■日時 令和元年5月7日(火)14時00分~14時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 「令和」を迎えて
2 10連休について
3 こどもの数の公表及び少子化対策について
4 旧優生保護法の対応について
5 全国新酒鑑評会について
6 職員の不祥事根絶のための取組について
7 福島県の現状に対する認識について
8 大熊町の一部避難指示解除について
9 自主避難者に対する対応について
【質問事項】
【記者】
令和の時代が始まり、今日から県内の多くの皆さんが仕事を始めることになります。知事も、本日が令和の時代としての仕事始めだと思いますが、改めて意気込みを伺います。
【知事】
先般、平成から令和に時代が移りました。私自身、新しい時代「令和」を迎えて、3つの思いを大切にしたいと考えております。
一つ目は「危機意識」です。平成23年の東日本大震災、原発事故から8年余が経過しましたが、福島の復興はいまだ途上であります。また、急激な人口減少という重い課題を抱えており、福島県は今なお有事であるという危機意識を大切にしていく必要があると考えております。
二つ目の思いは「希望」です。この、8年余の間、県民の皆さんと共に、復興に力を傾けてきた結果、我々の努力は着実に形となり、明るいニュースも増えてきました。「やればできる」「頑張れば報われる」、その「希望」を心に置きたいと考えています。
そして三つ目が、「挑戦の進化」です。平成23年以降の8年間も、様々な挑戦、チャレンジを行ってきました。令和の時代において、そういった挑戦をより進化させていく必要があります。「大胆な」挑戦、「きめ細かな」挑戦、そして、多くの方々と「共働する」挑戦、これらの進化を進め、平成から令和の時代の中で、福島県の復興、あるいは地方創生を何としてもやり抜かなければいけないという思いを持っています。これからの令和の時代、「危機意識」、有事であるという思いを頭に置きながら、心には「やればできる」という「希望」を置いて、全身全霊で「挑戦」を続けていくとの思いで、この時代を迎えております。
【記者】
大型連休、最大で10連休ありましたが、(知事は、)県内のいろいろなところを巡りたいという話をされ、桜も見られたと伺いましたが、どういったところを巡り、どういったことを感じられたでしょうか。
【知事】
このゴールデンウィークの間に、私自身がそれぞれの地域を回らせていただきました。ゴールデンウィーク前半は若干天候に恵まれなかった感もございましたが、後半は天候も回復し、多くの方々が観光地に足を運んでいただいている姿を見て、本当にうれしく思いました。県内の方はもちろん、県外からのお客さんもたくさんおられました。こういった観光地のにぎわいというものが、福島の元気や活性化、さらには、風評払拭にもつながります。観光の面での活性化を、今後の復興・創生の大事な基軸として、インバウンド対策、国内の観光客増加に向けて、県としても更に施策を進めていきたいと考えております。
【記者】
今の質問ですが、10連休の中で、知事はどのくらい休まれ、具体的にどのようなことをされたのか教えていただけますでしょうか。
【知事】
私の場合、仕事とプライベートが混在しているところがあり、割合を説明するのは難しいのですが、通常の土日と比べて、心身ともにリフレッシュすることができ、今日も非常に元気にこの場に立てております。令和の時代を迎えて、県政が抱える難しい課題に自分の力を傾ける、その大事なリフレッシュ期間だったと思います。私自身がゴールデンウィークで一番うれしかったことは、県民の皆さんといろいろな所で触れ合うことができたことです。皆さんの笑顔が大きな力になりました。震災直後、3年目、4年目、そして8年目と、時を追うにつれ、県民の皆さんの顔が変わってきたという実感があります。皆さんの笑顔をもっと増やすためにも、全庁一丸となって、様々な施策に取り組んでいかなければいけない。ゴールデンウィークが明けて、改めてその決意を新たにしているところであります。
【記者】
地方創生について、こどもの日に子どもの数が発表になり、今回も過去最少を更新していますが、子どもの数の受け止めと今後の展開について教えてください。
【知事】
残念ながら、福島県の総人口の減少に歯止めが掛かっていない中、少子化対策は県政の最優先課題であります。県では、18歳以下の子供の医療費無料化、あるいは「子育て世代包括支援センター」の拡充に取り組んでいるほか、この4月には、県立医科大学に「不妊専門相談センター」を開設するなど、県民の皆さんが安心して子どもを産み育てることができる環境づくりに取り組んでいるところです。今後とも地域全体で子育てを支援する環境を整えながら、結婚から妊娠・出産・子育てまで切れ目なく支援を行うとともに、若い世代の定着・還流に向けて、地域への愛着と誇りを育む取組や、魅力ある雇用の場づくりを展開してまいります。
