■日時 平成28年8月8日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
【質問事項】
1 東京五輪について
2 帰還困難区域の取扱いに関する与党提言案について
3 中間貯蔵施設の用地確保について
4 職員の不祥事根絶の取組について
5 県外の原子力発電所について
6 福島空港について
【質問事項】
【記者】
先週、東京五輪の追加種目として野球とソフトボールが決まりましたが、予選開催を目指す福島県には追い風だと思いますが、知事の受け止めを教えてください。
【知事】
IOCの総会において、東京五輪の追加種目が決定されました。特に3大会ぶりに野球・ソフトボールが復活したことは、競技の誘致を目指す福島県にとって非常に希望を与えるものと認識しております。福島県内での競技開催を是非とも実現させて、福島県の復興が進んでいる姿を世界に発信したいと考えています。先般、復興大臣にも直接要望したところでありますが、今後は、丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣あるいは小池都知事を始め関係する皆さんに、しっかりと県の思い、県民の思いを伝えていきたいと考えております。
【記者】
丸川大臣からも福島開催に前向きな発言が相次ぎましたが、今後、福島開催を決めるまでのファクター、何が重要になってくると思いますか。
【知事】
実際にどのような形で開催地が決まるかということは、我々自身、十分に分かっていない部分があります。ただ、今回の東京オリンピック・パラリンピックは復興五輪の位置付けと考えています。最近、小池都知事も「復興五輪」という言葉をよく使っておられますが、我々ができることは、復興五輪としての位置付けの中で、福島県での競技の一部開催が必要不可欠だということを訴えていきたいと考えています。一昨年からこういった要請を続けていますので、粘り強く進めていく中で、何としても実現にこぎ着けたいと考えています。
【記者】
東京五輪について、先日も都知事選挙では小池知事は五輪の予算を精査したいということでしたが、福島での開催となると新たな予算が出てくるという意味で、(予算が)削られてしまう懸念を知事はお持ちでしょうか。
【知事】
全体の予算の構成がどうなっているか、または、運営経費全体の問題を十分承知しているわけではありません。ただ例えば、福島県内の野球場は、これまでもプロ野球の試合が開催されたり、あるいは2年前にオールスター(ゲーム)が開催されているなど、規格的には十分なものを満たしていると思います。また、それ以外の様々な経費についても、復興五輪という枠組みの中で、どういった位置付けがなされるかが重要であると考えています。まだ、追加種目が決まったばかりですので、そこまでの段階には至っておりませんが、まず、誘致したいという思いを真っ直ぐ伝えていくことから進めていきたいと思います。
【記者】
先週、自民党から帰還困難区域の取扱いについての素案が出されました。まず、これについて率直に評価をお願いします。
【知事】
帰還困難区域の取扱方針は、こうした区域を抱える市町村、そして、福島県にとって復興の先行きに関わる重要な課題であり、国が責任を持って示すべきであると考えております。このため、政府・与党等に対して、「福島県、そして地元市町村の意見を踏まえ、今後の帰還困難区域の姿がより具体的になるように方針を示すこと」をこれまで求めてまいりました。こうした県や地元市町村の要望を踏まえて、今回、提言案が示されたものと受け止めております。現在、その内容の確認を進めております。地元市町村の考えが最大限に尊重されて、住民の皆さんが希望を持てる方針となり、帰還困難区域の復興が一日も早く進むよう、県としてしっかりと意見を申し上げてまいります。
【記者】
一日も早く復興が進むようにということですが、早くても5年後を目途にするという、かなり長いスパンとなっています。そこで希望を持つというのは、中々難しい状況であると思いますが、県としてどう対処していきますか。
【知事】
現在、避難区域は3つに区分されています。避難指示解除準備区域、居住制限区域、そして帰還困難区域、この3つの区分というのは、ある意味厳しい現実というものを率直に示していると思います。現在、避難指示解除準備区域、居住制限区域については、来春に向けての議論が進んでいます。一方で帰還困難区域は、もともとの線量の状態から一定の期間が掛かるという現実もあろうかと思います。そういう中で今回の方針、あるいは今後、県や市町村の意見を踏まえた全体の流れの中で、住民の皆さんが今以上に方向性を感じていただき、希望を持っていただけるように努力を続けていきたいと思います。
【記者】
5年後となると内堀知事も1期目の任期は終わっていると思いますが、そこまで見ていきたいということはありますか。
【知事】
私の任期は別にしても、帰還困難区域への対応は時間が掛かる、そういったスパンの中で福島県として、広域自治体としての責任を果たしていくことが重要だと思います。
【記者】
今の帰還困難区域の問題について、5年という数字が示されましたが、まずはこの5年という期間についての受け止めと、それから、県として具体的にどのように関わっていけるのかというところを確認させてください。
【知事】
現在、県においても関係自治体においても、この提言案を精査、確認しているところであります。これまでも申し上げてきたのですが、県としての一番のスタンスは、関係自治体の思いをできる限り尊重することを基本にしております。今後、自治体の意見を伺いながら、広域自治体として申し上げるべきことを国に申し上げていきたいと考えています。
【記者】
5年間という数字が示されたことに関してはいかがでしょうか。
【知事】
それについては、先ほどお答えしたとおり。それから、今後、自治体の意見を聞きながら対応を考えていきたいと思います。
【記者】
先週、新しい環境大臣の山本さんと会談されましたが、会見で山本大臣から、中間貯蔵施設について、用地買収、用地の確保が右肩上がりというか、スピードが増してきていて、大臣としては、これからの進捗について比較的明るい見通しを持っておられるような御発言がありましたが、その点について知事はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
