今回のJETスタディツアーの一環として、我々はいわき市の北東にある久ノ浜地区に訪れた。久ノ浜地区は2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた。当時、7メートルにも及ぶ大津波やそれに伴った火災は無情にもこの地を襲っていたという。 我々は津波被害を受けた主な地域を見学することに。バスに降りた途端、我々はすぐさま自分が果てた廃墟にいることに気付いた。津波は何もかもさらってしまい、残されたものはただ建屋の跡しかない。幸い、瓦礫は現在すでに撤去され、ここに住んでいた住民が再び生活を取り戻せるよう、インフラ設備や湾岸の強化工事などの復興作業が進んでいる。 写真の位置に立つと、津波が山の一部をえぐり、ギザギザな崖の表面を見ることができる。それは、見るものすべてに津波の猛威を思い知らせる証拠でもある。 少し歩くと、やがて奇跡的に震災から壊滅を逃れた神社が目の前に現れた。この神社は元々取り壊される予定だったが、震災の記念として保存することになったという。写真の通り、神社周辺に咲く幾輪の花と周りの廃墟とは全く対照的な構図となっている。 久ノ浜商店街を含め、ほとんどの建物が震災時全壊された。しかし、震災後ちょうど半年経った頃、地元の有志によって、地元の小学校の跡地に仮設住宅式の「浜風商店街」が建設されることになった。 「一日でも早く復興を実現し、一人でも多く地元住民の笑顔が見られるように商品を提供する」という理念に基づき、一部の店舗が浜風商店街で営業を再開し、やがて地元に残る住民にとって最も近くて便利な買い物や交流な生活拠点になっていった。 写真に写る場所は商店街にある久ノ浜再生機構情報センターである。我々はそこで地震や津波、そして火災の説明を受けることになった。また、センターでは地元住民が撮影した被災当時の状況を記録した写真も多く展示されている。 その後、我々は商店街を回り、会話を兼ねて地元の住民とコミュニケーションを築いていた。 私が福島に来た理由の一つは、被災者に元気を付けることである。しかし、私はいつしか、優しく微笑んでくれる被災地の人々の笑顔に元気づけられるばかりだった。彼らはどんなに逆境にもめげずに、ふるさとの復興を信じて力を惜しまぬ努力し、その前向きな姿勢は本当に賞賛に値するものである。もしあなたはまだ自分探しの途中であれば、ぜひ一度久ノ浜地区に来てみてください。暖かい笑顔で癒されるに間違いない。 東日本大震災に逢われた日本に贈る「花は咲く」という名の応援歌がある。偶然にも商店街でこの歌を耳にした時、私は津波に襲われた廃墟からやがて花が成長していく姿を連想した。咲く花はこの地にまだ命を宿られる力を象徴し、そして故郷を離れざるを得なかった人たちの帰りを辛抱強く待っていることをも例えることができる。 復興が一日も早く実現すること、そしてこの地にいた住民たちが一日も早くふるさとに帰れること――それは私の最大の願いである。 (投稿者:ウィリアム) |
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