■日時 平成28年11月7日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
【発表事項】
1 ふくしまの今を伝える「歌」を制作するアーティストについて
【質問事項】
1 ふくしまの今を伝える「歌」の制作について
2 アメリカ合衆国の大統領選について
3 福島第一原子力発電所の廃炉費用について
4 トリチウム水の処理について
5 インバウンド対策について
ふくしまの今を伝える「歌」について、制作いただくアーティストを谷村新司さんに決定しましたので発表いたします。
谷村新司さんは、「昴」や「いい日旅立ち」など、幅広い世代の人々に親しまれている歌を作られており、また、震災以降、復興支援コンサートなど、福島県に対する様々な御支援を頂いております。聞くと福島を思い出すような歌となるよう、本県に想いを寄せていただける谷村さんに制作をお願いすることといたしました。谷村さんにはお忙しい中、今回の制作をお引き受けいただいたことに対し、心から感謝を申し上げます。
制作方法といたしましては、現在募集中の「ふくしまへの想い」を、県クリエイティブディレクターである箭内道彦さんを通じて谷村さんにお伝えして、作詞・作曲していただきます。また、「歌」とともにミュージックビデオを制作いたします。福島ガイナックスにアニメーション動画「みらいへの手紙」の続編を制作していただき、ミュージックビデオとして使用いたします。
今後は、谷村さんや箭内さん、そして福島ガイナックスの浅尾さんと協力しながら、来年2月頃の完成を目指して制作を進めてまいります。
【記者】
知事は音楽にも造詣が深いと思いますが、今回の歌、もちろん審査の結果にもよりますが、どのような歌になればと思ってらっしゃいますか?
【知事】
今回作ろうとする歌は、今の福島の想いを県内外、国内外に伝えていきたいという強い想いがあります。したがって、まず歌詞が非常に重要となりますが、県民の皆さんからいろいろな形で応募いただき、その想いを是非織り込みたいというのが一点。そして、作詞・作曲も重要ですので、これを谷村新司さんにお願いすることで、広く多くの方々に関心を持っていただいて、「聞いてみようかな」、「歌ってみようかな」、そう思ってもらえるような歌にしたいと考えています。今の福島はいろいろな形で情報発信していくことが必要ですが、様々な形で人の心に届かなければ意味がありません。歌という形で多くの方々の心に響く発信にしていければと思います。
【記者】
谷村新司さんというと、かなりインパクトがあると思いますが、そのような提案があった際、どのように思われましたか?
【知事】
「谷村さんはすごいな」、「もし、谷村さんにお願いして引き受けていただければ最高だ」と思いました。また先日、あるライブイベントで、谷村さんの実際の歌声を生で聞かせていただき、直接お話をする機会もあったのですが、谷村さん自身が、福島の復興、その後の状況、これからの未来について、強い関心を持っていただいていて非常に好意的でした。谷村さん自身が福島に想いを寄せていただいておりますので、きっと良い歌ができると確信しております。
【記者】
谷村新司さんに決まったという点で、知事自身、谷村新司さんの歌に対する印象や、具体的な思い出のようなものがあればお聞かせ願いたいのと、決まったのはどのようなプロセス、きっかけなのかを教えてください。
【知事】
まず、谷村新司さんの歌、アリス時代からよく存じ上げておりますし、「昴」「いい日旅立ち」など心に残るメロディーです。実際、今、挙げた曲「昴」「いい日旅立ち」をつい先日、私自身がライブ会場で生で聴いて、さらに、一緒に声を上げて歌っております。聞いておられる方は老若男女幅広い世代の方がおられますが、「谷村さんの歌は、非常に浸透している」と。また、谷村さんのMCも含めて、会場の方と一体となって、「すごくパワーやエネルギーを多くの方に与えていただけるんだ」ということを自分自身が実感しております。
今回のきっかけは、谷村さんが、本県のクリエイティブディレクターをしていただいております箭内道彦さんのラジオ番組に出られて、そこで県内のライブに出てみませんかというお声掛けをした。そしてそれを谷村さんが快諾されて、そのプロセスの中で、「今度こういう歌をつくろうと思いますが協力をいただけないか」という話をしたところ、非常に快く引き受けていただいた。このようなプロセスだと伺っております
【記者】
今週、アメリカ大統領選がありますが、知事はこのことについての関心はいかがですか。世界的にいろいろと影響があると思いますが。
【知事】
アメリカの大統領は世界全体にとって非常に重要な位置付けになります。先月、アメリカに滞在していた際に、私はワシントン、ニューヨークで様々な要人とお会いしておりますが、その際も、大統領選の状況が大きな話題になっておりました。水曜日にその結果が出てくると思いますが、その状況を注視して、また今後とも福島の状況をアメリカのみならず世界に発信していくことに努力を重ねていきたいと考えています。
【記者】
昨日、NHKスペシャルで廃炉の問題を取り扱ったのですが、その過程で、NHKのニュースでも取り上げたのですが、除染費用が当初の国の見込みに比べて1.5倍くらい増えて、3兆7,600億円くらいに膨らんでいます。今、福島の状況を世界に発信するということですが、福島の復興においては、廃炉の問題がどう進むのかということがかなり重要な部分を占めていると思います。その意味で、知事はかねてから県の見解を述べていらっしゃいますが、改めて、額がかなり膨らんできているということも含めて、どのように受け止めていらっしゃっていて、福島の将来を考えた時に、今後の廃炉作業はどのように進めていくべきなのか。そのあたりについてもう一度見解をお伺いします。
【知事】
