■日時 令和元年11月11日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 県議会議員選挙について
2 台風19号による発災から1か月について
3 被災者の生活再建支援について
4 二重被災者への支援について
5 災害ボランティアの活動について
6 福島銀行とSBI銀行の資本・業務提携について
【質問事項】
【記者】
昨日、県議会議員選挙がありましたが、二点伺います。選挙の結果、自民党が改選前より2議席上積みし、県民連合が1議席減らしました。いずれも知事に対して与党の立場をとる会派ですが、この結果についての受け止めを伺いたいのが一つ、もう一つは投票率について、前回を5ポイント近く下回り、過去最低を記録しました。投票率に関する台風災害の影響についてどのようにお考えかをお聞かせください。
【知事】
今回の県議会議員選挙については、それぞれの選挙区において候補者の思いを伝えながら、選挙が行われました。その結果が昨日の深夜、明らかになったところであります。各地域において、今、望んでいる課題が異なります。例えば、東日本大震災と原発事故からの復興、あるいは台風19号やその後の大雨災害からの復旧、急激な人口減少への対応など、地域ごとの課題に対して、候補者が懸命に訴えた結果が今回の県議選の結果だと受け止めております。
また、今回の県議会議員の選挙の投票率が41.68%となり、過去最低となりました。投票率が低下した理由については、台風第19号の被害も含め、様々な要因があろうかと思います。
選挙は民主主義の根幹であり、有権者の皆さんの意思を表明する貴重な機会であることから、今後の選挙において多くの方に投票に参加をしていただけるよう、県としても取り組んでいきたいと思います。
また、今回は、台風災害の対応中での選挙となりました。県選挙管理委員会では、各市町村の選挙管理委員会と連携しながら、選挙の執行体制を確認するとともに、県としても、市町村における選挙事務に支障が生じることのないよう、災害対応のための職員を市町村に派遣するなど、支援に努めてきたところであります。市町村においても、被災箇所の応急復旧や、被害に遭われた方への対応に追われる中での選挙となったことから、様々な御苦労があったことと思います。関係の皆さんに敬意を表したいと思います。
【記者】
県内の半数の投票所が夜8時まで投票を受け付けていないとのことですが、各選管が決めることと思いますが、投票率が下がっている中、受付時間を確保することも必要かと思います。知事の考えをお聞かせください。
【知事】
市町村の受付時間については、これまでも遅らせることも、また逆に早めるということもありました。その時点において、各選挙管理委員会で検討の上、対応されたものと思います。ただ、いずれにしても今般最低の投票率になったという実態があります。
今後県市町村それぞれが投票率を上げていく。多くの県民の皆さん、市民、町民、村民の皆さんに、投票していただくということが極めて重要でありますので、受付時間も含め、どのように対応するのが良いか、相互に検討を深めていく必要があるかと思います。
【記者】
今回の投票率に関して、少し言い過ぎかもしれませんが、県議会議員に対する関心、さらに言えば県に対する関心が薄れてしまっているのではないかとも思いますが、知事はどのように受け止めておられますか。
【知事】
今回、投票率が下がったことの要因については、分析の仕方があろうかと思います。例えば、先ほど申し上げたような、台風第19号、そしてその後の大雨災害への対応の最中であったということ。今回の立候補者数が過去最少の75人になっているということ。あるいは、福島県においては、東日本大震災、原発事故以降、多くの避難者の方が県内外で避難生活を続けておられることなど、様々な要因が全体として絡み合いながら、今回の結果になっていると思います。皆さんからの御意見も頂きながら、今後、投票率をどう向上させていくのか、また、国政においても同じような傾向が見られますので、選挙そのものに対する関心が中々高まらないという状況の中で、どういった対応があり得るのか、検討を深めていきたいと思います。
【記者】
間もなく発災から1か月という節目を迎えますが、今回の災害を知事はどのように考えていらっしゃるのか、また、現在の課題と今後の展望などございましたら教えてください。
【知事】
