■日時 平成28年10月11日(火)10:00~10:15
■会場 応接室
【質問事項】
1 アメリカ合衆国訪問について
2 人事委員会勧告について
3 東京オリンピックについて
4 ふるさと納税について
【記者】
今月の16日からアメリカを訪問されますが、改めて訪米に向けての抱負と、現状の風評被害の問題も踏まえた上で、どういったトップセールスを展開したいと考えていらっしゃるのかお聞かせください。
【知事】
来週の16日から21日にかけてアメリカを訪問し、これまで頂いた御支援に対する感謝の思い、あるいは懸命な努力と挑戦を続けている福島県民の姿を直接、私自身がお伝えしてまいりたいと考えております。特に、世界への発信力が極めて高い国連本部、あるいは国際的に著名なシンクタンクでの福島復興セミナーの開催を通じて、福島県の正確な現状や復興に取り組んでいる姿を発信できることは、風評払拭の観点からも、非常に大きな意義があるものと考えております。
また、ニューヨーク市内において交流レセプションを開催し、福島県のおいしいお酒を始め、食や観光の魅力を多くの方々に伝えてきたいと考えております。
【記者】
これまで就任以来、ヨーロッパに行かれて、その後、東南アジア、そして今回のアメリカと、様々な場所でトップセールスを行われてきたわけですが、中国、韓国を始めとする東アジアでのトップセールスの計画は、検討されているのでしょうか。
【知事】
現時点では、まだ具体的な検討はしておりません。
【記者】
それは、まだ風評が根強いということもあって、適切なタイミングではないという御判断でしょうか。
【知事】
そういうことではありません。特に中国、韓国の場合は、福島空港という空の玄関を持っております。空港の利活用促進といった観点からも、いずれ訪問してお話をするタイミングは持ちたいと思っているのですが、現在は様々な事情・要因もありまして、結果的にヨーロッパ、東南アジア、アメリカになっているということです。
【記者】
将来的には検討されているということでしょうか。
【知事】
はい、そうです。
【記者】
先週金曜日、人事委員会からの勧告が県に対してありましたが、給与引き上げというよりは、人事委員会の報告の中で職員の不祥事を受けての採用見直しや職務倫理の徹底といったところに重きを置いていたように思います。あくまで採用試験を行うのは人事委員会ですが、知事として、復興に向けた人材確保や倫理の遵守、そういったところにどのような考えをお持ちなのかお聞かせいただければと思います。
【知事】
先般、人事委員会から勧告を頂きました。その中でも特に重要な要素は職員の倫理、あるいは勤務態度に対する御指摘であると思います。今年に入り、様々な不祥事が起こりました。これはあってはならないことだと考えております。現在、県庁の中で現行体制での対応を進めておりますが、併せて、職員の採用段階においても、より適切な対応を進めていくということが重要だと思います。今回の人事委員会における報告も、それに沿ったものであると考えておりますので、職員のコンプライアンスの徹底と併せて、新規職員採用においても、そういった観点での対応を進めていただきたいと考えております。
【記者】
東京五輪に関して、宮城県でボート場を巡る話が出ています。その中で仮設住宅を選手村に活用する提案がされるという話が出ています。それについて、まず、同じ復興五輪を掲げている福島県知事としての思いをお伺いします。
【知事】
今回、2020年の東京オリンピックが4年後に近づいてきていますが、例えば宮城県においてサッカーが開催されるということが現時点で決まっております。また、新たな動きも現在あろうかと思いますが、福島県においては、現在、野球・ソフトボールの開催を関係団体等に要請しているところです。復興五輪と銘打っている部分も重要な要素としてありますので、今後、是非、関係機関、団体、あるいは東京都に、「東北の復興の進んでいる姿を2020年に見せたい」、そういう思いをメッセージとして伝えていくことは重要だと考えております。
【記者】
福島で野球を開催したいと要望されているということですが、宮城のように、例えば仮設住宅を選手村に活用するといった、距離の関係もありますので福島は別になると思いますが、福島としてこういうことを提案したいというものはありますか。
【知事】
福島県として、野球・ソフトボールが追加種目として決まりましたので、この予選開催を是非、福島の地でお願いしたいということをまず訴えていくこと、これと併せて、例えばキャンプの誘致、あるいは「聖火リレーで県内を走っていただきたい」、あるいは「福島県の食べ物や林産材を東京オリンピックの場で活用していただきたい」、こういったことを様々な関係機関、団体にお願いしているところです。福島の姿を様々な形で2020年に国内外に発信していくことができるように、これからも様々な要望活動を続けていきたいと思います。
【記者】
福島としてはいろいろ検討していることがあるということですが、同じ復興といっても、福島の場合はまだ原発事故収束という意味では廃炉作業も含めて道半ばですが、そういう観点から福島にとってどういうオリンピックにしたいと考えているのか、お伺いします。
【知事】
残念ながら、福島県の復興は短い期間では中々終わり得ない部分もあります。特にそれは原子力災害という特殊な要素があるからです。2020年は、2011年に東日本大震災が発災してからちょうど10年目という一つの節目の年になります。この時点で完全な復興の姿は残念ながらでき上がっているわけではないと思いますが、少なくともこれまでの5年7か月とこれからの4年間のほぼ10年間で、福島県の復興の姿は相当形になってくると思います。残念ながら世界各国で、例えば今の5年余りたった福島の現状すら正確に伝わっていないという現実がありますので、もちろんこれからも毎年世界への発信を続けていきますが、特に2020年は東京、日本、あるいは福島に、間違いなくいろいろな形での注目が集まります。10年目の節目の年に、「ここまで福島の復興が進んだ」とその形を見せていくためにも、復興五輪という位置付けは非常に重要であると考えております。
【記者】
ふるさと納税に関して質問いたします。先週の議会の一般質問で、2016年度の個人県民税の控除額が、震災後初めて2015年度の寄附総額を約1億8,000万円上回ってしまったという、実質赤字状態になっていますが、これに関して知事としての受け止めと、今後の対応方針についてお聞かせ願います。
【知事】
今回のふるさと納税に関する問題は、国の制度改正に伴うものだと受け止めております。今回47都道府県のデータを見ますと、ほとんどの県が本県と同じような状態になっておりまして、一部の県で若干黒字という状態です。また、福島県全体で見ますと、市町村も合わせた形では当然たくさんの御寄附を頂いている(寄附額が控除額を上回る)状況にありますので、国に対して、広域自治体である県に対する制度改正の在り方について今後も検討を進めていただくようにお願いしつつ、県・市町村全体を通じては、ふるさと納税に対する関心を全国的に喚起して、是非多くの方々が「福島県や県内の自治体にふるさと納税して応援しようじゃないか」、そう思っていただけるよう努力を続けていきたいと思います。
(終了)
【問い合せ先】
1 アメリカ合衆国訪問について
→ 生活環境部国際課 電話024-521-7181
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7212
2 人事委員会勧告について
→ 人事委員会事務局採用給与課 電話024-521-7590
→ 総務部人事課 電話024-521-7033
3 東京オリンピックについて
→ 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7312
4 ふるさと納税について
→ 総務部税務課 電話024-521-7067