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自殺で残された家族と友人のケアとサポートの手引き(4)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
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子ども

子どものニーズ

子どものニーズについても大人と同じものが多いのですが、情報を伝えないことで死の現実から保護しようと、不適切に対応することがしばしばあります。自殺の場合は特にそうです。保護したいという気持ちはわかりますが、長い目で見ると、子どもは仲間はずれにされ、力づけられる機会を奪われたことで、感謝することがないばかりか怒りを感じることもあります。

子どもが質問し知りたいと言うとき、子どものストレートな反応を扱いなれていない大人は、とてもとまどってしまいます。そうした場合は、誰かに助けてもらいましょう。子どもへの対応は、まず何が起こったのかを子どもがどう理解しているかを尋ねます。それから、子どもがわかりやすい言葉で簡潔にストレートに答えます。子どもに真実を伝えるときは、細やかに愛情を持って伝え、反応をしっかり受け止めてあげます。 どんなにがんばったところで、死ということをずっと隠し続けることは難しいものです。そして、結局、外部から、たぶん名誉を傷つけられる言い方で伝えられると、もっと複雑な気持ちを経験することになります。

たとえば、トムが6歳で妹が4歳のとき、父親が亡くなり、本人たちは心臓発作で亡くなったと思っていました。1年もたったころ、近所の子どもとのありがちな口げんかのときに、「だって、君のお父さんは君が嫌いだったから、自殺して君から離れたんだろ」と言われました。2人の子どもの怒りは、まだ心の傷の癒えていない母親に向けられ、それからしばらくして、ようやく母親は専門家に相談し、子どもの反応とニーズを扱えるよう支援してもらうことができました

「対面」や葬儀に連れて行くのに適しているのは子どもが何歳になってから?

そのときの子どもの年齢には関わりません。子どもも大人と同じように、細やかに準備する必要があります。子どもを支えてくれる人がそばにいて、あとで体験を話す機会があるということです。

小さな子どもの場合、体験を遊びで再現することで「デブリーフィング(振り返り:強烈な体験をした後、体験を話すなどして気持ちを整理すること)」することが多いようです。人形やおもちゃ、あるいは他の子どもを使って、見たり聞いたり感じたことを遊びに再現します。

 「対面」では、子どもは細かく調べたがることがあります。縫合痕(縫い目)、あざ、傷に興味を持ち、触ろうとすることがあります。この反応は正常で自然なものであり、こうして子どもは自分の体験を統合し意味付けるのです。

ほとんどの子どもは葬儀の準備を手伝いたいと言いますし、葬儀に参加したいと言うこともあります。棺に絵や手紙や詩やおもちゃなどの贈り物を入れたいと言ったり、葬儀の式次第を(自分の手で)書いたり、葬儀の場でなにか読みあげたいと言うこともあります。

 自殺した故人の持ち物を子どもが手元に置いていいのでしょうか? こうした行動は病的ですか?

子どもも大人と同じように、故人とつながっているという感覚を持ち続けたいと思います。髪の毛を1ふさとか、写真とか特別なものがほしいということがあります。髪の毛や火葬した灰を入れ込んだ装飾品がいいという家族もいます。