■日時 平成28年5月30日(月)10:00~10:20
■会場 応接室
≪質問事項≫
1 タイ、マレーシアにおけるトップセールス及び情報発信について
2 復興祈念公園について
3 福島12市町村の将来像に関する有識者検討会について
4 中間貯蔵施設について
5 伊勢志摩サミットでの取組と今後の取組について
6 トリチウム水の取扱いについて
7 南相馬市の避難指示解除について
【知事】
まず、世界経済フォーラムASEAN会合の関係です。会議期間中はASEANの課題や将来性を議論する多くのセッションが行われ、出席者は550名を超えると伺っております。私自身が参加するセッションは、現在最終調整中ですが、出来る限り、多くの方々に直接、福島県の復興の現状を発信するとともに、再生可能エネルギーやロボットなど、新しい産業や取組を紹介するなど、福島県への理解と共感の輪を広げていきたいと思います。具体的な結果については、帰国後の会見でお話させていただきたいと思います。
前段では、タイのトップセールスがありますが、今年の桃の販売拡大に向けて現地の関係者にトップセールスを行って、継続的なビジネスにつながるよう、県産品の販路拡大に努めてまいります。
ふくしまの産品・観光交流セミナーやビジネス交流レセプションでは、これまでの支援に対する感謝の思いと、福島の現状を正確にお伝えするとともに、福島の魅力をしっかりと発信してまいります。
【知事】
現在、パブリックコメントを取りまとめております。私自身がまだ一つ一つの意見を拝見しているわけではありませんが、様々な御意見を頂いていると思います。そのような意見を私自身もくみ取りながら、今後、国に対して、県としての具体的な考え方をお示しする段階となってきております。双葉、浪江両町に関わる復興祈念公園は、福島が今後本当の意味で復興を進めていくために重要な施設となっております。福島県のみならず、全国に、さらに世界に様々なメッセージを発信することができる施設として整備していきたいと考えております。
【知事】
先般、12市町村の将来像の工程表が一定程度まとまりました。これは今後の将来像、特に2020年までの今後4年間の具体的な方向性を示すという意味で意義のあるものであると受け止めております。
一方で、今御指摘ありましたとおり、いくつかの仮定に基づいた工程表です。例えばいくつかの自治体では、当面の避難指示解除をどうするかという議論が行われておりますが、非常にデリケートな問題であり、スケジュールありきで進むかというと決してそういうものではございません。したがって、この工程表自身も会議の中で議論がありましたが、時点、時点で状況が変わりますので、それに応じてフォローアップ、あるいは、場合によっては見直しをすることも当然内包したものであると受け止めております。大事なのは、住民の皆さん、そして自治体の意思が一番の主体で、それに対して国や県がしっかり一緒になって関わり、地域を何としても復活させることが12市町村の将来像の肝であろうかと思います。
今後とも、工程表を1つの大事な目安にしつつも、状況に応じてまた見直していく、あるいは変えていく、そういった柔軟さも重要かと思います。
【知事】
先週、自民党と双葉・大熊両町と、そういった具体的なお話があったことは聞いております。現在、双葉・大熊の両町がどういった形で対応するかを真剣に検討されている状況かと思います。したがって、現時点で、県として、あるいは知事として、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
【記者】
中間貯蔵施設の自民党の要望について、これは町有地の提供ということではなく、そもそも背景にあるのは、今、教育現場で校庭等に埋まっている除染廃棄物を速やかに動かさないと、中々子どもたちの教育環境が良くならないのではないかというのが前提になっていると思うのですが、それを知事はどのように考えていて、それを受けて今回の自民党の要望にはどのような意味があるとお考えですか。
【知事】
まず、自民党の要望に対する県の具体的なコメントは先ほど申し上げたとおりであります。一方で、中間貯蔵施設のそもそも論について申し上げますと、一昨年、建設受け入れを行い、昨年は搬入受け入れということで、一定の進捗、行政としての方向性というものを示しました。今、一番大切なことは、国自身が施設の設置当事者として、きちんと地権者の方々と向き合い、丁寧にお話して、御理解をいただきながら、この事業を着実に進捗させることだと思います。
