アナリーゼふくしまNo.20
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
アナリーゼふくしまNo.20
平成17年福島県産業連関表を活用し、ふくしま産業復興企業立地補助金及び旅行・観光消費がもたらす県内への経済波及効果を推計した。
1 ふくしま産業復興企業立地補助金がもたらす県内経済波及効果の概要
投資による経済波及効果
直接効果 2,158億円
経済波及効果 3,104億円
雇用誘発者数 26,369人生産による経済波及効果
直接効果 1,257億円
経済波及効果 1,686億円
雇用誘発者数 6,534人(1)投資による経済波及効果
ア 投資による経済波及効果
- ふくしま産業復興企業立地補助金を活用した企業(補助対象企業291社)の投資額(土地造成費、建築取得費及び機械設備費)によりもたらされる、福島県内への経済波及効果の総額は3,103億84百万円となった。経済波及効果段階別の内訳は、直接効果が2,158億26百万円、一次波及効果が589億19百万円、二次波及効果が356億40百万円となる。これらにより発生する雇用誘発者数は26,369人となった(表1)。
- イ 投資による産業部門別経済波及効果
- 産業部門別の経済波及効果は、土地造成や工場建築に直接関連する「建設」部門が最も大きく1,674億28百万円(経済波及効果全体の53.9%)、次に、卸・小売業の「商業」部門の270億32百万円(同8.7%)、建設コンサルタント業などの「対事業所サービス」部門の255億98百万円(同8.2%)となっている(図1)。
- (2) 操業後の生産による経済波及効果
- ア 操業後の生産による経済波及効果
- ふくしま産業復興企業立地補助金を活用して投資を行った企業による操業後の生産額によりもたらされる、福島県内への経済波及効果の総額は1,686億33百万円となった。経済波及効果段階別の内訳は、直接効果が1,257億20百万円、一次波及効果が325億34百万円、二次波及効果が103億79百万円となる。これにより発生する雇用誘発者数は6,534人となった(表2)。
- イ 操業後の生産による産業部門別経済波及効果
- 産業部門別の経済波及効果は、直接効果の高い「パルプ・紙・木製品」部門が最も大きく208億60百万円(経済波及効果全体の12.4%)、次に、「化学製品」部門の192億3百万円(同11.4%)、「飲食料品」部門の128億79百万円(同7.6%)となっている(図2)。
2 旅行・観光消費がもたらす県内経済波及効果の概要
平成22年
直接効果 2,133億円
経済波及効果 3,079億円
雇用誘発者数 23,338人平成23年
直接効果 1,687億円
経済波及効果 2,397億円
雇用誘発者数 18,381人- 比較増減(H23-H22)
直接効果 △446億円
経済波及効果 △682億円
雇用誘発者数 △4,957人
(1) 平成22年旅行・観光消費による経済波及効果の推計
- ア 平成22年旅行・観光消費による経済波及効果
- 平成22年旅行・観光消費(行祭事・イベント除く)による福島県内への経済波及効果の総額は3,079億12百万円となった。経済波及効果の段階別内訳は、直接効果が2,133億49百万円、一次波及効果が564億10百万円、二次波及効果が381億53百万円となった。これにより発生する雇用誘発者数は23,338人となった(表3)。
- イ 平成22年旅行・観光消費による産業部門別経済波及効果
- 産業部門別に経済波及効果をみると、旅行業などが含まれる「その他の運輸」部門が625億57百万円(経済波及効果全体の20.3%)と最も大きく、次に「飲食店」部門が318億71百万円(同10.4%)、「商業」部門が304億52百万円(同9.9%)となっている(図3)。
- (2) 平成23年旅行・観光消費による経済波及効果の推計
- ア 平成23年旅行・観光消費による経済波及効果
- 平成23年旅行・観光消費(行祭事・イベント除く)による福島県内への経済波及効果の総額は、2,396億55百万円となった。経済波及効果の段階別内訳は直接効果が1,687億13百万円、一次波及効果が449億99百万円、二次波及効果が259億43百万円となった。これにより発生する雇用誘発者数は18,381人となった(表4)。
- イ 平成23年旅行・観光消費による産業部門別経済波及効果
- 産業部門別に経済波及効果をみると、旅行業などが含まれる「その他の運輸」部門が452億27百万円(経済波及効果全体の18.9%)と最も大きく、次に「鉄道輸送」部門が291億64百万円(同12.2%)、「飲食店」部門が247億32百万円(同10.3%)となっている(図4)。
- (3) 平成22年・平成23年旅行・観光消費による経済波及効果の比較
- それぞれ推計された平成22年と平成23年の旅行・観光消費額や経済波及効果額を利用して単純に比較すると、平成23年の経済波及効果は平成22年から682億57百万円の減額、雇用誘発者数は4,957人の減少となっており、東日本大震災、原子力災害、風評被害等による影響を強く受けたためと考えられる。
- (4) 平成23年旅行・観光消費額等を活用したシミュレーション推計
- 『八重の桜』放映による経済波及効果
- 直接効果 86億円
経済波及効果 122億円
雇用誘発者 932人 - 『東北六魂祭』開催による経済波及効果
- 直接効果 19億円
経済波及効果 26億円
雇用誘発者 203人 - ア NHK大河ドラマ『八重の桜』放映による県内経済波及効果
- NHK大河ドラマ「八重の桜」の放映による県内観光客入込数は、過去のNHK大河ドラマ舞台県の放映年とその前年の観光客入込数の平均変化率を算出し、福島県の平成23年観光入込客数(実数)に乗じることで、919千人と想定した。これによる県内への旅行・観光消費が生み出す経済波及効果の総額は、121億53百万円となった。経済波及効果の段階別内訳は、直接効果が、85億56百万円、一次波及効果が22億82百万円、二次波及効果は13億16百万円となった。これにより発生する雇用誘発者数は932人となった(表5)。
- イ 『東北六魂祭』開催による県内経済波及効果
- 東北六魂祭の福島県内開催による、県内観光客入込数は福島市が想定している200千人とし、これによる県内への旅行・観光消費額が生み出す経済波及効果額は、26億43百万円となった。経済波及効果の段階別内訳は、直接効果が、18億61百万円、一次波及効果が4億96百万円、二次波及効果は2億86百万円となった。これにより発生する雇用誘発者数は203人となった(表6)。
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