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2号機燃料デブリの試験的取り出し

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年11月5日更新

 震災発生時、福島第一原子力発電所では運転中だった1~3号機は自動停止しましたが、津波の影響によって原子炉内燃料の冷却が停止したことで高温となり、燃料が溶融しました。溶融した燃料は、燃料を囲む構造物や原子炉圧力容器を溶かし、燃料デブリとなって、原子炉圧力容器や原子炉格納容器の底部に溜まっていると推測されています。
 燃料デブリの取り出しを進めていく知見を得るために、まずは2号機で試験的に少量の燃料デブリを取り出して性状分析を行い、その後、段階的に取り出し規模を拡大していく計画となっています。
 試験的取り出しの着手時期については、中長期ロードマップでは当初令和3年内の予定でしたが、燃料デブリを取り出すロボットアーム型装置の開発が新型コロナウイルスの影響で遅れたことや、ロボットアーム型装置を通す原子炉格納容器への貫通孔(X‐6ペネ)内の堆積物除去(令和6年1月より開始)、ロボットアーム型装置の調整等に時間がかかることから、はじめに、原子炉格納容器内へのアクセス性がすでに確認できており、構造や制御性を比較的簡素化できる「テレスコ式装置」を用いて試験的取り出し作業を行うこととし、令和6年9月10日に作業が着手されました。
 その後、ロボットアーム型装置を用いた原子炉格納容器内の内部調査や燃料デブリの試験的取り出しを行う計画となっています。
 燃料デブリの取り出し方針・方法の詳細については、経済産業省のHP東京電力ホールディングス(株)のHP(燃料デブリポータルサイト)にて御確認ください。

【参考】
原子力用語集
廃炉作業全体の計画については、福島第一原子力発電所の廃止措置状況を御確認ください。

会議における確認結果

 福島県では、2号機燃料デブリの試験的取り出しについて、廃炉安全監視協議会等で進捗を確認しています。また、廃炉安全確保県民会議においても、廃炉作業の進捗について適宜説明を受けています。

 
会議 開催日 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業に関する議題
第56回(平成29年度第3回)廃炉安全監視協議会 平成29年9月7日

・技術戦略プラン2017について 
・中長期ロードマップの改訂(案)について(燃料デブリ取り出し方針)

第59回(平成29年度第6回)廃炉安全監視協議会 平成29年10月27日 中長期ロードマップの改訂について​(燃料デブリ取り出し方針決定)
第72回(令和元年度第5回)廃炉安全監視協議会 令和元年12月5日 中長期ロードマップの改訂について(初号機の燃料デブリ取り出し方法決定)
第75回(令和2年度第3回)廃炉安全監視協議会 令和3年3月8日 2号機に係る状況(PCV内部調査および燃料デブリ試験的取出しの準備状況について)
第91回(令和5年度第4回)廃炉安全監視協議会 令和5年11月17日 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の準備状況について
第92回(令和5年度第5回)廃炉安全監視協議会 令和6年1月31日 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の準備状況について
第94回(令和6年度第1回)廃炉安全監視協議会 令和6年4月24日 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の準備状況について
第95回(令和6年度第2回)廃炉安全監視協議会 令和6年8月20日 2号機燃料デブリ試験的取り出しについて
第96回(令和6年度第3回)廃炉安全監視協議会 令和6年10月24日 2号機燃料デブリ試験的取り出しについて
 (1) 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業中断に係る原因と対策
   (2) 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の状況
 (3) 燃料デブリの分析について

中長期ロードマップについては、廃止措置に向けた取組(経済産業省)を御確認ください。

申し入れ

 東京電力は、令和6年8月22日に燃料デブリ試験的取り出し作業を開始しましたが、装置の取り付け順番を間違えるという人為的かつ初歩的なミスにより作業を中断する事態が発生したため、県から東京電力に対して申し入れを行いました。詳細は、東京電力福島第一原子力発電所 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の中断に対する申し入れを御確認ください。​

ヒアリング等による確認結果

福島第一原子力発電所 2号機燃料デブリ試験的取り出し作業中断に係る東京電力への確認結果 [PDFファイル/733KB]

楢葉町駐在による現地確認結果

 東京電力による燃料デブリ試験的取り出し作業について、原子力安全対策課楢葉町駐在の職員が随時、現地確認を行い、作業の実施状況を確認しております。

使用前検査への立会結果(テレスコ式装置及びグローブボックス)

 
確認日 確認状況 確認内容
令和6年6月18日 R060618使用前検査

・原子力規制庁によるテレスコ式装置(エンクロージャ及びガイドパイプ)の使用前検査(耐圧確認検査)に立ち会い、検査の実施状況を確認した。

令和6年7月17日 R060718使用前検査

・原子力規制庁によるグローブボックス(※)の使用前検査(外観確認検査、据付確認検査、警報確認検査、負圧維持確認検査、気密性確認検査)に立ち会い、検査の実施状況を確認した。

※ 放射性物質をはじめとした隔離物を、ステンレス製のボックスに負圧管理して閉じ込め、作業者がボックスの外側からグローブを介して隔離物を安全に取り扱えるようにした装置。

令和6年7月31日 R060731使用前検査

・原子力規制庁によるテレスコ式装置(エンクロージャ及びガイドパイプ)の使用前検査(外観確認検査、据付確認検査、漏えい確認検査)に立ち会い、検査の実施状況を確認した。

燃料デブリ試験的取り出し作業の現地確認結果(テレスコ式装置)

確認日 確認内容
令和6年8月22日

・本日から開始された2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の確認を行った。
・テレスコ式装置のガイドパイプ挿入作業中に、ガイドパイプを原子炉格納容器内へ押し出すための押し込みパイプが、計画していた順番と異なっていたことから作業が中断となった。

令和6年9月7日 ・本日から開始された押し込みパイプの復旧作業の確認を行った。
・押し込みパイプからのケーブル引き抜き作業が計画どおり完了したことを確認した。
令和6年9月8日 ・昨日に引き続き、押し込みパイプの復旧作業の状況確認を行った。
・押し込みパイプを正しい順番へ並び替えた後、ケーブル入線、ケーブル接続作業が行われ、押し込みパイプの復旧作業が完了したことを確認した。
令和6年9月10日

・8月22日に作業を中断したことを受けて、作業訓練の確認・検証と不足箇所の追加対策、作業工程全般の再確認と検証や手順書の見直しが完了し、本日より作業が再開されたことから確認を行った。
・1本目の押し込みパイプをガイドパイプへ接続した後、隔離弁を開けてガイドパイプを挿入。午前7時20分にテレスコ式装置の先端治具が隔離弁を通過し、試験的取り出し作業が着手となったことを確認した。

令和6年9月17日

・本日から開始された燃料デブリの採取作業を確認した。
・しかし、テレスコ式装置のアーム先端部カメラ及び先端治具監視カメラ双方の映像が映らなかったことから、本日予定していた燃料デブリの採取作業を中止、カメラ映像不具合に係る要因分析及び現在可能な範囲での原因調査が行なわれた。

【参考】福島県原子力安全対策課現地駐在
福島県では、東京電力ホールディングス株式会社の廃炉に向けた取組等の確認体制を強化するため、平成26年4月1日から、楢葉町内に原子力安全対策課職員が常駐し、現地確認やトラブル時の迅速な情報収集を行っています。なお、重大なトラブルが発生した時には休日・夜間も現場確認ができるように体制を整えています。
 本ページで取り上げた2号機燃料デブリの試験的取り出し作業だけでなく、日々行われている廃炉作業の進捗についても確認しております。

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