先週、初めて新しい環境大臣とお会いしました。中間貯蔵施設の用地取得の問題が福島県全体の復興にとって非常に重要な意味合いを持っていること、また、この問題が実は福島県全体の中のジレンマを象徴していることに真摯に向き合って、取り組んでほしいというお話をいたしました。その際、大臣から、今、(用地取得面積が)着実に増えているというお話を頂きました。ただし、そもそもの出発点が非常に低いレベルから始まっており、この低いレベルに対して一定の進捗を見せているのは事実だと思いますが、現在予定されている中間貯蔵施設全体の用地から見ると、まだまだこれからというのが現状だと思います。全体の進捗に加速度がついてきたということは評価すべき点だと思いますが、全体がどういう形で取得し得るかということが、復興、除染の進捗に極めて重要でありますので、これからも手綱を引き締めて、新大臣に臨んでいただきたいと考えています。
【記者】
加速度がついてきたということですが、この要因はどのように分析されていますでしょうか。
【知事】
こういった問題、特に地権者の方々にとっては、例えば30年間という長い期間にわたって、自分たちのふるさとから切り離されたような思いになってしまう心情があろうかと思います。こういった心情は、すぐに話を聞いて結論が出るという問題ではありません。一定の時間が掛かって当然だという思いがあります。それから国の体制が、当初、人員面、あるいは様々な対応ができる質の面で十分でなかった側面がございました。これについては、昨年、思い切った強化をするということで、人員が大幅に増えましたし、福島県自身も県職員を相当数送り出して、国、県、自治体が共に歯車を噛み合わせながら仕事を進めているというのも重要な要因かと考えています。
【記者】
4月以降、不祥事が相次いでいる件でお伺いします。知事は急きょ、全職員の面談ということを打ち出されましたけれども、面談や綱紀粛正の通知というのは、正直申し上げてこれまでやってきたことの延長ですし、焼き直しといわれても仕方がない部分もあるかと思います。その点で、事務ミスも含めてこういった問題が起きた時に、外の目を入れて、どこに問題があるのか、要するに対症療法ではなくて、組織の体質改善、何に問題があるのか第三者の目を入れるということがあり、県内でも福島市の選挙管理委員会の事務ミスで、検証委員会が開かれました。それに関して、知事としては面談や綱紀粛正の通知など現状の対策で、この相次いだことへの対策としては十分だとお考えなのかということが一点。また、関連して、第三者の委員会等に一度福島県庁を見てもらうような第三者の目は必要ないとお考えかお伺いします。
【知事】
職員の不祥事の問題は、非常に重要な問題です。現在、職員一人一人との面談をそれぞれの部局において進めており、その際大切にしているのは、一人一人が今どういう状況で、どういう思いで仕事に取り組んでいるのかということをきめ細かく把握していくこと。それから、これまでやっていなかったことですが、(今回のような)不祥事を起こすと、その本人自身、御家族、周りの職場全体にどのような影響がもたらされるのかということについて、具体的に話をしながら、実際に他人事ではなくて、我が事だったらどうなるかということを感じてもらうような取組を進めております。
第三者の目という御指摘もありました。現在のところ、そういったものは考えておりませんが、各県の状況等も踏まえながら、こういった問題をしっかりと絶っていくことが重要ですので、どのような取組が良いかということは、不断に研究してまいります。大事なのは、今進めている対策を講じながら、職員一人一人が当然の自覚をもって仕事に励むこと、まずここから始めていきたいと思います。
【記者】
これまでの面談の結果は、今までは当然公表されておらず、職場の管理にいかされてきたと思いますが、今回、県民も注視する上で起きた異例の形での面談ですので、これを受けての総括であるとか、改善策の検討など、何らかの形での公表は考えているのでしょうか。
【知事】
現在、そういったものは考えておりませんが、只今そういった御指摘があったことは受け止めていきたいと思います。
【記者】
三反園鹿児島県知事が誕生し、原発に対して消極的な知事が誕生したわけですが、(福島県は)県内の原発全基廃炉を求めておられますが、改めて、県外原発の取扱いについての考えをお伺いします。
【知事】
かねてから、震災・原発事故以降、福島県は、二度とこういった原発事故を起こしてはいけない、そういう意味でも、県民、住民の安全・安心を最優先して、この福島の原発事故の反省、教訓を踏まえて原子力政策を進めていくべきだということを申し述べてきました。これからも様々な機会があるごとに、福島県としてのこの思いを真っ直ぐに伝えていきたいと思います。
【記者】
福島空港に関連しての質問です。隣の仙台空港が7月1日に民営化されて一か月以上経ちました。データ的な部分での効果はこれから出てくるかと思いますが、仙台空港の民営化が福島空港に与える影響をどのように考えていますか。
【知事】
仙台空港の民営化は、活路を開く一つの方策だと考えています。福島空港の場合、震災以降、国際線がすべて休止になってしまいまして、国内線2路線のみという非常に厳しい状況に置かれています。こういった状況を打破するために、どうしたらいいのかということを検討しながら、様々な御意見も伺いながら模索しているところですが、まだこれだといった施策があるわけではございません。仙台空港の状況、あるいは他の地方空港で頑張っておられるところの状況を見ながら、福島空港をどうやって活性化していったらいいのか、あるいは休止している様々な路線をどうやったら再開できるのか、検討を続けていきたいと思います。
(終了)
≪問い合わせ先≫
1 東京五輪について
→ 文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7312
2 帰還困難区域の取扱いに関する与党提言案について
→ 避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439
3 中間貯蔵施設の用地確保について
→ 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
4 職員の不祥事根絶の取組について
→ 総務部人事課 024-521-7033
→ 教育庁職員課 024-521-7781
5 県外の原子力発電所について
→ 企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
6 福島空港について
空港の活性化に関すること
→ 観光交流局空港交流課 電話024-521-7211
空港の管理に関すること
→ 土木部空港施設室 電話024-521-7827