3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの燃料取り出し(3)(使用済燃料の取り出し)
平成31年4月から令和3年2月にかけて3号機原子炉建屋から、使用済燃料の取り出し作業が行われました。
このページでは、燃料の取り出し作業について説明します。
(参照:3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの取り出し(1)(ガレキ撤去・線量低減))
(参照:3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの取り出し(2)(燃料取り出し用カバー設置~試運転))
作業概要
- 平成31年4月15日、3号機原子炉建屋使用済燃料プールから1回目の燃料の取り出し作業が開始されました。
- 燃料取り出し作業は、使用済燃料プールの燃料ラックに保管されている燃料を燃料輸送容器(以下「キャスク」という。)に移動し、トレーラーに載せて燃料共用プールへ移送、キャスク内の燃料を共用プールで取り出して保管する流れで実施されました。また、燃料の取り出しやキャスクへの装填などは遠隔作業で実施されました。
- 使用済燃料プールの中には作業初期に撤去できなかった小ガレキが残っており、燃料取り出し作業と並行してガレキの除去作業が行われました。
- 3号機には建屋の水素爆発の影響で使用済燃料プールにガレキが落下し、燃料移動の際に掴むハンドルが曲がっている燃料(以下「ハンドル変形燃料」という。)も存在しており、取り出しのために様々な検討がなされました。
- 令和3年2月28日、3号機原子炉建屋使用済燃料プールから全566体の燃料取り出しが完了しました。
作業状況
作業状況について、時系列に沿って説明します。
福島第一原子力発電所構内概略図 | 目次 |
1.燃料取り出し作業の開始 | |
2.ハンドル変形燃料の取り出し |
1.燃料取り出し作業の開始
平成31年(令和元年)
- 4月15日、3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの燃料取り出し作業が開始されました。取り出し作業は新燃料から開始されました。
-
7月17日、 燃料取扱機から作動用流体の燃料プールへの漏えいが確認されました。原因調査は直後に予定されていた年次点検の中で行われました。
年次点検及び点検後の燃料取り出し再開に向けた作業の中で複数のトラブルが確認され、9月に予定されていた燃料取り出しの再開が延期となりました。 -
12月23日、復旧作業が完了し、燃料取り出し作業(5回目)が再開されました。
令和2年
-
1月20日、8回目の燃料取り出し作業において、新燃料の搬出が完了し、使用済燃料の取り出しが開始されました。
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9月2日、燃料取扱機のケーブルがプール壁面近傍の部材に引っかかり、損傷したことが確認されました。また、復旧作業の中で、つかみ具の開閉を表示する信号の不具合を確認し、ケーブルの導通に異常があることが確認されました。
-
10月8日、ケーブルの復旧が完了し、燃料取り出し作業(49回目)が再開されました。
-
11月18日、輸送キャスクを取り扱うクレーンの吊具が上昇しない事象が発生しました。
- 12月20日、クレーン吊具の復旧作業が完了し、燃料取り出し作業(63回目)が再開されました。
2.ハンドル変形燃料の取り出し作業
令和2年
- 5月21日より、ハンドル変形燃料を既存の燃料取扱機における吊り上げ試験が開始されました。ハンドル変形燃料は全17体あり、燃料ラックとの間に挟まった瓦礫を除去するなどして、事前にハンドルを掴んで取り出しが可能な状態であることが確認されたうえで取り出し作業が行われました。
令和3年
- 2月3日、ハンドル変形燃料の取り出し作業が開始されました。(燃料取り出し作業全体の76回目)ハンドル変形燃料は3号機原子炉建屋使用済燃料プールからは専用の掴み具を用いて取り出され、共用プールではキャスクから燃料の入った収容缶ごと取り出し、収容缶専用のラックで保管されています。
- 2月28日、全84回の燃料取り出し作業が終了し、3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの燃料取り出し作業が完了しました。
燃料取り出し作業 | キャスクの輸送作業 |
確認日 | 確認事項 |
---|---|
平成31年 | |
4月15日~4月25日 現地駐在活動報告書 | 3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し状況 |
令和2年 | |
1月20日 現地駐在活動報告書 | 3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し状況 |
1月22日 現地駐在活動報告書 | 3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し状況 |
福島県の対応
廃炉安全監視協議会
廃炉安全監視協議会では、進捗状況や作業中に発生したトラブルについて、適宜東京電力から説明を受けました。
・第70回(令和元年度第3回)廃炉安全監視協議会
令和元年8月7日 現地調査
使用済燃料プールからの燃料取り出しの状況及び作業流体の漏えいについて説明を受けました。
・第71回(令和元年度第4回)廃炉安全監視協議会
令和元年11月21日 会議
使用済燃料プールへの作業流体に対する調査状況について説明を受けました。
・第74回(令和2年度第2回)廃炉安全監視協議会
令和2年12月22日 会議
ハンドル変形燃料への対応、ラック干渉燃料の取り出しについて及び、燃料クレーン主巻き停止について説明を受けました。
・第75回(令和2年度第3回)廃炉安全監視協議会
令和3年3月8日 書面開催 (新型コロナウイルス感染症対策のため)
燃料取り出し作業の終了について、資料による説明を受けました。
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