程度詳しい方々でありますが、もっと知識を深めていただき、また我々の「ふくしまプライド。」に共感を持っていただいて、例えば、英国においては、お米ですとか、あるいは北海水産さんであれば、水産物、日本酒等にもっともっと力を入れていただけるように、促進していきたいと考えております。
 また今回、EUの関係の方々からもこういった福島産の農産物についての御理解等を頂いておりますので、今後徐々に広がりをつくっていきたいと考えています。
 そして、「インバウンド」についてでありますが、まず欧州の方々に、「福島に来て」というメッセージを、様々な機会を捉えて今後強く発信していきたいと思いますし、来年のプレDC(デスティネーションキャンペーン)、再来年の本番DC、その後のアフターDCと、3年間続けて、福島県は観光の活性化、充実をさせていくわけであります。
 インバウンドの場合は、多言語の対応やキャッシュレス対応、あるいは免税対応等も並行して引き受けていかないと、せっかく来ていただいたのに十分楽しめないということになってしまいかねませんので、そういったことがないように、海外から来ていただくお客様に、できるだけ障壁を感じずに、福島の旅行を楽しんでいただけるような受入体制の準備を、例えば旅館や旅行関係の機関・団体、市町村、あるいは政府の関係機関と連携しながらつくり上げていくことを具体的に指示しているところでございます。
 先ほど三つのキーワード、「チェンジ」、「ふくしまプライド。」、そして「インバウンド」の話をしましたが、今の円安基調の中で、非常にプラスの効果を持っています。
 農産物の輸出、海外の方が日本に来られるという点においては、円安の中で非常に有利な側面がありますので、こういった点に力を入れることは、今のタイミングとして重要だと思っています。
 逆に、日本が輸入しているものがやはり高い。原材料価格、燃料費等の高騰によって、例えば事業者さんや国民生活は、なかなか厳しいという部分ありますので、こういった点については、県の当初予算や先般の6月補正予算、また国の制度的な対応も含めて、総合的に緩和していく必要があろうかと思います。
 また、事業者の皆さんが一定の価格転嫁をしていくということが重要ですが、中小企業の皆さんはどうしても不利な立場に置かれがちであります。
 こういった価格転嫁について、既にそれに関わるネットワークをつくって具体的な働き掛けをしておりますし、一定の成果が出ていますが、なかなか完全に転嫁するのが難しいというお話をいただいております。こういった点についても、分野ごと、業種ごと、地域ごとに、よりきめ細かく対応していきたいと考えております。

【記者】
 大ゴッホ展の関係ですが、ベンノ館長と具体的にどのようなやりとりがあったのか、改めて伺います。

【知事】
 ベンノ館長でありますが、これまで福島を既に訪問されているということもございますが、今回の福島における大ゴッホ展に対して非常に好意的、前向きであります。
 また、私自身がクレラー・ミュラー美術館を訪問して、ベンノ館長から時間をかけて丁寧に一つ一つの作品を直接説明していただき、私自身の率直な感想をお伝えする中で、一層信頼関係が深まったと感じております。
 今回、クレラー・ミュラー美術館の至宝であるゴッホの作品に加えて、ルノワール等の著名な作品についても、「是非提供していきたい」という意欲を示していただきました。
 また、芸術、アートが持つ人の心に対するプラスの部分について、今回医学的な見地からもアートセラピーを改めて研究するところでございますが、こういったものにも強い関心を持っておられ、「その成果は、福島、日本国内にとどまるのではなく、世界全体にその科学的なエビデンスを広げていきたい。それによって、芸術、アートというものをより多くの世界の方々に親しんでほしい」という意欲を示されました。
 特にベンノ館長が大切にされているのは、若い世代に対する芸術の教育についてでありました。 実際クレラー・ミュラー美術館では、大学生の方々が一つ一つの作品の時代背景や考え方、受け止め方について、レクチャーを受けながら、真剣に芸術を鑑賞しておられました。福島においても、「若い世代に今回の大ゴッホ展を通じて、是非すばらしい作品に親しんでほしい、アートを大好きになってほしい」という思いを持っておられました。
 また、クレラー・ミュラー美術館には、こういった芸術作品を鑑賞するためのシステム、教育的なメソッドがあるという御紹介を頂きました。
 今後、県教育委員会とも連動しながら、こういったメソッド、システムというものを、県内の各教育機関において活用していただけるような取組を進める、あるいは県立美術館において、実際にそういったものを感じることができる機会をつくることも今後の取組として重要だと考えておりますので、2026年、27年に向けて、若い世代への親しみ方ということも含めて、丁寧に検討を深め、実践していきたいと考えております。

2 国見町百条委員会報告について

【記者】
 国見町で高規格救急車の開発事業が中止された問題について、議会の百条委員会は入札に見せかけた実質的な随意契約などと批判をして、町長に事実上の辞任を要求しました。
 現時点では、町長が進退について明らかにしていませんが、一連の問題について知事は町の責任をどのように御認識されているか伺います。

【知事】
 一連の報道を拝見しております。
 国見町においては、町議会から提出された調査報告書や、外部有識者による検証結果を踏まえ、再発防止策を取りまとめるものと承知しております。
 企業版ふるさと納税制度については、国において、これまでの取組状況を総合的に検証の上、制度の在り方を検討されると伺っております。
 県として、今後の国の動向、あるいは国見町の動向等を注視してまいります。

3 燃料デブリ試験的取り出し作業について

【記者】
 東電の燃料デブリについてお伺いします。今月10日に装置が搬入されて、いよいよ来月にもということですが、改めて県としての立場と、知事の御見解を伺います。

【知事】
 福島第一原発2号機における燃料デブリの試験的取り出しについて、先週、テレスコ式取り出し装置が第一原発構内に搬入されるなど、8月から10月頃の作業着手に向け、準備が進められています。
 今後、この取り出し装置を2号機原子炉建屋内に設置した後、原子力規制委員会の使用前検査を受ける予定であると聞いております。
 燃料デブリの取り出しは、長期にわたる福島第一原発の廃炉作業の中でも最難関の課題であります。
 今回の試験的取り出しは、その入り口となる重要な作業であることから、安全かつ確実に実施することが重要であります。
 国及び東京電力においては、安全を最優先に、確実に廃炉作業を前に進めていただきたいと考えております。

(終了)

【発表事項】
1 欧州訪問について
 →生活環境部国際課 電話024-521-7181
 →商工労働部県産品振興戦略課 電話024-521-8026
 →総務部広報課 電話024-521-7146
 →企画調整部文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7150

【質問事項】
1 欧州訪問について
 →生活環境部国際課 電話024-521-7181
 →商工労働部県産品振興戦略課 電話024-521-8026
 →総務部広報課 電話024-521-7146
 →企画調整部文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7150

2 国見町百条委員会報告について
 →総務部市町村行政課 電話024-521-7137
 →企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922

3 燃料デブリ試験的取り出し作業について
 →危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-8054