知事定例記者会見
■日時 令和5年1月10日(火曜日)13時00分~13時30分
■会場 応接室
【質問事項】
1 知事の米国訪問にについて
2 新型コロナウイルス感染症について
3 少子化対策について
4 復興拠点外の住民帰還のための新たな区域創設について
【質問事項】
【記者】
知事は来週、渡米予定であり、本日はその前の最後の会見となります。改めて、今回の渡米の狙い、発信したいことについて伺います。
【知事】
1月16日から21日までの日程で、米国のロサンゼルスとワシントンD.C.を訪問してまいります。
まず、ロサンゼルスでは、福島の県産米や県産酒のトップセールス、交流レセプションを開催します。また、ワシントンD.C.では、国務省への表敬訪問やセミナー、交流レセプションの開催などを予定しています。
今回の米国訪問の目的は二つあります。
一つ目は、一昨年、米国において、福島県産農産物の輸入規制が撤廃されました。それに対する御礼を申し上げることです。
そして併せて、2011年の東日本大震災、原発事故以降、米国から本当に多くの温かい御支援を頂いてきました。そのことに対する感謝の思いを直接皆さんにお伝えをすることであります。
二つ目は、福島県の県産米や県産酒のトップセールス、さらに交流レセプションを行って、福島県産品のおいしさ、安全性、魅力を直接発信し、海外における販路拡大につなげていくことであります。
これらを通じ、福島の感謝の思いと、復興に向けて前進している姿を米国の多くの方々に発信していきたいと考えています。
【記者】
米国でも、県人会の皆さんがこれまでもいろいろな活動をされております。県人会の皆さんとの交流など、そこでの考えがあれば伺います。
【知事】
現在、ロサンゼルスにおける県人会、また、ワシントンD.C.における県人会の皆さんに直接お会いし、旧交を温めたいと考えています。
この旧交を温めるということについては、新型コロナウイルス感染症の影響で、正に3年間、お互いの訪問が途絶するという状況にありました。そうであるからこそ、改めてお互いに直接会って、ふるさと福島への思い、そして、この震災以降の12年間、米国のそれぞれの県人会の皆さんが、福島の復興を応援してきてくださいましたので、それに対する感謝を申し上げたいと思いますし、また、おそらくこの2年、3年は、なかなか日本に来ることも難しかったかと思いますので、特に被災地も含めて、福島の復興が具体的に前に進んでいる、こういった福島の今について私から正確に発信することも意義があると思います。
そしてまた、旧交を温めあった上で、このウィズコロナの中ではありますが、今後ともお互い連携しながら、交流を深めて、そして、ふるさと福島がもっと元気になっていくように力を貸していただきたい、こういうお話をしていきたいと考えています。
【記者】
新型コロナウイルス感染症について伺います。
行動制限のない年末年始を終えて、現状の受け止めを伺います。
あと、特に12月については死者がとても多くなりました。感染している方が多いので、死亡率としては低いですけれども、医療関係者の方を取材すると、「亡くなった方お一人は一つの命なので死者数として見るべきだ」というようなお話も伺います。死者が増えていることについての現状分析も併せて伺います。
【知事】
新型コロナウイルス感染症についてでありますが、昨年の12月中旬から約1か月間、県は医療ひっ迫警報を発出しました。また併せて、県医師会、病院協会の三者で、昨年の年末、12月28日に共同メッセージを発出して、県民の皆さんにしっかりと感染症対策を講じていただきたいということを重ねてお願いをしてきました。
そういう中で、ちょうど警報を出した(12月)16日以降でありますが、約3週間の間、前の週の同じ曜日を下回る日が継続しました、これは県民の皆さんが、年末あるいは年始もですが、人と人との交流が増える中でも、一定の感染対策をしっかりとっていただいた結果だと考えております。県民の皆さん、そして事業者の皆さんに、まず感謝を申し上げたいと思います。
また併せて、年末年始も含めてですが、医療関係機関の皆さんは休むことなく、昼夜を問わず、数多くの感染者に対応していただいております。そのことについても、心から御礼を申し上げたいと思います。
ただ、そういった状況があったにせよ、先週1月4日以降は、再度、前の週の同じ曜日を上回る感染状況が継続しています。結果として、年明けは感染が再拡大という状況になっています。
この結果、現在、福島県全体のレベル判断はレベル2ではありますが、確保病床の使用率がある程度下がったところから、再度じりじりと上がっている。そして、重症者用の病床を使用されている方も、お一人だったのが四人になっている。先ほどの御質問とも関係しますが、重症者が絶対数として増えているという印象があります。
それに加え、発熱外来患者の状況、あと10万人当たりの1週間の新規陽性者数も、これまである程度下がる傾向にあったのですが、再度反転して上昇傾向にあります。したがって、県全体が、年明けに、改めて厳しい感染状況に直面しているというのが現実かと思います。
その中で、県民の皆さんに特に二つお願いしたいことがあります。
