■日時 平成29年2月3日(金)13:00~13:35
■会場 応接室
【発表事項】
平成29年度当初予算について
【質問事項】
1 平成29年度当初予算について
2 高野病院について
3 福島第一原発2号機の内部調査について
4 平成29年度組織改正について
【発表事項】
一般会計当初予算の総額は、1兆7,184億円であります。 これは、前年度と比較して1,636億円、率にして8.7%の減となります。このうち、復興・創生分として、8,750億円を計上いたしました。
まず、歳入についてであります。県税収入は、2,212億円と、前年度を下回りますが、震災復興特別交付税を除く実質的な地方交付税は、2,165億円と、前年度を上回ることから、一般財源の総額は、前年度と同程度となっております。また、「原子力災害等復興基金」を始めとした各種基金を有効に活用し、必要な財源の確保に努めました。歳出につきましては、これまで執行した事業の効果をしっかりと検証をしながら、内部管理経費の節減、事務事業の見直しに努め、予算編成を行いました。
復興・創生期間の2年目となる平成29年度は、本県の大きな二つの課題である「復興」と「地方創生」を更に前に進め、しっかりと形にしていくための大切な一年となります。このため、平成29年度当初予算につきましては、復興の土台を固める取組を進めるとともに、新しい福島の創造に向けて、さらに一歩踏み出し、攻めの姿勢で取り組む予算として編成いたしました。
それでは、新年度予算の主な事業について、内容を御説明いたします。
先ずは、「復興」を更に前に進めるための取組について御説明します。避難地域の復興は、県の最重要課題であります。避難されている方々の一日も早い帰還や生活再建に向け、復興公営住宅の整備に引き続き全力で取り組むとともに、応急仮設住宅等から避難元自治体への帰還や、原子力被災12市町村の事業者や農業者の方々の事業再開をしっかりと支援してまいります。また、双葉郡の二次救急医療を確保するため、「(仮称)ふたば医療センター」の平成30年度開所に向け、取組を進めてまいります。
続いて、浜通りの再生についてであります。イノベーション・コースト構想の推進につきましては、拠点施設の管理運営や産学官連携等を担う推進法人を設立するとともに、企画調整部内に「国際研究産業都市推進監」を新設し、推進体制の強化を図り、ロボットテストフィールドの平成30年度開所に向けて、着実に整備を進めてまいります。アーカイブ拠点については、平成32年度の開所に向けて、取組を進めます。また、Jヴィレッジの再生に向け、楢葉町に駐在員を配置して推進体制を強化するとともに、JFA等と連携しながらサッカー振興による地域活性化に取り組みます。
本県の復興を力強く進めるためには、経済や産業の振興が重要であります。収益性の高い大規模稲作経営を実現するため、ICT技術を活用した農業経営体の育成を図ります。県内中小企業の知的財産戦略を総合的に支援し、若者に魅力のある開発型・提案型企業への転換を促進します。航空宇宙産業の集積を図るため、認証規格取得のためのサポートの拡充や取引拡大への支援を行ってまいります。また、水素ステーションや燃料電池自動車の導入支援、県内企業の再生可能エネルギー関連技術の実証・事業化支援により、「福島新エネ社会構想」の実現を推進します。
次に、風評・風化対策についてであります。映像やポスター等を活用し、斬新な手法による国内外への情報発信を行うとともに、企業等と連携し、福島への共感と応援の輪の拡大に戦略的に取り組みます。また、県産農林水産物の風評対策につきましては、有機JAS認証取得の拡大、第三者認証GAPの取得拡大や県GAPの導入、さらには、首都圏等の量販店における販売コーナーの設置や、ポイント制を活用したオンラインストアの開設により、ブランド力の向上と販路拡大、販売促進に取り組みます。
次に、安心して住み、暮らすための環境づくりについてであります。除染につきましては、市町村と一体となって、着実な推進を図ってまいります。また、ツキノワグマやイノシシなどによる鳥獣被害対策につきましては、市街地や集落への進入防止、直接捕獲、狩猟者等の育成などの取組を大幅に強化します。さらに、犯罪被害者のサポート体制の充実、巧妙化するサイバー犯罪やなりすまし詐欺などの未然防止に向けたネットワークづくりに取り組みます。矢吹病院の機能強化を図るため、「(仮称)こころの医療センター」の整備に取り組んでまいります。
