知事定例記者会見
■日時 令和6年7月1日(月)10時00分~10時16分
■会場 応接室
【質問事項】
1 東京都知事選について
2 パートナーシップ制度の導入について
3 令和6年能登半島地震から半年について
4 新紙幣の発行について
5 猪苗代湖の新たな船舶航行規制の施行について
動画を再生する
【質問事項】
【記者】
今週日曜日に東京都知事選の投開票があります。二点お伺いします。
一点目が、都知事選や都政、新知事へ注文や期待することを教えてください。
二点目は、東京一極集中の問題をどう考え、その是正に向けて、次の知事にはどういうことを期待したいかお伺いします。
【知事】
東京都知事選が近づいてまいりました。
今、各候補者による舌戦が繰り広げられているところであります。
東京都は、日本の首都であります。経済、政治、行政、あるいは学問、報道等、各種の機能が集中し、日本全体の発展を担う重要な自治体です。
また、福島県にとって、特に東日本大震災と原発事故以降、東京都からは、非常に多大な貢献をいただいております。具体的に申し上げますと、今なお、職員の派遣を継続していただいております。また、福島県の復興に向けて様々な目配りをしていただき、例えば観光関係や風評払拭のためのイベントといったものを継続して開催していただいているところであります。
東京都による東日本大震災と原発事故以降の福島県への復興支援、これは我々が復興を前に進めるための大きな力になっており、心から感謝を申し上げます。
また、新しい都知事が選ばれますが、新都知事におかれても、是非、福島の復興に対する強い思いを持って、その取組を継続していただくことを期待しております。
次に、東京一極集中の問題であります。
先般、宮崎県で行われました有志の知事によるサミットにおいても、現在の極端な人口減少、過度な東京への一極集中の問題について、熱い激論が交わされたところであります。
それを踏まえた上で、例えば東京都ですとか、地方ですとか、そういう一部の自治体の問題ではなく、正に日本国全体の問題である、という共通認識に立ち、我々として共同声明や緊急アピールを作って、政府に対し、この有志の知事会による要望活動を行ったところであります。
過度な人口の集中が起きることによって、地方部だけではなく東京都も含め、日本全体において大きな問題が生じかねないと考えております。
また、新都知事とは恐らく、今後開催される夏の全国知事会議においても、御一緒する機会があろうかと思いますので、その場においてもこの議論が活発に行われるものと考えております。
【記者】
先週の県議会で、福島県がこの秋にパートナーシップ制度を導入する方針ということが示されたと思いますが、この点について知事の受け止めと、この制度を使って、今後どのようにしていきたいかという点について伺います。
【知事】
福島県では、「ふくしま男女共同参画プラン」において、性的指向や性自認にかかわらず、等しく尊重され受容される社会の実現を掲げており、パートナーシップ制度については、市町村の考えを伺いながら、県で検討を行ってきました。
市町村からは、「広く社会として受け入れ態勢があることが望ましい」など、県としての制度を望む声があり、他県の事例等の調査研究を含めて検討を重ね、先週、方向性を示したところであります。
今後も、住民に身近なサービスを提供される市町村等の考えを丁寧に伺いながら、今年秋頃の制度開始を目途に検討を進めてまいります。
【記者】
パートナーシップについてお伺いします。先ほど秋頃の開始を目指して検討を進めておられるとおっしゃられましたが、これまで福島県のパートナーシップ制度を巡っては、例えば当事者の方や、あるいは既に導入している、導入の準備を先行して進めている市町村などからも、県の腰が重いのではないか、もっと早く進めて欲しいといったような声を取材でも聞いております。
このタイミングでパートナーシップ制度について、秋頃を目指して開始するというふうに決められた理由について伺います。
【知事】
パートナーシップ制度については、これまでも、市町村の皆さんのお考えを伺い、様々な方々の御意見を、真摯に受け止めてきております。
その上で、どういった形の制度導入が望ましいかということを丁寧に検討し、2月県議会において、導入について前向きな姿勢を示したところであります。
そして、先週、秋頃を目途にということをお示しさせていただいたという経緯でございます。
【記者】
秋頃を目指して開始の準備を進めていくということですが、県民のパブリックコメントなども実施する方針だということをお伺いしております。行政サービスの中身など、具体的にどういうことを検討していくのか、伺います。
【知事】
制度の具体的な内容等については、今お話があったパブリックコメント等も含め、検討を丁寧に進めていきたいと考えております。
【記者】
能登半島地震から今日で半年を迎えました。
避難の長期化につれて人口の流出や災害関連死の増加など様々な課題が出ていますが、原発事故によって中長期的な避難を経験した本県として、これまで、現地に伝えてきたことや、今後伝えていきたいことなどを伺います。
【知事】
令和6年能登半島地震の発生から本日で半年の節目を迎えます。
改めて犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
石川県では、いまだに2,000人を超える方々が避難生活を続けておられます。
一方、仮設住宅の建設や応急修理など、被災者の生活再建やインフラの復旧、観光や生業の再生など、復興に向けた取組が着実に進められています。
福島県としては、引き続き、被災された皆さんが一日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、被災地の復旧・復興に向けた支援を行ってまいります。
