■日時 平成28年6月7日(火)13:00~13:20
■会場 応接室
≪発表事項≫
1 平成28年度6月補正予算の概要について
2 海外におけるトップセールス及び情報発信について
≪質問事項≫
1 海外におけるトップセールス及び情報発信について
2 平成28年度6月補正予算について
3 政治資金について
4 常磐自動車道の4車線化について
5 中間貯蔵施設について
6 県民健康調査について
≪発表事項≫
平成28年度6月補正予算の概要を発表いたします。今回の補正予算は、復興・再生に向けて緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。
その主な内容といたしましては、国から交付される帰還環境整備交付金の基金への積立、相双地域における看護人材養成施設の再開支援、日本一を誇る「ふくしまの酒」の国内外への情報発信、海外からの個人旅行者をターゲットとした観光誘客の推進、CLTの普及定着と需要開拓に向けた研究開発機能の在り方に関する調査などに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、159億8,700万円、本年度予算の累計は、1兆8,979億1,200万円となります。
次に、福島の現状を直接伝え、今後のビジネス交流の促進等を図るため、5月31日から6月2日にかけて、タイとマレーシアを訪問したので御報告します。
タイでは、始めに王室を訪問し、県産のサクランボを献上するとともに、これまでの支援に対する御礼を申し上げてまいりました。
トップセールスとして、現地の大手百貨店及び貿易会社と面談し、輸出拡大を要請したところ、本県産の桃について、合計で20tを超える数量を輸出することで合意いたしました。本県産の桃は、大手百貨店ザ・モールグループ全店において販売されるほか、現地の伊勢丹や東急百貨店等においても販売されることになっております。
旅行代理店協会との面談では、今後、会員の皆さんに福島の四季折々の魅力を直接お伝えする機会を頂くことになりました。さらに、大使公邸で開催した「ふくしまの産品・観光交流セミナー」及び「ビジネス交流レセプション」では、現地の旅行業や小売関係者など130名を超える方々に御参加を頂き、観光や県産品の魅力をお伝えしてまいりました。また、バンコク福島県人会の皆さんに再会し、親交を温めてまいりました。
マレーシアでは、世界経済フォーラムASEAN会合に出席し、ナジブ・マレーシア首相を始め、ASEANの多くのリーダーにお会いし、福島の復興の現状や新たな取組を直接お伝えするとともに、率直に意見交換を行ってまいりました。ASEAN会合では、ICTやビッグデータを活用した「生産システムの未来」や「ASEANのエネルギーの未来」を議論するセッションなどに参加いたしました。これらを通して、再生可能エネルギーやロボット産業などの福島県の取組をASEANや世界に発信し、皆さんに共感を頂きました。
今回の訪問で築いたネットワークをいかし、更なるビジネス交流の促進を図るとともに、挑戦を続ける福島県の姿を積極的に発信してまいります。
≪質問事項≫
【記者】
生産農家、桃農家にとって、どのような効果、希望になればいいとお考えでしょうか?
【知事】
桃もそうですが、福島県産農産物は安全性はもとより、美味しくて笑顔を食卓に届けられる産品ばかりです。今回のタイへの輸出促進を契機にもっと世界各国に広げる。そして、世界各国に広げることは、日本国内の風評払拭にもつながってきます。こうやって、福島の農業の元気をもう一回取り戻したいと考えています。
【記者】
初めての東南アジアへの訪問でしたが、今回のタイ・マレーシアを総括してどのような視察だったと言えますでしょうか?
【知事】
今回、私が知事に就任してから東南アジアへの訪問は初めてでしたが、これまで渡航したヨーロッパの方々と違い、日本や福島を身近に感じていらっしゃいます。そして、積極的に今、福島はどうなっているのか、原発は大丈夫なのか、福島の復興状況はどうなっているのかということを直接私に問いかけていただきました。マレーシアの首相、カンボジアの首相、東ティモールの首相、あるいはベトナムの副首相等が関心を持たれ、激励したいと申されておりましたし、また、機会があれば、福島を訪れたいという方もおられました。やはり、アジアの方々は我々の隣人で、人口も多い。このような地域との関わりを強めていくことが福島復興のプラスになると確信しました。
【知事】
ふくしまプライド発信事業についてです。今回、6月補正で急きょ計上いたしておりますが、本県の日本酒が、全国新酒鑑評会で4年連続金賞受賞数日本一という快挙を達成しました。この機を逃さずに、国内外に福島の酒が「美味しい」、「素晴らしい」ということを積極的に繰り出したいと考えています。国内において、多くの方々に知っていただくことが一番ですので、この日本酒の販売会、あるいは集客イベントを開催してまいります。また、併せて、海外において福島の復興セミナー、あるいはテイスティングパーティー等を開催し、実際に、海外の方に生で福島の酒の美味しさを感じていただく機会をつくり、そこで福島のお酒が震災後のこの5年間の中で、本当に苦労しながら、風評と闘いながら、日本一の美味しいお酒を造り続けてきたという誇り、プライドをしっかりと国内外に発信していきたいと考えております。
【記者】
補正予算の中の福島インバウンド復興対策事業ですが、なぜ今のタイミングで補正予算を組むことになったのかと、これをきっかけにどういうことを進めていきたいのか、どのようになればいいと思っていらっしゃるのかを教えてください。
【知事】
