平成27年度統計セミナーを開催しました。
テーマ:「人生が楽しくなる統計学 -ビジネスからスポーツ最新事情まで- 」
講 師:統計学者 鳥越 規央(とりごえ のりお)氏
平成28年1月26日(火曜日)に福島テルサ(福島市)において、統計学者 鳥越 規央(とりごえ のりお)氏を招いて「人生が楽しくなる統計学-ビジネスからスポーツ最新事情まで-」と題したセミナーを開催しました。
先生からは福島県のランキング情報や統計教育の現状、野球界を席巻しているセイバーメトリクス(野球統計学)について、具体的な事例を交えながらわかりやすくお話いただきました。
○セミナーの概要については、以下のとおり
講演から
○ 統計教育
・今、7割以上の企業が学生に統計学を学んできて欲しいと考えている。
・中学校の学習指導要領では、統計が位置付けられ、高校入試に出題されるようになった。
・統計をどのように教えるかについて教師に対する研修も盛んに行われている。
○ セイバーメトリクス(野球統計学)
・セイバーメトリクスとは、データを使って野球の戦術や選手評価を統計的に分析し、その分析が正しいかを科学的に調査・検証する研究分野。日本語に訳すと野球統計学。
最近、野球界を席巻している強いチームづくりのための選手評価の手法のひとつであり、メジャーリーグではすでに用いられ、チーム強化にかかせない手法となっている。
・日本にもこの考え方が導入されるようになり、特にパ・リーグのチームがいち早く球団経営に導入し、結果を出している。
・分析事例として、「9回裏無死一塁でバントはするな!!」というものがある。
過去のデータから、送りバントをしてワンアウト2塁という状況にしたときのチームの勝利確率は、どのイニングをとっても下がるという分析結果が出ている。つまり塁を進めるプラス面よりワンアウトを与えるマイナス面が大きいということ。
従来の野球のセオリーをセイバーメトリクスで覆した。2015年のヤクルトスワローズは、これを実践して優勝した。
○ まとめ 「常識を疑ってデータを見よ!!」
経験則や勘からくる思い込みをいかに排除するか。固定概念にとらわれずにデータをみることが大事。
データを疑うのではなく疑うのは常識である。
『プロフィール』 専門は、数理統計学、数学一般(含確率論・統計数学)。統計学を日常やビジネスに応用できるようにわかりやすく解説する。テレビ出演も多数。統計学をベースに、テレビ番組の監修や「AKB48選抜じゃんけん大会」の組み合わせ(2012年、2013年)、「AKBペナントレース」の得点換算方法の開発などエンタメの分野でも活躍中。 また、「セイバーメトリクス」の日本での第一人者であり、野球のほか、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行っている。JAPAN MENSA会員。 |
---|
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)