具体的には、石川県からの要請に基づき、災害復旧工事等の業務に従事するため、地方自治法に基づく職員の中長期派遣として、技術職員3名を4月1日から1年間派遣しているところであります。
そしてもう一つお尋ねいただきました、長期の避難生活についてであります。
能登半島地震は、先ほど申し上げましたように復興がある程度前に進んでいるわけでありますが、一方で、半島という地理的な特性や、道路等が遮断され、水道等の復旧も思うように進まないという状況の中で避難生活が長引いておられます。
福島県においては、原発事故という特殊な災害によって非常に長い期間、今なお避難生活を続けている方々がおられます。こういった避難生活の長期化において今現地では、「仮設住宅を早く作ってほしい」「当面、落ち着いて暮らせる状況にしてほしい」という声が、非常に大勢を占めているかと思います。
今、市町村、県、国が力を合わせて、仮設住宅の整備を進めておられますが、先ほど言ったような特殊な条件もあって、なかなか進まない地域もあるかと思います。まずは仮設住宅をしっかり整備して、当面の安定した住まい環境を作ることが重要だと思います。
今年の元日から半年が経ったわけでありますが、心、精神面でのケアも大事だと思います。「自分たちで何とか頑張ろう」「我慢しなければ」という思いで、半年、住民の皆さん、本当に気をしっかりと持ちながら頑張っていただいていると思いますが、長い期間続きますと本当に心身ともに疲弊してしまうという側面があろうかと思います。
県においても原発事故の避難者の方に対して、いろいろな思いや愚痴、苦しみを丁寧に聞く傾聴活動や、マッサージをするとか、皆さんがお茶を飲みながら話す機会をつくるといった心のケア活動を行いました。私自身幾つかの場面に立ち会っておりますし、避難者の方から、「心を切り替えてまた頑張ろうという気持ちになるための、非常に大きな力になった」というお話を聞いております。
実はこういった経験については、既に石川県等に対して、我々の体験としてお伝えしているところであり、ある程度やっていただいていると思います。
先ほど言ったように当面の仮設住宅のような住まいの確保と被災者の皆さんの心のケア、こういったところに重点を置いていただくことが重要だと被災県福島として感じているところであります。
【記者】
新紙幣の発行について伺います。
現行の千円札の野口英世については、知事御自身も名言を引用する機会が時々ありますし、新紙幣の顔ぶれには渋沢栄一ら本県と関係のある人物も並んでいます。
新紙幣発行を2日後に控えた現在の率直なお気持ちを伺います。
【知事】
明後日、二十年振りとなる新たな紙幣が発行されます。
千円札の肖像画については、福島県を代表する世界的医学者、野口英世博士から、北里柴三郎博士に変更されます。北里博士は、野口博士の恩師に当たり、師弟関係にあった二人の間で紙幣のバトンタッチが行われることに不思議な御縁を感じております。
本県出身の野口博士から切り替わるというのは、やはり少し寂しいなという気持ちもございます。一方で、お二人とも医学界の発展のために、生涯をかけて尽力された人物であり、新紙幣の肖像画となるにふさわしい方だと感じております。
また、一万円札に起用される渋沢栄一さんは、白河市の南湖神社の建設に深く関わり、いわき市の炭鉱事業発展にも大きく貢献されるなど、福島県に大変ゆかりのある方であります。
さらに、五千円札に描かれる津田梅子さんは、本県(会津)の出身である大山捨松さんとともに、初代女子留学生となった人物であります。我が国における女子教育の先駆者でもあることから、女性の活躍やグローバルな現代社会を象徴する人物であると感じております。
【記者】
猪苗代湖のゾーニングについて伺います。本日から猪苗代湖での船舶の通航方法の指定などを定めた区域等が施行となります。
もともと2020年に3人が死傷した事故が発端で検討されてきた今回の規制区域だと思いますが、改めて今回の導入の狙いと県としての今後の対応について伺います。
【知事】
本日、猪苗代湖において、利用者の皆さんの安全確保を図るため、河川法に基づき通航方法制限区域を指定し、船舶の航行規制を開始します。規制の内容としては、水上オートバイやモーターボート等が航行できる区域と、航行できない区域を定め、違反者に対する罰則規定を設けています。
県としては、県警や関係の皆さんと連携し、安全な利用のためのパトロール等を行ってまいります。
また、利用者の皆さんに対し、県ホームページやパンフレット等で制限区域を周知するほか、現地において、区域を示す看板やブイを設置するなど、安全な利用を促進してまいります。
(終了)
1 東京都知事選について
(東京一極集中について)
→企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7741
2 パートナーシップ制度の導入について
→生活環境部男女共生課 電話024-521-7192
3 令和6年能登半島地震から半年について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7820
危機管理部危機管理課 電話024-521-7619
総務部行政経営課 電話024-521-7093
保健福祉部障がい福祉課 電話024-521-7169
保健福祉部健康づくり推進課 電話024-521-7236
保健福祉部保健福祉総務課 電話024-521-7216
4 新紙幣の発行について
→商工労働部経営金融課 電話024-521-7274
5 猪苗代湖の新たな船舶航行規制の施行について
→土木部河川計画課 電話024-521-7645