知事定例記者会見
■日時 令和5年6月19日(月曜日)10時00分~10時13分
■会場 応接室
【質問事項】
1 ALPS処理水の取扱いについて
2 福島国際研究教育機構(F-REI)について
3 地域公共交通の維持について
4 LGBT理解増進法の成立について
【質問事項】
【記者】
福島第一原発の処理水についてです。
海洋放出に伴い、風評が起きるとの回答が87.8%に上りまして、夏頃の放出を目指す岸田内閣への支持・不支持を問わず、風評被害の発生を懸念する声というのが根強いということが浮き彫りになりました。
改めて、こちらの結果に対する知事の受け止めと、国や東電に求めること、県として取り組んでいくことについて伺います。
【知事】
今回の世論調査を始め、ALPS処理水の取扱いに関する様々な調査結果が示されています。
国においては、こうした調査結果も踏まえながら、県民の皆さん、国民の皆さんの理解醸成に向け、基本方針や行動計画の中で示した取組を更に徹底し、責任を持って対応していくことが重要です。
県としては、先般実施した、国への提案・要望活動において、西村経済産業大臣に対し、国内外の理解醸成に向け、正確で分かりやすい情報発信を継続して行うとともに、IAEA等の国際機関と連携し、第三者による監視と透明性の確保に努め、科学的な事実に基づく情報を積極的に発信することなどについて直接求めてきました。
そうした取組について、国が責任を持って取り組むべきと考えております。
【記者】
処理水の海洋放出について伺います。
まず一点目ですが、先週15日に韓国政府が、処理水をめぐる取組などを説明する記者会見を毎日行うと表明したり、14日には岸田総理と面会したパラオの大統領が、一定の理解は示すというような動きもありました。
そういう国際的な動きについて、科学的な安全に基づいた理解が少しずつ広まっていきそうな動きについてどう受け止めているのか伺います。
【知事】
現在、世界各国・地域における処理水に関する受け止め方というものが、それぞれの地域によって異なってきていると考えております。
まず韓国においては、ユン大統領と岸田総理が直接会談されてから、状況が大きく変化しつつあると思いますし、一方で、韓国国内においては様々な御意見もありますので、予断を許さない状況かと思います。
また、短い時間でありましたが、パラオの大統領と懇談し、お互いの信頼関係というものが非常にあるということを実感しております。
あるいは、先般、リトアニアの大使ともお話ししておりますが、こういった方々に、処理水の問題、あるいは農産物輸入規制の問題等について、正確な情報発信を政府として取り組んでいただき、一定の成果が出つつあるかと思います。
ただ一方で、例えば中国、あるいは香港、こういったところにおける反応等を見ておりますと、やはり処理水の正確な情報が十分共有されているかといえば、まだまだというところもあろうかと思います。
IAEAにおいて、包括的報告書というものが今後取りまとめられる予定であると聞いております。こういったIAEAなどの科学的で客観的な機関の報告書も活用しながら、丁寧に説明を続け、理解を深めていくことが極めて重要だと考えています。
【記者】
加えてもう一点ですが、国内に目を向けたときにハード面がかなり着々と工事が進んできまして、実際放出するかというところは、高度な政治的判断になるのではないかというようなところまで来ているかと思いますが、放出するに当たって、これだけは必ず履行してほしいと国に求めることがありましたら伺います。例えば、岸田総理と知事御自身、あるいは県漁連の幹部との面会ですとか、あるいはその放出後に改めて国から財政的な支援をしますというような約束など、いろいろなことを考えられるかと思いますが、具体的にありましたら伺います。
【知事】
改めて福島県としての基本的な考え方をお話ししたいと思います。
やはり大事なことは、ALPS処理水の取扱いでありますが、これまで国に対し、政府に対して、関係者への丁寧な説明や情報発信の充実・強化、万全な風評対策に責任を持って取り組むことなどを強く求めてきました。
先日、国への提案・要望活動において、西村経済産業大臣とお会いした際も、「国内外の理解醸成に更に力を入れていきたい」というお話がありました。
国においては、行動計画の中で、理解醸成に向けた具体的な取組を自ら示しています。そうした取組について、最後まで責任を持って取り組むべきと考えています。
【記者】
F-REI(エフレイ)についてです。
世論調査で「内容は知らない」や「名前も内容も知らない」という回答が76.2%になりました。
エフレイの中期目標では、認知度向上なども、重点重要事項に盛り込んであります。