【記者】
旧優生保護法についてお伺いします。先月24日に新たな救済法が施行され、県も相談窓口を設けていると思いますが、今の申請状況について教えてください。
【知事】
優生手術を受けられました当事者の方々への救済については、一時金の支給を内容とした法律が先月24日成立したところであります。県としては、この法律に基づき、一時金の支給事務を適切に行っていきたいと考えております。また、手術を受けられた当事者からの相談については、現在、担当課内に相談窓口を設置して対応しており、引き続き丁寧に対応を進めてまいります。具体的な件数等については、直接担当部局にご確認いただければと思います。
【記者】
鳥取県では、被害者の方にどのような形で対応するかということを検討していますが、福島県としては、被害者の方にどのように通知するかなどの対応についてお聞かせください。
【知事】
鳥取県あるいは他県において、こうしたデリケートな問題についてどういった対応をすべきか、様々な検討が進められているという状況を伺っております。福島県においても、相談窓口に来ていただいた方々に丁寧に対応するということを基本としつつ、他県の状況、国の動向を見ながら、今後どのように対応していくべきか検討を深めてまいります。
【記者】
今月の17日に全国新酒鑑評会の結果が発表されます。福島県としては金賞受賞数の7連覇がかかっていますが、それに対する知事の期待について伺います。
【知事】
毎年この時期になりますと、全国新酒鑑評会がどうなるか、ワクワクしています。私自身、蔵元の皆さんともお会いする機会が多くあり、それぞれの蔵元を伺って、真剣な思いでお酒を造っておられる姿に大変感銘を受けておりますが、鑑評会はコンテストですので、結果は(蓋を)開けてみなければ分かりません。ここ数年の動きを見ても、福島県のみならず、他県の酒処が切磋琢磨しながらレベルを高めておられ、予断を許さない状況にあると思います。この一年間、真摯に酒造りにまい進してこられた蔵元の皆さんの思いを私自身も胸に置いて、結果を待ちたいと考えております。
【記者】
先日、県の相双地方振興局の納税課主事が暴行の容疑で逮捕されました。このような不祥事に際して、常々、再発防止とおっしゃっておられますが、改めて、今回の事案に対する受け止めと今後の対応について伺います。
【知事】
平成から令和の時代に移り変わる中、また、復興に向けて多くの皆さんが懸命に取り組んでおられる中、職員の不祥事が発生したことは遺憾であります。職員一人一人が緊張感を持ち、仕事にしっかり取り組む中で、県民の皆さんの信頼を回復していかなければなりません。今後も法令遵守の徹底はもちろんのこと、常に危機意識を持つとともに、職員間のコミュニケーションをより一層密にし、風通しの良い職場づくりを進め、綱紀粛正の徹底、不祥事根絶に全力を挙げ、県民の信頼回復に努めてまいります。
【記者】
知事は「福島の復興は途上である」あるいは「今なお有事である」ということを、いろいろな場所でおっしゃっていますが、「有事」という表現を使い続けると、(有事が)平時化してしまうのではないかという懸念もあり、例えば、原発の廃炉もある意味、日々のコツコツとした対応がなされていると思います。
改めて、いつまで「有事」という表現を対外的に発信するのかということについて伺います。
【知事】
まず、私自身が、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、危機意識を持って「有事」という表現を使っている背景には、「複合災害」であることが一番の要因であります。福島県が直面している災害は、地震、津波、原発事故、風評・風化、これら5つが組み合わさった複合災害であり、特に原子力災害は、これまでの日本の歴史の中で、あるいは世界の歴史の中でも例を見ない大きな事故でありました。
本日、大熊町において新しい役場が本格的にスタートしておりますが、御承知のとおり、大熊町も、スタートラインに立ったか、あるいはまだまだこれからというのが現実であります。第一原発の廃炉対策も、間違いなく、皆さんが懸命に現場で努力をされて、作業環境は数年前に比べて劇的に変わってきました。
しかしながら、今なお、燃料デブリの状況は正確には把握されておりませんし、使用済み燃料、あるいは未使用燃料の取り出しが、ようやく3号機でスタートしたところです。原発の廃炉対策については、30年、40年かかると予想されておりますが、こういった面からも我々県庁が、県知事が「有事」という認識を持って、常に対応していくことが重要であるとの考えのもと、「有事」という言葉を使わせていただいております。
