知事定例記者会見
■日時 令和6年6月17日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 FーREI・イノベ機構・県による包括連携協定及びRTFの統合に係る基本合意書の締結について
2 尾瀬サミットの開催形式について
3 新たな土砂災害の発生するおそれのある箇所について
4 東京都知事選の告示について
5 入山料の導入について
6 農作物の高温障害について
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【質問事項】
【記者】
先週、ロボテスが、来年4月にFーREIに移管するという発表がありましたが、改めて、県として期待している効果などを伺います。
【知事】
今回の基本合意書の締結についてであります。
来年4月の福島ロボットテストフィールドのF-REI(福島国際研究教育機構)への統合に必要な基本的事項について合意したものであります。
これまでの機能や成果に、研究開発などFーREIの新たな機能が加わることで、福島ロボットテストフィールドの更なる発展を目指すものであります。
世界最先端の研究開発を行うF-REIと、福島ロボットテストフィールドに集う企業や研究機関が結び付き、相乗効果を生み出しながら、施設の成果が最大化されることを期待しています。
県としても、引き続き、統合に向けた準備を着実に進めていくほか、統合後においても、F-REIと緊密に連携し、施設の発展と関連産業の振興にしっかり取り組んでまいります。
また、今回、F-REI、そしてイノベ機構と(県において、)三者協定を結んでいるところであります。
今後は、その三者が連携し、中通りや会津地域において、イノベ参画促進セミナーとF-REI市町村座談会を一体的に開催します。
また、F-REI研究者による高校等での出前授業やイノベ機構による地域企業とのコーディネート活動とともに、ロボットテストフィールド統合後の施設運営においても緊密な連携を図るなど、これまで以上に強固なパートナーシップを構築し、イノベ構想の実現に向けた動きを加速させてまいります。
【記者】
2019年度まで尾瀬で開催されていた尾瀬サミットが、毎年開催の在り方を見直して、開催の形式を変えるということがありましたが、知事の受け止めなどを伺います。
【知事】
これまで、尾瀬国立公園に関わる福島県、新潟県、群馬県の3県が共同して、知事サミットを開催してきました。
私自身、以前は生活環境部長として、また知事になってからも、このサミットに出席し、この大事な尾瀬を守る、育てる役割を担う3県の知事として、思いを共有し、また、関係する機関や団体の方も多数出席されますので、これからの尾瀬をどのようにしていこうかということを、1泊2日で実際に自然を体験しながら語り合った場でありました。
一方で、尾瀬を取り巻く状況がここ数年激変しております。
特に新型感染症の影響等もありまして、入山者数が非常に大きく落ち込んでおり、財団の経営状況等も以前とは異なる状況にあります。
そういう中で、今後この尾瀬サミットの在り方をどうするか。また、尾瀬に入山者をもっと増やしていきたいという強い思いを持っておりまして、事業の在り方をどのように効率的にしていったらいいかということを、3県で今、緊密に協議を重ねているところであります。
特に重要な課題は、「はるかな尾瀬」という(フレーズがある)歌を、比較的年配の世代の方は御存じですが、若い世代は、今あまり山に登るとかハイキングするということに対する関心が薄れている状況もございます。
こういう中で、若い世代に尾瀬のすばらしい自然環境、その価値の高さ、またこういった環境を未来に向かって保全していくことの重要性というものを、どう伝え、また実際に尾瀬に足を運んでいただいて、自然の魅力に触れていただくか。こういったところに重点を置いて、この3県の連携をより緊密にしていこう、ということで議論を重ねているところであります。
また尾瀬サミットも、そういう中で、今後の在り方はどういう形で行っていったらいいかということをしっかり議論を深めていきたいと考えています。
【記者】
先週、県砂防課から、新たな土砂災害の発生のおそれのある箇所が発表されました。
東日本台風による土砂災害で建物被害や犠牲者が出た6割の地点が土砂災害警戒区域外だったことから、改めて調査を行っているということですが、38,000箇所余りという、大変数の多いところで新たな土砂災害発生があるということについての受け止めと、県として今後どのような取組をされていくか伺います。
【知事】
先週、「新たな土砂災害の発生するおそれのある箇所」として、38,670箇所を公表させていただきました。
令和元年東日本台風の際、土砂災害警戒区域外の場所において、多くの土砂災害が発生しました。
