アナリーゼふくしまNo.15
アナリーゼふくしまNo.15
福島県生活圏別産業連関表
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95部門分類計数表
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34部門分類計数表
13部門分類計数表
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福島県では5年ごとに県経済全体経済を対象に福島県産業連関表を作成してきましたが、今回、最新の表である平成12年福島県産業連関表を基に県内生活圏ごとの産業連関表「平成12年福島県生活圏別産業連関表」を新たに作成しました。生活圏別産業連関表を作成したことにより、従来の福島県産業連関表では困難であった生活圏ごとの経済構造分析や経済波及効果分析を行うことができるようになりました。
生活圏ごとの産業連関表は、県内を次の6つの地域に分けて作成しています。
- 県北地域 (福島市、二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡、安達郡)
- 県中地域 (郡山市、須賀川市、田村市、岩瀬郡、石川郡、田村郡)
- 県南地域 (白河市、西白河郡、東白川郡)
- 会津地域 (会津若松市、喜多方市、耶麻郡、河沼郡、大沼郡、南会津郡※)
- 相双地域 (相馬市、南相馬市、双葉郡、相馬郡)
- いわき地域 (いわき市)
県内を地域分けする場合、通常「県北地域」、「県中地域」、「県南地域」、「会津地域」、「南会津地域」、「相双地域」、「いわき地域」の7つの生活圏としますが、「南会津地域」の経済規模が小さいため単独の地域として産業連関表で取り扱うことは難しいので、「会津」と「南会津」をあわせて1つの生活圏として地域分けを行いました。
生活圏別産業連関表で分かること
- ・ 各生活圏における産業間の取引の特徴を把握することができます。
- 産業連関表には産業ごとの費用構成(投入構造)や販路構成(需要構造)がまとめられているので、出荷額・売上額・従業員数などの産業規模だけでは分からない、産業間や最終消費との結び付き(産業構造)の特徴を掴むことができます。各生活圏経済を対象とした生活圏別産業連関表を作成したことにより、従来の県経済全体を対象としていた産業連関表では困難であった生活圏ごとの特色ある産業構造を把握することができるようになりました。
- ・ 各生活圏の生活圏外との域際取引を把握することができます。
- 生活圏産業連関表により他の統計資料などではわかりにくい各生活圏における産業ごとの地域外との取引(移輸出及び移輸入)を把握することができるようになりました。地域外との取引を把握することにより、たとえば地域に不足している産業部門の分析や対外的競争力を持つ産業部門の分析を行うことができます。
- ・ 生活圏ごとの「経済波及効果」を計測することができます。
- 産業連関表は観光、イベント、企業立地などが地域経済に及ぼす経済効果を計測するためのツールとなります。経済波及効果として発表されているものの多くは「産業連関表」を用いて行われています。生活圏別産業連関表を作成したことにより、従来の県経済全体を対象としていた産業連関表では困難であった各生活圏の産業構造の特徴を反映した経済波及効果を計測することができるようになりました。
平成12年生活圏別産業連関表の主な内容
1 域内生産額は県中地域が最大
域内生産額は県中地域が3兆9172億円で6生活圏の中で最も大きく、次いで県北地域が3兆7543億円、相双地域が2兆7762億円、いわき地域が2兆6626億円、会津地域が2兆305億円、県南地域が1兆3277億円となっています。
2 中間投入額は県北地域が最大、中間投入率は県南地域が最高
地域内産業の生産活動に必要な原材料・サービス等の取引額である中間投入額は、県北地域が1兆7764億円で6生活圏の中で最も大きく、次いで県中地域、いわき地域、相双地域、会津地域、県南地域の順でした。また、生産額に占める中間投入額の割合を示す中間投入率は、県南地域が51.1%で最も高く、相双地域が38.9%で最も低くなっています。
