「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」はじめに
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案
はじめに
私たちの生活は時代の変化とともにあります。近年では、少子化社会、長寿社会が盛んにいわれます。そのほかにも、環境破壊や心の病、虐待なども問題にされます。その中で、ゆとりある社会、男女共同参画社会、地域の時代、環境との共生、国際化などが私たちの中に意識されるようになってきました。このような現代社会にあって、あらためて「人」「もの」「暮らし」「(自然だけではない広い意味での)環境」「意識」を考えることが大切なのではないでしょうか。
ユニバーサル・デザインは、年齢や性別などそれぞれの違いを超えて、だれもが快適に公平に利用できる、もの・まち・環境をつくるデザインです。現代の、そして将来の社会づくりを考えるとき、このユニバーサル・デザインの考え方に一つの方向性があります。
福島県では、新長期総合計画『うつくしま21』(2001年度~2010年度)が策定され、「美しいふくしま」を築いていくための県づくりの理念が示されました。その中に「ユニバーサル・デザイン」が、「人間の尊重」などとともに、新しい世紀にふさわしい価値観の一つとしてうたわれています。
このユニバーサル・デザインの考え方を県づくりにどのように取り入れていったらよいか、県民の視点から検討するため、5名の県民公募会員と2名の行政職公募会員、それに専門分野から選任された7名の会員合わせて14名の会員に、議論を円滑に進めるためのファシリテータ(意見の整理役)1名を加えて、この研究会が設置されました。
平成13年7月から7回開催された研究会においては、ユニバーサル・デザインの意義、目標、目指すための具体的方法などを討議し、会員の執筆により提言書を作成しました。 提言書では、多岐にわたった会員の議論を集約するかたちで、人間の尊重から始まり、ユニバーサル・デザインを通した社会づくり、ものづくり、まちづくり、普及のあり方、県民・事業者・行政の役割等にふれています。(さらに、各会員からの提案や研究会討議での意見を加え構成されています。)
今後は、この提言書の趣旨が、県が策定を予定している「推進指針」(仮称)に十分反映されるとともに、県民・事業者・行政が一体となって、ユニバーサル・デザインが推進されることを強く願っています。研究会としても、議論はプロセスの一つとしてとらえ、よりよいユニバーサル・デザインを実現するための活動は継続させていかなければならないという思いを強くしております。
平成14年3月18日
ふくしまユニバーサルデザイン研究会 会長 鈴木 典夫