2003年版 福島県年次経済報告書
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
2003年版 福島県年次経済報告書
2003年版 福島県年次経済報告書(概要)
2003年版福島県年次経済報告書(速報)で平成14年の概況と主要経済指標の大まかな動きについては公表済みである(15.4.25公表)。
この報告書は、主要経済指標の変更(平成7年基準から12年基準への指数の改定や年間補正によるのデータの改訂)に対応するとともに、更に詳細な分析を加え、まとめたものである。
1 平成14年の福島県経済の概況
- 平成14年の本県経済は、平成13年の生産の大幅な減少から、平成14年2月の景気の谷(暫定)を境に、旧電気機械工業(電気機械工業、情報通信機械工業及び電子部品・デバイス工業をいう。以下同じ。)など生産活動の一部に緩やかな回復がみられたが、個人消費、雇用情勢は年後半に変化がみられたものの低調に推移し、厳しい状況が続いた。
- 項目別にみると、消費面では、大型小売店販売額が、百貨店、スーパーとも依然として販売不振から抜け出せなかったため、全体では年間を通して前年を下回る結果となった。また、乗用車新規登録台数は、小型車、軽自動車が増加に転じたが、中型車、大型車が前年割れとなったため、2年連続で前年を下回った。
- 建設需要面では、新設住宅着工戸数は、給与住宅、分譲住宅で前年を上回る動きがみられたものの、持家の低迷から6年連続の前年割れとなった。また、公共工事請負金額は前年を下回り、業務用建築物着工棟数も前年を下回った。
- 生産面では、本県の主力産業である旧電気機械工業が生産を引き上げる動きに転じたことなどから、生産指数は前年比でマイナス幅を縮小し、出荷、在庫指数は前年を上回った。
- 雇用・労働面では、新規求人倍率、有効求人倍率とも年後半に緩やかながら改善の動きがみられたものの、年間を通してみると前年を下回り、厳しい状況となった。また、所定外労働時間指数も前年を下回った。
- 物価は、国内企業物価指数が2年連続の下落、福島県消費者物価指数は4年連続の下落となりデフレ傾向が続いた。
- このような状況下、企業倒産は、戦後最悪の負債総額だった平成13年を倒産件数、負債総額とも下回ったものの依然高水準であった。また、中小企業の業況感も製造業に持ち直しの動きがみられたが、全体として厳しい状況が続いた。
- 以上のとおり、平成14年の本県経済は、生産活動に回復の動きがみられたものの、雇用情勢、個人消費は低調に推移し、全体としては厳しい状況が続いた。
2 各種統計データの動き
- 個人消費
- 大型小売店販売額(全店舗ベース)は、5年連続で前年を下回り、低調であった。飲食料品は回復の動きがみられたものの、衣料品は販売単価の低下が続いた影響などで、百貨店、スーパーとも前年を下回った。
- 乗用車新規登録台数は、2年連続で前年を下回った。中型車・大型車は減少に寄与したが、小型車は新車の投入効果があって13年3期以降6期連続で前年を上回った。
- 現金給与総額指数(名目)は、前年を下回った。
- 物 価
- 国内企業物価指数(総平均)は、2年連続で下落した。工業製品が下落に大きく寄与した。
- 福島県消費者物価指数(総合)は、4年連続で下落した。10大費目指数でみると被服及び履物、教養娯楽が下落に大きく寄与しており、財・サービス分類指数でみると工業製品が下落に寄与した。
- 建設需要
- 新設住宅着工戸数は、6年連続で前年を下回った。持家、貸家が大きく減少した。資金別にみると、公庫融資住宅は大きく減少したが、民間資金住宅は増加した。
- 業務用建築物着工棟数は、2年連続で前年を下回った。
- 公共工事請負金額は、3年連続で前年を下回った。
- 生産活動
- 鉱工業指数(総合)は、生産指数は前年を下回ったものの、出荷指数、在庫指数は前年を上回った。出荷指数は2年振りに前年を上回り、生産指数はマイナス幅を縮小するなど、生産活動に改善の動きがみられた。業種別にみるとウエイトの高い旧電気機械工業を中心に生産が増加した。また、財別にみると鉱工業用生産財が前年を上回った。
- 製造品出荷額等は、前年を下回った。
- 大口電力使用量は、4年連続で前年を上回った。契約電力は、3年振りに前年を下回った。
- 雇用・労働
- 新規求人倍率は、2年連続で前年を下回った。新規求人数は、14年前半は製造業等で大幅に減少したが14年後半は製造業、サービス業で増加し、全体では前年を上回った。一方、新規求職者数は増加し、前年を大きく上回った。
- 有効求人倍率は、2年連続で前年を下回った。14年前半は低い水準で推移したが、年後半は緩やかな改善の動きがみられた。
- 所定外労働時間指数は、2年連続で前年を下回った。
- 常用雇用指数は、4年連続で前年を下回った。業種別にみると運輸・通信業、金融・保険業、サービス業は前年を上回ったが、それ以外の業種は前年を下回った。
- パートタイム労働者比率は、2年連続で前年を上回った。
- 雇用人員判断DI(全国企業短期経済観測調査(福島県分))は、雇用人員の過剰感は次第に弱まる傾向となったが、解消するまでには至らなかった。
- 人員整理の状況をみると、特に製造業で14年1期に大幅な人員整理がみられた。
- 金 融
- 金融機関預貸残高は、預金残高、貸出残高とも前年を下回った。預金残高は、定期性預金ペイオフ解禁の影響などから銀行・第二地銀、信金・信組が減少した。貸出残高は、銀行・第二地銀が大きく減少した。
- 貸出約定平均金利は、ほぼ横ばいで推移した。貸出態度判断DIをみると、企業側からみた金融機関の貸出態度は厳しさが増した。
- 企 業
- 企業倒産は、件数、負債総額とも前年を下回ったものの依然として高水準となった。大型倒産が多発し、原因別にみると不況型倒産が多かった。
- 業況判断DI全国企業短期経済観測調査(福島県分)をみると、業況は平成13年以降の悪化基調から改善する動きに転じた。製造業(特に電気機械)で改善がみられた。中小企業業況判断DIでは、マイナス幅が縮小する動きとなった。業種別にみると、製造業は回復基調となったが、建設業、卸売業、小売業、サービス業は年間を通して厳しい水準にあった。
- 景気動向指数
- 景気動向指数(DI)は、一致指数が14年2月を景気の谷(暫定)として4月以降、景気拡張局面に転じたことを示す動きとなった。
- 景気総合指数(CI)は、14年2月を谷(暫定)として、低い水準ながらも回復基調となった。
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