■日時 令和元年6月10日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 新しい県オリジナル水稲品種について
【質問事項】
1 県オリジナル水稲品種のPR戦略について
2 県職員の不祥事について
3 合計特殊出生率について
4 老後資金に関する金融庁の報告書について
5 氏名のローマ字表記について
【発表事項】
新しい県オリジナル水稲品種について発表いたします。このたび、県農業総合センターで開発を進めてまいりました主食用米「福島40号」と、酒造好適米「福島酒50号」について、本県の奨励品種として採用いたしました。「福島40号」は、大粒で、強い甘味と独特の香りを持ち、柔らかい食感が特徴で、栽培面においても、病気に強く、倒れにくいなどの特性を備えており、県産米のトップブランド品種と位置付け、生産・販売戦略を展開してまいります。
「福島酒50号」は、大吟醸酒にも向いた原料として、蔵元の皆さんの御協力を頂き開発したものであり、お酒は、きれいな味わいと高い香りが期待できます。
この新たな県オリジナル酒造好適米を使用した「ふくしまの酒」を国内外にお届けできるよう、関係する皆さんと連携して取組を進めてまいります。
また、品種名につきましては、今後皆さんから募集し、「福島酒50号」は年内に、「福島40号」は年度内に公表する予定です。
【質問事項】
【記者】
品種開発については、各県が開発を行っている一方で、五木ひろしさんや浅田真央さんなど(の有名人を起用した)PR戦略を行っています。どんなにおいしいお米を作っても、PR戦略で頑張っていかないと厳しい競争を生き抜いていけないと思いますが、米のPR戦略について、どのように進めていきたいと考えていますか。
【知事】
御指摘のとおり、ハード・ソフトの両面が大事だと思います。ハードというのは、正に品種そのもので、特にその地域ならではの品種をつくり上げ、それが日本国内あるいは世界で認められることがベースになります。併せて、どんなにおいしくすばらしいお米であっても、県外の方に知られていなければ販路拡大はできませんので、そういったソフト戦略と相まってこそ、福島のお米が全国あるいは世界にPRできることになると思います。
これまで、「天のつぶ」「夢の香」などの様々な品種をつくり上げ、広報活動を行ってきました。今回、新しく「福島40号」、「福島酒50号」というすばらしい品種が出来上がろうとしています。国内の皆さんにそれらを知っていただくため、例えばネーミングなど、どういった広報戦略を練っていくのがいいのかというハード・ソフトを合わせた戦略が重要だと思います。他県の戦略等も吟味しながら、福島ならではの広報戦略を作り上げ、展開していきたいと考えています。
【記者】
各県の知事が出ているPRイベントがありますが、トップセールスという意味で、知事がTOKIOと共演するなど、知事も先頭に立ってやってみたいと思いますか。
【知事】
以前、TOKIOの松岡さんと一緒にキュウリのCMに出たことがあります。その評価については皆さんにお任せしますが、やはり知事自身がトップセールスを行うことは必要不可欠です。私自身、例えば東京、大阪、沖縄あるいは世界に行き、いろいろな場面で法被を着て、笑顔でPRをしておりますが、広報戦略としての知事の位置付けも大切だと思います。今後、この「福島40号」「福島酒50号」の販売展開をしていくに当たり、「おいしい」「とてもすばらしいものができたよ」とPRできるよう、一生懸命取り組んでいきたいと思います。
【記者】
お米について伺います。各地でブランド米を作り、売り出すときには、作付面積や出荷量をあえて抑えてプレミアム感を出すという戦略をしているようですが、「福島40号」「福島酒50号」の作付面積や出荷量についての見通しを教えていただけますか。
【知事】
非常に重要な御指摘だと思います。今回の「福島40号」「福島酒50号」については、御意見を頂いたような考え方を適用していく必要があると思います。
