2005年版 福島県年次経済報告書
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
2005年版 福島県年次経済報告書
2005年版 福島県年次経済報告書(概要)
2005年版福島県年次経済報告書(速報)で平成16年の概況と主要経済指標の大まかな動きについては公表済みである(17.4.21公表)。
この報告書は、主要経済指標の変更(年間補正によるデータの改訂)に対応するとともに、更に詳細データを整理して分析を加え、まとめたものである。
1 平成16年の福島県経済の概況
- (1) 個人消費
- 大型小売店販売額は、アテネオリンピックや猛暑等の影響により一時的な増加もみられたが、年を通してみれば百貨店、スーパーとも依然として販売不振から抜け出せなかったため、前年を下回る結果となった。また、乗用車新規登録台数は、大型車、小型車、軽自動車が前年を上回ったが、中型車が販売不振により前年を下回ったため、4年連続で前年を下回った。
- (2) 建設需要
- 新設住宅着工戸数は、持家、貸家、給与住宅、分譲住宅ともに前年を下回り、低迷が続いたことから8年連続で前年を下回った。また、公共工事請負金額も税収減、地方交付税削減などの厳しい財政事情により、公共工事が減少し、5年連続で前年を下回った。
- (3) 生産活動
- 鉱工業生産指数は、前年からの回復の動きが年前半にかけては持続的に推移し、年後半にかけて情報化関連財等での減産の動きからやや弱い動きがみられたが、一般機械工業や電気機械工業を中心に回復基調で推移し、2年連続で前年を上回り、出荷指数も3年連続で前年を上回った。
- (4) 雇用情勢
- 新規求人倍率、有効求人倍率とも全国平均より低い水準ながら緩やかな改善傾向で推移したが、年末にかけてやや弱い動きがみられた。また、現金給与総額指数、所定外労働時間指数は前年を上回った。一方、常用雇用指数は低下傾向が続き、6年連続で前年を下回った。
以上のとおり、平成16年の本県経済は、平成14年1月を谷としたバブル崩壊後3回目の景気回復局面下にあって、所得面の改善の遅れなどから、個人消費が低調に推移し、また、建設需要の低迷が続くなど、一部に厳しさが残る状況があったものの、生産活動はおおむね回復基調で推移し、雇用面も低水準ながら改善傾向を持続し、全体としては持ち直しの動きが続いた。
2 各種統計データの動き
- 個人消費
- 大型小売店販売額は、7年連続で前年を下回り(既存店ベース)、低調に推移した。
- 乗用車新規登録台数は、4年連続で前年を下回った。大型車、小型車、軽自動車は前年を上回ったが、中型車は前年を下回った。
- 建設需要
- 新設住宅着工戸数は、8年連続で前年を下回った。持家、貸家、給与住宅、分譲住宅ともに前年を下回った。
- 公共工事請負金額は、5年連続で前年を下回った。
- 業務用建築物着工棟数は、年間ではわずかながら前年を上回り、2年連続で前年を上回った。
- 生産活動
- 鉱工業指数(総合)は、生産指数、出荷指数は前年を上回り、在庫指数は前年を下回った。生産指数は2年連続、出荷指数は3年連続で前年を上回り、一般機械工業や電気機械工業を中心に生産活動は回復基調で推移した。
- 大口電力使用量は、6年連続で前年を上回った。大口契約最大電力も年間を通して前年を上回った。
- 雇用・労働
- 新規求人倍率は、2年連続で前年を上回り、緩やかな改善傾向で推移した。新規求人数は、平成16年はほとんどの月で前年を上回って推移した。。一方、新規求職者数は基調として前年を下回る動きが続いた。
- 有効求人倍率は、2年連続で前年を上回り、緩やかな改善傾向で推移した。
- 現金給与総額指数(名目)は、2年連続で前年を上回った。超過労働給与指数は2年連続、特別給与指数は3年振りに前年を上回ったものの、所定内給与指数は2年振りに前年を下回った。
- 所定外労働時間指数は、すべての業種で前年を上回り、2年連続で前年を上回った。
- 常用雇用指数は低下傾向が続き、6年連続で前年を下回った。 業種別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業、飲食店、金融・保険業では前年を上回ったが、他の業種は前年を下回った。
- パートタイム労働者比率は、4年連続で前年を上回った。
- 物 価
- 国内企業物価指数(総平均)は、素材価格等の上昇により、7年振りに前年を上回った。品目別にみると、素材価格や原油価格の値上がりによる工業製品の上昇の影響が大きい。
- 福島県消費者物価指数(総合)は、6年振りに前年を上回った。10大費目指数でみると、家具・家事用品や教養娯楽などが下落したものの、住居、光熱・水道などが上昇した。財・サービス別にみると、農水畜産物、一般サービスなどが上昇した。
- 企業関連
- 企業収益は、全国企業短期経済観測調査(福島県分)の経常損益をみると、製造業、非製造業ともに増益となり、全産業では3年連続で増益となった。
- 企業倒産は、件数は2年連続で200件を下回った。負債総額も前年を下回ったものの、4年連続で1,000億円を超えた。負債総額5億円以上の大型倒産件数は25件となり、前年を下回った。
- 業況判断DI全国企業短期経済観測調査(福島県分)の業況判断DIをみると、製造業を中心として改善傾向が続いた。 中小企業業況DIは、全産業では平成16年1月の悪化超30.4から平成16年7月には悪化超14.9と改善傾向がみられたものの、年末にかけて悪化幅が拡大傾向で推移した。また、業種別にみると、建設業では悪化超50を上回る月が多数を占めるなど、業種間格差がみられた。
- 金 融
- 金融機関預金残高は2年連続で前年を上回ったものの、貸出残高は3年連続で前年を下回った。
- 貸出約定平均金利は、前年に比べて低下した。
- 景気動向指数
- 景気動向指数(DI)は、一致指数の動きをみると、平成14年1月を谷としたバブル崩壊後3回目の景気回復局面を持続している。
- 景気総合指数(CI)は、平成16年は上昇傾向で推移した。
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