発災から1か月を迎えようとしております。福島県では多くの方が亡くなられたほか、浸水により多数の家屋が被災いたしました。現在まで、農業や商工業を始め、多岐にわたる分野の被害状況が明らかになってきており、改めて、極めて甚大な被害をもたらした災害であるとの認識をしております。これまで、消防・警察・自衛隊を始め、関係機関の皆さんには、様々な御支援を頂いていることに、改めて感謝を申し上げたいと思います。また、被災された方々の懸命な御努力や、ボランティアの皆さんの献身的な御尽力によって、着実に復旧に向けた歩みを進めており、県内外からいただいている数多くの御支援に対して御礼を申し上げたいと思います。
先週、「被災者と生業の再建に向けた対策パッケージ」が政府の非常災害対策本部において示され、関連する予算が閣議決定されました。これまで県としても、災害からの復旧・復興と被災された方々の生活再建に必要な支援策の実現を国に強く求めてきたところであり、政府及び与党に対し、幾度も緊急要望等を行ってきたところです。安倍総理大臣を始め、政府の皆さんの御尽力にも感謝を申し上げたいと思います。
一方で、今なお1,100人を超える方々が避難所での生活を余儀なくされているほか、地域によって被害状況や復旧の進み具合に違いがあります。被災された方々が再び前を向いて歩み出すことができるよう、それぞれの復旧のステージに応じてきめ細かく対応するなど、引き続き、国、市町村、関係機関と共に力を尽くしてまいります。
【記者】
先週示された支援パッケージの中では、知事会などが要望してきた、被災者生活再建支援法に基づく半壊世帯以下に対する支援の拡充というのが盛り込まれず、一部損壊世帯の30万円というのは、台風15号の千葉県などを対象としたもので、結局、既存制度に基づく支援という結果にとどまってしまいましたが、今後、年末の補正予算等に向けて、改めて国に対して、要望していくことがありますでしょうか。
【知事】
ただ今御指摘がありましたとおり、被災者の生活再建支援については、災害救助法による住宅の応急修理制度の支援対象が損害割合により、一部損壊まで拡大されたことや、被災者生活再建支援法による支援金の支給等が示されたという段階にあります。引き続き、被災者の生活再建に向けて既存制度の速やかな運用を図るとともに、市町村や被災者の皆さんから頂いた声や要望への対応を国に届けながら、県として取り組んでまいります。
【記者】
長野や岩手などの他県では、独自に見舞金を上積みするなどの動きもありますが、災害復旧にはスピード感が求められると思いますが、県として独自の支援策を講じるという考えはないということでよろしいでしょうか。
【知事】
引き続き、全国知事会等を通して、被災者生活再建支援法の支給対象の拡大を国に要望してまいります。
【記者】
知事会を通じて要望するというのは、法律の改正を待つということだと思いますが、そうすると、今回の台風19号で被災し、苦しい状況に置かれている方には支援が届かないのではないでしょうか。知事はどのようにお考えですか。
【知事】
被災者の生活再建支援についての基本的な考え方は、先ほど申し上げたとおりであります。我々は被災者に対して、あるいは被災された方々の産業、生業の再生に対して、県としてなすべき様々な事柄がございますが、こういったこと全体を通じて、今回の台風19号からの復旧・再生に全力を尽くしてまいります。
【記者】
産業、生業ではなくて、被災者住宅の再建について伺っているのですが。
【知事】
先程、お答えしたとおりであります。
【記者】
独自支援を検討している岩手や長野と、福島県の違いは何でしょうか。
【知事】
それは是非、分析いただければと思います。
【記者】
岩手と比較するのが良いのか分かりませんが、被災の規模が違うと思います。福島に比べて住宅の被害の戸数も少なく、住宅の被害が少ないと県の独自支援が出来て、被災の規模が大きいと県の独自の支援が出来ないというのはパラドックスな状況だと思いますが、被災の規模が大きいので国に頼るしかないというのが知事の考えでしょうか。
【知事】
ただ今の御意見は、御意見として受け止めさせていただきます。私どものスタンスは先ほどから申し上げているとおりであります。
【記者】
被災者支援や災害対策などを、国が決めたことを基本とするのが、知事の政治家としてのスタンスなのでしょうか。
【知事】
今、福島県として出来ることに懸命に取り組んでいるところであります。
【記者】
今回の台風19号で、東日本大震災でも被災や避難された方が、再度、例えば事業所などが被災している人数が300人に上っています。県として、こういった方の数の把握を行う予定があるのか、また、自治体によっては、住民票がないと見舞金を受け取れないという事態が発生するような格差があると思いますが、県として、そういった方に独自の支援策を検討しておられますか。