まず「福島40号」については、本県のトップブランドとなる品種であり、品質・食味にこだわり、生産量を限定して販売します。販売価格はプレミアム米相当の高価格帯を想定しています。生産者は登録制とし、栽培基準に基づき、栽培いただく予定です。今後の主なスケジュールについては、令和2年に先行栽培を始め、令和3年に本格デビューする計画です。
そして、「福島酒50号」については、大吟醸酒の原料に適した品種であり、県内の多くの蔵元に利用していただけるよう、栽培基準を作成し、品質の高い玄米の生産を推進する考えです。今年度は約10ヘクタールの水田で、栽培を開始しており、来春には先行して醸造に取り組む21の蔵元の新酒をお披露目する予定です。
「福島40号」「福島酒50号」とも、いい意味で限定し、高級感を持つ品種として進めていきたいと考えております。
【記者】
生産量が少なくなると、全国に行き届かないという面もあります。東北でも各地でいろいろな米を作っているので埋没してしまう、あるいは突出して目立つことができないという問題もあると思いますが、「福島40号」について、激戦の中で勝ち残る自信はどの程度あるのでしょうか。
【知事】
「福島40号」は、プレミアム米として売り出していきますので、先程申し上げたように、ある程度(生産を)限定する戦略で臨んでまいります。一方で、「天のつぶ」という品種は、普及を前提に作っております。したがって、全国で「天のつぶ」は非常に高く評価され、価格の割に非常に食味がいいという理由でバイヤーさんに好んで買っていただくなど、広がりを見せています。
私も沖縄に行った際に「天のつぶ」のPRをしましたが、福島の米が非常に評判がいいということで、沖縄県にたくさんあるチェーン店で取り扱っていただきました。
「天のつぶ」と「福島40号」については、普及していくものとプレミアムで手に入りづらいものと、いい意味で棲み分けし、その両方のバランスをとっていくことも一つの戦略と考えております。状況は刻々と変わっていきますので、今後、他県の動向や全国的な市場の動向を見ながら、見極めていきたいと思います。
【記者】
昨日、また県職員の不祥事がありましたが、受け止めについて伺います。
【知事】
職員が一丸となって不祥事根絶に取り組んでいく中、再び職員が逮捕されたことは、遺憾であり、重く受け止めております。職員一人一人が緊張感を持ち、仕事にしっかりと取り組むことで、県民の皆さんからの信頼を回復していかなければなりません。各部局において、これまでの取組に足りないところがなかったか、振り返って総点検し、不祥事根絶に努めるよう、部長会議において改めて指示をしました。今後も綱紀粛正の徹底、不祥事根絶に全力を挙げ、県民の皆さんからの信頼回復に努めてまいります。
【記者】
毎回(同じ)質問が出て、知事から綱紀粛正という話がありますが、中々綱紀粛正が実現されないという現状において、知事の管理責任についてどう考えますか。
【知事】
全ての職員に対し、危機感と法令遵守の意識が確実に浸透するように取り組んでいるところですが、このような事態になっております。今後も部長会議を始め、各部局、各所属の会議など、あらゆる機会を捉えて、これまで以上に危機感を持って、繰り返し綱紀粛正の徹底を図るとともに、職員同士のコミュニケーションをより一層密にして、風通しのよい職場づくりを進める。その思いで一丸となって取り組んでまいります。
【記者】
毎回このようなことがあると、知事は「風通しのよい職場をつくる」と発言されますが、風通しが悪いことが原因だという考えでしょうか。
【知事】
各職場において、風通しのよい職場づくりのために工夫して取り組んでいます。各部局の実際の取組について部長会議で聞いておりますが、私自身は、工夫してお互いのコミュニケーションを図ろうとしている、そのプロセスは評価しています。これまで以上にコミュニケーションを図っているところですが、結果として(不祥事が)起きているという事実がありますので、どういうところが足りないのか、あるいは他県の取組等で参考にできることがないかを改めて確認し、一生懸命取り組んでいきたいと思います。
【記者】
先週、金曜日に発表された人口動態統計について伺います。合計特殊出生率が2年連続で下がっていますが、知事の受け止めについてお伺いします。
【知事】