中間投入率は製造業で大きくなりサービス業で小さくなる傾向にあり、県北地域は生産額割合が大きい「電気機械」の中間投入率が高いので中間需要額が最大になっています。県南地域は製造業の割合が大きいため中間投入率が最高になっています。一方、相双地域は中間投入率が低い「電力・ガス・熱供給」の生産額割合が大半を占めているため全体的な中間投入率が低くなっています。
第1表 生活圏別域内生産額、中間投入額
3 総需要額は県中地域が最大
総需要額は、県中地域が5兆5580億円で6生活圏の中で最も大きく、次いで県北地域、相双地域、いわき地域、会津地域、県南地域の順となっています。総需要額に占める中間需要(生活圏内産業が生産活動を行うための需要)の割合は県南地域が34.3%で最高、総需要に占める域内最終需要(生活圏内における家計消費などの消費、設備投資などの投資による需要)の割合は会津地域が42.8%で最高、総需要に占める移輸出(生活圏外からの需要)の割合は相双地域が45.0%で最高となっています。
第2表 総需要内訳
4 移輸出額は相双地域が最大、移輸入額は県北地域が最大
移輸出額は相双地域が1兆8456億円で6生活圏の中で最も大きく、次いで県中地域、県北地域、いわき地域、会津地域、県南地域となっています。相双地域は域内生産額の大半を占める「電力・ガス・熱供給」の大部分を移輸出しているため移輸出額が大きく、域内生産額に占める移輸出額の割合である移輸出率も66.5%で最高となっています。
移輸入額は県北地域が1兆6637億円で6生活圏の中で最も大きく、次いで県中地域、相双地域、いわき地域、会津地域、県南地域となっています。県北地域は「電気機械」に代表される域際取引が盛んな産業部門の需要が大きいことなどにより移輸入額が大きくなっています。域内需要額に占める移輸入額の割合である移輸入率は相双地域が58.8%で最高となっています。相双地域の移輸出率、移輸入率がともに6生活圏中最高であることから、相双地域が県内で最も域際取引が盛んな生活圏であるといえます。域際収支額は相双地域、県中地域、県北地域、いわき地域、県南地域で移輸出超過、会津地域で移輸入超過となっています。
第3表 生活圏別移輸出入額、域際収支額
5 生産波及の大きさは会津地域が最大
34部門表による生産波及※(「事務用品」と「分類不明」を除く32部門の平均)の大きさは、会津地域が1.2376倍で6生活圏の中で最も大きく、次いで県中地域、いわき地域、県北地域、県南地域、相双地域となっています。
会津地域は自給率(域内需要に占める域内生産物の割合。自給率=1-移輸入率)が高く、生産波及の域外漏出が少ないので生産波及が大きくなっています。逆に、相双地域は自給率が低く、生産波及の域外漏出が大きいために生産波及が小さくなっています。
※ 生産波及 ある産業の生産活動が他の諸産業の生産活動に与える影響のこと。生産波及の大きさは逆行列係数の列和による。
第4図 生活圏別生産波及効果倍率(全産業平均)
競争力分析
平成12年福島県生活圏別産業連関表の作成により推計された域際取引の数値からRIC指数(顕示国際競争力指数)とRSCA指数(顕示対象比較優位指数)を計算し、各生活圏各産業の対外的競争力を分析しました。
分析により対外的競争力を有するとされた主な産業は次のとおりです。
注) 全産業を34部門に統合して分析した結果ですが、競争力を有すると分析された産業部門に属する産業すべてが対外的な競争力を有するというわけではありません。
産業連関モデル分析
平成12年生活圏別産業連関表と既存資料等を用い、分析事例として「各生活圏の観光入込客数が5%増加した場合の経済効果」を計測しました。平成17年における各生活圏の観光入込客数が5%増加した場合の総合効果は、会津地域が83.9億円で6生活圏の中で最大となり、次いでいわき地域が41.9億円、県北地域が30.4億円、県中地域が27.4億円、相双地域が10.6億円、県南地域が9.3億円となりました。
第5表 各生活圏別波及効果結果表
直接効果:経済波及の基になる効果。消費・投資などにより需要に変化が生じる時の最初の効果を指す。
一次波及効果:直接効果により生じる中間需要(原材料・サービスの需要)によって起こる効果を指す。
二次波及効果:直接効果と一次波及効果による生産誘発で生じた雇用者所得が消費に転換されることにより新たな生産を誘発する効果を指す。
総合効果:直接効果、一次波及効果、二次波及効果の合計。
効果倍率:直接効果に対する総合効果の倍率。
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