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(県外JETスタディツアー)参加者レポート04

名前: ディラン・チャップマン勤務先: 岩手県陸前高田市役所企画部商工観光課

 今月の初め、私は初めて福島を訪れました。東北や関東のCIR(国際交流員)たち22名とともにツアーに招かれ、地場産のご当地料理を味わうなど県内のあらゆる観光体験をしたり、大震災以降この5年でいかにして福島が復興の道を歩んできたかなどを学びました。震災から5年が経過しているというのに、福島を取り巻くゴシップや誤解、根も葉もないうわさは後を絶ちません。そしてそれが観光業や福島県のイメージにいまだに暗い影を落としています。例えば、インバウンドを狙った事業「Visit Japan」で私が自分の勤める岩手県についてプロモーションした際、震災から5年経過しておりなおかつ福島と隣り合っているわけでもないのに、岩手県の放射能レベルを心配する外国人エージェントがたくさんいたものです。実際、福島県は完全に安全であるとは言い切れないところもあるでしょうが、美しく、興味を惹く魅力にあふれ、訪れる価値のある場所です。自分自身で福島県を訪れたことは私にとって非常に大きな意味があり、これで私は自信を持って岩手県を訪れようとしている人に「心配ない」と請け合うことができます。

 さてツアーの最初に訪れたのは、福島県環境創造センターです。ここは、震災とその復興に焦点を置いた体験型・視聴覚型の博物館です。ここで駆使されていた現代的な技術に私は大変感銘を受けました。そして、私の住む町である陸前高田市にも、福島県からきっかけをもらって、2019年までには震災復興記念館のようなものができたらいいなと願わずにはおれませんでした。

 次に、私たちは地元の食材を用いたビュッフェランチを食するために三春ハーブ園を訪れました。料理はとても美味しく、私は食後にもう一人の岩手県出身のCIRとともに隣接したカフェに立ち寄り、地元の方と語らいを楽しみました。レストランもカフェもどちらも洗練された建物で、そういったところからも福島の復興と発展が進行しているのだと見て取れて、嬉しい気持ちになりました。 

 会津では、私たちは福島のより伝統的な側面を目の当たりにしました。最初に、牛をかたどった福島の伝統的な人形の絵付けという楽しい体験をしました。それから会津若松城(鶴ヶ城とも言うそうですね)ツアーをしてもらいました。私は日本で数々の城めぐりをしてきましたが、これまでに見てきた中でも会津若松城は大変印象的でした。
湯野上温泉のホテル大坂屋では、内風呂・露天風呂や和食スタイルの夕食・朝食などの「旅館」形式でおもてなしを受けました。畳と布団のある伝統的な日本式な部屋は、世界中の典型的なホテルと比べても大変独特で、楽しい経験でした。

 翌日は「塔のへつり」を訪れました。これは、母なる自然の絶景とともにみられる岩の連なりで、近くには土産物や露店もありました。ここはこの旅で私の一番のお気に入りの場所でした。対岸の岩に直接橋がかかって渡れるようになっていたのですが、対岸をただ遠くからみるよりずっと良いと思ったからです。
ツアー最後の体験は、大内宿のとある施設でのそば打ち体験です。料理が趣味の一つなので、とても楽しい体験でしたが、麺をいちから作ったことがあまりなかったのでこの蕎麦つくりの技術を学んでいつか自宅で自分の手でまた作りたいと強く思いました。他の4人の参加者とともにそば打ちをし、てんぷらなどと一緒に美味しくいただきました。

 福島を去るに当たり、私は今回の様々な体験や経験を思い返していました。 福島に震災は確かにありましたが、それは同時に震災とそこからの復興を学ぶ機会を与えてもくれました。しかし、岩手や宮城もそうですが、福島はただ震災について学ぶ場所というだけではありません。美しい自然があり、美味しい食べ物があり、ほっとできる温泉があり、にぎやかな都市もあります。福島での体験を、職場の仲間や海の向こうの家族や友達に伝え共有できると思うと、今からとてもわくわくします。

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