本県の「復興」を加速するためこれらの取組をしっかりと推し進めてまいります。
次に、「地方創生」を推進するための取組について御説明します。
始めに、定住・二地域居住の推進についてであります。首都圏における相談窓口を強化し、県内の市町村や受入団体との連携体制を構築するなど、県全体で推進体制の充実を図ります。また、医療や福祉、介護、商工業、農業など、幅広い職業分野において、関係機関と一体となって本県への移住を促進いたします。さらに、県外から移住を希望する方に対しては、市町村と連携して住宅取得の支援を行います。復興に挑戦する福島の強みや魅力を発信しながら、定住・二地域居住を全力で推進してまいります。
次に、若者の定着や還流についてであります。「ふくしまふるさとワーキングホリデー」を引き続き実施するとともに、高校生や大学生の県内でのインターンシップや成長産業分野における雇用型訓練、ものづくり分野における研修の実施、さらには、新規就農者の受入に向けた農業法人の取組への支援などにより、県内外の若者の定着、還流を促進してまいります。また、社会体験活動を通じて県内の小・中・高校生の古里への理解と愛着を深める取組を拡充いたします。
次に、交流人口拡大についてであります。本県のDMOが中心となり、復興に向け挑戦する姿を実際に来て、見て、感じてもらう「ホープツーリズム」の実施に取り組みます。外国人観光客の誘客を促進するため、引き続き、受入体制の強化や戦略的なプロモーションに取り組みます。JR只見線については、早期全線復旧に向けた取組を進めてまいります。また、全国高等学校総合体育大会を契機として、スポーツの振興や交流の拡大を図ってまいります。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、JOCや大会組織委員会、東京都、県内大学等と連携し総合的なPRキャンペーンを展開してまいります。
次に、結婚・出産・子育てについてであります。結婚・出産・子育てのライフステージに応じた相談・支援を引き続き実施してまいります。また、県立医科大学と連携し、ふくしま子ども・女性医療支援センターにおいて小児・周産期医療の充実に取り組みます。さらに、県内のIT関連企業に就職を希望する女性に対して学習機会の提供と就職支援を行い、仕事と子育てを応援します。三世代同居・近居のための住宅を取得した際の不動産取得税を軽減いたします。
次に、健康長寿の推進についてであります。「ふくしま健民カード」等の活用を更に広げながら、個人やグループ、職場単位、さらには地域において健康づくりの取組を促進いたします。また、市町村における健康データを活用したモデル事業の実施を支援いたします。さらに、こうした取組を県民運動として、県全体で展開してまいります。
福島ならではの「地方創生」を実現するためこれらの取組をしっかりと推進してまいります。
以上のとおり、平成29年度当初予算におきましては、「復興」と「地方創生」の推進に向けた取組を中心に、総合計画の11の重点プロジェクトに重点的に予算を配分し、事業を構築いたしました。重点プロジェクト事業は、全体で646事業、金額は合計8,209億円となります。県といたしましては、福島が抱える様々な課題に果敢にチャレンジしながら、「新生ふくしま」の実現に総力を挙げて取り組んでまいります。私からの発表は以上です。
【質問事項】
【知事】
平成29年度の当初予算は、「復興・創生加速化予算」をネーミングとして考えております。新年度は、復興・創生期間の二年目に当たります。一年目を越えて二年目に入る復興・創生、それぞれの取組を前進、加速化させて、一つ一つ成果を出していかなければならない一年になります。そのような意味で、平成29年度当初予算は、「復興・創生加速化予算」をネーミングとして考えております。
【記者】
復興と地方創生という両輪は、知事が昨年から力を入れており、その両輪が見えてきたという印象がありますが、それぞれの予算の取組と、今後の意気込みについて聞かせいただきたいと思います。特に人口減少の取組での仮設の活用について、職員も随分知恵を絞ったと感じますが、そういったことも含めて、それぞれの取組の意気込みをお聞かせください。
【知事】