先週、平成30年の人口動態統計の概況が公表され、福島県の合計特殊出生率は1.53となり、前年に比べ0.04ポイント低下しました。子育て支援を始めとする少子化対策は福島県政における最重要課題であり、重く受け止めております。
県では、18歳以下の子どもの医療費無料化や、「子育て世代包括支援センター」の拡充に取り組んでいるほか、この4月には県立医科大学に「生殖医療センター」、「不妊専門相談センター」を開設するなど、県民の皆さんが安心して子どもを生み育てることができる環境づくりに取り組んでいるところです。今後とも地域全体で子育てを支援する環境を整えるとともに、結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援に力を入れてまいります。
【記者】
県の総合戦略の目標では、2040年までに合計特殊出生率を2.16にするとあり、非常にハードルが高いと思いますが、この2.16という数字について知事はどう捉えていますか。
【知事】
2.16という目標値は、県民の皆さんがこのくらい子どもを産んで育てたいという希望値をベースに策定したものです。実際に子どもを持ちたいという県民の皆さんの思いがある以上、それが実現できるよう子育て支援を行っていくことが、県にとって大切な使命だと思います。一方で、現実として統計のデータが出ており、県や自治体、国などの全体の取組、あるいは社会全体の環境として、至らない部分があるというのが現実だと思います。
現在、総合戦略の見直しを進めているところですが、県民の皆さんの希望を叶えるため、県が行っている政策の足りない部分や強化していかなければならない部分について、連携しながら改定を行い、(合計特殊出生率を)より高めていけるような政策を進めていきたいと考えております。
【記者】
老後の暮らしのために、年金以外に2,000万円の資金が必要であるとの金融庁の報告書を巡って、国会でやりとりがありますが、知事の見解をお聞かせください。
【知事】
そうした報道を拝見しております。また、財務大臣を初め、それぞれの御意見についても拝見しております。高齢化時代になり、あるいは「人生100年時代」とも言われますが、その中で継続的な社会保障制度の在り方が非常に大切になります。国において、国民の皆さんの様々な思いを真摯に受け止め、社会保障制度をどう安定的に構築するのかという議論を重ねていただきたいと考えております。
【記者】
氏名のローマ字表記について質問します。柴山文科大臣らが、日本人の名前のローマ字表記を姓・名の順にすることが望ましいと表明したことを受け、(先日)内堀知事も、県として姓・名での情報発信を進めていくと述べられました。その後、多くの閣僚が長年の慣行があるなどとして、変更に慎重な姿勢を示していますが、閣内で統一できてない今の状況をどのように受け止めているのか。また、統一的な見解が示されるまで職員の名刺表記を改めることを見送るのかということについて伺います。
【知事】
文化庁の通知は、大分前に出ております。そして、子どもたちの教科書における姓・名表記も既に長年継続されております。現時点において、文部科学省からの通知は頂いておりませんので、今後、通知がどうなるかについて注視してまいります。
一方で、県における名刺表記の仕方は、それぞれの対応になりますので、まず私自身は変えさせていただいております。また、県の職員が今後名刺を更新する際には、やはり姓・名で表記し、「私たちはこういう使い方をしています」と相手方にお伝えしてまいりたいと思います。
(終了)
【問合せ先】
1 県オリジナル水稲品種のPR戦略について
→農林水産部農業振興課 電話024-521-7336
農林水産部農産物流通課 電話024-521-7354
農林水産部水田畑作課 電話024-521-7360
2 県職員の不祥事について
→総務部人事課 電話024-521-7033
3 合計特殊出生率について
(子育て支援、少子化対策に関すること)
→こども未来局こども・青少年政策課 電話024-521-7198
(ふくしま創生総合戦略に関すること)
→企画調整部復興・総合計画課 電話024-521-7922
5 氏名のローマ字表記について
→生活環境部国際課 電話024-521-7183