【記者】
先ほどもお話がありましたが、大熊町の役場が本日スタートしたことに対する受け止めと、双葉郡の復興に向けた抱負や対応等についてお聞かせください。
【知事】
本日、大熊町において、新しい役場での業務が実質的にスタートし、多くの職員が活気を持って新しい庁舎で仕事をしている姿を拝見しました。そして、渡辺利綱町長が職員の前で復興に向けた決意を語っておられました。その姿を見て、私自身、心に感じるものがございましたし、帰還された住民の皆さんが、より近い場所に役場が戻ってきたことに対する安堵の思いを述べておられる姿を拝見しました。
ただ、大熊町の避難指示解除地域は、大川原、中屋敷地区と、大熊町全体にとってはわずかな地域であります。また、帰還困難区域の今後の在り方についても、現時点では見通しが立っておりません。ようやくスタートラインに立てたか、立っていないかという状況にあるのが現実であります。
令和の時代が、大熊町や双葉町、あるいは、帰還が本格的に始まっている地域についても、これから復興を進めていくための大事な時代となります。広域自治体である県として、こういった自治体の皆さん、国、関係機関と力を合わせて、 懸命に取り組んでいかなければいけないとの思いを新たにしているところです。
【記者】
震災または原発事故の収束をいつにするというのは難しい問題ですが、複合災害である以上は様々なファクターがあると思います。避難者数という観点で言えば、自主避難者については、統計から外れているという状況があります。「有事」「危機意識」「複合災害」であると言いつつ、そのあおりを受けて避難を判断された方々を避難者という枠に収めないというのは、ある意味ダブルスタンダードであると考えますが、知事はどのようにお考えですか。
【知事】
避難者の関係については、福島県は今なお約4万人の避難者の方々が県内外におられ、こういった方々は、「古里に戻ろうか、戻るまいか」「今後どうしようか」と悩んでおられます。こうした方々への対応は、避難元自治体、または避難先の自治体、あるいはNPO、さらには国等の関係機関と力を合わせて、お一人お一人丁寧に対応していきたいと考えています。また、自主避難の関係については、国が住宅の提供措置を2年前に終了しました。その後、県として、2年間の経過措置として対応を行い、今なお悩んでいる方がおられますので、そういった方々への対応を真摯に続けているところです。
【記者】
自主避難者の件で、経過措置の2年間を過ぎても一部の人が帰還について悩んでいるということについて、県としては真摯に取り組んでいくというお話があったかと思いますが、基本的に金銭的な支援はもう3月で終了したということで、県としての支援は手詰まり感があるのではないかと思います。例えば、国家公務員宿舎に関しては、(東雲住宅において)現在60世帯程度が住んでおられると思いますが、どのように真摯に取り組まれるのかお伺いします。
【知事】
家賃補助が終了した後においても、全国に設置された生活再建支援拠点を始め、避難者の住宅確保や移転をサポートする相談窓口における対応や、復興支援員等が戸別訪問してそれぞれの事情を伺うなど、状況に応じて福祉部門等の専門機関と連携しながら、個別に対応を進めてまいります。
【記者】
基本的には金銭を介さない形で、福祉面でのサポートを行っていくということですが、例えば引っ越しの支援を継続しようとか、家賃の2倍の損害金を止めようとか、そういった対応は考えておられないということでしょうか。
【知事】
先ほどお答えしたとおりです。
(終了)
【問合せ先】
1 「令和」を迎えて
2 10連休について
3 こどもの数の公表及び少子化対策について
→ こども未来局こども・青少年政策課 電話024-521-8654
4 旧優生保護法の対応について
→ こども未来局子育て支援課 電話024-521-7239
5 全国新酒鑑評会について
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7296
6 職員の不祥事根絶のための取組について
→ 総務部人事課 電話024-521-7033
7 福島県の現状に対する認識について
8 大熊町の一部避難指示解除について
→ 避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439
9 自主避難者に対する対応について
→ 避難地域復興局避難者支援課 電話024-521-8046
避難地域復興局生活拠点課 電話024-521-8304