福島インバウンド復興対策事業のタイミングについては、日本全体で今、外国人旅行客が非常に多く来ていただけている状態になっています。ところがその中で、東北、特に福島が残念ながら一人負けという状況になっています。これが現実です。であるからこそ、今、日本全体がこれだけ盛り上がっている中で、福島のインバウンドをこのままにしておくわけにはいきません。海外への発信をしっかり行い、多くの外国の方に生で福島を見ていただくことが、風評の払拭や、福島の復興の海外発信に一番効果がある。そういう思いで6月補正に予算を計上しているところです。
先ほど、ベトナムのある省のお客さまとお会いしました。10人ほどでしたが、やはり彼らが私に直接言われるのは、「実際に来てみて、福島はここまで復興している、一般的な日常を取り戻しているということを実感した」と言われていました。百聞は一見に如かず。
今後、2020年東京オリンピックも控えていますが、日本全体が元気になっていくためにも、福島の復興がここまで進んでいるという現状を、より多くのお客様に見ていただくようにしたいと思っています。その中で、特にこの事業では、個人旅行者をターゲットにしています。集団で来られるよりも個人ですので、個人の趣味嗜好に合わせる、あるいはSNS等によるきめ細かな発信を今回の予算の中で積極的に後押ししていきたいと考えております。
【記者】
一般会計補正予算の中で、CLTチャレンジ事業ですが、具体的にこの3,000万円をどのように使っていくのかということと、CLTを福島に根付かせていくためには、今後どれくらいの予算規模が必要となるのか、この2点をお聞かせください。
【知事】
CLT、直交集成板の利用が、福島県の林業自体が風評で苦しんでいるという側面もありますので、今後の森林林業をより元気にしていくために重要な位置付けと考えております。ただ一方でCLTは、まだ緒に就いたばかりの部分があり、より研究開発を重ねていかなければならないと考えておりまして、そのために今回、研究開発、情報発信機能についてきちんと調査を進めていきたいと考えています。今後の事業規模がどうなるかという質問を頂きましたが、福島県内のどのエリアにどのような形で進めていくのがより効率的であるかという観点も含めて、この調査事業を進めていきたいと考えております。
【知事】
その件につきましては、前回もお答えしたのですが、私の立場として、特にコメントすることはございません。
【知事】
常磐道の4車線化の関係です。今回、1つの進展がございました。これは、これまで、県や各自治体、議員の皆さんが熱心に要請活動してきた1つの成果だと思います。また、明後日も改めて東京に要望に行ってまいりますが、残念ながら最近、事故等も多発しております。そういったものを解消し、浜通りの復興を更に加速化していくためにも、この4車線化を早期に進めていただくことが不可欠だと考えておりますので、出来る限り早く、また、しっかりと着実に整備を進めていただくよう関係の国土交通省、ネクスコ等に対する要請活動をこれからも続けていきたいと思います。
【知事】
中間貯蔵施設は、非常に悩ましい問題です。私はよく「ジレンマ」という言葉を使っておりますが、県全体にとっては早期の整備が必要不可欠なのですが、立地町、あるいは地権者の皆さんにとっては、正に迷惑施設ということもあって、デリケートな問題と受け止めております。
今回、自民党の動きもあり、大熊、双葉両町において議会に意見を伺い、それぞれの考え方が示されたという段階まで至っております。県としましては、学校等からの早期搬出に向けて、国や市町村など関係機関と協議、調整を進めてまいります。
【知事】
先般、この検討委員会において、中間取りまとめが出されました。そこにおいても、放射線の影響評価にあたり、長期にわたる情報の集積、そして分析判断が不可欠であるとされております。引き続き、専門家等からなるこの検討委員会における議論を注視していくこと、そして、県民の皆さんが様々な思いを持たれておりますので、その説明をどうしていくか。そういったことも検討委員会あるいは他の場等を通じて、県としてもしっかりと対応を進めてまいります。
【記者】
県民の不安というところに関しては、何か県として具体的に考えていらっしゃることはありますか。
【知事】
今申し上げましたように、現在、検討委員会で様々な議論が進んでおります。そういったものを注視して、県としてどのような対応がいいのかということを引き続き進めていきたいと考えております。
≪問合せ先≫
【発表事項】
1 平成28年度6月補正予算の概要について
→ 総務部財政課 電話024-521-7089
2 海外におけるトップセールス及び情報発信について
→ 生活環境部国際課 電話024-521-7181
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
【質問事項】
1 海外におけるトップセールス及び情報発信について
→ 生活環境部国際課 電話024-521-7181
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
2 平成28年6月補正予算について
「ふくしまプライド。」発信事業に関すること
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-7296
福島インバウンド復興対策事業に関すること
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
ふくしま型CLTチャレンジ事業に関すること
→ 農林水産部林業振興課 電話024-521-7432
3 政治資金について
→ 総務部秘書課 電話024-521-7006
4 常磐自動車道の4車線化について
→ 土木部高速道路室 電話024-521-7478
5 中間貯蔵施設について
→ 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
6 県民健康調査について
→ 保健福祉部県民健康調査課 電話024-521-8219