【知事】
原発事故によって避難された方で、今回の台風19号等により、二重に被災された方々については、引き続き、避難元・避難先の市町村等と連携を図りながら、生活再建情報の提供や心のケアに関する相談対応など、きめ細かな支援に努めてまいります。
また、今お話があった住民票による取扱いの相違については、どういった状況であるか、確認していきたいと思います。
【記者】
ボランティアの在り方についてお尋ねします。取材する中で、ボランティアがすごく足りないと言われておりまして、被災者の方がボランティア頼みになりつつあり、行政がこれを主導してやっていくべきなのではないかという声も聞かれますが、台風19号から1か月を迎えるに当たり、ボランティアの在り方や今後の支援の在り方などについてお聞かせください。
【知事】
まず、県内外のボランティアの方々に対し、各被災地の窮状を理解し、自発的に取り組み、がんばっていただいたことを本当にありがたく思っております。重ねて感謝を申し上げたいと思います。
一方で、今回の災害の中で二つ、少し特殊な事情があったかと思います。一点目は、大規模な水害ということで、福島県だけではなく、宮城県、岩手県、茨城県、長野県など、非常に広い範囲で被災がありました。したがって、ボランティアの方が各地域にそれぞれ伺うという状況の中で、全体として、数が足りなかったという部分があろうかと思います。
そしてもう一点は、同じ福島県の中でも、例えば郡山市などの交通の便が良く、報道が多かった場所にボランティアの方が集まって来られて、そうでない地域が手薄になってしまったという側面もあろうかと思います。こういった点について、例えば交通の便が悪いところには、ボランティアの方を送迎するバスを出すとか、あるいはこの地域でこれだけ人が足りなくて困っているということをより強めに発信する、こういった工夫が必要であるとの印象を受けています。
今後、災害の検証を進めていく中で、ボランティアの方にバランスよく、タイミングよく入っていただくために、行政として何ができるか、社会福祉協議会と検討を深めていきたいと考えております。
【記者】
地銀の連携の動きについて、福島銀行が、インターネット企業大手のSBIホールディングスと連携し、資本関係を結ぶことを本日の記者会見で発表しました。日銀の低金利政策で金融機関は、どこも収益が悪化する中、(今回の提携は)「第四のメガバンク構想」と言われていますが、地銀連合の動きに参加することについてどのように受け止めていますでしょうか。
【知事】
朝の報道について拝見しているところであります。私自身、まだどういった状況になっているのか十分把握できておりません。その上で申し上げますと、やはり低金利政策の中で、今回、それぞれの地域の金融機関が従来に比べて非常に厳しい状況にある。そういう中で、どういった形で自分たちの事業を再建していくかについて、懸命に検討を進めてきた結果の連携であろうと思います。
福島県内の経済情勢、金融情勢は、東日本大震災以降、いわゆる復興需要が盛んな時もございましたし、今それがある程度落ちついているという状況もあります。また、日本の国内の経済情勢あるいは中国等も含め、世界の経済情勢によって各企業の状況も変わります。そういった経済環境の中で金融機関がどうやって活性化していくか、これからもこうした様々な連携の動き、議論というものが継続していくものと受け止めおります。
(終了)
【問合せ先】
1 県議会議員選挙について
→ 総務部市町村行政課 電話024-521-7304
2 台風19号による発災から1か月について
→ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
3 被災者の生活再建支援について
→ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
4 二重被災者への支援について
→ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8429
避難地域復興局避難者支援課 電話024-521-8046
5 災害ボランティアの活動について
→ 保健福祉部社会福祉課 電話024-521-7323
6 福島銀行とSBI銀行の資本・業務提携について
→ 商工労働部経営金融課 電話024-521-7288