今の福島が抱えている大きな課題は、東日本大震災と原発事故からの復興、そしてもう一つは、少子高齢化・人口減少という地方創生、この二つの課題です。この復興・創生にどのように立ち向かって課題を解決していくかが、今我々が問われている問題だと思います。そこでまず復興については、避難地域の復興再生、被災者の生活再建、これを最優先にしながら、風評・風化対策、インフラの復旧・整備、さらに医療提供体制の確保や産業振興などに、今回の予算を通じて取り組んでまいります。また、地方創生については、定住・二地域居住の推進、若者の定着と還流、交流人口の拡大、さらに、子育て支援の充実など、福島ならではの人口減少対策を進めていきたいと考えています。
【記者】
冒頭の御説明の中で、攻めの姿勢で取り組む予算と特徴付けられていました。知事にとって特に攻めている部分、復興や避難されている方々に対する対応は当然あると思いますが、守りに比べてあえて攻めと表現しているのは、どの部分でどのようなねらいを込めているのかお伺いします。
【知事】
まず考え方から御説明いたします。平成29年度予算の特徴は二つあります。一つは復興の土台を固める予算、今、守りという言葉がありましたが、これまでやってきたことをきちんと継続していくこと、これが一つ目の特徴です。そしてもう一つが攻めの姿勢で取り組む予算。「福島県はこれから新しいステージに向かっていくんだ」、「攻めの姿勢を見せるんだ」、そういう思いを今回の予算に込めています。したがって土台を固めることを継続しながら、新しい攻めの要素も入れていく、そういうメッセージを今回予算に込めています。
その具体的な施策を三つ御紹介しながら、お話したいと思います。
まず避難地域の復興です。例えば、復興公営住宅の建築、あるいは被災者の皆さんの生活再建支援は、土台を固める部分ですので、当然継続しています。それに加えて攻めの部分は何か。それは、イノベーション・コースト構想の推進として、例えばロボット産業で新しい事業を起こしたり、ロボットテストフィールドを新設することだと捉えています。
次に二つ目の事例として申し上げると、それは農林水産業の再生です。土台を固める予算は何かと言いますと、営農再開支援や全量全袋検査のようにこれまでの取組を継続していかなければなりません。それに加えて、今回、攻めの部分に当たるものは、第三者認証GAPや有機JAS認証の取得支援。こういったものは新しい攻めの取組として、福島の農業が守りではなく、日本から見て、世界から見て非常に進んだ農業であるということを第三者的に評価していただく、そして買っていただく、こういう積極的な取組があろうかと思います。
そして、三つ目として観光振興、交流人口拡大の面で申しますと、まず、教育旅行、インバウンドの外国人観光客は、震災前に比べてまだ半分程度ということで低迷しています。こういった部分に力を入れて、まず震災前の水準まで戻していく。これは土台を固める守りの取組だと思います。それと併せて、攻めの要素として進めていきたいのは、例えばホープツーリズムや、東京オリンピック・パラリンピックに向けたPR事業、あるいは企業と連携して応援の輪を拡大する新しい事業、こういった取組を加えることによって、新しく福島の魅力を発信する、強みを発信するという施策を考えております。
29年度予算においては土台を固める部分を継続しながら、新しい時代に向けて、未来に向けて攻めていく要素を盛り込んだ予算として編成しているところです。
【記者】
攻めという中には、例えば知事も先般、移住者の方々と意見交換されましたが、その辺のことも含まれるのでしょうか。といいますのは、その話を取材した時に、福島原発事故の収束やいろいろな側面はありますが、一方で移住者を呼び込むことはある意味震災前の福島といいますか、もともとある魅力的な部分で勝負しようということにフェーズが変わってきた。震災の対応はあると思いますが、そこにもともとある福島の良さで勝負しようという意味で、攻めの部分があるのかと思いますが、その辺の位置付けはどうでしょうか。
【知事】
