ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

2014年第一回留学生スタディツアー参加者レポート09(ニアン アブドライさん)

大学名:会津大学

名前: ニアン アブドライ(セネガル)

 6月28日と29日、私は福島県が主催する留学生スタディツアーに参加しました。そのツアーで、私たちは福島の素晴らしいたくさんの場所を訪れました。

  まずはじめに、私たちは郡山市の福島県農業総合センターを訪問しました。そこは福島県の農産物の食の安全や安心を促進したり、農業技術の発展のための教育を実施したりする施設です。そこで私たちはセンターの仕事内容について職員の方から説明を受けました。私にとっては環境放射能のモニタリング検査に関する説明や紹介がとても印象に残りました。というのもこれまで私は福島県の食べ物について正直心配していたからです。また福島県産の農産物が安全だということをどのように把握しているか、放射性物質が農産物に与えている影響をどのように把握しているか、そして県産農産物の信頼回復に向けてどのような努力を積み重ねているかなどについてお話を聞くことができました。この訪問を経て、私は福島県の農産物が安全だということを確信することができました。なぜなら出荷前に繰り返し、注意深く検査を実施しているといことを知ることができたからです。これからは心配なく福島県の食べ物をすべて食べることができると思います。

 その後私たちは鶴ヶ城を訪問し、そこで会津の歴史や伝統に触れることができました。私たちはガイドさんから歴史などについて簡単な説明を受けました。鶴ヶ城は600年前に建てられ、東日本の中でも最も素晴らしいお城の1つです。5階建てのお城の中は1階から3階まで博物館として様々なものが展示されています。また4、5階は展望台となっており、磐梯山をはじめ市内を一望することができます。

 3番目の視察先として私たちは福島空港と福島ソーラーパークを訪れました。2011年の3月、東日本大震災で福島空港は管制塔のガラスなどが割れたりしましたが、滑走路やターミナルは特に大きな被害は少なかったそうです。空港は3月11日当日から運用時間を24時間に延長し、人命救助や救援物資の輸送などの役割を果たしていました。現在大阪や札幌便など国際線は再開していますが、国際線に関しては未だ運航の見通しは立っていないそうです。

 福島空港で説明を受けた後、私たちは福島ソーラーパークを視察しました。そこには10の国と地域で生産された30種類のソーラーパネルが並び、それらの性能評価などが検証されています。メガソーラーの1日の発電量は約330世帯分の電力にあたる、1,200kwだそうです。またそこは再生可能エネルギーに関する学習施設としての役割も果たしているそうです。この事業は再生可能エネルギー推進の象徴的な事業だと思うし、原子力発電などのような他の発電方法に比べて、より安全でより安価だと思うので、素晴らしい取り組みだと思いました。

 翌日はいわき市のアクアマリンふくしまを訪れました。アクアマリンふくしまも東日本大震災により大きなダメージを受けました。地震でガラスパネルやタンク、人工岩などが破損し、地割れや地盤沈下なども起こりました。また津波が水族館を襲い、電気、ガス、水道などのライフラインが止まり、新鮮な餌が手に入らなくなるなど、普段通りの飼育が困難となりました。そのため生き物たちの命の救出作業がはじまりました。海に放された生き物もいましたし、また他の水族館へ移送されたものもいました。それから4か月間の間に、電気、水道、海水、下水道などが復旧し、通常の状態を取り戻しました。そして2011年7月15日、アクアマリンふくしまは再オープンし、通常の業務が再開されました。震災を経て、アクアマリンふくしまは未来に向けて新しい計画を立てています。彼らはいわき市の復興のシンボルとして、幅広い分野の環境教育を担い、その推進を図っていきたいと考えています。そのような水族館を実際に見学することができ、本当にうれしかったです。私としては、アクアマリンふくしまはこれまでに訪れた水族館の中で、最も素晴らしい水族館だと思います。

 私たちが最後に訪れたのはいわき市の久之浜地区でした。地震と津波がこの地域に大きな被害をもたらしました。多くの家屋が破壊され、たくさんの命が奪われました。また当時福島第一原発発電所の近くに住んでいた人たちは、他の地域に避難しました。現在福島県は被災した町の再建と復興のため、多くの努力をしています。道路の嵩上げ復旧、区画整理や防災集団移転による住宅地の集約、防災緑地の新設、海岸堤防の嵩上げ復旧などに取り組んでいます。

 私たちはまた現地の住民の方々と交流し、話を聞くことができました。そこから災害に対する備えの大切さ、災害に直面した時の冷静さの重要性を改めて感じました。また、災害とは辛いものですが、それを通して人間はひとつに団結する素晴らしさをもっていると思います。福島のみなさんは復興という同じゴールに向けて共に歩んでいるのだと強く感じました。

概要のページへ戻る