自殺で残された家族と友人のケアとサポートの手引き(14)
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自殺の後に:家族や友人のための情報
警察は何をするか
検死官は何をするか
葬儀担当者はなにをするか
サポートとカウンセリング
警察は何をするか
警察は何が起こったかを調べる必要があります。家族や友人に質問し話しを求められることがあります。 自殺が家で起こった場合、警察は家を訪れ、さらに情報を集める必要があります。警察は法的なこと、通常の手続きと、なぜそれが必要かを説明するでしょう。警察は形式的に誰かに「遺体の確認」を頼むでしょう。これはとても難しいことかもしれません。
次のようなことをお勧めします:
・できればそうした手続きに慣れた人にいっしょにいてもらう
・警察や遺体安置所の係りの人に頼んで、どんなものを目にすることになるのかを注意深く話してもらって心の準備をする
・サポートの人に手伝ってもらい、その後もそこにいてもらう さらに詳しいことは、小冊子の「自殺後の悲嘆に対処する」を参照してください。
警察は何度か戻ってきて質問することがあります。家族や友人が、聖職者や葬儀担当者や他の機関と接触するのを、警察が手伝ってくれることがあります。
葬儀担当者は何をするか
葬儀担当者は、自殺で亡くなった後、大事な役割をします。葬儀担当者は、困難な時期に多くの形式的なことを手伝ってくれ、あなたの希望にそうようにしてくれるでしょう。しかし遺族はゆっくり事を進め、自分が本当に何をしたくてどこでどんなふうにしたいかを注意深く考えてよいのであり、それは大切なことなのです。
あなたの指示のもとに、葬儀担当者は告示、献花、葬儀の時間や場所、式次第、思い浮かぶ人がいない場合に式を進めてくれる人などの具体的なことをすべて進めてくれるでしょう。式は誰が準備しても構いませんし、ほとんど場所も問いません。葬儀のことをよく知っている人に取り持ってもらうとよいでしょう。制約はほとんどありません。さらに詳しいことは、「自殺後の悲嘆に対処する」を参照してください。
家族や友人は内輪での葬儀がいいと思うかもしれません。しかし、こうすると家族は孤立感を感じ、後に必要なソーシャルサポートがないように感じるでしょう。 最近では、ほとんどの家族は、死後、大切だった人とともにすごしたいと思うようで、葬儀担当者はそのように準備できます。難しいと感じる人も多いでしょうが、全ての人がこうした機会を持つことが大切だと思われます。
子供も、どんな年齢であれ、同じ機会を持つことが大切です。子供にはちょっとした励ましで十分です。無理やりはいけません。
検死官は何をするか
本州(この冊子が作られたニューサウスウェールズ州)では、自然死でない、暴力や異常な原因による死、あきらかな自殺も含まれます、については検死官に報告することが法律で決まっています。 警察は検視官がこうした死を調べて記録できるように行動します。その目的は、死の手段と原因を判定することにあり、その中には周辺状況の詳細も含まれます。
自殺の可能性があるときに自動的に検死が行われるわけではありません。警察や医学的な報告だけで検死報告の資料として十分だとされる場合もあります。こうした場合、検死官は聞き取りを行わず、これまでの報告だけで終わりになります。そうでない場合は、検死官は事態を調べるために聞き取りを行います。
大切なことは、検死官は、将来、同じような悲劇が起こる可能性を小さくするための勧告をできるということです。
遺族のカウンセリングは、地域の保健サービスで提供できます。
サポートとカウンセリング
遺族は、ショックが大きいために、死のあとしばらくは正式なカウンセリングを受けることができないものです。自殺の直後の影響があるときは、家族や友人のサポートがもっとも役に立つということが多いでしょう。その後の何週間かは、「現実を突きつけられ」るとともにサポートが減り、熟練した遺族カウンセラーや自殺遺族サポートグループの技術が必要になるでしょう。
言葉を口にすることが、適したグループやカウンセラーを探す最善の道です。経験があり、自殺遺族を多く扱ったことがある人が必要です。カウンセラーを葬儀担当者や地域の保健センター、地域の精神保健チームが紹介してくれることもあります。