「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」第2章1-6 わかりやすい情報
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案
第2章 ユニバーサル・デザインを生かした県づくり
1 生活者(利用者)のための環境づくり
(6)わかりやすい情報
だれもが知りえる情報に接することができないとすれば、社会生活を送るうえで、ハンディキャップを持つことになります。さまざまな媒体や手段を活用した情報の提供に努め、視覚、聴覚などに障がいがある人も、必要な情報を公平に取得できる環境づくりが求められます。
〈サイン計画づくり〉
観光施設やまちなかの商店、交通機関、公共・公益施設では、大きくて見やすい文字による案内板や標識はもちろん、言葉はわからなくても理解できる絵による表示(サイン、マーク)、音声案内、点字案内などを組み合わせ、すべての人に的確に伝わる情報提供の方法が研究され、普及されるべきです。観光客、外国人、高齢者などが迷わない街は、だれにとっても安心、快適で魅力のある街となります。だれもが共通に認知している図案の統一的な採用を勧めるほか、これを補うためのサインやマークを募集することも考えられます。図案、色彩、配置などを総合的に考えた「サイン計画」は、まちのイメージを大いに高めることになるでしょう。
〈マップづくり〉
まちなかのユニバーサル・デザインマップ(地図)、使いやすいトイレマップ、子育て情報マップなどを、ボランティアグループなどの市民団体がつくり、書店やインターネット、携帯電話などで容易に取得できるようにすることも一つの試みです。マップの作成を通して、まちなかの使い勝手の点検にもなります。
〈情報媒体の工夫と活用〉
広報誌やインターネットのホームページでは、言葉づかいはもちろん、文字の大きさや字体、色づかいなど、高齢者や障がいのある人を含め、多くの人が見やすく、理解しやすい工夫を改めて検討してみることが必要です。点字版、音声版、外国語版などを併せて発行することが必要な場合もあります。また、字幕を活用した放送は、聴覚に障がいのある人だけでなく、だれにとっても理解の手助けとなります。広報番組での活用を考えるべきです。 パソコンは、外出が制限される人にとっても、情報の取得や発信を通して、社会参加を可能にする手段として有効です。しかし、操作に一定の習熟が求められることから、利用できない人も多いため、操作の簡単な機器やソフトの開発、高齢者や障がいのある人のためのパソコン講習会の開催などが求められます。
〈双方向の情報伝達〉
パソコンの地域ネットやケーブルテレビなどによる、双方向の情報網の形成は、住民がお互いを知ることにより、助け合いで成り立つ暮らしやすい地域社会づくりに役立つ可能性があり、今後の普及が望まれます。これを活用した地域通貨(※下に説明があります)やコミュニティビジネス(※下に説明があります)への発展も考えられます。 また、山間地における医療・保健や災害時の情報伝達、子育て期間中の育児に関する情報取得や相談などへの活用が考えられます。
【本文中の説明】
- 地域通貨 地域の住民組織が、任意の通貨(切符など)や通帳を発行し、住民はこれを受け渡ししながら、自分ができるサービスを提供しあいます。例えば「高齢者の外出の手伝いができる」と登録した人が、手伝いを申し込んだ人にそのサービスを行ったとき、通貨の支払いを受けます。日本の農村で行われてきた、相互扶助の精神で成り立つ「結(ゆ)い」のしくみもその一つといえます。 戻る
- コミュニティビジネス 地域社会の問題解決や生活の質の向上を目指し、地域の環境や資源、特色を生かしながら、住民が主体的に行う事業をいいます。運営主体の形は、株式会社、有限会社のほか、生活協同組合、NPO法人などが考えられます。 戻る