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正しい情報を発信する

蒋 薇さん

名前: 蒋 薇

国籍: 中国

福島県上海事務所職員、中国中学生福島応援ツアー引率
(2014年03月)

訪問先:会津若松市等

メッセージ

 福島県上海事務所での勤務は5年目に入りました。震災前と震災後、私たちの仕事の内容がガラリと変わりました。福島県への観光客誘致、県産品の宣伝・販売から福島県の現状説明や、正しい情報を発信することになりました。

 残念ながら、中国では福島に関するイメージは「放射線問題」が先行しています。しかし、日中両国の専門機関が公表するデータを照合すると、福島県、特に会津地方の環境放射線レベルは中国の上海、北京等の大都市とほぼ変わらないことが分かりました。
 数値を見ればわかりきったことなのに、なぜ誤解が溶けないままなのでしょうか?私は、情報交換が足りないことこそ、根本的原因だと思います。そして、日中両国の国民による直接の交流は、誤解をなくすための大きな鍵となると思います。嬉しいことに、福島県と中国の上海市との間では震災以降も、青少年交流事業が途絶えることなく、盛んに行われています。私が仕事で携わったのは、上海理工大学の福島復興応援ツアー、上海復旦中学の福島県視察訪問ツアー、福島県高校生代表上海交流事業、そして今年2月に行われた中国大学生福島現状情報発信ツアーなどが挙げられます。

 私が気がついたのは、中国の学校は主に先生たちがお膳立てをして学生を引率するのに対し、福島県の学生たちは自発的に交流イベントを企画し、旅費と会場の確保や交通手段の手配、そしてイベントの実施まですべて学生自身で成し遂げることです。「自分の力でふるさとのために、何らかの形で貢献したい」という気持ちと行動力に、ただただ感心しました。
 未曾有な震災を経験し、心が大きく成長した福島県の学生たちは、上海の学生たちとの交流を通じて、福島県の現状を伝えるとともに、同年代の上海の学生たちの心を揺さぶり、いい影響を与えてくれました。復旦中学の有志たちが学生新聞で「福島の窓」という特集の連載をスタートし、交流事業で訪れてきた福島県の高校生たちへのメッセージや本校学生からの福島県に対するメッセージなどといった内容を掲載しています。 私は、ふくしまの未来は、福島県の若者たちと世界中の若者たちとの交流にあると思います。私としては、今後も交流事業に精一杯協力して、ふくしまの復興、そしてふくしまの未来を見守っていきたいと思います。

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