そういう中で改めてこの認知度というのが課題として浮き彫りになっておりますが、これに対する受け止めや、エフレイに求めること、県として取り組んでいくことについて伺います。
【知事】
エフレイにおいては、今年4月の設立以降、シンポジウムや理事長によるトップセミナーを開催してきました。
明日からは、浜通り地域等の15の市町村において、自治体や企業等が参加される座談会を順次開催するなど、県民の皆さんに活動内容を説明し、理解していただくための取組を進めています。
エフレイは、福島イノベーション・コースト構想を更に発展させる拠点ともなります。
県としても、エフレイとの結び付きを深め、多くの県民の皆さんに、エフレイをより身近に感じていただくことができるよう、連携して取り組んでまいります。
【記者】
F-REI(エフレイ)の認知度については率直にどう受け止めているのか伺います。
【知事】
エフレイは、福島国際研究教育機構が正式な名前でありますが、恐らくエフレイという略称になり、なかなかまだ分かりづらい部分があろうかと思います。
エフレイは、立地する自治体がようやく決まって、4月に正式に立ち上がったという状況であり、理事長も4月からの就任であります。現在6月ということで、認知度を広げていくのはこれからかと思います。
また、エフレイの拠点となる施設整備もこれから数年間かかるという状況でありますし、関係する15の市町村での座談会も、明日から始まるということであります。
自治体や関係機関など連携協定を結んでいるところが次々に増えていますが、こういった皆さんから、「福島国際研究教育機構に頑張ってほしい」、「エフレイに是非どんどん具体的な取組を進めてほしい」といった期待が高まるのも当然であると思います。一方で、まだ本当にスタートしたばかりの機構でもありますので、これからのハード整備、ソフト面での対応、更に研究者も50PI(研究責任者)という言い方をしていますが、これもまだ本当にこれからでありますので、短期的に頑張ってほしい部分と、中長期でじっくり地面に足をつけて頑張ってほしい部分に分けながら長い目で見守ることも重要かと考えています。
【記者】
今週末に三重県で開かれたG7の交通大臣会合で、地域公共交通の維持への連携という部分も宣言に盛り込まれました。
動きはこれからだと思いますが、鉄道やバスなど課題がいろいろある中で、改めて県として、県内の公共交通をどのように取り組んでいくのか伺います。
【知事】
ローカル鉄道、あるいは地域におけるバス、これは通勤、通学、通院、買物など、地域住民の皆さんの日常生活の足であるだけでなく、観光客の皆さんの移動手段として欠かすことができない重要な社会インフラであります。
ローカル鉄道、あるいはバス事業においても、人口減少の加速化や車社会の進展による利用者数の減少に加え、コロナ禍の影響等により、地域公共交通は厳しい経営を強いられています。
県としては、今年度、全県版の地域公共交通計画の策定を予定しており、広域路線バスを中心とした利便性の向上、利用促進に取り組むとともに、地域の鉄道についても、自治体や関係の皆さんと積極的に意見交換を行いながら、更なる利用促進に努めていきます。
あわせて、G7の関係大臣会合においても、日本だけでなくG7の国々においても同様の状況があるということを伺っております。
各国とも協力し、知恵を交換しながら、様々な工夫をして取り組んでいくことが県民の皆さんやそれぞれの地域の住民の皆さんにとって必要だと考えております。
【記者】
性的少数者への理解増進法が成立しました。先週も質問がありましたが、この法律成立の受け止めを教えてください。あわせて、今後の県の取組や市町村への働き掛けも含めて伺います。
【知事】
先週、LGBT理解増進法が成立しました。
福島県では、ふくしま男女共同参画プランに基づき、性別や国籍、性的指向や性自認などにかかわらず、全ての方が等しく尊重され、受容される社会の実現に向け、取組を進めています。
引き続き、企業・団体等に対する講師の派遣であったり、学校と連携した啓発活動等を通じて、LGBTなど性的少数者への理解が深まるよう取り組んでまいります。
(終了)
○質問事項
1 ALPS処理水の取扱いについて
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1129
2 福島国際研究教育機構(F―REI)について
→企画調整部福島イノベーション・コースト構想推進課 電話024-521-7112
3 地域公共交通の維持について
→生活環境部生活交通課 電話024-521-7157
4 LGBT理解増進法の成立について
→生活環境部男女共生課 電話024-521-7192