昨年、今後の方向性、ロードマップ等も示しました。やはり、福島県全体がきちんと復興を遂げていくためには、環境回復が欠かせません。ただ、迷惑施設である中間貯蔵施設は、地元の理解がなければ立ちゆきません。国が責任を持ってしっかりと結果を出せるように取り組むよう、県としても強く申し上げてまいります。
【知事】
福島県の具体的な取組としては、伊勢志摩サミットのメディアセンターにおいて、全国新酒鑑評会金賞受賞数4年連続日本一となった「酒処ふくしま」の魅力等を国の内外に発信させていただきました。
さらに、日本の伝統産業や先端技術を紹介するコーナーにおいて、川俣シルクが展示されたことや、福島県産の日本酒がG7各国首脳への贈呈品に選定されたことなどは大変喜ばしいことであると受け止めております。このたびのG7伊勢志摩サミットや、あるいは関係閣僚会合を通して、福島の復興の状況を始め、日本酒、食と観光の魅力などを国内外に発信できたことは福島の風評払拭と風化防止に向けて、大変有意義であったと考えております。今後とも様々な機会、特に国際的に発信できる機会があろうかと思います。そういったものを積極的に捉えながら、福島の魅力の発信、風評払拭に向けて、引き続き活動を続けていきたいと思います。
【記者】
市場に広げるためには、偉い人だけでなく、一般の人にも知らしめる必要があると思うのですが、そのためにはどういうことを更にやっていこうとお考えですか。
【知事】
一般の方々に広めるという意味で、一番の核になるのは観光だと思います。例えば、私は明日タイに行きます。タイでは、実際に旅行エージェントの方や、政府関係者とお会いして、是非タイから、日本は当然ですが、福島に来ていただけるように強くお願いしてまいります。
先日、花見山に行ったときも、現にタイからのお客さんが来ておられました。震災後、まだまだではありますが、徐々にタイからのお客さんが回復しています。世界からのお客さんを増やして、実際に福島に来て、見て、食べていただくこと、これがまた口コミで広がっていくことが、一般の方々の誤解を解いて風評払拭する上で、一番効果があると考えていますので、タイ・マレーシア、あるいは今後も各国の大使等とお話しする際には、福島に来てほしい、これを強く訴えたいと思います。また、マレーシアにおいても、先般のダボス会議と同様に、お会いする政府高官の方々にもインビテーション・カードをお渡しして、是非福島に来てほしい、そういったことも引き続き行っていきたいと考えています。
【知事】
トリチウム水の取扱いは、環境や風評に大きな影響を与えかねない問題であります。したがって、県民の理解を得ながら慎重に議論を進めていくことが重要です。特に、検討に当たっては、経済合理性だけではなく社会的な影響なども含めて議論を是非進めていただきたいと考えております。
【記者】
議論の進め方としては、知事としてはどういう方法がいいとか、今の時点でお考えはありますでしょうか。
【知事】
現時点では特にございません。やはり、幅広く議論をしていただくという観点で国が真剣に考えていただきたいと思います。
【記者】
トリチウムの関連ですが、海洋放出は安くて早くて、正に経済合理性に基づいたら一番良いことだと思いますが、知事は「社会的な影響も含めて」とおっしゃいましたが、海洋放出そのものについては、現段階で賛否をどのようにお考えでしょうか。
【知事】
トリチウム水の扱い、海洋放出の扱い、非常にデリケートな問題です。例えば、一番直接的にステークホルダーになる漁業者の皆さんが、これまで1Fの汚染水の問題の対応等、あるいは地下水バイパスの問題についても、非常に悩みながら苦しみながら対応されてきています。したがって、漁業者の方々の思い、あるいは県民全体の思いを考えながら丁寧に進めていくことが何よりも重要であると考えております。
【記者】
トリチウム水に関して、これまでの地下水バイパスとか、サブドレンの流れ、漁業関係者の理解や合意を得て、県の廃炉協を含めての判断という流れでしたけれども、今回のトリチウム水に関しては、そのような流れは現時点では想定していないと先ほど話しておられましたが、方針が決まれば、最終的には知事自身が、どういう形になるかわかりませんが、県として、知事としての立場で発言があるという想定でしょうか。
【知事】
