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「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」第2章1―2 住みやすい住宅

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案

第2章 ユニバーサル・デザインを生かした県づくり

1 生活者(利用者)のための環境づくり

(2)住みやすい住宅
〈より永く住み続けるための住宅づくり〉

 高齢社会における住宅づくりのあり方として、国は平成7年に「長寿社会対応住宅設計指針」をまとめ、県は、それに先がけ平成2年に「高齢化対応型住宅供給促進事業計画」を策定しています。これらの指針や計画では、住む人の体力や生活様式の変化に合わせ、より永く住み続けることができる住宅づくりのためのガイドラインが示されています。また、最近では、「住宅性能表示制度」が設けられ、その中には「高齢者等への配慮」(※下に説明があります)という項目があります。  しかし、これらの指針や計画、制度は、一般的に、対象者の範囲を高齢者に限定したものと受けとめられがちです。そこで、こうした指針等を、ユニバーサル・デザインの考え方でもう一度とらえ直したうえ、パンフレットや広報誌、講習会の開催などを通して、県民はもとより、工務店などの住宅づくりに関わる事業者などに広く知ってもらうことが必要です。このことは、今後建設される住宅が、良好な社会的財産として永く活用されるようにするためにも、大切なことです。

〈改造・改修による住環境の改善のために>

 住宅の使われ方は、年齢や家族構成の変化など、時間の経過とともに変わってきます。住む人が住宅を改造・改修したいと思ったときのニーズ(要望内容)を的確に把握し、具体化するためには、支援体制を整えることが必要です。これまでも、福祉や建築などの専門家が助言や施工までの調整を行うリフォームヘルパー制度や介護保険での改造・改修が行われていますが、このような支援体制が組織化されている地域はまだまだ少ないのが現状です。  そこで、高齢者や障がいのある人などの日常動作の能力を見極め、適切なサービスの提供を行う保健・医療・福祉関係者と、安全で快適な生活空間をつくりだす建築技術者が連携し、相談から改造・改修の実施まで組織的に支援するしくみづくりを早急に行うことが必要です。他地域の優れた事例などの情報交換が行われるような、全県的なネットワークづくりも有効です。

<公共住宅のユニバーサル・デザイン化〉

 これまで、特定目的者向け公営住宅(※下に説明があります)、シルバーハウジング(※下に説明があります)、ケアハウス(※下に説明があります)など、入居者の身体状況に対応した公共住宅の提供が行われてきました。しかし、入居者に対し特別な住戸を提供するのではなく、供給するすべての住戸において、だれもが入居でき、快適な生活を行うことができる住空間として供給することが、これからの公共住宅の基本的な考え方として必要になります。この基本的な考え方に上乗せするかたちで、入居者の身体の状況を考慮に入れ、トイレや浴室などのしつらえを容易に変更できるようにしておくことも必要になります。  こうした考え方は、公共住宅が率先して取組むことで、民間賃貸住宅にも波及していくことが期待されます。

【本文中の説明】
  • 高齢者等への配慮  部屋の配置、段差の解消、階段の安全性、手すりの設置、通路・出入口の幅員、寝室・トイレ・浴室の広さ等を基に、住宅内の移動の安全性や介助の容易性を評価しています。 戻る
  • 特定目的者向け公営住宅  障がい者世帯、老人世帯、母子家庭世帯などが入居しやすいように、段差のない設計、手すりの設置、車いす等での生活がしやすい配慮などが施されています。 戻る
  • シルバーハウジング 高齢者向けの公営賃貸住宅で高齢者の安全性や利便性に配慮した設備・設計になっています。生活援助員による生活指導や相談、安否の確認、一時的な家事援助・緊急時対応等のサービスが受けられます。 戻る
  • ケアハウス  高齢者や障がい者が入居し、掃除や洗濯など身の回りのことは自分で行いますが、必要に応じてホームヘルプサービスなどが受けられます。 戻る

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