これを受けて変更された「土砂災害防止対策基本指針」に基づき、精度の高い地図データを用いて、災害発生のおそれのある箇所を新たに抽出したものであります。
今後行う現地調査の結果等を踏まえまして、できる限り速やかに土砂災害警戒区域等の指定を進めてまいります。
この取組にあわせまして、住民の皆さん、市町村等にお願いしたいのは、今回の新たなこの状況を踏まえて、是非、自分の住んでいる場所、あるいは自分の身近な場所がどうなっているのかということを確認していただきたいと思います。
特に今後、梅雨時に入ってまいります。また、台風等も含め、大雨災害の可能性が高まる時期ということになりますので、この土砂災害のリスクのある場所に住んでいる、あるいは自分の職場、あるいは子どもたちの学校等がそういう場にあるかないかということを、こういった新たなデータを使って、しっかり確認していただいて、大雨の場合、どういった対応をしたらいいか、避難場所をどうしたらいいか、命を守るためにどうしたらいいかということを、それぞれ御家族や関係の職場・団体等で議論を進めていただくこと、これが重要だと考えております。県としても市町村等と連携して、注意喚起を県民の皆さんに対して行っていきたいと考えております。
【記者】
今週告示される東京都知事選に関連して伺います。
論点の一つになっている東京一極集中については、国政課題であるとともに、東京都としての役割も問われてくるかと思います。この東京一極集中、あるいは東京と地方の関係について、知事に求めたいこと、あわせて小池都政2期8年への評価について伺います。
【知事】
東京都知事選についてであります。この都知事選は、日本の首都のリーダーを決める非常に重要な選挙であります。震災以降、東京都からは、避難者の受入れや職員派遣を始め、都内での復興応援イベントの開催、さらに、県産水産物を食べて応援する取組など、様々な御支援を頂いております。
先週、派遣職員の交流会を行いましたが、その中でも、東京都の職員の方が非常に多くおられました。自分で手を挙げて福島に行って復興を応援したいという都の職員の方々が現に来られて、一生懸命頑張っていただいている。この取組にまず感謝申し上げたいと思います。
また、都営バスの一部で県産水素の利活用が進むなど、本県が目指す「再生可能エネルギー先駆けの地」の実現に向けても、東京都と密接に連携していく必要があると考えております。
このため、引き続き、本県復興に対する御理解、御支援をお願いするとともに、様々な分野で福島県と東京都との連携を深めていきたいと考えております。
また、東京一極集中のお話がございました。東京都においては、地方から多くの若者、若い世代が流入されている一方で、他の地域と比べて、合計特殊出生率が低く、東京一極集中が結果として日本全体の人口減少に拍車をかける要因にもなっていると考えております。このため、地方の問題ではなくて、日本全体の問題として、過度な東京一極集中を是正していく必要があると考えております。
この人口減少対策は国の役割が極めて重要であります。政府においては、人口減少対策を推進するための司令塔となる組織体制を整備し、東京一極集中の是正も含め、あらゆる政策を総動員して対応すべきであるということを、先般の東京における政府予算要望活動においても、私自身が官房長官、関係大臣等に直接訴えたところであります。
また、東京都との関係でありますが、これまで夏の全国知事会議、リアルで各都道府県の知事が参加して行いますが、その際必ずこの東京一極集中の問題について、いい意味で激論が交わされてまいりました。
歴代の東京都知事の皆さんにとってみると、地方への分散というものは、複雑な御意見があろうかと思います。今年の夏は福井での会議が想定されていますが、今、過度に東京への集中が進んでいるということについて、是非東京の都知事と我々が活発に議論を行って、これは東京都の問題だけではなく、日本全体の問題なんだと、オールジャパンでこの問題に対応していかなければ、この日本の急激な人口減少に拍車がかかっている状況は是正できないという思いがあります。都知事と、この全国知事会議の場において、直接、顔を見ながら議論を交わすことになるかと思いますが、そういった場も活用しながら、議論を深めていく、これが重要だと思います。
ポイントは、国の政策、国土政策そのものが、今の状況を招いている。そして地方創生を10年やってきて一定の成果は出ていますが、やはり全体としてのトレンド、傾向は変わっていませんので、これはオールジャパンの問題として、政府に真摯に取り組むべきだということを、全国知事会議としても訴えていきたいと思います。
【記者】
先ほど、尾瀬に関する質問がありまして、その際に、財団の経営状況が以前とは異なるといったお話もありましたが、先日環境省に取材した際、本年度中にも入山料の徴収について検討することになるといったお話がありました。入山料の導入の是非について、知事は現時点でどのようなお考えをお持ちか伺います。