一点目が、医療機関の負荷が継続して高い、厳しいままでありますので、外来診療への集中を防ぐための検査キットによるセルフチェック、救急外来、救急車の適正利用のお願い、また、自分自身が今後体調不良になった場合に備えて、検査キットや解熱鎮痛薬等の事前購入、こういった事前準備を改めてお願いしたいと思います。
二点目が、特に今、3連休も明けて、いよいよ本格的に会社、学校がスタートしているわけでありますので、基本でありますが、感染対策のチェックもお願いしたいと思います。
まず自分自身と同居家族の皆さんの体温の状況であったり、健康状態をチェックしていただくこと、また特に発熱あるいは喉の異常等がある場合には、仕事始め、新学期であっても無理をして出勤、登校しない。あるいは親御さんであれば、お子さんに対してさせないということをお願いしたいと思います。
また特に、3連休が明けた今日ということになりますが、3連休中に感染リスクの高い行動をされた場合には、より慎重に行動していただくことも重要だと思います。
こういった基本的な感染対策について、年末年始が終わって3連休も明けた今週は、特に配慮していただくようお願いしたいと思います。
続いて御質問がありました、亡くなられる方が福島県内、また、日本全国でも増えているということについてであります。
オミクロン株の特徴として、死者が出る率が低いというのは現実としてあると思いますが、そもそも、先月12月の新規感染者数は7万人を超えています。
つまり、第7波のピーク時は6万人台でありましたので、それを優に超えてしまっている。したがって、いくら亡くなる方の率が低いといっても、感染者数という母数が多いことによって、結果として亡くなる方が増えていく。そして、それによって、つらく悲しい思いをされる方が相当数おられるというのが厳しい現実だと思います。
したがって、オミクロン株、もちろん軽症の方、無症状の方、あと御自宅での療養で元気になっていかれる方が多い、これは事実だと思うのですが、一方で、先ほど言ったとおり、重症化する方は一定数おられますし、結果として亡くなる方の絶対数は第7波以上に多い。更に言えば、この3年間のコロナウイルスとの戦いの中で、今が最も多いという事実を県民の皆さんに改めて、しっかりと感じていただく、認識していただくことも重要かと思います。
ただ、一番大事なことは、繰り返しになりますが、新規陽性者数の総数を減らすこと、これがポイントだと思いますので、先ほど申し上げたような、救急外来等を適正に利用して、その上で、病院の負荷を減らすことと、自分自身が事前に準備をして備えること、万が一その傾向があったときは、なるべく自制して行動していただくこと、加えて感染したときは周りの方に広げない工夫をしていただくこと、こういった基本的な感染対策を、これからも改めて発信していきたいと考えています。
【記者】
また、加えてなのですけど、残念ながらインフルエンザも流行期に入ってしまいました。これについての受け止めと注意の呼び掛けをお願いします。
【知事】
今回、新型コロナウイルスの第8波に加えて、過去2回の冬とは違って、季節性インフルエンザが流行の兆しを見せています。
一部の地域においては、本格的な流行に入っている。福島県はまだ「兆し」という段階ではありますが、今後、季節性インフルエンザと新型感染症が同時流行するリスクというものがあります。
症状を見ますと、ほとんど表面的には変わらないということもありますので、今、同時流行のリスクが目の前に来ているのだということを、県民の皆さんに知っていただいて、ただ、なすべき感染防止対策の本質は一緒でありますので、新型感染症、あるいは季節性インフルエンザのどちらを防ぐためにも、基本的な感染対策を徹底することが大事ということで、慎重な行動をとっていただければありがたいと思います。
【記者】
関連ですが、コロナについて、年明け以降に感染が再拡大しているというお話がありましたが、15日までとしている医療ひっ迫警報について、15日以降の対策、また情報発信の仕方において、現時点で考えていることがあれば伺います。
【知事】
まず大切なことは、年末年始と3連休が昨日までありましたので、それが明けた今日以降の新規陽性者数の状況、これをしっかり確認していきたいと考えています。
また、先ほど言ったような確保病床の使用率と重症者の発生状況を勘案することと併せて、季節性インフルエンザが少し増えている兆しがありますので、この1週間の動向、こういったものを総合的に勘案する中で、今週末までとなっている「福島県医療ひっ迫警報」をどうするかということを整理して、今後、本部員会議等で方向性を見定めた上で、県民の皆さんに注意喚起をしていきたいと思います。
ただ、率直に言いまして、全体としての数字は再拡大の傾向にありますし、恐らく、先ほど言ったような様々な要因や、学校が再開し、会社も本格的に再開している現状ですので、当面は基本的な感染対策の徹底、特に1月から2月はより寒くなり、乾燥することでウイルスの活動が活発になります。それらのことを考えますと、当面、こういった対策は継続していかざるをえないかなと考えております。
いずれにしても、今週の本部員会議で、改めてその方向性について、話をさせていただきたいと思います。
【記者】