先月、アメリカを訪問し、私自身が復興セミナーという形で講演を行いました。その際の質疑応答等でも、廃炉にはどのくらいの費用がかかるのかということに関心があって、応答したことがありました。これは国民的に重要な課題であるとともに、世界にとっても非常に大きな関心事だと受け止めています。そういう中で、この福島第一原発の廃炉、そして、原発事故に伴う賠償や除染は、東京電力と国の責任においてしっかりと進められるべきものと理解しています。そういう意味で、今、東電の経営改革や様々な施策について議論が進んでおりますが、やはり、東電と国の責任において取り組むべきものと、福島県としては考えております。
【記者】
確かに国や東電に責任はあり、主体的に進めていくべきだと思いますが、実際問題として、今まで誰もやったことがないことで、金額ももしかしたらもっと増えるかもしれませんし、どのように増えていくのか、展望が中々見えないと思います。もちろん国や東電の責任はあると思いますが、福島県としてこの現状に対して、廃炉を進めていく上で国内を含めてコンセンサスを得ていくためにどのようなことをしなければならないのか、その辺をもう少しお話しいただけないでしょうか。
【知事】
福島県として、これまで5年8か月近く行っていることは、今回の原発事故によって今、我々がどういう厳しい状況に置かれているのか、その正確な実情の発信と、これについてこういう努力を行ってきて、これだけ前に進んできたということを発信し続けています。しかし、どうしても5年8か月前の状況で時計は止まっていると誤解されている方もおります。一方で、「前に進んだ」「もう終わった」というように、風化が進んでしまう状況もあります。やはり、常に福島県が置かれている現状の「光」と「影」を正確に県として発信し続ける。それは国内のみならず、国外においてもできる限り発信する。こういう努力を我々は重ねていきたいと思っています。その上で、福島第一原発事故への対応は正に、国、そして当事者である東京電力が、何としても成し遂げていくべきものです。責任を持っての対応をこれからも訴えていきたいと思います。
【記者】
知事は国と東電の責任において、廃炉や除染を進めてほしいということを何度も強調されていますが、その責任において進めていく中で、知らない間に県民や国民の負担が強いられたり、負担が大きくなっていくということも考えられますが、そのあたりどのようにお考えでしょうか。
【知事】
今回の福島第一原発事故の問題は、福島プロブレムではなくてジャパンプロブレム、日本全体に関わる重要な問題です。そうであるからこそ、国と東京電力は、今回の問題について様々な情報を明らかにしながら、その上で、責任を持っての対応が必要だと思います。このことが、全体として、今回の問題を整理して前に進んで行くために重要だと私は考えています。
【記者】
情報を明らかにしていく中で、これは明らかに県民の負担になる、国民の負担が大きくなるというように判断された場合に、県として声を上げていくということも選択肢としてあると考えておられますか。
【知事】
まだ、予断を持ってお話する段階ではないと思います。
【記者】
経産省で、新電力にも廃炉費用を負担させる方針を出していると思いますが、それについてどう思われますか。
【知事】
今、いろいろな議論の過程ですので、そういった対応の事々も含めて、国と東電が責任を持って対応すべきだと考えております。
【記者】
負担させるべきか否かという、知事御自身のお考えをお伺いしたいのですが。
【知事】
今申し上げたとおりです。
【記者】
今週から、経産省でトリチウム水の処理についての具体的な議論が始まると思います。まず、このトリチウム水の処理についてどうあるべきか、改めて知事のお考えをお伺いします。
【知事】
トリチウム水の問題は、これまでの汚染水対策の流れの中で一つの重要な要素を占めていると思います。特に一番大切な当事者となります漁業関係の皆さんがいろいろな意味で複雑な思いを持たれています。これまでの地下水バイパスやサブドレンの問題、そういったことについても漁業関係者の御理解をどういう形で得るかということが大切な話題になっておりました。今回の問題についても、まず当事者である漁業者の方々の御理解を頂いていくことが重要ですし、それに対して国・東京電力が真摯に向き合うことが大事だと考えています。
【記者】
この問題に関して、知事御自身が委員会等で意見を述べられる予定はありますか。
【知事】
現時点ではそういった対応は考えておりません。これまでの地下水バイパス、サブドレンの問題等についても、県としても関わりながらやっておりますが、直接的にという話は伺っておりません。
【記者】
外国人旅行客の県内へのインバウンドの取組について、いろいろな国からの観光客がありますが、側聞した限りですが、県では「どうして福島県に来ないのか」という調査をそもそもしていない。例えば、原発事故による懸念や不安があるからなのか、あるいは、福島という県やどのような風物があるのかを知らないということなのか、このリサーチをしないままにいろいろと風評対策を実施されていると思います。まず、意識調査をやるべきではないかと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。
【知事】
インバウンド、外国人観光客の意識のアンケートでしょうか、そのような調査がこれまでどういう状況だったのかは、今、私自身よく分かりません。今、頂いた御指摘は非常に重要だと思いますので、担当部局にその点について県としてどうなのか話をしてみたいと思います。(終了)
【問合せ先】
1 ふくしまの今を伝える「歌」の制作について
→ 総務部広報課 電話024-521-7124
2 アメリカ合衆国の大統領選について
→ 総務部政策調査課 電話024-521-7018
3 福島第一原子力発電所の廃炉費用について
→ 企画調整課エネルギー課 電話024-521-7116
4 トリチウム水の処理について
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7255
5 インバウンド対策について
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7128