大切な御質問です。実は、定住・二地域政策は平成18年、前の佐藤雄平知事が就任した時から力を入れておりました。私も副知事として、この施策をサポートしておりましたが、これは福島県としてかねてから力を入れてきた政策です。ところが、震災、原発事故という非常に大きな事態が起きて、そういった施策を続けてはおりましたが、それどころではない状況があったのも、ここ5年、6年の現実だったと思います。大切なのは、まず、福島県をふるさととされる方々が安心して帰還できる環境を作っていくことが最優先です。これを当然、土台の部分として継続いたします。併せてここ2年3年、私自身が県内全域を歩いていて、外から入ってくる方々が増えてきたと実感していました。特に、若い世代の方が増えてきています。皆さんに「福島県に震災後に来てどういう思いなのか」と聞いたら、「福島の復興を担う一員になりたい」、「福島県って魅力があるからそれに惚れてきた」という方々が増えているというのを実感していました。そういう意味で今回の予算において、改めて県がもともと継続していた施策である定住・二地域政策に力を入れて、ふるさとの福島県に帰るという思い、さらに新しく福島のふるさとの一員になって一緒に頑張っていきたいという応援の輪を広げていく中で、福島の復興と地方創生を同時に前に進めていきたいという思いを持って、今回取り組んでいるところです。
【記者】
攻めの予算編成ということで、移住を促す取組や、GAPの認証を取得して風評払拭していくということが、正に攻めだと思いますが、そういった取組をした先で、どのようなことを福島の姿として描きたいとお考えですか。
【知事】
福島県が今抱えている問題は非常に大きく重いものがあります。その重い課題を解決して、未来に希望があることを示していかなければいけません。当面、私たちの目標は2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催される年がちょうど復興計画の10年の区切りの年にもなります。この時までに避難区域の再生、帰還される方々がある程度落ち着いて生活されるというベースを作る。あるいは、浜、中、会津、県全体で風評をできるだけ弱めて福島県産の農産物や、いろいろな県産物を「メードイン福島です」と自信を持って発信できるようにしていく。さらに、福島県に来られる国内外の観光客の皆さんが「福島に行っていろいろなものを見てみたいね」、それは従来型の自然、環境、歴史、文化、伝統という観光素材だけではなくて、「福島はあの2011年を乗り越えてこれだけ復興を進めているんだ。その努力を是非見てみたい」、このようなことを国内外の方、特に県民の皆さんに実感していただけるようにしていきたいという思いを持っております。そのためにも復興・創生期間2年目の平成29年度は「前に進むんだ」、その思いを組み込んだ予算ということで編成いたしました。
【記者】
人口減少・高齢化対策プロジェクトが前年に比べて5.5倍の予算額で420億円、非常に大きく増加していますが、ここに力を注いだ理由をお聞かせください。また、仮設住宅を解体した材料を活かして短期間在住者の住宅にあてるという発想、非常におもしろいなと思いましたが、これはどなたのアイデアなのか、職員なのか知事なのか、そのあたりをお願いします。
【知事】
今回、人口減少・高齢化対策プロジェクトに力を注いでいる理由は、人口減少が非常に急激であるという危機意識です。どれだけ急激かと言いますと、平成23年、震災前の福島の人口は、202万人でした。今は190万人を割っています。190万人を割るというのは、戦後初めてです。12万人が減少する。これだけの短期間でこれだけの多くの人口が減るということはこれまでの歴史になかったことです。人口は、県、地域にとって非常に重要な指標です。人口が減るということは地域全体の活力が衰えます。あるいは子どもたちが減ります。この危機意識をもとに、今回、この人口減少・高齢化対策プロジェクトに県として力を入れて、予算をかけてあらゆる対策を打っていかなければいけないという思いで臨んでいるところです。
先ほど仮設住宅のアイデアは誰だというお話がありましたが、これは後ほど担当課からお答えをさせていただきたいと思いますが、実はそれ以外にも、今回の予算には、県職員の知恵と工夫が編み込まれています。例えば、開発型・提案型企業転換総合支援事業というちょっと長い名前ですが、これは商工労働部予算で、非常におもしろい内容です。今は時間が限られているので詳しくお話しませんが、こういった職員のアイデア、あるいは外部の方のアイデアを入れたいろいろな施策、他県にないような施策を盛り込むことで福島全体が元気になっていけると思います。これからもこういったアイデア、知恵と工夫をいかしていきたいと思います。
【記者】
人口減少に関して、昨年から創生期間に入り、人口減少対策に少し力を入れ始めましたが、それでも減少は止まらなかったという現実があります。今回5.5倍の予算をつけて、これから食い止める、むしろ増加に転じるように努力していく段階だと思うのですが、自信のほどはいかがでしょうか。