コロナに関連してですが、本日10日から全国旅行支援が再開となりました。感染の再拡大の傾向にあるという県内でも再開となりましたが、再開されることへの知事の受け止めをお願いします。
【知事】
昨年の10月から全国旅行支援『福島県「来て。」割』が開始されて以降、県内の宿泊施設や観光地には全国から多くの観光客の皆さんが訪れていて、需要喚起の効果が現れていると思います。
さらに、観光客の皆さんには、観光特典クーポンを利用していただくことによって、周辺のお土産物屋さんであったり、観光施設、あるいは飲食店等への効果が波及しています。
引き続き、政府の方針も踏まえながら、本日宿泊される方から3月31日チェックアウト分まで実施して、観光需要の喚起を図っていきたいと考えております。
一方で、感染防止対策を徹底しながら、こうした旅行支援を両立していくことが重要です。各宿泊施設においては、引き続き、徹底した感染防止対策に取り組んでいただき、あわせて、観光客の皆さんにおいても、利用される場合には、御自身の体調はもちろんのこと、行き先の感染情報などを十分把握した上で、基本的な感染対策を徹底していただきたいと思います。
この両方の発信をして、地域経済の維持・再生と感染防止対策の両立に、福島県として力を入れていきたいと考えています。
【記者】
子ども政策についてお伺いします。
年明けに、東京都が、18歳以下の子ども1人当たりに月5,000円を支給するという方針を示しました。
一方で、政府は「異次元の少子化政策を」ということを岸田総理もおっしゃっていましたが、それらを踏まえた上で、県として(少子化対策に)どのように取り組むかということと、国に対して、少子化対策の点で求めたいことあれば伺います。
【知事】
先週、東京都知事、あるいは岸田総理自身が、今後の少子化対策に向けてそれぞれの思いをお話されました。
先週、今年初めての記者会見の場で、正に少子化対策の質問を頂いて、福島県は残念ながら少子高齢化と人口減少が進んでいる、ただ、これは福島県だけではなく、地方の問題であり、かつ、今後は都市部も含めて日本全体の問題になるというお話をさせていただきました。
正にそういった、今後の少子化あるいは人口減少に対する危機意識、これを総理、都知事、あるいは我々が共有しているからこその発言かと受け止めております。
福島県においては、御承知のとおり、震災と原発事故がありました。それによって、率直に言うと他県以上に、この少子化の問題というものが、ある意味、より先行して進んでいると受け止めています。
だからこそ、保育や高等教育の無償化、各種奨学金の充実に加えて、正に全国トップクラスの福島県独自施策、18歳以下の医療費無料化、多子世帯の保育料助成など、子育て世帯に対する様々な経済的支援に、この10年余り取り組んでいるところであります。
正に国を挙げて少子化対策に力を入れていこうという大きなうねりが起きてきていると思います。国、市町村、あるいは他の都道府県の政策等も参考にしつつ、また関係団体と連携をしながら、人口減少対策に福島県としても取り組んでいきたい、このような思いであります。
【記者】
帰還困難区域について、報道ベースではありますけれども、新たな区域として、「特定帰還居住区域」(仮称)というものを、復興拠点外の地域に設けるということが、政府において調整されているとの報道がありました。まず、このことへ受け止めを知事に伺います。
また一方で、今回の区域に入らなかった家屋などの解体をどうしていくのかといった課題も残っていると思います。その辺りについての考えを併せて伺います。
【知事】
現在、政府において、復興拠点外における住民帰還を可能とする「特定帰還居住区域」(仮称)の創設を検討しているという報道がなされました。
復興拠点外については、政府において、2020年代をかけて、帰還意向のある方々が古里に帰還できるよう取り組むとしています。この新たな区域の創設が検討されることは、復興拠点区域外における避難指示の解除に向けた大きな一歩となるものと受け止めております。
一方で、帰還する意向のない住民の方々の土地・家屋等の取扱いなど、依然として課題が残されています。
県としては、引き続き、国に対し、各自治体と真摯に協議を重ね、その意向を十分に踏まえながら、帰還困難区域全ての避難指示解除に向けて、最後まで責任を持って取り組むよう求めてまいります。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 知事の米国訪問について
→生活環境部国際課 電話024-521-7181
→観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
→農林水産部農林企画課 電話024-521-8183
2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(全国旅行支援について)
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287
3 少子化対策について
→こども未来局こども・青少年政策課 電話024-521-8654
4 復興拠点外の住民帰還のための新たな区域創設について
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439