従前、地下水バイパスなどでそういった一連の流れがあったのは御指摘のとおりです。現在、トリチウム水の取扱いについては、まだ具体的なスケジュールとか段取りについてお話しする段階にはないと思いますので、現時点では控えさせていただきたいと思います。
【知事】
今回解除される南相馬市の区域の避難者数は1万人を超えており、これまで解除された市町村の中で最大です。南相馬市のみならず、避難地域全体の復興に、非常に大きな意味を持つものと受け止めております。県としては、一人でも多くの方がふるさとに安心して帰ることができるよう、引き続き生活環境等の整備に、国、市、関係の団体等と一体となって取り組んでまいります。
【記者】
御答弁の中で、「非常に大きな意味を持つ」というお話がありましたが、人数も確かに多いということですが、それ以外に帰還政策全体の中で、南相馬の帰還がどういう試金石なのか、どういう意味を持つのかというのが一点。もう一つは、来月、葛尾村等も解除されますが、南相馬と違って、葛尾村では実際に商業をやっているのはガソリンスタンドくらいしかなくて、仮置き場と居住地がかなり近いということで、他とはだいぶ違う状況がありますけれども、そのあたり、実際に解除されることについてどのように読み解くのか、併せてお聞かせください。
【知事】
まず南相馬市です。従前、避難区域は警戒区域を始めとした三分類がございました。現在、帰還困難地域から始まる分類になっていますが、南相馬市は市内の各地域がそれぞれの避難区域全てに当てはまるということで、市内がある意味分断された形で避難区域の設定がなされた自治体です。市長さんも常にその辛さや苦しさを申しておられますが、そういった自治体が徐々に避難指示解除の流れの中で、もう一度、全体として融合した形で本来の市の姿を取り戻していくことは、非常に難しい部分を含んでいると思います。かつ、人口規模も大きい、地域的にも広いという特性をもっていますし、さらに南相馬市は、例えば原町、鹿島、小高のような旧合併前の町村が区域の主体になっています。したがって、ある意味平成の大合併で出来上がった市が、さらに避難区域によって分断され、それをもう一度、統一していかなければならないというのが南相馬市の特性かと思います。
葛尾、川内等の避難指示解除について申し上げますと、これは山間部における避難指示解除の難しさを内包しています。広大な面積のほとんどが森林であります。そして、人口的には比較的少ないという特性を持っていますので、帰りたい方は間違いなくおられて戻られるのですが、どうしても周りの生活インフラがすぐに従前のように戻るわけではありませんし、特に川内村は富岡町が元々の生活インフラの拠点でした。富岡自身がそういった目途が十分立っていませんので、近隣地域とのバランスが難しいものがございます。
さらに森林除染の取扱い、昨年後半、国とだいぶやり取りしましたが、住民の方々が本当の意味で安心して戻るためには、森林除染を地域の要望に合わせてきちんと進めていかないと、安心して帰還できないという声が当然ながらございます。いわゆる山間の自治体の持つ難しさや、課題が浮き彫りになっていると考えております。
(終了)
≪問合せ先≫
1 タイ、マレーシアにおけるトップセールス及び情報発信について
→ 生活環境部国際課 電話024-521-7181
→ 観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
2 復興祈念公園について
→ 土木部まちづくり推進課 電話024-521-7510
3 福島12市町村の将来像に関する有識者検討会について
→ 避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439
4 中間貯蔵施設について
→ 生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043
5 伊勢志摩サミットでの取組と今後の取組について
→ 総務部広報課 電話0241-521-7124
6 トリチウム水の取扱いについて
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7255
7 南相馬市の避難指示解除について
→ 避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439