【知事】
福島県はこの1年2年、人口減少対策に相当力を入れて進めています。そういう中で統計データを見ていただくと分かりますが、福島県の人口の社会減は収まってきています。月によってはゼロ、場合によってはプラスという側面も出るくらいになっていますので、3年4年という震災直後の状態に比べると自然減はもちろんある程度ありますが、社会減が収まってきているというデータがあります。
もう一つは出生率です。出生率は東日本ナンバーワンです。福島県の出生率は平成24年度だと思いますが、いったん大きく落ち込みました。その後回復基調になり、今、1.60か58か、これぐらいだと思いますが、高い水準になっています。ただそうは言っても、本来2.08ないと本当の意味で人口減少を食い止められませんので、この地方創生戦略の中でも人口が減らないように、一定の人口規模を保てるようにしていきたいという思いを込めています。
私は、福島県にはもともとすばらしい潜在的な力があり、しかも今、復興・創生に向けてやらなければいけないという県民の皆さん、企業の皆さん、あるいは大学の皆さん、多くの地域の方々の思いがあるので、これから人口減をある程度食い止めて、これまでのような急激な人口減少にさせず、踏み留まって力を高めていくことはできると思います。また併せて、定住・二地域施策等を含め、外から入ってこられる方も含め、福島県全体が活力を維持できる、それが復興・創生の大事な一歩になると確信しております。
【知事】
次回の対策会議が予定されておりますが、そこで改めて法人の意向を確認させていただきながら、関係機関と共に検討を進めてまいります。
【記者】
一部では県の積極的な対応を求める声もあるのですが、どのように受け止めていらっしゃいますか。
【知事】
県として、今、医師の派遣を含め、いろいろな方々の応援を頂いています。それに加えて、医師派遣を積極的に行う、あるいは他の支援も含めて行う中で、地域医療を確保できるように努めているところです。また、関係会議の中でいろいろな御意見を伺いながら、きちんと対応していきたいと思います。
【記者】
何度もこの質問にお答えになっていると思いますが、非常にナーバスな問題であり、民間の善意に頼らざるを得ない状況だと思いますが、改めて、どのように感じていらっしゃいますか。
【知事】
先ほど申し上げたとおりです。県としてしっかりと取り組んでまいります。
【知事】
今回、2号機の原子炉格納容器内部の状況が初めてある程度確認されました。私は今回の確認に二つの大切な意義があると考えています。一つ目は、2011年3月のあの福島第一原発事故がいかに過酷であったか、いかに深刻な事故であったか、これを表していると思います。そして二つ目は、こういったことが初めてある程度分かり、それは今後、長い道のりではありますが、廃炉対策を進めていく上で一つ大切な前進になったという意義です。燃料デブリの取り出しに向けて、国、東京電力において、世界の英知を結集して山積する課題を一つ一つ乗り越えながら、確実に廃炉を成し遂げていただきたいと考えております。
【知事】
イノベーション・コースト構想は、福島復興再生特別措置法の改正案で、新たに法定化されます。これによって国家プロジェクトとしての明確な位置付けがなされ、また推進体制が整備されるという方向性も決まっております。そういう中で、このイノベーション・コースト構想は、県だけではできません。やはり国、県、自治体、大学等学術機関、あるいは政府の関係機関など、本当に多くの方々が一体的に一緒になって仕事をしてこそ、この大きな構想が浜通りの地域再生のエンジンとして機能すると考えています。そういう意味で、この推進監には県の代表として、イノベーション・コースト構想は企画調整部だけではなく、各部局全て関わると言っても過言でありませんので、そういった全体の窓口として責任感を持って、関係する機関と一緒に有機的に連携して前に進めてほしいという思いで今回、組織改正したところです。
(終了)
■問合せ先
1 平成29年度当初予算について
→ 総務部財政課 電話024-521-7027
2 高野病院について
→ 保健福祉部地域医療課 電話024-521-7915
3 福島第一原発2号機の内部調査について
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7255
4 平成29年度組織改正について
→ 総務部行政経営課 電話024-521-7893