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2015年06月留学生スタディツアー参加者レポート15

大学名:  東日本国際大学名前: 王 心語  (オウ シンゴ)

  6月20日と6月21日に行われた一泊二日のスタディツアーを通して、福島県の現状及び現地の住民たちに取り巻く環境について認識を改めることになりました。ツアーのはじめに、私たちは福島県農業総合センターを訪れました。同センターは福島県の農業に関する安全生産や教育研究及び実験を行う総合的施設で、原発事故発生以降は県産食品に含まれる放射性物質のモニタリングングの収集、分析及び研究も行うようになりました。同センターの担当者の話によると、東日本大震災のあと、日本政府は食品の安全基準を厳しく見直し、除染作業などを通して放射能による被害を軽減することに尽力していました。さらに、担当者は私たちにモニタリング検査に使われる機械及び検査の流れを紹介してくれました。様々な機材が並ぶ実験棟では、私たちは送検された食品はここに搬入されたあとの検査状況及び検査結果を知ることができました。正直、私の予想とは大きく違いました。福島県のほとんどの区域は安全で、原発事故で放出された放射性物質による人体への影響はちゃんと安全範囲にコントロールできるということがわかりました。言い換えれば、現在福島県に出回る食品は安心して食べられます。

 おいしい食事を頬張ったあと、私たちは会津電力株式会社の取り組みについて学びました。会津電力株式会社は自然エネルギーを用いた発電(主にソーラーパネル)を行う事業主で、会社の構成メンバーはそれぞれ他の業務を営むのはひとつの特徴です。言い換えれば、会津電力はエネルギー専門でない「素人」たちによって立ち上げた団体です。震災をきっかけに発足した会津電力は、メンバー全員が美しいあるべき未来へ福島を戻そうとする意気込みや後世への思いを持っていました。太陽光発電はクリーンエネルギーの一種で、人体及び自然環境に危害を及ばさないことで知られており、いわば理想的なエネルギーです。しかし一方で、太陽光発電は季節の変化、昼夜の温度差及び天候などの条件によって左右されています。安定かつ持続的発電環境が制限されるうえ、発電量の予測が難しいゆえ、会社自体の収益は好ましくありません。それでも、メンバー一同は諦めずに設備の向上に没頭し、来るべき未来を向けてひたすら努力しています。その姿に、私たちは心を打たれずにはいられませんでした。

 初日の夜は、県内の農家で宿泊しました。料理は私を含める留学生たちが作ったもので、終始ほのぼのの雰囲気でした。家主と現地の住民たちはみんな暖かくて親切な人ばかりでした。一宿一飯のお付き合いですが、震災に負けずに頑張っている県民の姿に触れることができました。翌日の朝、農家に別れを告げた後、私たちは会津若松市の鶴ケ城を訪れました。天守閣の最上階に登ると、会津のシンボルである磐梯山や、街全体の風景を一覧することができました。

 ツアーの最後、私たちは「IIE」と呼ばれる会津木綿を原料として、ストールなどのアパレルを生産する会社を見学しました。意味深いことに、会社名である「IIE」の由来は東日本大震災が発生した日付「311」を逆さにしたものです。会社の工場に勤める従業員たちは、被災した福島のために自分の力でなんとか貢献したいという女性がメインで、「IIE」の仕事はその気持ちを実現してくれるだけでなく、想いを込めた手作りの品々はやがて防寒性とファッション性に優れたグッズになり、購入者を優しく包みます。従業員たちが努力した甲斐もあって、「IIE」のブランドは現在海外進出を果たし、世界中の人々が妥協なき福島県民の姿に触れるチャンスがさらに一つ増えました。

 楽しい時間はいつも短く感じるもので、スタディツアーの終盤はあいにく雨が降り出して、まるで私たちを止めようとしていました。二日間の日程を通して、親身となって福島県民が経験した痛みを味わうことができませんが、今回のツアーのおかげで、福島県の現状を今まで以上に知ることができました。私は、自分が見て感じた福島県のすべてを友達や家族に伝えたいと思います。福島県民の努力は必ず報われて、福島の未来は必ず輝くに間違いありません。

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