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知事記者会見 令和2年10月19日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年10月22日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年10月19日(月曜日)10時00分~10時15分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウム水の処分方法について

令和2年10月19日 福島県 知事   動画を再生する

【質問事項】

1  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 今月に入って半月足らずで100人を超える感染者が確認されております。医療提供体制を含め、現状に対する知事の認識を伺います。

【知事】
 10月に入ってわずか半月で100名を超える感染が確認されております。特に、郡山市における感染が厳しい状況にあると認識しております。郡山市においては感染が急増しており、10月以降に県内で確認された新規感染者数の約7割を(郡山市が)占めております。(郡山市においては、)感染拡大防止を図るために、先週13日から、駅周辺の接待を伴う飲食店の従業員等に対してPCR検査を実施しております。10月13日に13店舗で30人、14日に18店舗で55人に対してPCR検査を行い、全員が陰性と聞いております。
 県としての郡山市に対する支援については、疫学調査のために福島市、いわき市と連携して保健師を派遣するとともに、円滑に連携を行うため、県職員をリエゾンとして派遣しております。また、県が患者の入院調整を一括して行うなどの支援も行っております。さらに、国のクラスター対策班に支援を要請し、先週12日から15日まで、現地において調査・支援が行われました。引き続き、郡山市との連携を密にして、感染拡大の防止に取り組んでまいります。
 併せて大切なことは入院体制です。現在、病床が469床、ホテルが160室、最大629人分を確保しております。また、病床に占める入院者の割合は、本日時点で17.5%となっております。
 福島県は依然として第2波が継続しており、連日、感染が確認される状況が続いておりますが、現時点では十分に対応できる入院体制となっております。今後も感染状況を見据えながら、必要な病床数を準備してまいります。

【記者】
 現在、患者が漸増状態にありますが、現在のステージについて、知事はどう捉えていますか。まだ「ステージ1」と見ていますか。

【知事】
 現在、福島県において感染者が多く発生していることは事実です。一方で、国が示しているステージを判断するための6つの指標を見ますと、福島県は、最大のピーク時を見据えて入院体制を準備していることから、(病床に対し、)患者の占める割合が相対的に低くなっております。したがって、いわゆる「ステージ1」の状況にあることに変わりありませんが、先週もお話しましたとおり、「ステージ1」の中でも悪い状況にあるというのが現実ですので、「ステージ1」、「ステージ2」という問題以前に、この感染状況を重く受け止め、郡山市の関係の皆さんと連携し、一刻も早く感染拡大を鎮静化させていかなければならないという危機意識を持っています。

【記者】
 国の示した基準では、「ステージ3」と「ステージ4」は数値がありますが、「ステージ2」に関しては(数値が)ないと記憶しております。今、「ステージ1」の悪い方だという話がありましたが、どういう状況になれば「ステージ2」であると判断し、管理体制や警戒体制を引き上げるのかについて教えてください。

【知事】
 これは、かねてから議論を進めておりますが、他県の状況等を見ましても、「ステージ1」と「ステージ2」では、広域自治体や各自治体が行う対応に差はなく、「ステージ3」になって初めて事業者に対するお願いなどをしていくという状況になります。そのため、ラインの見極めは難しいと思っておりますが、入院患者が病床に占める割合が高くなっていくという状況は、何としても避けたいと考えております。
 ステージとは別に、「フェーズ1」、「フェーズ2」という見方もありますが、いずれにしても現時点においては、福島県では、安定的に入院患者を受け入れることが出来る状況にあります。
 先週、国の制度改正があり、軽症や無症状の方は直接ホテル(等の療養施設)に入っても構わないとされましたが、福島県においては、現在、無症状の方も含めた全ての患者さんに一度病院に入院していただき、その後、状況を見てホテルに移っていただくという対応をしております。現時点では、入院されている方が82名、その中でホテルに入っている方が1名です。この82名の入院者の中でも、軽症や無症状の方が相当数おりますので、そういう意味で、先ほど現時点で17%という数字を申し上げましたが、今後、療養者用のホテルを活用するとウエイトを下げることも可能です。
 ただ、今は患者さんに直接ホテルに入っていただくという状況にはないと考えておりますので、当分の間は、まず病院に入っていただいて、(状態が)安定されてからホテルに移るというプロセスを丁寧に続けていきたいと思います。
 いずれにしても、病院の入院患者数のキャパシティとホテル160室の全体数の中で、今どれくらいの割合を占めているかを見ながら、今後の県としての対応を丁寧に考えていきたいと思います。