【知事】
入山料の議論は、今、全国各地で行われています。類似の取組として観光税の議論もございますが、これはオーバーツーリズムの問題で対応されている地域もありますし、尾瀬のように、逆にお客様が減ってしまって、それによって最低限の経常経費を維持することができなくて、結果として、この入山料の議論を行っているところ、ある意味2極分化している側面もあるかと思います。
この入山料の議論は非常にデリケートで、複雑な事情を抱えておりますので、慎重に関係者の間で議論を行って、よりよい解決策というものを探っていかなければいけないと考えております。
本県は今、群馬県、新潟県と、関係の機関、あるいは政府も含めて議論を深めているところでありますので、しっかりと協議を進めていきたいと考えています。
【記者】
農作物への高温障害についてお伺いします。会津の高田梅は、去年の高温でかなり出来が悪いというお話です。この辺について、対策や県として注視しているのかということを伺います。さくらんぼについても高温の影響で双子果というような状況があり、味自体は問題ないですが、規格外が多くてかなり農家さんが困っているようです。この辺についても何か県として対策や検討していく部分があるのか伺います。
【知事】
高温障害の関係は、農作物にとって極めて重要な問題であります。
例えば10年に1回、20年に1回の高温ということであれば、そのときの対策ということで終わるわけでありますが、昨今の気象状況を見ておりますと、10年に1度ではなく、毎年のようにこの問題が起きる。そしてそれに直面して、福島県の農業をどう守るかという問題と密接に関わっていると思います。
高田梅の問題、サクランボの問題、あるいは昨年のお米(の問題)、いわゆる一等級米ががたっと減りました。
こういう状況の中で、取るべき方策があります。
一つ目は、短期的な対策です。こういった高温障害が、率直に言って始めから想定されていますので、生育の段階でどういった対策を事前にとっておけば、高温障害をできるだけ緩和できるかということを、県の農林水産部、現地の事務所、市町村、JA等と連携して、今我々が持っている手段で技術的な指導を丁寧に細かく、各地域において行っていくこと、これがまず重要だと考えております。
今、農林水産部で、例えばカメムシの問題等も含めてでありますが、その年に起きている障害に対しての営農指導を行っていますので、この技術指導をより活性化して、効果を一つ一つ発揮していきたい。これがまず短期的な対応であります。
次に、中期的な対応でありますが、例えば高温対策としての水のまき方や適切な施肥等を行うための施設整備が必要な場合もございますので、こういったものに対して県がどういった支援を行っていくか、JAと対応していくかという部分があろうかと思います。
また長期的な部分については、実際に植える種や作物そのものを、高温に強い品種に変えていくということも重要であります。
県の農業センターにおいて、今様々な品種改良等を進めておりますが、先ほど、昨年は、いわゆる一等級米が下がってしまったという話をしましたが、例えば山形県等のお米ですと、暑さに強くて、非常に踏ん張っていました。
やはり、高温に強いお米や農作物を品種として確立して一定程度地域に広げていくということも、長期的な対策として大事だと思います。短期的対策、中期的対策、長期的対策、こういったものを一つ一つ積み重ねながら、高温障害が当たり前になっていく気象状況の中で、福島の農業をしっかり守っていくという観点で、県として努力を重ねていきたいと考えています。
(終了)
1 F-REI・イノベ機構・県による包括連携協定及びRTFの統合に係る基本合意書の締結について
→企画調整部福島イノベーション・コースト構想推進課 電話024-521-7112
→商工労働部次世代産業課 電話024-521-8045
2 尾瀬サミットの開催形式について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7251
3 新たな土砂災害の発生するおそれのある箇所について
→土木部砂防課 電話024-521-7491
4 東京都知事選の告示について
(東京一極集中の是正について)
→企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
5 入山料の導入について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7251
6 農作物の高温障害について
→農林水産部園芸課 電話024-521-7357
→農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359
→農林水産部農業振興課 電話024-521-7338