2  トリチウム水の処分方法について

【記者】
 トリチウム処理水の処分について、月内の決定に向けて最終調整と報じられていますが、県としての受け止めを教えてください。

【知事】
 先週末に、政府において、そのような決定をしていないとの会見をされております。

【記者】
 処理水の処分の方向によっては、県全体に対する風評の懸念があるため、県がリーダーシップをとって処分方法について意見を言うべきであるという声もありますが、どのように考えておりますか。

【知事】
 トリチウムを含む処理水の取扱いについては、県内外で開催された関係者からの意見を伺う場において、風評に対する懸念などの様々な意見が出されております。処理水の取扱いに当たり、最も大切なことは「風評」です。国においては、様々な意見や県内の実情を十分に踏まえた上で、福島県の農林水産業や観光業に影響を与えることがないよう、慎重に対応を検討していただきたいと考えております。こうした思いを、これまで県として訴えてきたところです。

【記者】
 知事は現段階で、県民にトリチウム水に関する理解が広がっていると感じていますか。

【知事】
 現在、県内外において様々な意見があります。そういった意見を十分踏まえた上で、国が慎重に対応を検討していくべきものと考えております。

【記者】
 震災から9年半経過しますが、トリチウム水を含めた政府の風評対策や国民理解の醸成に向けた取組は十分だと考えますか。

【知事】
 まず、処理水の問題以前に、福島県は原発事故以降、風評払拭について本当に苦労してきました。農業者の皆さん、観光に関わる皆さん、また、県全体においても、この風評は、復興を進める上で常に重くのしかかってきた問題であります。それは過去形ではなく、現在進行形であると考えております。
 この風評払拭については、1年1年、関係者が努力を重ねる中で、良い方向に向かっているという現実があります。政府としては、そういった現実をしっかり認識していただく必要があるかと思います。その上で、先ほども申し上げましたが、今回の処理水の取扱いに当たって最も重要なことは「風評」です。国においては、福島県の農林水産業や観光業に影響を与えることがないよう、慎重に対応方針を検討していただきたいと考えております。

【記者】
 国民の理解が得られないまま処理水が放出されることについて、知事の是非を伺います。

【知事】
 先週末、政府においては、そうした方向(が決定されたわけ)ではないということを明言されていると思います。

【記者】
 先週、梶山経産大臣が、風評の影響については、政府の方針決定前後を問わず、徹底した対応をする必要があると述べられていますが、風評対策において、県としては国に具体的にどのようなことを求めるのか伺います。

【知事】
 今、何か結論が出ている訳ではありませんので、一般論としてお答えいたします。
 原発事故以降の9年半、本当に風評払拭の問題に苦しんできました。例えば、福島県産の農産物が国内各地において中々受け入れてもらえないという状況が、原発事故直後から、特に2年目、3年目ぐらいまで続いていました。そういったものを払拭するために、米の全量全袋検査を行い、野菜、果実、あるいは肉類についても徹底した検査を行い、そのデータを公表していく中で、徐々に風評が和らぎ、ある程度の方に理解していただける状況になってきたと思います。
 県産の農林水産物の輸出も、原発事故直後はほぼゼロになるまで激減しましたが、この2~3年は、過去最大の(輸出)記録を更新できるような状況です。政府や県、あるいは農業関係者等が本当に一生懸命に努力する中で、一歩一歩、風評を解決してきたところです。したがって、風評払拭に特効薬あるかと言われれば、私は無いと思います。やはり、地道な取組を継続することに尽きると思います。

【記者】
 トリチウム水の対応について、政府としてはまだ決定していないとのことですが、先日、政府の決定後には見解を述べたいと知事は話しておりました。それは今も変わりありませんか。

【知事】
 現時点においては、そういった状況にはないと思いますが、国から何らかの対応方針が示されれば、それに対する県としての意見は申し上げてまいります。

 (終了)

【問合せ先】                               

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252